JPH0119558Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はしや断器のトリツプ用制御回路に係
り、特にトリツプ回路用電源電圧が設定値以下に
低下した場合に自動的にしや断器のトリツプ（即
ち、引外し）を行なう制御回路に関する。

〔考案の技術的背景〕

第１図は従来のトリツプ用制御回路の説明図で
ある。図中、１は主回路側母線Ａを開、閉するし
や断器であり、このしや断器１をトリツプするト
リツプコイル２と、しや断器１の開、閉状態に連
動して開、閉するしや断器の補助接点（常開接
点）３とが、トリツプ回路用電源母線ａ，ｂに直
列接続されている。また、主回路側母線Ａには変
成器を介して保護継電器４が設けられ、この保護
継電器４の動作により発せられるトリツプ指令信
号に基づいて閉じるトリツプリレー接点５が前記
補助接点３に直列接続されている。そして、しや
断器投入状態では補助接点３が閉、トリツプリレ
ー接点５が開状態となつている。今主回路内に短
絡等の事故が発生すれば、母線Ａに過電流等の異
常電流が流れ保護継電器４からトリツプ指令信号
が出力されるので、トリツプリレー接点５が閉じ
る。すると、トリツプ回路用電源母線ａ，ｂから
接点５と３を介してトリツプコイル２に電源電流
が供給され、これによりトリツプコイル２が励磁
されてしや断器１がトリツプし、母線Ａがしや断
されて主回路が保護される。なお、しや断器１が
トリツプすれば、それと連動して補助接点３が開
状態となり、トリツプコイル２への通電が断たれ
る。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、前記のようなしや断器の制御回
路では、トリツプ回路用電源電圧が設定値以下に
なつた場合、例えばトリツプ回路用電源が蓄電池
で構成され放電により蓄電池の出力電圧が低下し
た場合には、主回路に事故が発生してトリツプリ
レー接点５が閉状態となつてもトリツプコイル２
に印加されるトリツプ回路用電源が低いためにト
リツプコイル２が充分に励磁されず、そのためし
や断器１がトリツプされず、事故が増大する恐れ
があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、以上のような従来技術の欠点を除去
するためになされたものであつて、トリツプ回路
用電源が設定値以下になつた場合には、トリツプ
優先の思想により、しや断器を自動的にトリツプ
し、主回路側の重大事故の発生を未然に防ぐこと
ができる制御回路を提供せんとするものである。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために、本考案では、トリ
ツプ回路用電源電圧が設定値以上あるか否かを第
１と第２の接点を有する電源電圧検出用リレーで
判定し、トリツプ回路用電源電圧が設定値以上の
場合には第１の接点を閉状態にしてトリツプ回路
用電源によりコンデンサを充電し、電源電圧が設
定値以下の場合には第１の接点を開状態とすると
ともに第２の接点を閉状態にし、この第２の接点
を介してコンデンサの蓄積電荷をしや断器のトリ
ツプコイルに放電してトリツプコイルを励磁し、
しや断器をトリツプするようにしている。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第２図は、この実施例に係る制御回路の説明図
であり、前記第１図と同一要素は同一符号を付し
てその説明を省略する。この制御回路が前記第１
図の回路と意なる点は、トリツプ回路にＣ部分の
回路を付加した点である。

即ち、このＣ部分の回路は、トリツプ回路用電
源母線ａ，ｂに接続され直流電源電圧が印加され
る電源電圧検出用リレーコイル１０と、このリレ
ーコイル１０により開閉する常開接点（第１の接
点）１１および常閉接点（第２の接点）１２とを
具えている。常開接点１１は抵抗１３、ダイオー
ド１４およびコンデンサ１５とを直列に接続さ
れ、しかもこの直列回路はリレーコイル１０に並
列に接続されてコンデンサ充電回路を形成する。
一方、前記常閉接点１２は常開接点１１とコンデ
ンサ１５間、補助接点３とトリツプコイル２間
に、架設され、コンデンサ１５→常閉接点１２→
トリツプコイル２でコンデンサ放電回路を形成す
る。

このように構成される制御回路の動作を説明す
る。しや断器１の投入時において補助接点３は閉
状態であり、直流のトリツプ回路用電源電圧が設
定値以上の正常な場合には、電源電圧検出用リレ
ーコイル１０が励磁されてその常開接点１１を閉
状態、常閉接点１２を開状態にしている。そのた
め、コンデンサ１５にはトリツプ回路用電源より
抵抗１３、ダイオード１４および常開接点１１を
介して充電電流が供給され電荷が蓄積されてい
る。

このような状態においてトリツプ回路用電源電
圧が設定値より低くなれば、電源電圧検出用リレ
ーコイル１０は励磁不足となり、その常開接点１
１が開状態、常閉接点１２が閉状態となる。その
ためコンデンサ１５の蓄積電荷が常閉接点→トリ
ツプコイル２へと放電され、トリツプコイル２が
励磁されてしや断器１がトリツプされる。そのた
めトリツプ回路用電源電圧の不足時に生じるしや
断器１のトリツプ不能と、それに伴なう主回路側
の短絡事故等の拡大波及とを未然に防止すること
が可能となる。

また、上記実施例では電源電圧検出用リレーを
有接点リレーで構成したので、簡単な回路構成で
電源電圧が設定値以上か否かを判定できるという
利点がある。なお、このリレーを無接点リレーで
構成するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案では第１と第２の
接点を有する電源電圧検出用リレーでトリツプ回
路用電源電圧が設定値以上か否かを判定し、電源
電圧が設定値以上の場合には第１の接点を閉状態
にしてコンデンサを充電し、電源電圧が設定値以
下の場合には第２の接点を閉状態にしてこの第２
の接点を介して前記コンデンサを放電させ、しや
断器のトリツプコイルを励磁してしや断器をトリ
ツプさせることができるので、万一トリツプ回路
用電源電圧が不足しても未然にしや断をトリツプ
させ、電源電圧不足によるトリツプ不能とそれに
伴なう主回路側の短絡事故等の拡大波及とを防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の制御回路の説明図、第２図は本
考案の一実施例に係るしや断器の制御回路の説明
図である。 １……しや断器、２……しや断器のトリツプリ
レーコイル、３……しや断器の補助接点、４……
保護継電器、５……トリツプリレー接点、１０…
…電源電圧検出用リレーコイル、１１……電源電
圧検出用リレーコイルの第１の接点（常開接点）、
１２……電源電圧検出用リレーコイルの第２の接
点（常閉接点）、１５……コンデンサ、Ａ……主
回路側母線、ａ，ｂ……トリツプ回路用電源母
線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ トリツプ回路用電源から供給される励磁用電
   流によりしや断器をトリツプするトリツプコイ
   ルと、保護継電器の動作により発せられるトリ
   ツプ指令信号を受けて前記トリツプコイルに励
   磁用電流を流すトリツプリレー接点とを備えた
   しや断器の制御回路において、 前記トリツプ回路用電源電圧が設定値を超え
   るときに閉状態となる第１の接点と前記トリツ
   プ回路用電源電圧が設定値以下のときに閉状態
   となる第２の接点とを有する電源電圧検出用リ
   レーと、前記閉状態の第１の接点を介して前記
   トリツプ回路用電源から充電電流が供給されか
   つ前記閉状態の第２の接点を介して放電電流を
   前記トリツプコイルに供給するコンデンサと
   を、前記しや断器の制御回路に設けたことを特
   徴とするしや断器の制御回路。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の制御回
   路において、前記電源電圧検出用リレーを、ト
   リツプ回路用電源電圧が印加されるリレーコイ
   ルと、このリレーコイルにより開、閉される常
   開状態の第１の接点および常閉状態の第２の接
   点とで構成し、第１の接点と前記コンデンサと
   を直列に接続してこの直列回路を前記リレーコ
   イルに並列接続し、かつ第２の接点と前記トリ
   ツプコイルとを直列に接続してこの直列回路を
   前記コンデンサに並列接続したしや断器の制御
   回路。