JPH01247170A - 耐熱性絶縁基板およびサーマルヘッド - Google Patents

耐熱性絶縁基板およびサーマルヘッド

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JPH01247170A
JPH01247170A JP7526888A JP7526888A JPH01247170A JP H01247170 A JPH01247170 A JP H01247170A JP 7526888 A JP7526888 A JP 7526888A JP 7526888 A JP7526888 A JP 7526888A JP H01247170 A JPH01247170 A JP H01247170A
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JP7526888A
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English (en)
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Katsuhisa Honma
克久 本間
Masaru Nikaido
勝 二階堂
Hisafumi Kaneko
尚史 金子
Masato Kamata
眞人 鎌田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/315Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material
    • B41J2/32Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads
    • B41J2/335Structure of thermal heads

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  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ファクシミリやプリンタなどの感熱記録装置
に用いられるサーマルヘッドとこのサーマルヘッドや各
種電子機器に用いられる耐熱性絶縁基板に関する。
(従来の技術) 最近、ポリイミド樹脂のような耐熱樹脂を各種基板上に
絶縁層や蓄熱層などとして設けた耐熱性絶縁基板が、サ
ーマルヘッドの高抵抗基体やハイブリッドIC用の多層
回路基板などのような熱に対して高い信頼性が要求され
る各種電子機器の支持基体などとして多用されるように
なってきている。
たとえばサーマルヘッドにおいては、高抵抗基体として
従来のアルミナなどのセラミック基板上にグレーズガラ
ス層を熱の放散および蓄熱をコントロールする保温層と
して形成してなるものに代えて、セラミックス基板や金
属基板上にポリイミド樹脂層を形成した耐熱性絶縁基板
が用いられている。
このポリイミド樹脂層を保温層として設けたサーマルヘ
ッドとしては、たとえば以下のような構成を有するもの
が知られている。
すなわち、Fe合金などからなる金属基板上に蓄熱層と
絶縁層とを兼ねるポリイミド樹脂などからなる耐熱樹脂
層を形成し、この上にTa−8102、Tl−9102
などからなる発熱抵抗体をスパッタリング法などにより
膜形成する。さらに、この発熱抵抗体の上に発熱部とな
る開口を形成する如く A℃やAβ−8l−Cuなどか
らなる個別電極および共通電極を形成し、少なくともこ
の発熱部を被覆するようシリコンオキシナイトライド(
8l−0−N)などから耐酸化膜を兼ねる耐摩耗層を形
成したものである。
このようなサーマルヘッドは、保温層としてポリイミド
樹脂層を使用することによって、ポリイミド樹脂の熱拡
散率が従来のグレーズガラス層に比べてl/3〜l/6
と低いことから、熱効率に非常に優れたものとなる。ま
た、金属基板のような可撓性を有する支持基板を使用す
ることが可能になることから、曲げ加工を行うことも可
能になり、よって小型で安価で高性能なサーマルヘッド
として注目されている。しかし、このようなサーマルヘ
ッドは、その製造工程において以下のような問題点を有
していた。
たとえば、発熱抵抗体や電極の形成の際に行うエツチン
グ処理時やマスキング膜のアッシング時に、耐熱樹脂層
に損傷を与えてしまう。
また、真空中で発熱抵抗体物質を着膜させる際に、ポリ
イミド樹脂層内からのガス放出が多く、このガスの影響
により抵抗値の制御が難しいという問題が生じる。
さらに、ワイヤーボンディング法により配線する際に、
ポリイミド樹脂層の弾性によりボンディングを行いにく
いという問題が生じる。
このような問題点を解決するための一手段として、本出
願人は先に耐熱樹脂層と発熱抵抗体層との間に、アルミ
ナ、シリコンオキシナイトライド、サイアロンなどの無
機絶縁物からなる樹脂保護層を形成したサーマルヘッド
を提案している(特願昭82−21428、同62−1
3432fi号、同82−191855号)。
このように耐熱樹脂層と発熱抵抗体層との間に樹脂保護
層を形成することによって、その製造工程においてポリ
イミド樹脂層の損傷やポリイミド樹脂層からのガス放出
が防止され、また全体の剛性もある程度高まるために実
装工程を安定して行えるなどの効果が得られている。
このように耐熱樹脂層上に樹脂保護層を形成することは
、サーマルヘッドの高抵抗基体としてだけではなく、他
の電子機器における絶縁基板としても、実装工程を安定
して行えるなど、有効な手段である。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、ポリイミド樹脂のような耐熱樹脂層上
にアルミナ、シリコンオキシナイトライドやサイアロン
などの無機絶縁物からなる樹脂保護層を設けた耐熱性絶
縁基板を、たとえばサーマルヘッドの高抵抗基体として
用いることによって様々な利点が得られるものの、上述
したような無機絶縁物層では充分な硬度が得られておら
ず、たとえば以下に示すような問題が発生している。
すなわち、本発明者らが上記した樹脂保護層を有するサ
ーマルヘッドをプリンタに組込んで実際に印字走行試験
を行ったところ、走行中に異常な抵抗値変化を示し、印
字に悪影響を及ぼす現象が多々認められた。この異常な
抵抗値変化を示す点について詳細に調べたところ、サー
マルヘッドと感熱紙あるいは感熱紙とローラの間に巻き
込まれたゴミなどの異物がサーマルヘッドの表面層とな
る耐摩耗層にクラックを生じさせ、このクラックが発熱
抵抗体まで達した場合に印字特性に悪影響を及ぼしてい
ることが判明した。
このような問題は、従来のセラミックス基板上にグレー
ズガラス層を形成した高抵抗基体や金属基板上にガラス
層を形成した高抵抗基体を用い、それ以外を同一構造と
したサーマルヘッドにおいては、見られなかった現象で
ある。
これは、グレーズガラス層やガラス層を保温層として用
いた高抵抗基体を用いたサーマルヘッドでは基体全体の
硬度が大きく、これにより耐摩耗層に局所的な圧力が加
イ)っても耐摩耗層が基体と同様な変形しかしないため
、局部的な変形が阻止されて上述したようなりラックが
生じないものと考えられる。
一方、これに対してポリイミド樹脂のような耐熱樹脂を
用いた高抵抗基体の場合、前述したように樹脂保護層に
よっである程度基体の剛性が高められているものの、樹
脂の変形能が耐摩耗層に比べて著しいため、耐摩耗層に
局所的な集中荷重が加わった際に耐熱樹脂層の変形を樹
脂保護層や耐摩耗層によって防止することができないた
めである。そして、耐熱樹脂層の変形に樹脂保護層や耐
摩耗層の変形が追随できなくなってクラックが生じてし
まうものと考えられる。
このような問題はサーマルヘッドに限らず、たとえば前
述したようにハイブリッドIC用多層回路基板などにお
いても、実装工程などで耐熱樹脂層の変形によってその
上に設けられた配線層の断線やボンディング不良などを
招いてしまう。
本発明は、このような従来技術の課題に対処するべくな
されたもので、剛性を高め実装工程などにおける不良発
生率を減少させた耐熱性絶縁基板と、ブリンクなどに組
み込んで走行させた際の耐摩耗層のクラックを防止し、
信頼性を向上させたサーマルヘッドを提供することを目
的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の耐熱性絶縁基板は、高熱伝導性の支持基板と、
この支持基板上に形成された耐熱樹脂層と、この耐熱樹
脂層上に設けられた水素を含有する絶縁性非晶質炭素膜
からなる樹脂保護層とを具備することを特徴としている
また、本発明のサーマルヘッドは、高熱伝導性の支持基
板と、この支持基板上に形成された耐熱樹脂層と、この
耐熱樹脂層上に設けられた樹脂保護層と、この樹脂保護
層上に形成された多数の発熱抵抗体と、これら各発熱抵
抗体に接続された導電体と、前記発熱抵抗体の少なくと
も発熱部を被覆するよう設けられた耐摩耗層とを具備す
るサーマルヘッドにおいて、前記樹脂保護層および耐摩
耗層の少なくとも一方が、水素を含有する絶縁性非晶質
炭素膜からなることを特徴としている。
(作 用) 本発明のサーマルヘッドにおいては樹脂保護層や耐摩耗
層として、また耐熱性絶縁基板においては樹脂保j層と
して、水素を含有する絶縁性非晶質炭素膜が形成されて
いる。この非晶質炭素膜は膜中の水素によって非常に安
定な状態に保たれており、また非常に硬度が大きい。こ
れによって基板全体の、あるいはサーマルヘッド全体の
剛性が高まり、表面層に加わった圧力によってポリイミ
ド樹脂などの耐熱樹脂層の局部的な変形を防止すること
が可能となる。
ところで、たとえばサーマルヘッドにおける耐熱樹脂層
の変形の防止のみを考えると、耐摩耗層の膜厚を増大さ
せることによっても達成できる。
しかし、この方法では発熱抵抗体と感熱紙との間の距離
が大きくなるため、印字効率の低下、解像度の低下など
、性能上の著しい欠点が生ずるのみならず、量産性も著
しく低下する。たとえば膜厚7μmの耐摩耗層を有する
サーマルヘッドの場合、膜厚3μ■の耐摩耗層を有する
サーマルヘッドに比べて印字効率が約70%と低下する
。これに対して、本発明においては、上記性質を有する
非晶質炭素膜を使用しているので、膜厚を厚くすること
なく、すなわちたとえばサーマルヘッドにおいては耐熱
樹脂を用いることによって得られる印字効率の向上効果
を損うことなく、全体の硬度を向上させることができる
(実施例) 次に、本発明の実施例を図面を参照し−C説明する。
第1図は本発明の一実施例のサーマルヘッドの要部の構
成図であり、1はFe−Cr合金などからなる厚さ 0
.51程度の金属基板を示している。この金属基板1上
には、蓄熱層と絶縁層を兼ねるポリイミド樹脂やポリア
ミドイミド樹脂、あるいはこれらの混合物や積層物から
なる耐熱樹脂層2が20μ−程度の厚さで形成されてお
り、この耐熱樹脂層2の上に厚さ 1μm〜10μ債の
水素を含有する絶縁性非晶質炭素膜からなる樹脂保護層
3が形成されて、耐熱性絶縁基板4が構成されている。
この耐熱性絶縁基板4上には、Ta−8I02 、Tl
−8i02などからなる発熱抵抗体5が形成されており
、この発熱抵抗体5の上に発熱部となる開口を形成する
如<AJ2や八β−81−Cuなどからなる厚さ0.7
μm−1μm程度の個別電極6および共通電極7が形成
され、少なくともこの発熱部となる開口を被覆するよう
に5i02からなる接着層8および5l−0−Nからな
る耐酸化膜を兼ねる耐摩耗層9が形成されている。
そしてこのサーマルヘッドは、個別電極6と共通電極7
との間に所定の時間間隔でパルス電圧を印加することに
より発熱部となる開口部に相当する発熱抵抗体が発熱し
印字記録が行われる。
このサーマルヘッドは、たとえば次のようにして製造さ
れる。
まず、第2図に示すように、Fe−18重量%C「合金
からなる金属基板1を所定の寸法に切断し、脱脂洗浄し
て乾燥後、乾水素雰囲気中において800℃〜800℃
で熱処理を行う(第2図−イ)。次いで、この金属基板
1上に、たとえばポリアミドイミドやポリアミドイミド
ワニスをローラーコータやスピンコータを用いて、焼成
後に20μm〜30μ層の膜厚となるように所定量塗布
し、乾燥、焼成を行い耐熱樹脂層2を形成する(第2図
−口)。
次に、この耐熱樹脂層2表面を洗浄した後に(第2図−
ハ)、たとえばメタンガスと水素ガスとを出発原料とす
るプラズマCVD法、EB (Electron Be
es ) CV D法、熱フィラメントC■D法などの
化学的気相成長法や、グラファイトをターゲットとして
用い、水素ガスもしくは水素ガスと不活性ガスとの混合
ガス中における反応性スパッタ法により樹脂保護層3を
形成する。(第2図−八) これらの方法によれば、一般にガス圧、ガス比、基板温
度、基板材質などを適切に選択することによってダイヤ
モンド膜あるいはダイヤモンド様非晶質炭素膜が形成さ
れる。本発明においては被着基板が耐熱樹脂であるため
に基板温度を、たとえば耐熱樹脂としてポリイミド樹脂
を用いた場合においても一般的なポリイミド樹脂の耐熱
温度である550℃以上にできないため、ダイヤモンド
様非晶質炭素膜となる。このダイヤモンド様非晶質炭素
膜は、膜中に原料ガス中の水素が吸蔵され、この水素の
影響で非晶質状態を安定して保つことが可能となる。
また、膜中の水素含有量によって膜の比抵抗が変化する
ため、絶縁膜としての比抵抗、たとえば1O11Ω・e
lll程度を得るためには、元素数で1000個/d〜
1023個/d程度の水素含有量が好ましく、水素含有
量が多いほど比抵抗が大きくなる傾向を示す。
なお、この実施例では以下に示す手順によりそれぞれ樹
脂保護層3を形成して耐熱性絶縁基板4を作製した(第
2図−二)。
■ グラファイトターゲットを用い、水素ガスとアルゴ
ンガスとの混合ガス中で反応性スパッタを行い、金属基
板1上に形成された耐熱樹脂層2上に絶縁性非晶質炭素
膜を着膜させる。
この際の主な条件は、たとえばREマグネトロンスパッ
タリング装置を用いた場合、下記に示す通りである。
(1)基板温度=200℃ (2)スパッタリングガス : 50vo1%H2−Ar 、  1.0Torr(
3)基板前処理ニスバッタエツチング(4)着膜速度:
約2μl/時間 ■ 水素ガスとメタンガスとの混合ガスを原料ガスとし
て用い、プラズマCVDを行い、金属基板1上に形成さ
れた耐熱樹脂層2上に絶縁性非晶質炭素膜を着膜させる
この際の主な条件は、たとえば下記に示す通りである。
(1)基板温度:約200℃ (2)原料ガス混合比: CH4/+12−0.02 
(vol)(3) C11,ガス供給流量:  300
SCCM(4)反応圧:  ITorr (5)高周波基カニ  3001i (6)着膜速度: lμIl/時間 ■ 水素ガスとメタンガスとの混合ガスを原料ガスとし
て用い、EBCVDを行い、金属基板1上に形成された
耐熱樹脂層2上に絶縁性非晶質炭素膜を着膜させる。
この際の主な条件は、たとえば電子線放出源としてタン
グステンフィラメントを用い、耐熱樹脂層全面に着膜さ
せるように12本のフィラメントを処理基板と対向して
配置した場合、下記に示す通りである。
(1)基板温度:約200℃ 〈2)原料ガス:  5vo1%e11.−H2(3)
反応圧: 1OTorr (4)EB加速電圧:  150V (5)フィラメント温度: 1900” Cb  (輝
度温度)(6)着膜速度: 1μIl/時間 次に、この耐熱性絶縁基板4の樹脂保護層3上にスパッ
タリング法やその他の公知の方法によりTa−8j02
 、 Tl−3102などからなる発熱抵抗体物質を膜
形成しく第2図−ホ)、次いで電極物質のAJ2やA℃
−31−Cu sあるいはAuなどをスパッタリング法
などにより膜形成した後(第2図−へ)、発熱部となる
開口が形成されるような所望の回路パターンのマスキン
グ膜を形成し、たとえばケミカルドライエツチング処理
を行い、個々の発熱抵抗体5、個別電極6および共通電
極7を形成する(第2図−ト)。
この後、8102からなる接着層8および8l−0−N
からなる耐酸化膜を兼ねる耐摩耗層9をスパッタリング
法やその他公知の方法で形成しく第2図−チ)、サーマ
ルヘッドを完成させる。
次に、このサーマルヘッドの製造工程において、樹脂保
護層の硬度および表面層となる耐摩耗層上における硬度
をdPl定した結果について述べる。
まず、耐熱樹脂層2上に樹脂保護層3として上記■〜■
の各方法により 500人、 1μ国、2μI、3μm
、5μmの膜厚で絶縁性非晶質炭素膜を成膜し、それぞ
れについてヌープ硬度をΔP1定した。
その結果を第3図に示す。同図からも明らかなように、
上記■〜■の各方法ともに 1μI程度以上の膜厚で耐
熱樹脂層の変形を防止するに充分な硬度が得られほぼこ
の値で一定となった。また、膜厚が0.5μm以下では
充分な硬度に達していない。
次に、上記各方法により形成した樹脂保護層を有する耐
熱性絶縁基板を用い、前述の手順に従って発熱抵抗体、
個別電極および共通電極を形成し、さらにその上に接着
層として厚さ 1μIの5i02膜と耐摩耗層として厚
さ 2μmの8l−0−N膜とを順に成膜し、この5l
−n−?J模膜上のヌープ硬度を測定した。その結果を
第4図に示す。同図からは、上記樹脂保護層における硬
度と同様に約1μω以上でほぼ一定の硬度に達し、0,
5μm未満では充分な硬度に達しないことがわかる。
これらから、樹脂保護層の膜厚が1μmに達しないと膜
硬度向上の効果が充分に得られず、またあまり厚くても
それ以上の効果が得られないばかりでなく、耐熱樹脂層
による蓄熱効果が薄れ効率が低下してしまうため、樹脂
保護層の好ましい膜厚はlμ1−1oμ−程度となる。
なお、これら各方法によって形成した樹脂保護層の膜質
を高速電子線回折法(RIIEED )によりill定
したところ、全て非晶質状の膜であることを確認した。
また、二次イオン質量分析法(SIMS)により膜中の
水素を定量したところ、元素数で1022個/CI/〜
1023個/dの範囲であった。
次に、上記各方法により形成した各膜厚の絶縁性非晶質
炭素膜からなる樹脂保護層を有するサーマルヘッドをA
I2からなる放熱基板上に両面テープを使用して実装し
、同様にして実装したドライバ基板上の駆動用ICと超
音波ワイヤーボンディングによる配線試験を行ったとこ
ろ、安定してボンディングが行えた。また、このように
して得たサーマルヘッドを60℃、90%の恒温恒湿槽
で1000時間の放置テストを行ったところ、膜のはが
れもなく、何ら問題は生じなかった。
また、これら各サーマルヘッドを実際にプリンタに組込
み印字走行試験を行った。なお、試験環境は常温、常湿
下とした。51vの走行試験を行い、耐摩耗層のクラッ
ク数をB11定したところ、次表に示す結果が得られた
また、本発明との比較として、前述の実施例のサーマル
ヘッドにおいて樹脂保護層として膜厚lμlのサイアロ
ン層をスパッタリング法により形成した以外は同一構造
のサーマルヘッドを用い、同様に5kmの印字走行試験
を行ったところ、耐摩耗層にクラックが20ケ所発生し
た。
この試験結果からも、この実施例のサーマルヘッドが耐
クラック特性に優れていることが明らかである。
すなわちこの実施例のサーマルヘッドは、耐熱樹脂層と
発熱抵抗体との間に樹脂保護層として形成した水素を含
有する非晶質炭素膜によって、電極物質および発熱抵抗
体物質を所望の回路パターンに溶解除去する際に耐熱樹
脂層を損傷する恐れがなくなり、また真空中における発
熱抵抗体物質の形成時のガス発生を防止することができ
るため、抵抗値も安定化する。さらに、実装工程におけ
るワイヤーボンディング時に耐熱樹脂層のクツション効
果を樹脂保護層の硬さが相殺して、安定してワイヤーボ
ンディングを行うことが可能となる。
そして、これらの効果とともに、この実施例の絶縁性非
晶質炭素膜は、非常に硬度が大きいため、あまり膜厚を
厚くすることなく、実際の印字動作において耐摩耗層に
局所的な圧力が加わっても、この樹脂保護層によって耐
熱樹脂層が変形することを防止でき、すなわち局部的な
変形が阻止されて耐摩耗層のクラックが防止される。よ
って、長時間安定して印字走行を行うことが可能となり
信頼性が大幅に向上する。
また、上述の実施例においては、サーマルヘッドとして
の特性評価について説明したが、上記耐熱性絶縁基板は
サーマルヘッドに限らず、たとえばハイブリットIC用
の多層回路基板などにおいても樹脂保護層の硬度向上作
用により、実装工程の安定性や配線層の破断などによる
不良発生を有効に防止することができるなど、様々な効
果が得られ非常に有効である。
次に、水素を含有する絶縁性非晶質炭素膜を耐酸化膜を
兼ねる耐摩耗層として用いたサーマルヘッドの実施例に
ついて説明する。
まず、前述の実施例において作製した金属基板上にポリ
イミド樹脂層を耐熱樹脂層として形成したものを用い、
この耐熱樹脂層上に樹脂保護層としてスパッタリング法
により膜厚1μmの8102膜を形成して耐熱性絶縁基
板を作製した。
次に、この耐熱性絶縁基板上に発熱抵抗体、個別電極お
よび共通電極を同様な方法により形成し、この上に前述
した■〜■の各成膜方法により絶縁性非晶質炭素膜を耐
摩耗層としてそれぞれ形成し、サーマルヘッドを作製し
た。これら耐摩耗層の膜厚は、それぞれ2μm%  4
μ鹿、6μm、8μmとり、た。
また、この実施例のサーマルヘッドに対する比較例とし
て、耐摩耗層として813 N 、  −25重量%5
i02組成のターゲットを用いてスパッタリング法によ
り形成した5l−0−N膜を有するサーマルヘッドを作
製した。
これら各サーマルヘッドを用いて、前述の実施例と同様
に実機に組込んで印字効率試験と印字走行試験を行った
上記■の方法により成膜した絶縁性非晶質炭素膜を耐摩
耗層として有するサーマルヘッドは、Sl−〇−N膜を
4μS被覆した比較例のサーマルヘッドがllvの走行
試験後に印字特性に悪影響を及ぼす耐摩耗層のクラック
が27ケ所発生したのに対し、膜厚が2μ虐のものでも
クラックの発生は認められなかった。また、この実施例
のサーマルヘッドは、さらに20k11の走行試験後に
もクラックの発生は認められなかった。また、これらサ
ーマルヘッドの印字効率は、両者ともほとんど差のない
結果が得られた。
また、上記各膜厚の耐摩耗層を有する実施例のサーマル
ヘッドと、同様の膜厚の上記比較例のサーマルヘッドと
を用いて、耐クラツク特性を1週べた。この測定は、各
耐摩耗層にダイヤモンド圧子により徐々に圧力を印加し
、膜表面にクラックが発生した際の圧力と、このクラッ
クが基板まで到達した際の圧力とによって評価した。膜
表面でのクラック発生圧力と膜厚との関係を第5図に、
また基板まで到達した際の圧力と膜厚との関係を第6図
に示す。
第5図からは、比較例のサーマルヘッドが0.2N〜0
.5Nの加圧でクラックが発生したのに対し、この実施
例のサーマルヘッドでは2N〜3N程度の約4倍以上の
圧力まで耐えうることがわかる。
この膜表面での耐圧性は膜厚にあまり依存しなかったが
、クラックの基板到達時の圧力は、膜厚に依存し、膜厚
が大きくなるほど耐圧性が向上する。
また、このクラックの基板到達時の圧力においても比較
例のサーマルヘッドに比べて約2倍以上の圧力まで耐え
うろことが判明した。
これらの結果から、耐摩耗層としての絶縁性非晶質炭素
膜の膜厚は、はぼ2μ1以上であれば充分にその機能を
発揮する。また、膜厚が厚いほど耐クラツク特性は向上
するが、あまり厚すぎると効率の低下を招く恐れがある
ので実用上は10μm程度までとする。
上記■および■の各方法で形成した耐摩耗層としての絶
縁性非晶質炭素膜についても、同様に実機に組込んで2
01vの印字走行試験を行ったところ、それぞれクラッ
クの発生は認められなかった。また、上記■の方法にお
いては、電子線の加速電圧をかけない通常の熱フイラメ
ントCVD法によっても同様な効果が得られた。
なお、これら各非晶質炭素膜の膜質を調査したところ、
前述の実施例と同様であった。
以上の実施例から明らかなように、水素を含有する絶縁
性非晶質炭素膜を耐摩耗層として用いることによって、
実印字走行における耐摩耗層のクラックが防止され、よ
り高品質なサーマルヘッドが得られる。
なお、上述の各実施例においては、水素を含有する絶縁
性非晶質炭素膜をサーマルヘッドの樹脂保護層および耐
摩耗層のいずれか一方に使用した例について説明したが
、これら両方をこの非晶質炭素膜によって形成しても同
様な効果が得られることは当然であり、その際には前述
の各膜厚値を参考にして、さらに膜厚を薄くすることも
可能となる。
また、上述の各実施例においては、金属基板上に耐熱樹
脂層を形成したものについて説明したが、支持基板とし
ては金属に限らずセラミックスやガラスであっても本発
明の効果は同様に期待できる。
ただし、金属基板を支持基板として用いた場合は、この
金属基板自体を共通電極に用いることもできることや、
曲げ加工が可能なことからサーマルヘッドの小型化に大
きく寄与する。
[発明の効果コ 以上説明したように本発明の耐熱性絶縁基板によれば、
樹脂保護層の硬度の向上により、実装工程を安定して行
うことができるとともに断線などによる不良の発生率が
減少し、またサーマルヘッドの高抵抗基体として用いた
場合には、サーマルヘッドの印字走行を安定化させるこ
とができる。
また、本発明のサーマルヘッドによれば、その製造工程
における耐熱樹脂層の損傷が防止され、抵抗値の制御も
容易となり、さらに実装工程におけるワイヤーボンディ
ングも安定して行えるとともに、実印字走行時の表面層
となる耐摩耗層のクラックを有効に防止でき、したがっ
て安定した印字を行うことが可能となり、その信頼性が
格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のサーマルヘッドをの要部を
示す部分分解斜視図、第2図は本発明の一実m 例のサ
ーマルヘッドの製造工程をフローチャートで示す図、第
3図は本発明の実施例における樹脂保護層の厚さとその
ヌープ硬度との関係をグラフで示す図、第4図は本発明
の実施例における樹脂保護層の厚さとそれぞれの耐摩耗
層上におけるヌープ硬度との関係をグラフで示す図、第
5図は本発明の実施例における耐摩耗層の膜厚とダイヤ
モンド圧子によるクラック発生圧力との関係をグラフで
示す図、第6図は第5図における試験においてクラック
が基板まで到達する際の圧力との関係をグラフで示す図
である。 1・・・・・・金属基板、2・・・・・・耐熱樹脂層、
3・・・・・・樹脂保護層、4・・・・・・耐熱性絶縁
基板、5・・・・・・発熱抵抗体、6・・・・・・個別
電極、7・・・・・・共通電極、9・・・・、・・酸化
防止膜を兼ねる耐摩耗層 出願人      株式会社 東芝 代理人 弁理士  須 山 佐 − へ −一一→−カロrf−(N) ↑\ 一一一艶力ロヱ(N)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)高熱伝導性の支持基板と、この支持基板上に形成
    された耐熱樹脂層と、この耐熱樹脂層上に設けられた水
    素を含有する絶縁性非晶質炭素膜からなる樹脂保護層と
    を具備することを特徴とする耐熱性絶縁基板。
  2. (2)高熱伝導性の支持基板と、この支持基板上に形成
    された耐熱樹脂層と、この耐熱樹脂層上に設けられた樹
    脂保護層と、この樹脂保護層上に形成された多数の発熱
    抵抗体と、これら各発熱抵抗体に接続された導電体と、
    前記発熱抵抗体の少なくとも発熱部を被覆するよう設け
    られた耐摩耗層とを具備するサーマルヘッドにおいて、 前記樹脂保護層および耐摩耗層の少なくとも一方が、水
    素を含有する絶縁性非晶質炭素膜からなることを特徴と
    するサーマルヘッド。
JP7526888A 1988-03-29 1988-03-29 耐熱性絶縁基板およびサーマルヘッド Pending JPH01247170A (ja)

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