JPH0120910B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ロータリシエーバに関するもので
ある。

一般にひげに生える方向は不揃いである。この
点外刃に形成した小孔からひげを突出させ、内刃
を直線的に主復動させて剪毛する振動式のシエー
バは、ひげが倒れて内刃の一方向の運動では剪毛
されない場合でも運動方向が変つて内刃が他方向
に運動するときに剪毛される利点がある。しかし
反面では振動及び騒音が大きく、内刃体を慣性に
抗して運動方向を変えなければならないので消費
電力が大きい割に効率が悪い。さらに、運動方向
が変わる度にタイムロスが生ずるのでひげそりに
費す時間も長くなる欠点を有している。また、ロ
ータリシエーバは振動も騒音も比較的に小さい
が、内刃体が一方向にしか回転しないのでひげの
生える方向が不揃であるときにそり残しを生ずる
欠点を有している。

この発明はこのような点に鑑みなされたもの
で、振動及び騒音を低減し、しかも、ひげが不揃
いでもそり残しを防止し効率よくひげをそること
ができるロータリシエーバをうることを目的とす
るものである。

この発明は、一方向に回転する内刃体に設けた
内刃に回転軸心に対して右ネジ方向と左ネジ方向
とに傾斜する複数の刃縁を形成し、外刃の小孔か
ら内方へ突出するひげが一方へ傾いて一方の刃縁
で切断されない場合でも他方の刃縁によりひげを
切断し、とくに傾斜する刃縁上をひげを滑らせて
単なる押切りでなくスライスしつつ切断して切れ
味を高め、内刃体を一方向へ回転させることによ
り、運動方向が変ることによる振動及び騒音の発
生を防止し、回転慣性を利用して運動効率を高め
うるように構成したものである。

この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。まず、本体ケース１の一側辺に断面半円形状
に湾曲する外刃２が取付けられ、この外刃２にそ
つて全体形状がドラム状の内刃体３が回転自在に
取付けられている。前記本体ケース１には前記内
刃体３の一端に対向するひげ屑収納室４が形成さ
れているとともにこのひげ屑収納室４にフイルタ
５を介して連通する排風孔６が形成されている。
また、前記本体ケース１には電池７とモータ８と
が収納され、モータ８に直結したプーリ９と前記
内刃体３に連結したプーリ１０とを連結するベル
ト１１が収納されている。

前記内刃体３は、前記プーリ１０に連結された
支軸１２の両端を円状の端枠１３で支承し、これ
らの端枠１３を複数の並行な桟１４により連結し
て内刃支持体１５を形成し、この内刃支持体１５
に複数の内刃１６を取付けたものである。これら
の内刃１６はステンレス又は鋼板により形成され
たもので正面から見ればリング状の形をしている
が、第５図ないし第７図に示すように放射状に折
り目１７を四箇所形成することにより、前記内刃
体３の軸心に対して右ネジ方向と左ネジ方向とに
傾斜する複数の刃縁１８，１９が形成されてい
る。また、これらの内刃１６は前記内刃支持体１
５に形成した溝２０により配列ピツチを定められ
つつ固定されている。第８図に示すように２１は
前記外刃２に形状した小孔を拡大して示したもの
である。

このような構成において、モータ８を駆動して
内刃体３を回転させ、外刃２を肌に押し付ける。
これにより、外刃２の小孔２１から内方へ入つた
ひげが内刃１６により切断される。内刃体３は一
方向にのみ回転するものであるが、内刃１６は傾
斜方向の異なる複数の刃縁１８，１９を有してい
るため、第９図ａ，ｂ，ｃの経過をもつて示すよ
うに一方の刃縁１８はひげ２２を小孔２１の右上
に寄せて切断し、第９図ｄ，ｅ，ｆの経過をもつ
て示すように他方の刃縁１９はひげ２２を小孔２
１の左上に寄せて切断する。したがつて、右方へ
倒れているひげ２２は刃縁１８によりさらに倒さ
れて切り残されたとしても他方の刃縁１９により
左方へ起されて切断される。逆に左方へ倒れたひ
げ２２は刃縁１８によつて右方へ起されて必らず
切断される。とくに、刃縁１８，１９の傾きによ
りひげ２２は刃縁１８，１９上を滑つて小孔２１
の一側に寄せられ単なる押切りでなくスライスし
つつ切断され、切れ味はきわめて良好である。

しかも、内刃体３は回転慣性の作用するまま一
方向に回転するので、振動及び騒音はきわめて低
く、運動効率も高く消費電力を低減することも可
能である。なお、第１０図ないし第１２図に示す
ように、折り目１７の数を増やして交互に配列さ
れる刃縁１８，１９の数を増やしてもよい。逆に
図示しないが二つの折り目１７によつて傾斜方向
の異なる刃縁１８，１９をひとつずつ形成しても
よい。あるいは一方の刃縁１８のみを有する内刃
と他方の刃縁１９のみを有する内刃とを複数個配
列してもよい。この場合には内刃をリング状にす
る必要はない。

また、図示しないが、内刃支持体１５に軸方向
に風を起させるフアンを設けることにより、ひげ
屑をひげ屑収納室４に収納することができる。フ
イルタ５により浄化された風は排風孔６から外気
に放出される。

この発明は上述のように内刃に回転軸心に対し
て右ネジ方向と左ネジ方向とに傾斜する刃縁を形
成したことにより、ひげが傾いて一方の刃縁に切
り残されたとしても他方の刃縁に起されて必らず
切断され、また、刃縁は回転方向に対しても傾斜
することになり、単なる押切りでなくひげをスラ
イスしつつ切断して切れ味を高めることができ、
さらに、内刃体を慣性に抗することなく一方向へ
回転させ、したがつて、振動及び騒音を小さく
し、運動効率を高めて消費電力の節電を図ること
ができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１
図は縮小した側面図、第２図は縮小した正面図、
第３図は内刃支持体の斜視図、第４図は内刃体の
平面図、第５図は内刃の正面図、第６図は内刃の
斜視図、第７図は内刃を展開して示した側面図、
第８図は外刃の一部を拡大した平面図、第９図は
剪毛動作を示す一部を拡大した平面図、第１０図
は内刃の変形例を示す正面図、第１１図はその斜
視図、第１２図はその内刃を展開して示した側面
図である。 ２…外刃、３…内刃体、１６…内刃、１８〜１
９…刃縁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 湾曲する外刃の内面に接合する内刃を有する
   内刃体をモータに連結して一方向に回転自在に設
   け、前記内刃に回転軸心に対して右ネジ方向と左
   ネジ方向とに傾斜する複数の刃縁を形成したこと
   を特徴とするロータリシエーバ。