JPH01193313A - プラズマグラフト重合方法 - Google Patents

プラズマグラフト重合方法

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JPH01193313A
JPH01193313A JP1863588A JP1863588A JPH01193313A JP H01193313 A JPH01193313 A JP H01193313A JP 1863588 A JP1863588 A JP 1863588A JP 1863588 A JP1863588 A JP 1863588A JP H01193313 A JPH01193313 A JP H01193313A
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plasma
polymer
graft polymerization
graft
polymerization
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JP1863588A
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Toshihiro Hirotsu
広津 敏博
Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
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Fujifilm Holdings Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高分子成形物などの基体に溶液中で疎水性単
量体をグラフト重合させたグラフト重合体の製造方法に
関するものである。
(従来の技術) プラズマプロセスの高分子加工への応用については今日
広く知られるところである。それらのうち、最も一般的
な手法はプラズマ表面処理とプラズマ重合の2つである
。前者は高分子成形物の表面を、非重合性のガスである
窒素、アルゴン、ヘリウム等をプラズマ源として処理す
るもので、この処理により高分子の表面には極性基や架
橋構造が導入されて表面の親木性や接着性の改善を図る
ことができる。一方、後者はエチレン、ベンゼン等のよ
うな有機系のガス状単量体をプラズマ化して反応させる
ものであり、架橋構造に富む極めて薄い膜状物質が得ら
れる。これは膜としての特異的な機能を利用し、分離膜
、保護層としての応用が可能なほか、その膜表面の性質
も活用できる。
すなわち、例えばフッ素系ないしはケイ素系単量体から
のプラズマ重合膜の表面は極めて疎水性であるし、また
ピリジンのような含窒素単量体からの膜は親木性である
のでそれぞれの目的で利用できる。
上に記した2つの手法は、いずれもプラズマの1段階的
プロセスにより改質加工や高分子膜作成を図るものであ
る。
一方、前記プラズマ表面処理の際に、処理を受だ高分子
表面には極性基や架橋構造か導入されると同時に多くの
高分子ラジカルか生成する。この高分子ラジカルを開始
点として有機単量体によりグラフト重合か可能である。
このプラズマグラフト重合の手法はすでに古くから知ら
れており、例えば、ポリエステルの親木加工等の目的て
取入れられた経緯がある。
この方法は、処理的には、 (1)基質高分子のプラズマ表面処理、および(2)単
量体によるグラフト重合 という、2段階のプロセスからなる。すなわち、プラズ
マ処理という物理的加工プロセスに、新たにグラフト重
合という化学的加工プロセスを加えたものである。従っ
て、操作の面でもその分、煩雑であるし、またさらに、
溶液系でのグラフト重合の場合には、プラズマ加工にお
けるドライプロセスという最も大きな利点の1つを損な
うこともあり得る。しかし、 a、プラズマ表面処理の表面選択的な活性化を利用した
ものであり、クラフト層は主として高分子基質の表面に
形成されていること、 b、グラフト重合は基質上に化学的に結合しているため
に、機械的、化学的に安定なこと、C1このためにグラ
フト層と基質高分子の双方の機能を相乗的に利用できる
こと、 d、グラフト重合層はポリビニル型の構造を取っており
、反応させる単量体の構造からあらかじめプラズマグラ
フト重合生成物の機能の予測かほぼ可能なこと、 等のような特徴があり、その応用に期待か持たれている
。とりわけ、表面選択的なグラフト層の形成という面で
は、他の放射線や化学的開始によるグラフト重合では極
めて困難であり、このことかこのプラズマグラフト重合
の最大の特徴ともいうことができる。
このプラズマグラフト重合プロセスのうち、グラフト重
合の過程については既にいろいろな変法が提案されてい
る。例えば、基質高分子を非活性ガスプラズマにより処
理ののち、アクリル酸等の単量体を脱気下に気体の状態
で反応させるもの(テキスタイル インダストリイ誌、
第91頁、1975年)、単量体ガスを混合した状態で
共重合させるもの(特開昭52−98064号)があり
、また親水性単量体の水溶液中での反応は極く一般的に
行われている。また、親水性単量体の重合の興味深い反
応の1つとして、共重合が挙げられる。例えば、2−ア
クリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸や
メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチルはポリエチレ
ンに対して単独ではグラフトしないが、アクリル酸やア
クリルアミド等とともに水溶液として反応させると、高
い効率てグラフト重合する(日本化学会誌、第831頁
、1983年)。
このプラズマグラフト重合の手法により得られる材料は
先に記したような特徴のために各種分野において応用が
図られている。
例えば、ポリエステルの親水性と防汚性の改善(テキス
タイル インダストリイ誌、第91頁、1975年)、
同じくポリエステル染色物の深色加工(高分子論文集、
第38巻、第615頁、1981年)、金属吸着材(日
本化学会誌、第831頁、1983年)、アニオン系界
面活性剤の吸着材(ジャーナル オブ アプライド ポ
リマー サイエンス誌、第27巻、第1735頁、19
82年)、透水化112(特開昭59−160504号
)、水−アルコール分#膜(特願昭61−269956
1号、ジャーナル オブ アプライド ポリマー サイ
エンス誌、第34巻、第1159頁、1987年、イン
ダストリアル エンジニアリング ケミカル リサーチ
誌、第26巻、第1287頁、1987年1等)。
このように、プラズマ表面処理を経由する単量体を用い
たグラフト重合は、さまざまな方法か可能であって、そ
れぞれに従った応用分野て期待の大きな手法となってい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上に示した例の多くは親木性単量体を用
いたものである。疎水性単量体をより効率的にプラズマ
グラフト重合てきればその応用が−層拡大できるはずで
ある。
ガス化可能な単量体は気相でグラフト重合させることも
できるが、気相では単量体濃度が希薄なため重合効率は
必然的に小さくなる。このために溶液状での重合が望ま
しいわけであるが、疎水性の単量体は当然水には溶は難
いので、有機系の溶媒を使用することが必要となる。し
かしながら、ここで問題となることはグラフト重合の溶
媒依存性であり、一般に水に比べて有機系溶媒を用いる
とグラフト重合性が極端に落ちる場合が多い。
例えば、ポリプロピレンに対してアクリル酸をグラフト
重合させる際に、溶媒として水とともにエタノール、ジ
メチルホルムアミドを加えた系では溶媒中に有機溶媒が
存在するとグラフト重合収率は著しく低下し、その割合
か20%程度の少量のときでも顕著である。
このような有機溶媒添加による重合の阻害については、
その単独重合においても観察されているものである0例
えば、同じくアクリル酸を、過硫酸塩を熱分解すること
により得られるラジカルイオンを開始剤として重合させ
る場合に、単量体水溶液中にメタノールやアセトンを加
えていくと、重合速度か著しく低下することが確認され
ている(工業化学雑誌、第58巻、第693頁、195
5年)。この重合速度の低下については重合開始剤から
得られるラジカル開始種が有機溶媒から水素を引き抜き
、連鎖移動剤として作用してしまうために起ることが原
因となっているとされる。プラズマグラフト重合の場合
にも同じことが原因となっていると思われる。
このような理由から、疎水性単量体のプラズマグラフト
重合において有機溶媒は用い難いという問題があった。
また、水はそのままでは疎水性単量体を溶かし難く溶媒
として使用するには難がある。こうして、疎水性単量体
のプラズマグラフト重合は反応上の制約があって、この
ためにプラズマグラフト重合の応用分野を著しく限定す
るという結果となっていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、以上に述べた疎水性単量体を用いたとき
のプラズマグラフト重合における問題を解決すべく鋭意
検討を加えた結果、本発明に至っ、たちのである。すな
わち本発明は、高分子基体をプラズマ表面処理した後、
界面活性剤の存在下に疎水性単量体を乳化ないしは分散
させた水溶液の状態で該基体に接触させてグラフト重合
させることを特徴とするプラズマグラフト重合体の製造
方法を提供するものである。この方法により、疎水性単
量体のグラフト重合効率を著しく向上させることができ
た。
本発明に適用される界面活性剤とは一般にビニル系単量
体の乳化重合に用いられるものであれば差支えなく、ア
ニオン性、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤、オリゴマー界面活性剤、高分子界
面活性剤等を挙げることかできる。具体的には以下の例
を挙げることができるか、これらに限定されるものでは
ない。
アニオン性界面活性剤の例としては以下のものか挙げら
れる。
C12H25COONa C18H37COONa C、HH23C0NCH2COONa H3 CIIH23CONCH2CH2COONa品3 CH2C00C8H1y Na03SCHCOOC6HI3 C11H23cH=cHcHzsO3NaC47H33
CONCH2CH2SO3NaCH3 03Na CH2COOC6H13 Na03SCHCOOC6HI3 C+21(z50sO3Na Co611370SO3Na カチオン性界面活性剤の例としては以下のものが挙げら
れる。
CH3 CH3 CH3 H3 非イオン性界面活性剤の例としては以下のものが挙げら
れる。
Cl2H2SO(CH2CH20)IOHC++1Hx
iO(CHzCHzO)zoHポリオキシエチレンソル
ビタントリス テアリン酸エステル n=30 両性界面活性剤の例としては以下のものか挙げられる。
H3 レシチン オリゴマーおよび高分子界面活性剤の例としては以下の
ものが挙げられる。
これら界面活性剤は単独で用いるのが普通であるが、複
数を併用することも可能である。その使用量は、使用す
る単量体の量に対して0.1ないし20重量%の範囲が
適当である。
本発明に用いられる疎水性単量体としては、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ベン
ジル、メタクリル酸グリシジル、エチレングリコールメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、アクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−
ジメチルアミノプロピル等のアクリル酸またはメタクリ
ル酸のエステル; 2−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−フェニ
ルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド等のアク
リルアミド誘導体: 酢酸ビニル、ラウロイル酸ビニル等のビニルエステル: スチレン、ビニルトルエン、ビニルアセトフェノン、ク
ロロメチルスチレン、スルホスチレン、2−および4−
ビニルピリジン等の芳香族ビニル化合物; メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニ
ルアルキルエーテル: アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデ
ン、l−ブテン、イソブチン等、を挙げることができる
本発明に用いられる疎水性単量体としては25℃で、蒸
留水に対し10%以上溶解しないものが好ましい。
これらは単独でグラフト重合に用いることもできるし、
複数により共重合させることもてきる。
さらに、本発明の方法によればこのような疎水性単量体
とともに親水性の単量体を共存させて反応させることも
でき、この方法によればグラフト重合層に親木性成分と
疎水性成分が適当な割合で導入された構造の生成物を得
ることも可能となる。
ここで言う親木性単量体とは一般に蒸留水に可溶性の単
量体を指し、次のような例を挙げることができる。すな
わち、アクリル酸およびそのナトリウム塩およびカリウ
ム塩、メタクリル酸およびそのナトリウム塩およびカリ
ウム塩。
アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2
−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−メトキシエチル
、 CH2−C11C00−(C112CI+20)。
−R(ここてn=2〜50、R=Hまたはc H3)、
CH2=C(CH3)C0O−(CH2C120)、−
R(ここでn=2〜50、RはHまたはCH3)、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N、N−ジメ
チルアクリルアミド、N−アクロイルモルホリン、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、2−アク
リルアミドプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩
およびカリウム塩、スチレンスルホン酸のナトリウム塩
およびカリウム塩、メタクリル酸−2−ジメチルアミノ
エチルの塩酸塩および硫酸塩、N−2−メタクリロオキ
シエチルーN、N。
N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−2−メタク
リロオキシブロピルーN、N、N−トリメチルアンモニ
ウムクロリド、2−および4−ビニルピリジンの塩酸塩
および硫酸塩、N−ビニルベンジル−N、N、N−トリ
メチルアンモニウムクロリド、等が挙げられる。
疎水性単量体と親木性単量体の共重合において各成分の
混合比は溶解度に応じて任意に選ぶことが可能である。
本発明に用いられる重合溶媒としての水溶液は水単独あ
るいは木に混和しつる各種の有機溶媒と水との混合物で
あってもよい。水と混和しうる有機溶媒としてはメチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチル
ケトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル、テトラヒドロフランなどを挙げることができるが
、これらに限定されるものではない。
また、水と有機溶媒の混合比率は水/有機溶媒比(体積
比)でZoolo(水単独)〜50150が好ましく、
特に好ましくは水単独である。
本発明のグラフト重合反応を単量体及びその重合体が溶
解するような有機溶剤条件下で行おうとすると基体上へ
の高分子形成は全く起こらないか、または微量の高分子
形成にとどまる。
また、水媒体中で重合を行おうとする場合、疎水性七ツ
マ−の溶解度以下の濃度条件ではグラフト反応が起りに
くい場合が多く、また溶解度以上の濃度条件とし、不均
一系で重合を行っても、グラフト反応を使道させること
はできない。
界面活性剤を加えた水溶液中でのこれら単量体の濃度は
、単量体の重合活性や目的のグラフト層の厚さ等により
適宜選択すればよいが、好ましくは0.5ないし50重
量%の範囲である。
本発明において界面活性剤を用いた疎水性単量体の乳化
または分散の形態は、疎水性単量体及び界面活性剤の種
類や量によっても若干異なるが、一般の乳化重合におけ
る乳化または分散と同一と考えてよい、これらについて
は、室井宗−著「高分子ラテックスの化学」 (高分子
刊行会、1970年)第15〜56頁に詳細に記載され
ている。
本発明に用いられる高分子基体としては、ポリエステル
、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
タジェン、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポ
リウレタン、ABS樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、アクリル樹脂、などをあげることができる、また綿
、麻、絹、木材などの天然高分子を用いることもできる
。このような高分子物質の形状はいかなる形状であって
もかまわないが本発明においては好ましくは板状物、フ
ィルム状物、繊維状物、粉体ないしは粒状物として用い
ることができる。また多孔性フィルムも使用できる。
次に、プラズマグラフト重合の方法について述べる。前
述のとおり、これは(1)プラズマ表面処理、と(2)
グラフト重合の2段階のプロセスを経て行われる。
まず、プラズマ表面処理による活性化の過程は通常の放
電処理を適用することができ、この放電プラズマ処理に
ついては、例えば、J、R,ホーラン、A、T、ベル編
著「プラズマ化学の技術と応用」ワイリー、ニューヨー
ク、1974年、等の著書や総説に詳しい。
放電プラズマ中に生成するラジカルやイオン等の高エネ
ルギーの活性種は、高分子基質表面の極薄い層で反応し
、この作用によって高分子を構成するC−C結合、C−
H結合に開裂が生じて高分子ラジカルが形成される。こ
れから引続きラジカル同志の反応や脱離反応を経て架橋
や不飽和結合が形成される。あるいは酸素等の活性なガ
スとの反応によって極性基が新たに導入される場合もあ
る。
一方1以上のような副次的な反応にあずからない高分子
ラジカルは単量体と接触させることによりグラフト重合
を生じることが可能である。すなわち、グラフト重合の
開始点として利用することができる。
放電プラズマの発生法としては、数kHz〜数十kHz
オーダーのオーデイオ波、13.56M Hzのラジオ
波、あるいはさらに波長の短いGHzオーダーのマイク
ロ波を利用することができる。
本発明における高電圧放電によるプラズマ処理は減圧下
で行われ、好ましくは0.001トールより高く、20
トール以下の各種ガス圧下で放電を行うが、例えばプラ
ズマ表面処理条件としては、0.01〜1.0トールの
ガス圧のもと、5〜100ワツトの出力で5秒〜10分
間照射することがより好ましい。
プラズマガス源としては、基質高分子の劣化を生じるこ
とのないヘリウムやアルゴン等の希ガス、窒素、あるい
は残留#A機ガスを用いることができる。
次に、単量体によるグラフトのプロセスについて述べる
。プラズマグラフト重合の方法には、大別して(1)プ
ラズマで活性化した高分子基質を直接脱気単量体溶液で
処理し1反応させるやり方、と(2)活性化基質をいっ
たん空気または酸素ガスに触れさせ過酸化物としたあと
、これを熱分解してオキシラジカルとし、同じく脱気単
量体溶液で処理して反応させるやり方、等があるが本発
明の手段としてはいずれをも用い得る。
一般に反応雰囲気は脱気下(例えば高真空下)でのグラ
フト重合が望ましいが、空気ないしは酸素の非存在下、
例えば窒素やアルゴンガス置換の状態で(例えば常圧で
)重合させることもできる。
グラフト重合の重合温度は、単量体の重合活性によって
も種々異なるが0℃〜100℃の範囲で行うことができ
、好ましくは室温〜90℃の範囲で行われる。
なお、グラフト重合の反応時間は特に制限はないがlO
分〜lO時間の範囲が実質上好ましい。
(発明の効果) 本発明方法によれば高分子基材表面に高分子膜を効率的
に導入でき、これが基材表面に直接グラフト反応によっ
て付加したものであるため、経時あるいは種々の処理に
よる剥離や溶解流失がなく、所期の性能の低下がないと
いう特徴を有する。また5重合条件(温度1時間、単量
体温度、界面活性剤量など)を適当に選ぶことによって
、重合層の厚みを、極めて薄いものから厚いものまで任
意にコントロールでき、しかも膜形成過程で基材へ与え
るダメージが小さいため、基材本来の特性を損うことも
ほとんどない。
さらに1本発明方法の最大の利点は、従来、溶液グラフ
ト重合が困難てあった疎水性単量体のグラフト重合体を
高分子の大村上へ容易に形成させることができることで
ある。しかも、溶液中て重合反応が可能なため、多種の
組み合わせの疎水性単量体の共重合が、望む割合で行う
ことができ、また、高沸点単量体あるいは、固体状単量
体の使用も容易である。すなわち、本発明によって高分
子基材に対する高圧放電グラフト重合の応用範囲が拡大
する。
また、基材表面に要求される特性に応じ、疎水性単量体
を含む種々の単量体が選択てき、高分子基材の表面特性
改良の可能性が拡大する。
また、本発明方法の特徴は、親水性単量体と疎水性単量
体とをグラフト共重合できることである。普通、親水性
単量体と疎水性単量体とを共重合させる場合、双方に溶
解性のある極性溶媒を必要とするが、先に述べたように
一般に有機溶媒はグラフト重合を著しく阻害する。この
点、界面活性剤を含む水溶液系では重合阻害の効果は実
質的にない0例として、アクリル酸ブチルとアクリル酸
を種々割合で混合し、全体としての濃度を一定とした系
における界面活性剤を含む水溶液系でのグラフト重合の
結果を第1図に示す。
最近、疎水成分と親水成分とを”海鳥”構造的ないしは
”モザイク”的に導入した材料表面が、生体適合化の上
で有効なことが指摘されている。
本発明の方法でイ専られる親木性単量体と疎水性単量体
のプラズマグラフト共重合表面でも様々な分野での応用
が期待される。
このように本発明の方法によれば、疎水性単量体を効率
的に高分子基材表面にグラフト重合できるので、材料の
表面保護、反射防止、疎水加工。
分離膜等の作成等を達成することができる。
(実施例) 次に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
実施例1 大きさ6×6crrI″のポリプロピレン多孔フィルム
(セルガード2500、商品名、セラニーズ社製)を内
径30閣■、長さ240+uiの反応管の内壁に装着し
、0.02トールまで真空排気し、この残留ガスをプラ
ズマガス源として用い、13.56MHzのラジオ波で
誘導結合的に励起する方法で放電を発生させ、プラズマ
処理を行った。10ワツトの出力下、60秒間の照射処
理ののち、この反応容器の中に、あらかじめ真空下に脱
気しておいたアクリル酸ブチル2.5gを含む界面活性
剤水溶液50m[l(単量体濃度5重量%)を加え、減
圧封管中、70℃で30分間反応させた。ここで、界面
活性剤水溶液はエチレンオキシドの平均付加モル数的3
0のポリエチレンオキシドノニルフェニルエーテルを0
.175g、すなわち単量体に対し7重量%含むもので
ある。
反応後、フィルムを蒸留水、酢酸エチル、エタノールの
順にそれぞれ2回ずつ洗浄し、残存する単量体、ホモ重
合体および界面活性剤を除去した。減圧乾燥ののち、基
板フィルム1crn”あたり1.77mgのグラフト重
合体の形成が認められた。
比較例1 実施例1と同様の方法でポリプロピレン多孔フィルムを
プラズマ処理ののち、アクリル酸ブチルな15重量%含
む酢酸エチル中、2時間反応を行った。その結果基板フ
ィルム1cm″あたり0.14mgのグラフト重合体し
か得られなかワた。
一方、酢酸エチルに代えて、エタノールを用いたとき、
全くグラフト重合物は得られなかった。
実施例2 疎水性単量体としてスチレンを用いグラフト重合の反応
時間を2時間とした以外は実施例1と同様にしてポリプ
ロピレン多孔フィルムにグラフト重合を行った。その結
果、基板フィルム1ctn”あたり0.22mgのグラ
フト重合体の形成が認められた。
同様に、単量体濃度を15重量%とし、4時間反応させ
たとき0.34mg/cm″のグラフト重合体の形成が
認められた。
実施例3 実施例1と同様の方法でポリプロピレン多孔フィルムを
プラズマ処理したのち、アクリロニトリル5重量%を含
む界面活性剤水溶液中、70°Cで2時間反応させた。
基板フィルム1cm”あたり0.43mgのグラフト重
合体の形成が認められた。
実施例4 実施例1と同様の方法でポリプロピレン多孔フィルムを
処理ののち、アクリル酸とアクリール酸ブチルが807
20(重量比)の割合で5重量%含まれるポリエチレン
オキシドノニルフェニルエーテル7重量%水溶液を用い
、70℃で30分間反応させた。その結果、基板フィル
ム1cm”あたり3.09mgのグラフト重合体の形成
が認められた。
同様に、アクリル酸とアクリル酸ブチルな60/40(
重量比)の割合で反応させ、2.79■g/c■のグラ
フト重合体の形成が認められた。
同様に、アクリル酸とアクリル酸ブチルな40760の
割合で反応させ、2.68■g/c■2のグラフト重合
体の形成が認められた。
同様に、アクリル酸とアクリル酸ブチルを20/80の
割合で反応させ、1.71mg/c−のグラフト重合体
の形成が認められた。
比較例2 実施例4と同様の方法でポリプロピレン多孔フィルムを
処理したのち、アクリル酸とアクリル酸ブチルな501
50(重量比)の割合で15重量%含むエタノールを用
い、4時間反応させた。
基板フィルム1crn′あたりに形成されたグラフト重
合体は0.09mg/crn’であった。
同様の方法で水−エタノール10/90(重量比)の混
合溶媒を用いたとき、グラフト重合量は0.04mg/
cm″であった。
比較例3 アクリル酸ブチルの代りにアクリル酸2.5gを用いた
以外は実施例1と全く同様にしてグラフト重合体の形成
を行ったところ、基板フィルム1crn’あたり0.4
mgのグラフト重合体が形成された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、界面活性剤含有水溶液中でのアクリル酸(A
A)とアクリル酸ブチル(BA)との混合物によるグラ
フト共重合の結果を、単量体比依存性として示している
。 特許出願人 工業技術院長 飯 塚 幸 玉量   富
士写真フィルム株式会社 代理人 復代理人 弁理士 飯 1)敏 五節  1 
 図 BA/(AA+BA)(セ量スジ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)高分子基体をプラズマ表面処理した後、界面活性
    剤の存在下に疎水性単量体を乳化ないしは分散させた水
    溶液の状態で該基体に接触させてグラフト重合させるこ
    とを特徴とするプラズマグラフト重合体の製造方法。
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