JPH01229032A - 高導電性有機重合体の製造方法 - Google Patents

高導電性有機重合体の製造方法

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JPH01229032A
JPH01229032A JP5565988A JP5565988A JPH01229032A JP H01229032 A JPH01229032 A JP H01229032A JP 5565988 A JP5565988 A JP 5565988A JP 5565988 A JP5565988 A JP 5565988A JP H01229032 A JPH01229032 A JP H01229032A
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conductive organic
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高導電性有機重合体の製造方法に関するもので
ある。
〔従来の技術とその課題〕
芳香族化合物、特に窒素、酸素、硫黄等を含有したピロ
ール、フラン、チオフェン、アニリンあるいはそれらの
誘導体から電解酸化重合法により数十37cm以上の高
い導電率を有する重合体が得られることが知られている
。この電解酸化重合法は適当な溶媒に支持電解質と重合
しようとするモノマーを溶解し、挿入した電極間に定電
圧を印加して陽極板上に導電性有機重合体を生成させる
ものである。こうして得られる重合体は各々の使用する
モノマーの種類により、最適な溶媒、電解質、酸化ポテ
ンシャル値、電流値を選択することにより数十〜数千3
/cmの高い導電率を有した重合体を得ることが可能で
ある。この高導電率は重合条件の選択、特に酸化ポテン
シャル値の制御により生成する重合体の立体構造が制御
されたことに主に起因するものである。例えばビローノ
ベフランおよびチオフェンなどの複素5員環化合物は電
解酸化重合法によって2.5位で重合し、主鎖がシス型
(トランス−シソイド)の立体配置をした複素環共役重
合体を生成する。また電解酸化重合法で得られる重合体
は、電解質アニオンでドープされたP型溝電性重合体で
ある。さらに電解酸化重合後、還元をすることにより脱
ドープして、中性の重合体を得ることができる。この中
性の重合体は絶縁体であるが、再度、ドーピングをする
ことができ、再び高い導電率を有する重合体が得られる
一方、酸化剤を使用する化学酸化重合法によって高導電
性重合体を得ようという試みも古くから研究されていた
。というのも、この化学酸化重合法は電解酸化重合法に
対して生産性、操作性及び経済性において著しい優位性
を有しているからである。即ち、電解酸化重合法は電極
を必要とし、その極板上にポリマーがフィルム状或いは
パウダーとして生成する。従って、生産性は不良であり
、操作も煩雑であり、また電気を使用する為、経済性に
おいて不利である。
一方、化学酸化重合法は汎用媒体及び薬品を用い、かつ
従来の化学装置を用いることにより、大量に目的とする
重合体を簡便に得ることが可能である。古くはピロール
の酸化重合体からはピロールブランクが生成しくA、^
ngeli et a!、。
Gazz、Chim、Ital、46I[、279(1
916) :] 、またアアニンの酸化重合体からはア
ニリンブラックが生成することが報告されている。I:
A、G、 Green etal、、 J、Che+n
、 Sac、、 97.2388(1910)]。
しかしながら、これまで勢力的に研究がなされてきたに
もかかわらず、化学酸化重合法で得られる有機重合体の
導電率は、電解酸化重合法で得られるものと比較して低
いものであった。
近年においては1.ピロールの電解酸化重合法では50
0 S/cmにも及ぶ高導電性ポリピロールが得られる
のに対して(K、Yoshino et al、、 S
hy、Met、14、289 (1985)) 、化学
酸化重合法では数S/cmのポリピロールしか得られて
いなかった Cl−1゜St++rakawa et 
al、、 Polym、 Preprints Jap
an。
33、495 (1984)]。従って、長年の研究結
果から化学酸化重合法では電解酸化重合法で得られるも
のと同様な高導電性重合体が得られないとされていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、芳香族化合物、特に窒素、酸素、硫黄等
の異種原子を含有した芳香族化合物から、化学酸化重合
法により高導電率を有する有機重合体を得るべく、鋭意
研究を行った結果、化学酸化重合の反応条件を選択する
ことにより数百5/cmにも及ぶ高導電率を有する有機
重合体が得られることを見出した。そして、さらに鋭意
研究を重ね、生成した導電性有機重合体を還元すること
により脱ドープして中性有機重合体を生成させた後、再
度ケミカルドーピングあるいは電解酸化ドーピングによ
り、前にもまして高い導電率を有する重合体が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は窒素、酸素、硫黄等の異種原子を含有し
た芳香族モノマーから、酸化剤溶液の酸化ポテンシャル
値を制御することで電解酸化重合法にも匹敵する高導電
性有機重合体を化学酸化重合法で製造する方法を提供す
るものである。
従来、電解酸化重合法では酸化電位を制御することによ
り重合反応を制御し、高導電性重合体を得ていた。この
生成した重合体は、複素5員環化合物の場合、2,5位
で重合したシス型(トランス−シソイド)の立体構造を
有するとされている。
一方、化学酸化重合法でも、導電性重合体が生成するが
その導電率は数S/cm以下であった。
この低導電率は、重合時における分枝反応等の副反応に
起因するとされている。化学酸化重合法で生成する重合
体の導電率が酸化剤の種類、酸化剤濃度、重合溶媒の種
類、重合温度、重合時間等の要因に大きく依存すること
が経験的に知られてはいたが、系統的な解釈はいままで
なされていなかった。そこで本発明者らは、酸化剤溶液
の酸化ポテンシャル値に着目し、導電率との相関性につ
いて鋭意研究を行った。
その結果、酸化ポテンシャル値は酸化剤の種類のみなら
ず、溶媒の種類、酸化剤の濃度、重合温度および重合時
間の5因子によって系統的に解釈でき、それが生成する
重合体の導電率を決定していることを見出した。すなわ
ち酸化ポテンシャル値を決定している5因子を選択する
ことにより高導電率の重合体が得られることを見出した
のである。
酸化ポテンシャル値は次のネルンストの式(1)によっ
て与えられる。
E=Bo+(RT/nF) In(Aox/Ared)
  ・・・(1)式ここて、Eは酸化ポテンシャル値、
Fはファラデ一定数、nは酸化に伴う価数の変化、Aは
活量である。またε0は標準電極電位であり、酸化剤の
種類および溶媒によって決まる。また、酸化ポテンシャ
ル値Eの経時変化を小さくすることによって重合初期か
ら後期まで一定の導電率を有するポリマーを得ることが
できる。即ち、重合の進行に伴うこの酸化ポテンシャル
値Eの経時変動を小さくするために、酸化剤濃度を高く
し、そして対応する還元体も同時に添加して、その緩衝
効果により酸化ポテンシャル値Eの調整をはかることが
できる。そして、高導電率を有する重合体を得るために
はこの酸化ポテンシャル値Eを、高導電性重合体が得ら
れる電解酸化重合法での最適な酸化ポテンシャル値に設
定すればよいことになる。つまり、このようにして得ら
れる重合体は、酸化ポテンシャル値が制御されているた
め、高度に規則的な立体構造を有し、且つ重合と同時に
ドーピングされているために、電解酸化重合法に匹敵す
る高導電性重合体となるのである。さらにこの化学酸化
重合法で得られた重合体は、重合後、化学還元あるいは
電解還元により脱ドープして中性の重合体を得ることが
でき、そして、再度ケミカルドーピングあるいは電解酸
化ドーピングにより、もっと高い導電率を有する重合体
とすることが可能であることを見出した。
本発明の方法において得られる重合体は、異原子として
窒素、酸素あるいは硫黄を有する芳香族モノマーあるい
はその水溶性塩を酸化剤を含有する反応媒体中で、酸化
ポテンシャル値を制御して酸化重合を行うことにより得
られる共役系重合体である。
本発明において使用されるモノマーは異原子として窒素
、酸素あるいは硫黄を有する、5員及び6員の芳香環化
合物から選択される。このような化合物例として、5員
複素環化合物ではピロール誘導体、フラン誘導体及びチ
オフェン誘導体が挙げられる。ピロール誘導体として適
当な化合物は非置換ピロール、N−アルキルピロールの
如きN−置換ピロール、あるいは3位あるいは3,4位
にC1〜C6のアルキル基、アルコキシ基あるいはハロ
ゲン原子を有する3−アルキルピロール、3.4−シア
ルキルビローノヘ3−アルコキシピロール、3.4−ジ
アルコキシピロール、3−クロルピロールあるいは3,
4−ジクロルピロール等が挙げられる。フラン誘導体及
びチオフェン誘導体としては、非置換フランおよび非置
換チオフェン及び3位あるいは3,4位に一〜C6のア
ルキル基、アルコキシ基あるいはハロゲン原子を有する
3−アルキルフラン、3.4−ジアルキルフラン、3−
アルコキシフラン、3.4−ジアルコキシフラン、3−
クロルフラン、3.4−ジクロルフラン、3−アルキル
チオフェン、3,4−ジアルキルチオフェン、3−アル
コキシチオフェン、3.4−ジアルコキシチオフェン、
3−クロルチオフェンあるいは3.4−ジクロルチオフ
ェン等が挙げられる。6員芳香環化合物としては、アニ
リンあるいはベンジジン等が挙げられる。
また、水を重合の反応媒体として使用する場合は、モノ
マーを予め水溶性塩とするか、あるいはブレンステッド
酸を反応時に添加するのが適当である。
通常、上記水溶性塩としては塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩
が適当であるが必ずしもこれらに限定されるものではな
い。ブレンステッド酸としては塩酸、硫酸、臭化水素酸
、過塩素酸等が挙げられるが必ずしもこれらに限定され
るものではない。
本発明において使用される酸化剤としては、反応媒体中
で高導電性重合体を生成する電解酸化重合法と同程度の
酸化ポテンシャル値を有する酸化剤が好適である。例え
ば、ピロール、フラン、チオフェンの酸化剤としては、
鉄(II[)塩、モリブデン(V)塩およびルテニウム
(III)塩等が挙げられる。アニリンの酸化剤として
はクロム酸(IV)塩、重クロム酸(VI)塩および過
マンガン酸(■)塩等が挙げられる。
本発明において使用される反応媒体は水、水混和性有機
溶媒及び水非混和性有機溶媒の1種あるいは2種以上の
混合溶媒で、酸化剤によって酸化されない媒体なら、す
べて用いることができる。通常、媒体によって酸化溶液
の酸化ポテンシャル値Eが大きく変化するので、酸化剤
の選択のみならず媒体を選択することによっても数百3
/cmにも及ぶ高導電率を有する重合体を得ることがで
きる。
また、特に混合溶媒を用いることによって酸化ポテンシ
ャル値の微妙な調整ができる。
一方、モノマーに対する酸化剤の量によって、重合体の
収率が決まる。
複素5員環化合物では、酸化剤の酸化に伴う価数の変化
が1の場合、モノマーに対して2倍モル以上の酸化剤を
使用すれば定量的に重合体を得ることができる。しかし
ながら、先に述べたように重合体の導電率は、酸化剤の
量によって大きく影響を受ける。従って、モノマーに対
して2倍モル以上の酸化剤を使用し、さらに対応する還
元体を添加するのが好ましい場合がある。
重合温度は、前述のネルンストの式から明らかなように
酸化ポテンシャル値已に影響を与える。従って、重合温
度によっても生成する重合体の導電率が変動することに
なるが、通常、操作性の観点から常温付近を選択するの
が好ましい。
重合方法はモノマーの有機溶媒溶液、あるいはモノマー
水溶性塩の水溶液中に、撹拌下酸化剤溶液を添加するか
、あるいは酸化剤溶液に撹拌下モノマーあるいはモノマ
ーの有機溶媒溶液を添加して行う。この際、重合反応を
均一に行うために撹拌下で行うのが特に好ましい。すな
わち、撹拌をすることによってピロールの重合に伴う局
所的な酸化ポテンシャル値の低下を防ぐことにより終始
最適な酸化ポテンシャル値で重合が進行するのである。
また、モノマーと混和しない媒体を使用するか、あるい
は非混和性の媒体を2種使用し、界面で重合を行うこと
もできる。この界面重合法により、粉末あるいはフィル
ム状で重合体を得ることができる。
この様な化学酸化重合法により大量の高導電率を有する
重合体を短時間で簡便に得ることができる。
特に本発明の好適な一例としてピロールの化学酸化重合
法について述べれば次のようになる。
すなわち、酸化ポテンシャル値を350〜900 mV
(参照極に飽和カロメル電極、作用極に白金線を用いる
三極方式による測定値)に設定して化学酸化重合を行う
方法である。好ましい酸化剤としてFeCl3.  F
e(CIO,)、等のFe(III)塩、RuC1,。
Ru (C104) 3等のRu(III)塩あるいは
Mo(:Is、 MO(C104) 3等のMo(V)
塩等が挙げられる。
これらの中でも特に経済的な観点からFe(III)塩
、特にFeC1aを用いるのが好ましい。
これらの酸化剤に対する媒体としては、350〜900
 mVの酸化ポテンシャル値を有する媒体ならすべて用
いることができる。Fe(III)塩を用いた場合、好
ましい媒体としては、メタノール、エタノール、フロパ
ノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノーノベオ
クタノーノペエチレングリコール等の脂肪族アルコール
類、フェノール、クロロフェノール、クレゾール、フル
オロフェノール等のフェノール類、あるいは水等のプロ
トン性極性溶媒、あるいはジメチルアセトアミド等の非
プロトン性極性溶媒を挙げることができる。これらの中
で、特にプロトン性極性溶媒を用いるのが好ましい。重
合体を定量的に得るために酸化剤をモノマーに対して少
なくとも2倍モル使用すればよいが、酸化ポテンシャル
値の経時変化を小さくし、終始一定した導電率を有する
重合体を得るためには、酸化剤をモノマーのピロールに
対して2倍モル以上使用し、且つ対応する還元体を添加
するのが好ましい。例えば、Fe(In)に対してはF
e(II)を添加すれば良い。
添加する還元体中は酸化剤に対してlo−2〜50ma
t %、好ましくは0.1〜lQmol %である。
この様な重合条件で得られるポリピロールは、パウダー
状の重合体をプレスしてシート状にし、真空下、四端子
法で測定すると、数十S/cmから20O8/cmを越
える高導電率を有する重合体である。
そしてさらに本発明によれば上記ポリピロールを化学的
あるいは電気化学的に還元して脱ドープした後、化学酸
化あるいは電解酸化により酸化するとともにドーピング
を行うことによりポリピロールの導電率を一層高めるこ
とができる。化学的還元に使用する還元剤としては、ヒ
ドラジン、泡水ヒドラジン、フェニルヒドラジン等のヒ
ドラジン類、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ
素す) IJウム等の水素化金属類を挙げることができ
る。化学還元剤は、通常、重合体の窒素原子に対し1〜
10倍モル使用されるが、必ずしもこれに限定されるも
のではない。
還元反応は−50から100℃の温度範囲で数十分から
数時間行えば良いが、通常、室温で1時間程度反応させ
れば充分である。
電解還元では、通常の電解重合と逆極性の印加電圧をか
ければ脱ドープされ中性のポリピロールが得られる。こ
の印加電圧は高いほど速く脱ドープされるが通常、0.
01 V〜数十Vが好ましい。
還元後、中性ポリピロールは再度、化学的に酸化剤で再
酸化されるとともに、ドーピングがなされる。この様な
再ドーピングに用いられるドーパントとしては、還元さ
れた中性重合体を再酸化するに充分な酸化力を有し、且
つドーパントとして有効な電子受容性を有する化合物な
らすべて用いることができる。
この様な酸化剤としては、ヨウ素、臭素、塩素等のハロ
ゲン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン、三フッ化ホ
ウ素、三塩化ホウ素、塩化第二鉄、塩化第二スズ、四塩
化チタン、塩化亜鉛、塩化第二銅等のルイス酸、塩酸、
硫酸およびその塩(例えば硫酸水素カリウム、硫酸ナト
リウムなど)、過塩素酸およびその塩(例えば過塩素酸
リチウム、過塩素酸す) IJウム、過塩素酸カリウム
、過塩素酸鉄など)、あるいはホウフッ化水素酸および
その塩(例えば、フッ化ホウ素ナトリウム、フッ化ホウ
素カリウム、フッ化ホウ素アンモニウム、フッ化ホウ素
テトラアルキルアンモニウムなど)などを挙げることが
できるが、必ずしもこれらに限定されるべきものではな
い。
また、電気化学的に、再度、酸化およびドーピングを行
うことも可能である、この場合、支特電解質として上記
酸化剤を使用し、通常の電解重合と同じ極性の印加電圧
をかければよい。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1  (FeCl、系〕 ポリピロールの製造 水、アルコールなど各種精製した溶媒を用い、0.1M
〜3.5MのFeCl3溶液を調製した。撹拌しながら
一定温度に保ったFeC1:+溶液に蒸留精製したピロ
ールを各々表1のような条件で加え、20分間重合した
。またFeCl3溶液にFeC1,を加えて酸化ポテン
シャル値を制御した。反応物は濾過し、メタノールで充
分洗浄した後、真空中、室温で12時間以上乾燥させた
。この方法で得られたポリピロールは黒色パウダー状な
ので錠剤成形器により数千から1万(kg/cm2)の
圧力でプレスしてシート状試料を作製した(本試料はパ
ウダー状なので導電率がプレス圧に依存した。
結果を図1に示した)。
導電率は真空下、四端子法にて測定した。酸化剤溶液の
酸化ポテンシャル値は参照極に飽和カロメル電極(SC
E) 、作用極に白金線を用いる三電圃方式にて測定し
た。
評価 ポリピロールの導電率は重合時間、酸化剤濃度、重合温
度および溶媒の種類に依存した。図2に各種溶媒を用い
たときの導電率を示した。
水、アルコール系など水酸基を持つ溶媒で得られた重合
体が高導電性を示した。この溶媒効果と酸化ポテンシャ
ル値との相関関係を見るため、各種条件下で測定した。
その結果、FeCl3溶液の酸化ポテンシャル値は溶媒
種、F e CI 3 a度、FeCl3 とFeCl
2の混合比、および温度によって変化することが明らか
となった。またFeC1,とFeCl2の混合溶液では
緩衝効果が働くことが明らかとなった。
溶媒を変化させたときのポリピロールの導電率と溶液の
酸化ポテンシャル値の関係を図3に示した。酸化ポテン
シャル値は、2通りの方法で制御した。つまり、溶媒種
によるポテンシャルの変化(○)と、FeCl3濃度3
.5MのM e OH溶液にFeCl2を加え、酸化ポ
テンシャル値を制御したもの(・)である。グラフは5
30 (mV)と500 (mV)(VS、 5CE)
近傍にピークをもち後者の最大導電率は200 (S/
am)に達した。
また酸化ポテンシャル値が高い程反応は激しく速く進み
、逆に酸化ポテンシャル値がおよそ350 (mV) 
(VS、5fJ)以下ではピロールは重合しナカった。
(・)の方法ではポリピロールの収率はほぼ100%に
なり、導電率の重合時間依存性が消えた。図4に酸化剤
溶液の酸化ポテンシャル値とピロールの重合時間の関係
を示した。
FeCl3溶液にFeC1zを加えることで酸化ポテン
シャル値の制御と重合初期の急激な低下を抑えることが
できた。
高導電性ポリピロールの元素分析の結果は(C4,00
+ No、 991 H3,+s+ C1o、 351
 Feo、o+)であった。このCとHの比よりこのポ
リピロールは、α−カップリングした高規則性の重合体
であることが明らかとなった。また、本試料のドーパン
トはC1−であることが示された。
実施例2 (F e (ClO2) 3系〕0.7M 
Fe(CIO=)+水溶液を調整し、FeCl3系と同
様の操作によりポリピロールを得た。この溶液の酸化ポ
テンシャル値はおよそ750 (mV) (VS、sc
巳)であった。また導電率は20 (S/cm)であっ
た。この結果、図3のグラフ上、(9)になることが明
らかとなった。
実施例3〔化学還元および化学酸化処理による高導電化
〕 FeCl3を酸化剤として得られた、200 (S/c
m)の導電率を有する粉末状のポリピロール1.0gを
フェニルヒドラジン(2g)のエーテル溶液に添加し、
室温で撹拌下、約1時間反応させた。
反応後、中性ポリピロールを濾別し、エーテルで充分洗
浄し、真空乾燥した。得られた中性ポリピロールの導電
率は、加圧成形法で1.0X10−’(S/cm)であ
った。この中性ポリピロールを酸化性ドーパントとして
I2を用い、酸化ドーピングを行った。この再ドーピン
グポリピロールの導電率は500 (S/cm)  と
なり、導電率の上昇がみられた。また酸化性ドーパント
としてAsF5を用いた場合の導電率は670 (S/
cm)であった。
実施例4〔電解還元および化学酸化剤処理による高導電
化〕 上記ポリピロールの還元を一1νの印加電圧をかける電
解還元で行い、ついで同様に12を用い化学酸化処理を
行った。得られたポリピロールの導電率は280 (S
/cm)であった。
実施例5〔電解還元および電解酸化ドーピングによる高
導電化〕 200 (S/cm)の導電率を有するポリピロールの
還元を上記法と同様の条件で行い、ついでNaBF 4
を支持電解質、酸化ドーピング剤として添加した系で酸
化ドーピングを行った。得られたポリピロールの導電率
は240 (S/cm)であった。
表1 図3及び図4に用いた溶液とビロール(Py)の
混合比  −
【図面の簡単な説明】
図1は本発明方法により製造したパウダー状ポリピロー
ルをプレスしてシート状試料を作製する際の圧力と試料
の導電率の関係を示すグラフ、図2は本発明方法におい
て各種溶媒を用いたときの最大導電率を示すグラフ、図
3は溶媒を変化させたときのポリピロールの導電率と酸
化剤溶液の酸化ポテンシャル値の関係を示すグラフ、図
4は酸化剤溶液の酸化ポテンシャル値とピロールの重合
時間の関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 異原子として窒素、酸素、あるいは硫黄を含有する
    5員あるいは6員芳香族環からなるモノマーを化学酸化
    重合して高導電性有機重合体を製造する方法において、
    酸化剤溶液の酸化ポテンシャル値を制御して芳香族化合
    物の化学酸化重合を行うことを特徴とする高導電性有機
    重合体の製造方法。 2 化学酸化して得られた高導電性有機重合体をさらに
    還元後、アクセプターとして有効な酸化剤により酸化す
    るとともにドーピングする請求項1記載の高導電性有機
    重合体の製造方法。 3 酸化ポテンシャル値の制御が、酸化剤の種類、酸化
    剤の濃度、還元体の添加、媒体の種類、重合時間および
    重合温度によってなされる請求項1又は2記載の高導電
    性有機重合体の製造方法。 4 モノマーがピロールあるいはその誘導体であり、酸
    化ポテンシャル値を350〜900mV(VSSCE)
    に制御した請求項1、2又は3記載の高導電性有機重合
    体の製造方法。 5 酸化剤がFe(III)塩である請求項1、2、3又
    は4記載の高導電性有機重合体の製造方法。 6 Fe(III)塩がFeCl_3である請求項5記載
    の高導電性有機重合体の製造方法。 7 還元体がFe(II)塩である請求項1、2、3、4
    、5又は6記載の高導電性有機重合体の製造方法。 8 Fe(II)塩がFeCl_2である請求項7記載の
    高導電性有機重合体の製造方法。9 媒体がプロトン性
    極性媒体からなる請求項1、2、3、4、5、6、7又
    は8記載の高導電性有機重合体の製造方法。
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