JPH0125658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ブームスプレーヤは第１図に示すように走行可
能な車両本体１にブーム本体２を取り付け、この
ブーム本体２には多数のノズル３を有する噴霧管
４を固定してある。また前記ブーム本体２にはこ
のブーム本体２内に収納し又はこのブーム本体２
の外部に伸張し得るよう摺動自在に保持されたス
ライドブーム５が設けてある。このスライドブー
ム５にも多数のノズル６を有する噴霧管７が固定
してあるものである。すなわち、図示しないが、
車両本体１内に設けられた薬液タンクより供給さ
れる薬液を噴霧管４及び７を通じてノズル３及び
６より散布するものであり、スライドブーム５を
伸縮することによつてその散布範囲を加減できる
ものである。

このようなブームスプレーヤにあつては従来は
噴霧管４をブーム本体２又はスライドブーム５等
のブームに固定する方法としては、第２図に示す
ように押さえ板８及びビス９等を用いて噴霧管４
をブーム２又は５に押圧固定する等の方法が採用
されていた。しかしながら、このような従来の方
法は固定の原理が押さえ板でパイプを押圧し、パ
イプと押さえ板との摩擦力で保持するものであ
る。このためパイプが回転してノズルの方向が変
化しないように確実に固定しようとすると押さえ
板でパイプを強力に押圧しなければならないが、
あまり強く押圧するとパイプが変形してしまうた
め限度があつた。このため取り付けの際の押圧の
加減がきわめて難かしく、多くの工数を必要とし
た。そのうえ使用中に弛んでノズルの方向が変化
し、散布を困難にする等の不安を残すものであつ
た。このため、散布前の点検等が必要となり、煩
雑であつた。更に、噴霧管の他に押さえ板等の部
品が必要であり、部品点数も多いために製作コス
ト及び組み付けコスト上も不利であつた。

この考案は以上に述べた事情に鑑みなされたも
ので、その目的は、噴霧管にブームの一側面に向
つて突出する腕部が形成され、ブームの一側面に
ブームの長手方向に沿つて長い断面〓形の溝が形
成され、この溝内に取付手段が係止され、この取
付手段と前記腕部とが連結されることによつて、
噴霧管が容易にブームに取付けられ、前述した従
来の問題点を解決し得るところのブームスプレー
ヤの噴霧管の取付構造を提供することにある。

以下添付図面に基づいてこの考案を詳細に説明
する。

第３図及び第４図はこの考案による構造を施こ
して成るブームスプレーヤのブームの側面図及び
要部拡大図で、ブーム１０は紙面に垂直方向に長
い棹状である。なお、ブーム１０は前述のよう
に、ブーム本体２及びスライドブーム５，５′が
備えられる。ブーム１０に装着される噴霧管４，
７，７′には前記薬液タンクに連結される薬液通
過孔１１がそれぞれ形成され、また、この薬液通
過孔１１に連通され、薬液を散布し得るノズル
３，６，６′が噴霧管４，７，７′にそれぞれ適宜
間隔をおいて複数配設される。

そして、噴霧管４，７，７′にはそれぞれ適宜
間隔をおいて板状の腕部１２が装着部材１３によ
つて又はアルミ型成形によつて一体的（図示を省
略する）に前記ブーム１０のそれぞれの一側面で
ある２ａ，５ａ，５a′に向つて突設される。そし
て、この腕部１２には適宜数のボルト孔１２ａが
それぞれ穿設される。

また、ブーム１０のそれぞれ取付面２ａ，５
ａ，５a′には、それぞれ断面〓字形の溝１４が長
手方向に沿つて形成され、これは、ブーム１０の
アルミ型成形の際に容易に形成可能であり、この
溝１４には、同溝１４の内壁面１４ａによつて回
転が阻止されるナツト部材であるナツト１５が長
手方向に摺動可能に内設される。

そして、前記腕部１２に穿設されたボルト孔１
２ａに貫通されるボルト部材であるボルト１６が
それぞれ前記ナツト１５にねじ結合され、噴霧管
４，７，７′が前記取付面２ａ，５ａ，５a′に取
付けられる。この際、ナツト１５は溝１４に沿つ
て摺動されるため、ボルト１６の位置に容易に合
わせることができ、また、噴霧管４，７，７′の
位置も、ナツト１５を摺動させることによつて容
易に修正することができる。更に、ボルト１６を
ナツト１５にねじ結合する際、ナツト１５の回転
が阻止されているため、ナツト１５を押え付ける
ことなく容易にねじ結合することができる。

また、ナツト１５とボルト１６の替わりに、第
５図に示すように、噴霧管２０及び腕部２１がア
ルミ型成形によつて一体的に成形される際に、噴
霧管２０に沿つて長い板状の係合部材２２が形成
され、この係合部材２２が前記溝１４内に摺設さ
れ、係合部材２２に複数穿設されるねじ孔２３に
ねじ結合され先端部が貫通され、かつその先端部
が溝１４の内壁面１４ｂを押圧するボルト部材で
あるボルト２４によつて、係合部材２２の縁部２
２ａが溝１４の縁部内壁面１４ｃに押圧され、そ
の間の摩擦力によつて噴霧管２０がブーム１０の
取付面２ａ，５ａ，５a′に装着される構造とする
ことも可能である。

以上に述べたように、この考案による構造によ
れば、噴霧管を直接押圧することがないため、噴
霧管を変形する虞れもなく、また、ブームにねじ
孔をあけたりする工程が必要でなく、ブームはア
ルミ型成形によつて容易に成形することができ、
また組付ける際にも、溝に沿つてナツト部材又は
係合部材が摺動可能であるため、容易に修正がで
き、より簡単に組立てることができ、また部品点
数も少なく、コストダウンを図る等の効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はブームスプレーヤの全体図、第２図は
従来の構造を示す斜視図、第３図はこの考案によ
る構造を示す側面図、第４図は第３図に示す構造
の要部拡大図、第５図はこの考案による構造の他
の実施例を示す要部拡大図である。 図面において、２ａ，５ａ，５a′……一側面
（取付面）、３，６，６′……ノズル、４，７，
７′……噴霧管、１０……ブーム、１２，２１…
…腕部、１２ａ……孔（ボルト）、１４……溝、
１５……ナツト部材（ナツト）、１６，２４……
ボルト部材（ボルト）、２２……係合部材、２３
……ねじ孔、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 走行可能なスプレーヤ本体から延長されるブ
   ームに装着されかつ薬液を散布するノズルが複
   数配設される噴霧管を前記ブームに装着するた
   めの取付構造であつて、前記噴霧管に前記ブー
   ムの一側面に向つて突出する腕部が形成され、
   前記ブームの一側面にブームの長手方向に沿つ
   て長い断面〓形の溝が形成され、この溝内に取
   付手段が係止され、この取付手段と前記腕部と
   が連結されることによつて前記噴霧管がブーム
   に取付けられて成るブームスプレーヤの噴霧管
   の取付構造。 ２ 前記取付手段が、前記溝内に長手方向に摺動
   可能に挿入され、かつ同溝の内壁面によつて回
   転が阻止されるナツト部材と、前記腕部に穿設
   される孔を貫通して前記ナツト部材にねじ結合
   されて前記腕部をブームの一側面に固定し得る
   ボルト部材とで形成されて成る実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のブームスプレーヤの噴霧
   管の取付構造。 ３ 前記取付手段が、前記腕部と一体的に形成さ
   れ、かつ前記溝内に摺設される板状の係合部材
   と、この係合部材に穿設されるねじ孔に貫通ね
   じ結合されかつその貫通端部によつて前記溝の
   内壁面が押圧されて前記係合部材が前記溝の内
   壁面に押圧固定されるボルト部材とで形成され
   て成る実用新案登録請求の範囲第１項記載のブ
   ームスプレーヤの噴霧管の取付構造。