JPH01198422A - 金属材料の熱処理条件決定方法 - Google Patents

金属材料の熱処理条件決定方法

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JPH01198422A
JPH01198422A JP2241288A JP2241288A JPH01198422A JP H01198422 A JPH01198422 A JP H01198422A JP 2241288 A JP2241288 A JP 2241288A JP 2241288 A JP2241288 A JP 2241288A JP H01198422 A JPH01198422 A JP H01198422A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属材料の熱処理条件決定方法に係り、鋼材に
焼き入れ等の熱処理加工を行う際などに利用できる。
〔従来の技術〕
従来より、金属材料に対する熱処理は、酸化被膜を形成
する等の表面処理に利用されるほか、材料の硬さや靭性
といった特性を変化させる際に多・用されており、例え
ば、代表的な金属材料である鋼材においては、硬度を高
めるための焼き入れ、軟化させるための焼きなまし、あ
るいは一端焼き入れしたのち靭性を付与するための焼き
戻しといった熱処理を行うことにより多種多様な性質の
ものが製造されてい暮。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、このような金属材料の熱処理においては、加
熱から冷却に到る温度や時間経過といった熱処理条件が
処理後の組織、すなわち材料の性質に大きな影響を及ぼ
すものであり、所期の特性を得るためには最適な熱処理
条件を的確に把握して熱処理を行うことが要求される。
しかし、熱処理条件を規定する要素は多岐にわたってお
り、例えば、加熱温度や時間だけでも多様な設定が可能
なうえ、冷却用の熱処理液の種類や温度、熱処理液の撹
拌状態といった冷却時の要素を加えると実に様々な組み
合わせが可能であり、細かな条件設定ができる反面、ど
のような組み合わせが最適であるのかを判定することが
容易でない。
また、熱処理条件が同じでも処理する金属材料の形状が
異なると、各部に及ぶ熱処理効果が変化して得られる性
質に相違が生じることから、任意の形状の処理対象物に
最適な熱処理を行うことは非常に難しいものである。
ところが、従来は最適な熱処理条件を決定するための有
効な手段がなく、いくつかの条件の下で試験的に加工実
験を行い、試行錯誤を繰返しながら最適な条件の範囲を
絞ってゆくという方法に頼らざるを得す、加工実験の評
価にあたって処理対象物の内部についても検査する場合
、全体としての作業ロスは真人なものとなり、実加工を
開始するまでに時間がかかるという問題があった。
本発明の目的は、任意の処理対象物に対して最適な熱処
理条件を簡単に決定できる金属材料の熱処理条件決定方
法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、処理対象物と同一の金属材料に固有の冷却曲
線のなかから処理対象物に要求される特性を与える目標
冷却曲線を選択する第1の工程と、複数の熱処理条件に
ついて、任意の冷却性能試験方法によって冷却曲線を求
めたうえで処理対象物に応じた補正を行い、当該熱処理
条件を処理対象物に適用した際の予測冷却曲線を予測す
る第2の工程と、前記目標冷却曲線と複数の予測冷却曲
線とを順次比較して所定温度に達するまでの冷却過程の
履歴熱量が略等しい予測冷却曲線を与える最適熱処理条
件を決定する第3の工程とを含む一連の工程によって金
属材料の熱処理条件決定方法を構成するものである。
ここで、本発明の各工程には、以下に示すような具体的
な手段が採用゛できる。
例えば、第1の工程における目標冷却曲線の選択には、
鋼材の焼き入れ加工に適用する場合、JISG−056
1に規定されるようなジョミニー式一端焼入による焼入
性試験方法が利用できる。
すなわち、前記ジョミニー式試験により処理対象物の材
料として用いる鋼材のジョミニー曲線およびジョミニー
冷却曲線を測定し、焼き入れ温度に対応したジョミニー
曲線から処理対象物に要求される焼き入れ硬度を与える
ジョミニー距離を求め、このジョミニー距離に対応する
ジョミニー冷却曲線を目標冷却曲線として選択すればよ
い。
一方、第2の工程における冷却性能試験方法には、冷却
に熱処理液を用いる場合、JISK−2242の5.2
に示される熱処理油の冷却性能試験方法が利用でき、こ
の冷却性能試験方法に示すように銀棒を用いて当該熱処
理液を用いた場合の標準冷却曲線を測定し、この標準冷
却曲線に前記銀棒と処理対象物との材料の物性値(比熱
、密度、熱伝導率など)の相違を補正し、かつ処理対象
物の形状の影響等を等価直径あるいは等偏冷却速度を用
いて補正することにより、処理対象物の予測冷却曲線を
算出する。なお、前記銀棒に替えてステンレス鋼等の変
態温度をもたない金属材料を用いて標準冷却曲線を測定
してもよい。
より具体的には、前記測定によって得られる冷却曲線か
ら冷却時に処理対象物から熱処理液等に奪われる熱の熱
伝達率を算出するとともに、前記処理対象物の物性や形
状要素に応じた冷却時の伝熱特性を考慮して処理対象物
における温度分布を算出し、処理対象物の内部深さ等に
応じた任意位置での予測冷却曲線を算出する。この場合
、熱伝達率は上記膜、沸騰、対流の各段階毎に、しかも
処理対象物の表面温度の関数として算出する方が好まし
い。
例えば、熱伝達率α(kcal/m”、hr、”c )
 、処理対象物の表面温度θ(’C)、熱処理液の温度
T。
(”C)、処理対象物内部の温度勾配dθ/dx(”C
/m)、処理対象物に用いる鋼材の熱伝導率λ(kca
l/ +w、hr、”C) 、処理対象物に用いる鋼材
°中の単位面積を単位時間に通過する熱Iq(kcal
/m”、hr)、処理対象物から熱処理液へ単位面積を
単位時間に通過する熱量Q (kcal / m”、h
r )とした場合、 Q  −α ・ (θ−Tc )   ・ ・ ・ (
2)と表される熱伝導および伝達の基礎式を用い、処理
対象物の熱の流れを基に各部の温度分布を算出する。な
お、微分方程式の解は計算機を用い、差分法による非定
常数値解析を利用した2次元解析などが好ましい。
また、第3の工程において、予測冷却曲線および目標冷
却曲線の履歴熱量が略等しいと判定する所定温度として
は、鋼材の焼き入れの場合には鋼材のマルテンサイト変
態開始温度が該当するものであり、その判定にあたって
は、前記温度に到る冷却時間の比較、あるいは前記温度
に到る冷却曲線の積分値の比較の何れかを利用すればよ
い。
(作用〕 このように構成された本発明においては、第1の工程で
処理対象物に最適な目標冷却曲線を決定し、材料側の要
求条件をまとめておくとともに、第2の工程で各熱処理
条件が処理対象物に作用した際に予測される予測冷却曲
線を計算して処理対象物の形状要因等を含む環境側の要
求条件をまとめておき、これらの予備測定に基づいて、
第3の工程において目標冷却曲線に近い予測冷却曲線を
選択することにより、膨大な繰返しを含む煩雑な加工実
験を行うことなしに最適な熱処理条件を予測する。
ここで、第1の工程における目標冷却曲線の選択や第2
の工程における熱処理条件毎の冷却曲線の算出にあたっ
ては、JISに規定されるようなジョミニー式焼入試験
方法や熱処理液の冷却性能試験方法等の既成の試験方法
を利用して、確実かつ客観的な評価を可能とする。
さらに、第3の工程における目標冷却曲線と予測冷却曲
線との比較にあたっては、各々が鋼材のマルテンサイト
変態開始温度といった熱処理効果を左右する所定温度ま
で冷却されるまでの経過時間または温度の積分値を判定
することにより、実際の熱処理加工に即した処理対象物
に最適の熱処理条件の選択を可能とする。
従って、以上に示した第1ないし第3の工程によれば、
処理対象物に最適な熱処理条件の決定を簡単かつ確実に
決定でき、これにより前記目的が達成される。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例として本発明に基づく鋼材の焼
き入れ加工について図面を用いて説明する。
第1図に示すように、本実施例は、直径40mm、高さ
50印の円筒形状に形成された鋼材(SUJ2)からな
る処理対象物1を用い、規定の焼き入れ条件として、処
理対象物1を850°Cに加熱した状態で30分間−保
持した後、熱処理液2中に投入して冷却を行うものとし
、熱処理液20種類、温度等の設定条件を適宜選択する
ことにより適当な熱処理条件を定め、焼き入れ後に要求
される特性は処理対象物lの表面から深さ4舗の位置で
の硬度H1c=46とすることである。
ここで、処理対象物1に焼き入れ加工を行う際に用いる
焼き入れ加工装置10は、上方に処理対象物1を包囲し
て加熱可能な略ドーナツ状の赤外線加熱炉11を備える
とともに、下方には任意の冷却性能を有する熱処理液2
が満たされた油槽12が配置されている。この油槽12
内には、赤外線加熱炉11と同軸配置されて垂直に下降
した処理対象物1を収容可能な中心筒体13が設けられ
、この中心筒体13によって油槽12の内部は油面から
所定深さ以下を内側部分と外側部分とに仕切られている
。また、油槽12内の各部分は各々底部近傍に接続され
た配管ループ14によって連通され、この配管ループ1
4中に直列配置された流量計15およびポンプ16によ
り熱処理液2を任意の流速で流動させ、その際の撹拌効
果によって熱処理液2の処理対象1151に対する冷却
性能を調整可能である。
従って、本実施例においては、熱処理液2の種類、温度
等のほか熱処理液2の撹拌速度が異なる複数の熱処理条
件が設定可能であるが、前記硬度がH*c−46とする
のに最適な熱処理条件を決定するにあたっては、従来の
ような加工実験を行うのではなく、本発明に基づいて簡
単な予備測定により最適熱処理条件を予測し、直接実際
の焼き入れ加工を行った。
まず、第1の工程として、JISG−0561に定めら
れた鋼の焼入性試験方法を応用して5UJ2のジョミニ
ー曲線およびジョミニー冷却曲線を同時に測定し、目標
冷却曲線を決定した。
すなわち、第2図に示すように、JISG−0561に
定められたジョミニー試片21を5UJ2を用いて作成
し、このジョミニー試片21の水冷端22から1.5m
m 、  7.5m 、 12.5ea、22.5+m
n、32.5Mおよび42.5胴の位置に各々直径1.
6鵬で深さ3 mmの孔23を設け、名札23にCAシ
ース熱電対24を差し込み、赤外線加熱炉25を用いて
窒素:水素=10:1の雰囲気中で所定加熱温度まで加
熱し、JISG−0561に準拠して噴水口26から水
を噴射して水冷端22を水冷し、第3図に示すようなジ
ョミニー曲13と、第4図に示すようなジョミニー冷却
曲線4とを測定した。
続いて、第3回のシロミニ−曲線3のうち加熱温度85
0°Cに対応するジョミニー曲線31を選択し、第5図
に示すように、選択したジョミニー曲線31から硬度H
,C=46を与えるジョミニー距離(水冷端22からの
距#)=6.6mmを求め、第4図のジョミニー冷却曲
線4からジョミニー距鋪=6.6Mに対応するジョミニ
ー冷却曲線を算出し、このジョミニー冷却曲線を目標冷
却曲線41として決定した。
一方、処理対象物1を冷却するにあたっては、熱処理液
2の種類、°温度および撹拌速度の組み合わせの異なる
5種類の熱処理条件とした。ここで各条件#1〜5の設
定は第1表に示すような内容とした。
第1表 ここで、第2の工程として、各条件#1〜5の熱処理液
2で処理対象物1を冷却した場合に予測される予測冷却
曲線を求めた。
この予測冷却曲線の算出にあたっては、JISK−22
42の5.2に定める熱処理油の冷却性能試験を利用し
て各条件#1〜5の熱処理液2の冷却曲線を求め、得ら
れた冷却曲線から冷却時に処理対象物1から熱処理液2
に奪われる熱の熱伝達率を算出するとともに、物性や形
状要素に応じた処理対象物l自体の熱伝達特性を考慮し
て処理対象物1の形状、材質および指定位置(表面から
4ffiI11)等に応じた補正を行い、処理対象物1
における温度分布を算出した。
なお、補正にあたっては、英国BS規格(BS5046
 :1974)に基づき、処理対象物lの高さ50m+
を考慮して実直径40■に対して等価直径を35mmと
して計算した。また、温度分布の算出にあたっては、熱
伝達率α(kcal / m”、hr。
°C)、処理対象物1の加熱温度θ(”C)、熱処理液
2の温度Tc(”C)、処理対象物l内部の温度勾配d
θ/ dx (”C/m)、5UJ2の熱伝導率λ(k
cal/ +m、hr、”C) 、処理対象物に用いる
鋼材中の単位面積を単位時間に通過する熱量q (kc
al/m”、hr ) 、処理対象物1から熱処理液2
へ単位面積を単位時間に通過する熱量Q (kcal/
m”、hr)とした際の熱伝導および伝達の基礎式9式
%(2) を用いて計算機で解析し、処理対象物lの温度分布を算
出し、以上により、第6図に示すように、熱処理条件#
1〜5毎に予測冷却曲線61〜65を決定した。
さらに、第3の工程として、第7図に示すような積分値
の順次比較により、第2の工程で得られた予測冷却曲線
61〜65の中から、第1の工程で決定された目標冷却
曲線41と近似のものを選択した。
まず、第4図の目標冷却曲線41に基づいて5UJ2の
マルテンサイト変態開始温度(T−250°C)までの
冷却過程の温度θ、の積分値1゜ r+−jθ1 ・dt を求めると、積分値II −10440″C= see
であった。
一方、第6図の各予測冷却曲線61〜65について、同
様にT = 250 ”Cまでの冷却過程の温度θ暑の
積分値I8を求めると第2表に示すような値となった。
第2表 ここで、第2表の積分値I2のなかから、積分値ll−
10440°C−5ecに最も近いものを選択すると、
条件#4すなわち熱処理液2として0種を用い、その温
度を80°Cにしておくとともに、流速0.2mbで撹
拌するという熱処理条件が極めて近いと判定でき、従っ
て、最適熱処理条件として条件#4を選択した。
ここで、第3の工程で選択された最適熱処理条件に従っ
て熱処理液2の種類、温度および撹拌速度を設定し、前
、述の規定の焼き入れ条件と併せて得られる条件の下で
、実際に処理対象物1を加熱したのち熱処理液2により
冷却して焼き入れ加工を行った。その結果、得られた処
理対象物1は、表面から4mの位置での硬度がH宵C=
47であった。
このような本実施例によれば、予測した最適熱処理条件
に従って実際の熱処理加工を行うことにより、処理対象
物1に要求される硬度を満足する正確な焼き入れ加工が
実現できる。
また、最適な熱処理条件を簡単な予備測定と計算とによ
って確定することができ、従来、最適な熱処理条件を決
定するにあたって不可欠とされていた多岐にわたる煩雑
な加工実験を省略して作業ロスを大幅に低減できる。
さらに、第1の工程における目標冷却曲線410選択や
第2の工程における条件#1〜5の予測冷却曲線61〜
65の算出にあたっては、JISに規定されるジぢミニ
ー式焼入試験方法や熱処理液の冷却性能試験方法等の既
成の試験方法を利用したため、予備測定および評価を確
実かつ客観的にできる。
また、第3の工程における目標冷却油l1141と予測
冷却曲線61〜65との比較にあたっては、各々が鋼材
のマルテンサイト変態開始温度Tまで冷却されるまでの
温度θ1.θオの積分値It。
I!を比較するため、実際の熱処理加工に即した熱処理
条件が選択でき、実加工時の条件設定をより正確にする
ことができる。
なお、本発明は前記実施例の態様に限定されるものでは
なく、各工程で採用する具体的手段等は実施にあたって
適宜変更可能である。
すなわち、第1の工程において目標冷却曲線41を求め
るにあたっては、その都度JISG−0561相当のジ
ョミニー式試験を行うのではなく、ジョミニー曲線3等
は鋼材の製造業者が製品に付属させるデータ等を利用し
てもよく、あるいは過去の実験に基づく好適なデータ等
があれば適宜利用可能であり、要するに第1の工程は処
理対象物lと同一の材料で所望の特性が得られる目標冷
却曲線41が決定できればよく、ジョミニー式試験以外
の手段を採用してもよい。
また、第2の工程において予測冷却曲線61〜65を求
めるにあたっては、JISK−2242の5.2相当の
冷却性能試験方法以外の手段によって各熱処理条件毎の
冷却曲線を求めてもよ(、例えば処理対象物1の冷却に
熱処理液2以外の冷却手段を用いる場合その都度、当該
冷却手段に好適かつなるべく客観的な冷却曲線が得られ
る冷却性能試験方法を採用することが望ましい。
さらに、予測冷却曲線61〜65を求める際の処理対象
物1に対応した補正にあたっては、熱伝導および熱伝達
の基礎式(1)、(2)の解を計算機を用で精密な値と
して求めるのではなく、適当な近似によってより高速化
したり、あるいは可能な範囲内で手計算等によって概算
を行ってもよい。
また、第3の工程において、各予測冷却曲線61〜65
および目標冷却曲線41の履歴熱量が略等しいと判定す
る温度Tとしては、5UJ2等の鋼材ではマルテンサイ
ト変態開始温度が該当するが、処理対象物1に他の金属
材料を用いる場合、熱処理によって得られる特性に寄与
する金属組繊を形成する条件の温度を用いればよい。
さらに、判定にあたっては、第7図のような前記温度T
までの各温度θ1.θ2の積分値1+。
■!の比較に替えて、第8図のように、各冷却曲線41
.61〜65が前記温度Tに到る冷却時間t0を比較し
てもよく、準備作業をより簡単かつ迅速にできるが、前
記実施例にように積分値の比較を利用したほうが正確で
ある。
また、各々の比較にあたっては、各冷却曲線41.61
〜65を実際に図示して比較したり、あるいは図示せず
とも計算機上などで数値データによって比較してもよい
さらに、本発明を通用する熱処理加工としては鋼材等の
焼き入れ加工に限らず、加工に用いる装置も前記実施例
に限定されるものではない、また、熱処理条件の設定も
前記実施例に示したような項目のみならず、必要に応じ
て適当な項目等を加減し、当該項目の設定が異なる複数
の条件を第2の工程で試験することにより当該項目を含
めた最適熱処理条件をも簡単かつ正確に決定することが
でき、本発明は金属材料に対する種々の熱処理等に広く
適用可能である。
〔発明の効果〕
以上に述べたように、本発明の金属材料の熱処理条件決
定方法によれば、任意の処理対象物に対して最適な熱処
理条件を節単に決定できる、加工実験等の作業ロスを解
消できるとともに、確実かつ迅速な準備ないし実加工を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の装置構成を示す概略図、第
2図は前記実施例における予(i12jI11定を示す
概略図、第3図は前記実施例で用いるジョミニー曲線を
示すグラフ、第4図は前記実施例で用いるジョミニー冷
却曲線を示すグラフ、第5図は前記第3図のジョミニー
曲線の1つを示すグラフ、第6図は前記実施例で算出す
る条件毎の予想冷却曲線を示すモデル、第7図は前記実
施例における目標冷却曲線と予測冷却曲線との比較を示
すグラフ、第8図は本発明の変形例の目標冷却曲線と予
測冷却曲線との比較を示すグラフである。 1・・・処理対象物、2・・・熱処理液、3,31・・
・ジョミニー曲線、4・・・ジョミニー冷却曲線、41
・・・目標冷却曲線、61〜65・・・予測冷却曲線。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)処理対象物と同一の金属材料に固有の冷却曲線の
    なかから処理対象物に要求される特性を与える目標冷却
    曲線を選択する第1の工程と、複数の熱処理条件につい
    て、任意の冷却性能試験方法によって冷却曲線を求めた
    うえで処理対象物に応じた補正を行い、当該熱処理条件
    を処理対象物に適用した際の予測冷却曲線を予測する第
    2の工程と、 前記目標冷却曲線と複数の予測冷却曲線とを順次比較し
    て所定温度に達するまでの冷却過程の履歴熱量が略等し
    い予測冷却曲線を与える最適熱処理条件を決定する第3
    の工程とを含み構成されたことを特徴とする金属材料の
    熱処理条件決定方法。
  2. (2)特許請求の範囲第1項において、前記金属材料は
    鋼材であり、前記要求される特性は硬度であり、前記所
    定温度はマルテンサイト変態開始温度であり、前記熱処
    理加工は焼き入れ加工であることを特徴とする金属材料
    の熱処理条件決定方法。
  3. (3)特許請求の範囲第2項において、前記第1の工程
    は、ジョミニー式一端焼入による焼入性試験方法に基づ
    いて前記鋼材のジョミニー曲線およびジョミニー冷却曲
    線を求め、前記ジョミニー曲線から前記要求される硬度
    となるジョミニー距離を求め、このジョミニー距離に対
    応するジョミニー冷却曲線を目標冷却曲線として選択す
    ることを特徴とする金属材料の熱処理条件決定方法。
  4. (4)特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに
    おいて、前記冷却性能試験方法は、加熱した金属棒材を
    熱処理液中で冷却して棒材各部の冷却曲線を測定する熱
    処理液の冷却性能試験方法であることを特徴とする金属
    材料の熱処理条件決定方法。
  5. (5)特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに
    おいて、前記第2の工程は、前記冷却性能試験方法で得
    られた冷却曲線から当該熱処理条件の下での熱伝達率を
    算出し、この熱伝達率と処理対象物の形状および金属材
    料の物性値とに基づいて処理対象物の各部の温度分布を
    算出し、この温度分布に基づいて処理対象物の任意位置
    における予測冷却曲線を算出することを特徴とする金属
    材料の熱処理条件決定方法。
  6. (6)特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに
    おいて、前記第3の工程は、前記所定状態に到る冷却曲
    線の積分値が略等しい場合に前記履歴熱量が略等しいと
    判定することを特徴とする金属材料の熱処理条件決定方
    法。
  7. (7)特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに
    おいて、前記第3の工程は、前記所定状態に到る冷却時
    間が略等しい場合に前記履歴熱量が略等しいと判定する
    ことを特徴とする金属材料の熱処理条件決定方法。
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