JPH0124819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はケーブル被覆後処理装置、さらに詳細
には、溝付フラツトケーブルの製造ライン途中に
設置して使用されるケーブル被覆後処理装置に関
するものである。

導体外周に溝付絶縁被覆をフラツト状に押出成
形して得られる所謂溝付フラツトケーブルは、ケ
ーブル厚みに対して幅方向の寸法が大きく、かつ
可撓性に富んでおり、フラツト面に多条の溝を有
している。しかし、このタイプのフラツトケーブ
ルは、フラツト面に多条の溝を有しているため、
導体の外周に絶縁被覆を押出成形した後、冷却処
理をほどこした場合に、水滴が狭い溝内に入り込
み、容易に除去することができない。特にフラツ
トケーブルを水平にして引取り側に走行させる場
合にあつては、ケーブル上面の溝内に入り込んだ
水滴が落下せず、その傾向が著しい。

また、溝付フラツトケーブルの生産性向上化を
目的として、当該ケーブルの線心数を多数列配置
とし、その後、このケーブルを所定の線心数に分
割することがおこなわれているが、多心ケーブル
を所定の線心数に分割するにあたつては、フラツ
トケーブルが横振れ（蛇行）し、所定の寸法に分
割することが困難となる。しかして、従来におい
ては、ガイドローラによつてフラツトケーブルの
横振れを規制するようにしているが、フラツトケ
ーブルは可撓性に富むため、その両端寄りの部分
だけがガイドローラで押付けられる格好となり、
ケーブルの横振れを完全に規制し得ない難点があ
つた。

なお、上記した溝付フラツトケーブルの片側あ
るいは両側に標識用マーキングをインク塗布する
場合にあつても、マーキングミスをなくすために
は、ケーブルの横振れ防止が重要になつてくる。

本考案は、以上の点を考慮してなされたもので
あつて、その目的とするところは、溝付フラツト
ケーブルを製造ライン途中で冷却処理する場合の
水滴除去、さらにはケーブル分割や標識用マーキ
ング処理時における横振れ防止を確実におこなう
ことのできる、作業性にすぐれたケーブル被覆後
処理装置を提供しようとするものである。

本考案に係るケーブル被覆後処理装置は、溝付
フラツトケーブルの製造ライン走行部に位置し、
走行ゲーブルのフラツト状絶縁被覆部表面に接触
する吸引ボツクスと、上記吸引ボツクスに接続さ
れた吸引管と、吸引管に接続されたブロアと、ブ
ロアに接続された排出管とよりなることを特徴と
するものである。

図面は本考案装置の一実施例を示し、第１図は
その全体的構成説明図、第２図は第１図のＡ−Ａ
拡大断面図である。

第１図において、符号１は導体外周に溝付絶縁
被覆をフラツト状に押出成形して得られたケーブ
ルで、ケーブル１は、同図矢印ｘ方向に引取られ
る。２，２はケーブル１の走行部途中に位置し
て、その走行ケーブル１のフラツト状絶縁被覆部
表面に接触する吸引ボツクスで、吸引ボツクス
２，２のケーブル接触面には、第２図に示すよう
に、小孔３，３…が多数設けられている。４は上
記各吸引ボツクス２，２に接続された吸引管、５
は吸引管４に接続されたブロア、６はブロア５に
接続された排出管を示し、図示実施例の場合、吸
引ボツクス２，２の吸引力は、吸引管４の途中に
設けられた弁７によつて調整される。

本考案は以上のごとき構成よりなり、次に、本
考案装置によつて溝付フラツトケーブルの表面か
ら冷却水滴を除去する場合の動作について説明す
る。

いま、導体外周に絶縁被覆を押出成形して得ら
れた溝付フラツトケーブル１に冷却処理がほどこ
され、第１図の矢印ｘ方向に走行してきたものと
する。また、このとき、ブロア５は運転を開始し
ているものとすると、ケーブル１のフラツト状絶
縁被覆部表面に付着している水滴は、吸引ボツク
ス２，２の部分を通過する間に、当該ボツクス
２，２のケーブル接触面に多数設けられた小孔
３，３…からボツクス２，２内に吸引され、吸引
管４および排出管６を経て速やかに系外に排出さ
れるものであつて、本考案によれば、フラツトケ
ーブルを水平にして引取り側に走行させる場合で
あつても、ケーブル上面の溝内に入り込んでいる
水滴の除去作業は簡便である。

また、上記した水滴除去工程の説明からも明ら
かなように、フラツトケーブル１は、吸引ボツク
ス２，２に吸引されて当該ボツクス２，２を密着
しながら第１図の矢印ｘ方向に真直に引取られる
ため、ケーブル１の横振れをも効果的に規制する
ことができ、したがつて本考案装置をケーブル分
割や標識用マーキング処理時における横振れ防止
装置として使用することもできる。

以上、本考案によれば、溝付フラツトケーブル
を製造ライン途中で冷却処理する場合の水滴除
去、さらにはケーブル分割や標識用マーキング処
理時における横振れ防止を確実におこなうことの
できる、作業性にすぐれたケーブル被覆後処理装
置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るケーブル被覆後処理装置の
一実施例を示し、第１図はその全体的構成説明
図、第２図は第１図のＡ−Ａ拡大断面図である。 １……溝付フラツトケーブル、２……吸引ボツ
クス、３……小孔、４……吸引管、５……ブロ
ア、６……排出管、７……弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並列配置した複数本の導体外周に絶縁体を押出
   し被覆して得られる溝付フラツトケーブルの製造
   ライン走行部に位置し、該走行フラツトケーブル
   の幅方向のフラツト状絶縁被覆部表面全体と接触
   する接触面に多数の孔を有する吸引ボツクスと、
   上記吸引ボツクスに接続された吸引管と、該吸引
   管に接続されたブロアと、該ブロアに接続された
   排出管とよりなることを特徴とするケーブル被覆
   後処理装置。