JPH0121705Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は１加工品中に多数のタツピングすべき
穴が接近して存在する加工品のタツピングを行な
う装置に関する。

従来技術 板材に接近した多数の穴をタツピングして製品
とする場合はマルチタツピングマシンを数台配列
して各機台を作業者が１個１個独自に加工してい
る。このため作業者の能力差によつて加工時間、
準備時間に差が生じ製品の流れが一番遅い作業者
によつて制約され、生産性が思うように高められ
ずまた品質もばらつきが出やすいという欠点があ
つた。

目 的 従つて本考案は上記に鑑みなされたもので生産
能率が良く製品品質が安定した連続加工のできる
タツピング装置を提供しようとするものである。

解決手段 １加工品中の加工すべきタツピング穴を隣りの
タツパが干渉しないような間隔の数グループに区
分けし、この１グループを加工するカム駆動のタ
ツピングユニツトをストリツプ材の送り方向にグ
ループの数一列に配列し、各ユニツトのカムが１
駆動源から同位相で回転され各カムからの正逆転
動力は中心の親歯車から周囲に噛合わせた１グル
ープの穴数の歯車から軸間距離を可変とする万能
継手を介して取換可能の治具板に１グループの各
穴に対応した位置に設けたタツパに伝えられるよ
うにしストリツプ材の間欠送りに同期して各位置
で全ユニツトが同時に加工し最終ユニツトの加工
を終了したとき１加工品の全タツピング加工を完
了させるものである。

実施例 以下本考案の実施例を図面にもとづき説明す
る。本考案の装置の側面にプレス機との接続状態
を示す第１図において、脚１に支持された機台２
上には材料受台３と長手方向にストリツプ材を案
内し巾方向の位置決めをするセグメントの案内台
４ａ，４ｂ，……４ｅとカツタ台５が順次一列に
配設され、材料受台３の手前のストリツプ材の送
り込み側に図示しないモータで駆動される図示し
ない間欠駆動装置で間欠的に回転される送りロー
ラ６が送り方向と直角で水平に軸承されており、
その上に押えローラ７が平行に軸承され強くスト
リツプを挾む方向に付勢されて材料を間欠送りす
るようになつている。そして送りローラ６、材料
受台３、各案内台、カツタ台５の送り方向には前
工程のプレス穴のかえりをつぶさないように複数
個の溝がそれぞれ削設されている。一列に配設さ
れた案内台の後側にはオーバハングした前面と上
面に案内台と平行なＴ溝を削設してユニツト取付
面とした長い取付台８が固設されており、上面の
Ｔ溝の両端に固定されたブラケツト９，１０，１
１によつて一本のカム軸１２が回転のみ可能に軸
承され、その軸１２の軸端に図示しない前記モー
タで回転されるフライホイールを兼用のプーリ１
３が固着されている。カム軸１２には送りローラ
６側からカム溝を有するカム板１４と同じ形状の
カム板１５ａ，１５ｂ……１５ｅが加工品のグル
ープ穴位置の材料送り量間隔をおいて固着され、
カム板１５ｅの次にはクランク１６が形成されて
いる。取付台８には上面と前面で位置決めされた
各ユニツトが固定されている。即ちカム板１４に
対する位置にはカム板１４の回転によつて上下動
される摺動子１７を案内し下端の押え１８で加工
中のストリツプ材を押えて位置決めする位置決め
ユニツトが固定されている。カム板１５ａ，１５
ｂ，……１５ｅに対する位置には後述するタツピ
ングユニツト１００ａ，１００ｂ……１００ｅが
それぞれ固定されている。クランク１６に対する
位置には最終のタツピングユニツト１００ｅで加
工された加工品１個分を切断するカツタ１９を下
端に固着した摺動子２０が案内されクランク１６
と該摺動子２０とをロツド２１で連結されたカツ
トオフユニツトが固着されている。位置決めユニ
ツト及びカツトオフユニツトも他の加工のユニツ
トに取換えられるか、あるいは取除かれる等の変
更が自由になされる。連続したストリツプ材のタ
ツピング加工には例えば前工程に周知のプレス機
３０のマルチパンチによりタツピングの下穴を一
度に穴あけするように組合わされている。

次にタツピングユニツト１００ａ，１００ｂ…
…１００ｅの詳細を示す第２図、第３図におい
て、タツピングユニツトはカム板１５ａ，１５ｂ
……１５ｅに対応して取付けられているが構造は
同じであるためカム板１５ａに対応する１個につ
いて説明する。ユニツト台１０１はほゞＴ字形に
形成され取付台８の上面８ａと前面８ｂにおいて
Ｔ溝８ｃ，８ｄに挿入したＴナツトとの間をボル
トにより締着されている。ユニツト台１０１の頭
部には取付台８に対して直角方向水平にあり溝１
０２が両端に形成されていて、このあり溝１０２
に嵌合するあり部１０３を両端に有する摺動杆１
０４が嵌装されている。摺動杆１０４は中央上方
に山形凸部１０４ａが形成されていてこの凸部に
カム板１５ａのカム溝１０５に嵌装係合するカム
フオロア１０６が心軸１０７で回転可能に枢支さ
れており、中央下面にはラツク１０８が削設され
ている。ラツク１０８にはユニツト台１０１に軸
受によつて回転可能に軸承されたピニオン軸１０
９のピニオン１１０が噛合されており、ピニオン
軸１０９にはまた大歯車１１１が固着されてい
る。大歯車１１１はユニツト台１０１に軸承され
たピニオン軸１１２のピニオン１１３と噛合され
ており、またピニオン軸１１２には傘歯車１１４
が固着されている。この傘歯車１１４にはピニオ
ン軸１１２と直角で垂直に回転可能にユニツト台
１０１に軸承された中心軸１１５の傘歯車１１６
と噛合している。傘歯車１１６の中心軸１１５に
は親歯車１１７が固着されており、この回りに複
数個本例では６個の歯車１１８が等分位置で噛合
し、その各軸１１９がユニツト台１０１に回転可
能に軸承されている。取付台８のユニツト台１０
１の取付部前面８ｂはオーバハングしているので
前面下側は広い懐となり、ストリツプ材の上面に
対峙する治具板１２０ａが取付台の前面下側８ｅ
のＴ溝８ｆにＴナツトとボルトによりタツプの長
さに合わせた高さに加工品の変更に対応して取換
可能に固定されている。治具板１２０ａには１加
工品のタツピング穴が加工時のタツパの干渉しな
いグループ本例では５グループに区分けされた１
グループの穴数本例では６個以下の数のタツパを
垂直に保持している。従つて治具板１２０ａ，１
２０ｂ……１２０ｅのタツパの穴位置は５板とも
相違している。タツパは周知の市販のものでタツ
パ筒１２２にはタツプ１２１のリードに合わせた
雌ねじが刻設されていて下端にタツプ１２１を把
持するコレツトチヤツク１２３を有し、タツプの
リードに合わせた雄ねじを刻設したタツパ軸１２
４が螺合されている。そしてタツパ軸１２４の１
個と歯車１１８の軸１１９の１個とが万能継手１
２５によつてそれぞれ連結されており、加工品の
穴位置変更に対応して治具板をかえたとき軸間距
離を自由に変更することができる。

次に作用を説明する。フープにして貯えられた
ストリツプ材は前工程のプレス機３０において本
加工品のタツピングを行う位置にタツプの下穴が
マルチパンチにより一時に穴明けあるいはバーリ
ングされ一加工品の区画毎に送り出される。この
バーリングによつて３mm程度以下の厚みを有する
ストリツプ材は穴内周において下方に折り曲げら
れ必要なねじ山数がえられる深さに形成される。
プレス機で穴明けされたストリツプ材は送りロー
ラ６と押えローラ７とにより挾持され位置決めユ
ニツト、タツピングユニツト、カツトオフユニツ
トが上昇しているタイミングにおいて、図示しな
い間欠駆動装置で間欠的に１ブロツク巾送られ
る。図示しないモータで回転されるプーリ１３を
介してカム軸１２が間欠駆動装置との同期回転に
よつて、カム板１４，１５ａ，１５ｂ…１５ｅク
ランク１６が回転され、同位相に配設されたカム
溝とクランクにより各ユニツトの上下可動部は一
せいに降下されるが、位置決めユニツトの押え１
８は少し早く降下してストリツプ材を押え、その
後タツピングユニツトのタツプ１２１、カツトオ
フユニツトのカツタ１９が降下されタツピングと
切断が行なわれる。

タツピングユニツトの作用はカム板１５ａの回
転によりカム溝１０５の作用でカムフオロア１０
６を介して摺動杆１０４があり溝１０２に案内さ
れて第２図右方に移動され、ラツク１０８と噛合
しているピニオン１１０は時計方向に旋回され
る。この回転は大歯車１１１、ピニオン１１３か
ら傘歯車１１４の反時計方向回転として伝えら
れ、更に傘歯車１１６、親歯車１１７から円周上
で噛合している各歯車１１８を反時計方向に回転
させる。各歯車１１８の回転は軸１１９からは各
万能継手１２５を介して各タツパ軸１２４が反時
計方向に回転されこの軸１２４の雄ねじとタツパ
筒１２２との雌ねじのリードによりタツプ１２１
に下方への送りを与えプレス機３０で明けられた
下穴に６本のねじ立てを同時に行なう。このよう
に全タツピングユニツト１００ａ，１００ｂ…１
００ｅによるタツピング加工はカム板１５ａ，１
５ｂ…１５ｅの半回転中に行なわれる。カム板の
次の半回転はカム溝１０５により摺動杆１０４は
第２図左方に移動されピニオン１１０がすべて反
時計方向回転に逆転されてタツパ軸１２４が逆転
され、タツプ１２１及びタツパ軸１２４はねじの
リードにより回転されてストリツプ材から抜け出
し上方に引き上げられる。また位置決めユニツト
の押え１８はタツプが抜け出たあと、カツトオフ
ユニツトのカツタ１９は直ちに引き上げられる。
そしてストリツプ材は１区画毎に順次送られ各区
画において各ユニツトはそれぞれ受持つグループ
のタツピング加工を順次行つていく。カツトオフ
ユニツトによつて切断された加工品は全タツピン
グ加工を完了した１製品分としてストリツプ材の
間欠送りにより送り出される。

効 果 以上詳述したように本考案は１加工品中の多数
のタツピング位置をタツパの干渉しない数グルー
プに区分けし、このグループに合わせた加工位置
に穴数のタツパを有する治具板を取換可能に設
け、この上にタツパと駆動側とを万能継手で軸間
距離変更可能に連結したタツピングユニツトを配
し、グループ数に対応したタツピングユニツトを
一列にストリツプ材の送り方向に配列して１本の
カム軸で同期して作動させるようになしたので、
間隔のせまい多数の穴のタツピング加工を能率的
に行なうことができ、また同一加工品にタツプ径
の異なるタツピングも同時に行なうことができる
とともに、作業者による個人差のない正確な加工
による安定した品質の製品をうることができる特
徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の多軸タツピング装置の側面図
と前工程のプレス機の正面図、第２図はタツピン
グユニツトの一部断面図、第３図は第２図の−
線断面図、第４図は第２図の−線断面図で
ある。 １……脚、２……機台、６……送りローラ、８
……取付台、１２……カム軸、１４，１５ａ，１
５ｂ…１５ｅ……カム板、１６……クランク、１
００ａ，１００ｂ…１００ｅ……タツピングユニ
ツト、１０１……ユニツト台、１０４……摺動
杆、１０５……カム溝、１０６……カムフオロ
ア、１０８……ラツク、１１０……ピニオン、１
１８……歯車、１２０ａ……治具板、１２１……
タツプ、１２２……タツパ筒、１２４……タツパ
軸、１２５……万能継手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ストリツプ材から多数のタツピング穴を１加工
   品中に加工する装置において、タツピング穴を加
   工し易い数グループに区分けしそのグループ数に
   等しい数のカムを同位相回転可能に材料送り方向
   一列に配置し、該それぞれのカムで駆動される正
   逆回転手段を設け、該それぞれの正逆回転手段に
   よつて回転される親歯車の周囲で噛合う小歯車か
   ら駆動され１グループ内のタツピング穴数に対応
   する該小歯車の軸を万能継手により軸間距離可変
   にタツピング穴加工用のタツプに連結したタツパ
   部材を設け、該１グループの複数のタツパ部材を
   並列に支承する取り換え可能な治具板を材料の間
   欠送り間隔に順次配列してなり、各位置でタツピ
   ングされ最終位置を通過したとき１加工品の全タ
   ツピングが完了することを特徴とする多軸タツピ
   ング装置。