JPH0119828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プラグの挿脱によつて電気的に開閉
されるジヤツクに関するものである。

従来からこの種のジヤツクは第１図の断面図に
示すように、絶縁材で作られたボデイ１の入口部
に金属筒から成るスリーブ２を嵌合して、スリー
ブ端子３をかしめ付けたものが一般的であるが、
スリーブ２の内径Ｄは挿入されるプラグ４の外径
ｄよりも大きくなつているため、プラグ４を挿入
した状態でプラグ４を動かしたりすると、両者の
間に接触不良を起し易いという欠点を有してい
る。

本考案の目的は、このような従来の不安定要素
を除くため、プラグとの電気的接続を確実に行え
るような信頼性の高いジヤツクを提供することに
あり、その要旨は、絶縁材から成るボデイの入口
部にプラグが挿入される導電金属製のスリーブを
嵌合したジヤツクであつて、該スリーブは外径の
小さい肉薄部と外径の大きい肉厚部とから成る段
付き筒状形とし、前記肉薄部の両側部には内孔の
範囲まで入り込む切割部を設け、前記肉薄部の根
元には導電性材料から成るＵ字形のばね接片を嵌
め込み、該ばね接片の両側片部を前記切割部から
前記内孔の範囲内に僅かに入り込むようにしたこ
とを特徴とするものである。

本考案を第２図以下に図示の実施例に基づいて
詳細に説明する。

第２図に示す実施例のジヤツクでは、プラスチ
ツク材料で作られた筒状のボデイ１１の入口部に
金属製のスリーブ１２が嵌合され、この導電性の
スリーブ１２の内端によつてスリーブ端子１３が
かしめ止めされている。第３図に示すように、素
材のスリープ１２は例えば外径の小さい肉薄部１
２ａと、外径の大きい肉厚部１２ｂから成る段付
き筒状形とされ、肉薄部１２ａの両側部が切除さ
れた形状になつている。この切除された部分、つ
まり切割部１４に、肉薄部１２ａの周りに嵌め込
まれた第４図に示すばね接片１５が臨むように組
込まれている。このばね接片１５は導電性及び弾
性を有し、針金をＵ字状に曲折したものであつ
て、ばね接片１５の両側片部１５ａ，１５ｂは、
対向的に配置され、両側片部１５ａ，１５ｂ間の
間隙Ｓは、スリーブ１２の内孔１６の内径Ｄより
も稍々小さくなつている。従つて、ばね接片１５
を組込んだ状態では、第５図に示すようなばね接
片１５の両側片部１５ａ，１５ｂの一部が、スリ
ーブ１２の内孔１６の内部に僅かに入り込んだ状
態となる。

ばね接片１５は弾性を有するため、プラグがス
リーブ１２の内孔１６内へ挿入されたときは、プ
ラグによつて第５図の点線で示すようにばね接片
１５は拡開されてプラグの進入を許容するが、プ
ラグの挿入中はプラグを適度の圧力で弾性的な接
触を続けている。従つて、このばね接片１５自体
もプラグとの電気接続体の役割りを果し、プラグ
挿入中にプラグを動かしても接触不良を惹き起す
虞れが全くない。即ち、プラグとスリーブ端子１
３間の導通は、従来と同様にスリーブ１２を介し
てなされているが、その他にもこの接触確実なば
ね接片１５及びスリーブ１２の経路を介して導通
されるからである。

ばね接片１５は弾性の良い材料のものであれ
ば、針金状ではなく薄板導電金属板を打抜いて形
成したものであつてもよい。また上述の実施例で
は、スリーブ１２によつてスリーブ端子１３をか
しめ付けた場合を示したが、スリーブ１２とスリ
ーブ端子１３は単に接触していればよいのである
から、必ずしもかしめ付けとは限らず、例えば内
部のスリーブ端子１３を押圧する状態でスリーブ
１２をボデイ１１内へ圧入等の方法で固定するこ
ともできる。第２図の実施例では、スリーブ１２
をボデイ１１の内部へ完全に嵌入した場合を示し
ているが、第１図のようにスリーブ１２の一部分
だけを嵌入するようにしてもよい。更に、切割部
１４はばね接片１５の両側片部１５ａ，１５ｂを
孔１６の内部に入り込ませるためのものであるか
ら、図示のように肉薄部１２ａの上端まで切除し
なくてもよく、例えば肉薄部１２ａの根元付近の
みに窓をあけ、この窓からばね接片１５の両側片
部１５ａ，１５ｂを内孔１６の内部に入り込ませ
てもよい。また、ばね接片１５は１個所だけをプ
ラグに接触させるようにすることもできる。その
他にも本考案は上述の実施例に限定されずに、本
考案の要旨内において種々の変形が可能であるこ
とは勿論である。

本考案に係るジヤツクによれば、安価な１個の
ばね接片を附加するのみで、プラグとの接触不良
を起す虞れのない信頼性の極めて高いジヤツクを
実現することができ、またスリーブの内径とジヤ
ツクの外径との間の嵌合精度が多少粗雑であつて
も、これをばね接片の弾性によつて吸収できるた
め、製品の歩留りが向上し、コスト的にも有利で
あり、特に小型のジヤツクにも十分適用できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のジヤツクとプラグとの関係を示
す断面図、第２図以下は本考案に係るジヤツクの
一実施例を示し、第２図はその断面図、第３図は
スリーブにばね接片を取付けた状態の斜視図、第
４図はばね接片の平面図、第５図はスリーブとば
ね接片の平面図である。 符号１１はボデイ、１２はスリーブ、１３はス
リーブ端子、１４は切割部、１５はバネ接片、１
５ａ，１５ｂは側片部、１６は内孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁材から成るボデイの入口部にプラグが挿入
   される導電金属製のスリーブを嵌合したジヤツク
   であつて、該スリーブは外径の小さい肉薄部と外
   径の大きい肉厚部とから成る段付き筒状形とし、
   前記肉薄部の両側部には内孔の範囲まで入り込む
   切割部を設け、前記肉薄部の根元には導電性材料
   から成るＵ字形のばね接片を嵌め込み、該ばね接
   片の両側片部を前記切割部から前記内孔の範囲内
   に僅かに入り込むようにしたことを特徴とするジ
   ヤツク。