JP3313176B2 - 分離膜、その製造方法及び分離方法 - Google Patents
分離膜、その製造方法及び分離方法Info
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Description
び分離膜を用いた分離方法に関し、特に、水中に含まれ
るトリハロメタン等の有機化合物を選択的に分離除去す
ることができる分離膜、その製造方法及びそのような分
離膜を用いた分離方法に関する。
有する膜を用いて種々の混合物を分離する膜分離法は、
近年益々さかんになり、その技術は様々な分野で応用さ
れつつある。また膜分離法における分離対象物も固体−
液体混合物のみならず、液体−液体、気体−気体、気体
−液体混合物と広い範囲にわたり、種々の混合物に対す
る分離膜及び分離技術の開発に関心が集まっている。膜
分離法による有機溶媒等の分離も注目されている分野の
一つであり、従来簡単な方法では分離できなかった混合
物(例えば、沸点が近接していて蒸留による分離が困難
な混合物、共沸混合物、熱に弱い物質を含む混合物等)
を分離又は濃縮する方法として研究されている。
えばトリハロメタン等の比較的低炭素数の有機ハロゲン
化合物のいくつかは人体に対して毒性があるとの疑いが
あり、発癌性が指摘されているものもある。近年、この
ような有機ハロゲン化合物が水道水中に含まれている場
合が多いとの指摘があり、これを完全に除去する方法の
確立が望まれている。
パーベイパレーション法が注目されているが、水中に溶
解する有機物の除去にも分離膜を用いたパーベイパレー
ション法が試みられており、この方法に用いることがで
きる分離膜として、アクリル酸エステル−アクリル酸共
重合体膜(星優ら、日本膜学会第12年会、1990
年)や、変性シリコーン複合中空糸膜(伊東章ら、化学
工学会第22回秋季大会、1989年)等が提案されて
いる。しかしながら、これらの膜では分離選択性が十分
ではなく、水中に微量含まれるトリハロメタン等の有機
化合物を確実に分離することはできない。
微多孔膜にアクリルモノマーをグラフト重合し、微多孔
膜の細孔をアクリルグラフト重合体により実質的に充満
してなる分離膜を開示している。この分離膜は、有機物
同士の混合物(例えばベンゼンとシクロヘキサン、クロ
ロホルムとn−ヘキサン、メチルアセテートとシクロヘ
キサン、アセトンと四塩化炭素等)から特定の成分を良
好に分離することはできるが、本発明者等の研究によれ
ば、無作為にアクリル系モノマーを選択し、これをポリ
エチレン微多孔膜にグラフト重合して細孔をアクリルグ
ラフト重合体により充満した分離膜を用いても、水中に
含まれる有機化合物、特にクロロホルム等のトリハロメ
タンを始めとする有機ハロゲン化合物を、高い選択性を
もって良好に分離除去することができないことがわかっ
た。
している有機化合物を選択的に除去することができる分
離膜を提供することである。
離膜を製造する方法を提供することである。
した分離膜を用いて、水中に溶解している有機化合物を
選択的に除去する方法を提供することである。
の結果、本発明者は、基材としてポリエチレン微多孔膜
を用い、この膜に対して、特定の長さのアルキル基を有
するアクリレートモノマーをプラズマグラフト重合する
ことにより、細孔を上記アクリレートモノマーのグラフ
ト重合体で実質的に充満した分離膜とすれば、水中に存
在する有機化合物を選択的に透過して水と分離すること
ができることを発見し、本発明を完成した。
ン微多孔膜に、CH2 =CHCOOR(ここでRは炭素数が10以
上のアルキル基である。)で表されるアクリレートモノ
マーをプラズマグラフト重合し、もって前記微多孔膜の
細孔を前記アクリレートモノマーのグラフト重合体によ
り実質的に充満したことを特徴とする。
方法は、 (a) CH2 =CHCOOR(ここでRは炭素数が10以上のアルキ
ル基である。)で表されるアクリレートモノマーと界面
活性剤とを水に加えて、均一なアクリレートモノマーの
エマルジョン液を調製し、 (b) プラズマを照射してラジカルを生成させたポリエチ
レン微多孔膜を前記エマルジョン液に接触させ、もっ
て、前記ポリエチレン微多孔膜の細孔を前記アクリレー
トモノマーのグラフト重合体により実質的に充満するこ
とを特徴とする。
的に分離する本発明の方法は、上記の分離膜を用い、パ
ーベイパレーション法、蒸気透過法又は逆浸透法により
前記アクリレートモノマーのグラフト重合体に親和性の
ある有機化合物を選択的に分離することを特徴とする。
の分離膜について説明する。
基材とする。ポリエチレン微多孔膜としては、超高分子
量ポリエチレン、高密度ポリエチレンからなるものを用
いることができるが、強度の観点から超高分子量ポリエ
チレンからなるものを用いるのがよい。
は30〜95%、より好ましくは35〜90%の範囲である。空
孔率が30%未満では分離目的物の透過性が不十分でな
り、一方95%を超えると膜の機械的強度が小さくなり実
用性に劣る。
にあるのが好ましい。平均孔径が0.005 μm未満である
と分離の目的物の透過性が不十分となり、また平均孔径
が1μmを超えると分離性能が低下する。
るのが好ましい。破断強度を 200kg/cm2 以上とするこ
とで、ポリエチレン微多孔膜の細孔に形成されたグラフ
ト重合体に分離対象物が溶解した際の膨潤に対する耐変
形性が十分となる。
しくは 0.1〜50μm、より好ましくは 0.2〜25μmであ
る。厚さが 0.1μm未満では膜の機械的強度が小さく、
実用に供することが難しい。一方50μmを超えると、厚
すぎて透過性能を低下させるので好ましくない。
独重合体またはエチレンと10モル%以下のα−オレフィ
ンとの共重合体からなる結晶性の線状超高分子量ポリエ
チレンであり、その分子量は、重量平均分子量が5×10
5 以上、好ましくは1×106〜1×107 である。超高分
子量ポリエチレンの重量平均分子量は得られる分離膜の
機械的強度に影響する。重量平均分子量が5×105 未満
では極薄で高強度の分離膜が得られない。一方、重量平
均分子量の上限は特に限定されないが、重量平均分子量
が1×107 を超えると延伸加工による薄膜化が難しいの
で好ましくない。
多段重合のリアクターブレンドあるいは通常のブレンド
操作により、超高分子量ポリエチレンに、他の比較的低
分子量のポリエチレンを配合したものを用いることがで
きる。この場合、重量平均分子量が7×105 以上の超高
分子量ポリエチレンを1重量%以上含有し、重量平均分
子量/数平均分子量が10〜300 のポリエチレン組成物か
らなるものが好ましい。
/数平均分子量は、10〜300 、好ましくは12〜 250であ
る。重量平均分子量/数平均分子量が10未満では、平均
分子鎖長が大きく、溶解時の分子鎖同士の絡み合い密度
が高くなるため、高濃度溶液の調製が困難である。また
300 を超えると、延伸時に低分子量成分の破断が起こり
膜全体の強度が低下する。
分子量分布の尺度として用いられるものであり、この分
子量の比が大きくなるほど分子量分布の幅は拡大する。
すなわち重量平均分子量の異なるポリエチレンからなる
組成物においては、組成物の分子量の比が大きいほど、
配合するポリエチレンの重量平均分子量の差が大きく、
また小さいほど重量平均分子量の差が小さいことを示し
ている。
ン組成物中における含有量は、ポリエチレン組成物全体
を100 重量%として、1重量%以上である。超高分子量
ポリエチレンの含有量が1重量%未満では、延伸性の向
上に寄与する超高分子量ポリエチレンの分子鎖の絡み合
いがほとんど形成されず、高強度の微多孔膜を得ること
ができない。一方、上限は特に限定的ではないが、90重
量%を超えると、目的とするポリエチレン溶液の高濃度
化の達成が困難となる。
チレン以外のポリエチレンは、重量平均分子量が、7×
105 未満のものであるが、分子量の下限としては1×10
4 以上のものが好ましい。重量平均分子量が1×104 未
満のポリエチレンを用いると、延伸時に破断が起こりや
すく、目的の微多孔膜が得られないので好ましくない。
特に重量平均分子量が1×105 以上7×105 未満のポリ
エチレンを超高分子量ポリエチレンに配合するのが好ま
しい。
超高分子量ポリエチレンと同種のものが挙げられるが、
特に高密度ポリエチレンが好ましい。
は、いずれにおいても、必要に応じて、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、顔料、染
料、無機充填剤などの各種添加剤を、本発明の目的を損
なわない範囲で添加することができる。
法について説明する。超高分子量ポリエチレン単独から
なる微多孔膜の場合は、例えば特開昭60-242035 号に記
載の方法で製造することができる。
分子量のポリエチレンを配合してなるポリエチレン組成
物からなる微多孔膜の場合は、例えば特開平3-64334 号
に記載の方法で製造することができる。
のポリエチレンを配合してなるポリエチレン組成物から
なる微多孔膜の製造方法を説明すると、まず、上述のポ
リエチレン組成物を溶媒に加熱溶解することにより、高
濃度溶液を調製する。この溶媒としては、ポリエチレン
組成物を十分に溶解できるものであれば特に限定され
ず、上記特開昭60-242035 号に記載のものと同じでよ
い。加熱溶解は、ポリエチレン組成物が溶媒中で完全に
溶解する温度で攪拌しながら行う。その温度は使用する
重合体及び溶媒により異なるが、140 〜250 ℃の範囲が
好ましい。また、ポリエチレン組成物溶液の濃度は、10
〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。
ダイスから押し出して成形する。ダイスは、通常長方形
の口金形状をしたシートダイスが用いられるが、2重円
筒状の中空系ダイス、インフレーションダイス等も用い
ることができる。シートダイスを用いた場合のダイスギ
ャップは通常0.1 〜5mmであり、押出し成形時には140
〜250 ℃に加熱される。この際押し出し速度は、通常20
〜30cm/分乃至2〜3m/分である。
液は、冷却することによりゲル状物に成形される。冷却
は少なくともゲル化温度以下までは50℃/ 分以上の速度
で行うのが好ましい。
ては、ゲル状成形物を加熱し、通常のテンター法、ロー
ル法、インフレーション法、圧延法もしくはこれらの方
法の組合せによって所定の倍率で行う。2軸延伸が好ま
しく、縦横同時延伸または逐次延伸のいずれでもよい
が、特に同時2軸延伸が好ましい。
10℃以下、好ましくは結晶分散温度から結晶融点未満の
範囲である。例えば、90〜140 ℃、より好ましくは、10
0 〜130 ℃の範囲である。ここで融点とは、JIS K 7121
に基づいてDSCにより測定した値をいい、結晶分散温
度とは、ASTM D 4065 に基づいて粘弾性測定により求め
た値をいう。
膜の少なくとも細孔内表面に、CH2=CHCOOR(ここでR
は炭素数が10以上のアルキル基である。)で表されるア
クリレートモノマーからなるグラフト重合体が形成され
ており、このグラフト重合体が実質的に細孔を満たした
構造を有する。アクリレートモノマーのグラフト重合
は、後述するようにプラズマグラフト重合法により行な
う。
のアルキル基である。)で表されるアクリレートモノマ
ーは非水溶性であり、有機ハロゲン化合物(たとえば炭
素数が2以下の低炭素数の有機ハロゲン化合物)等の有
機化合物に対して良好な親和性を有する。アクリレート
モノマーとしては、上記の通りその中のアルキル基Rの
炭素数が10以上のものを用いる。アルキル基Rとしては
直鎖状のもの又は側鎖を有するものが挙げられる。これ
らアクリレートモノマー中のアルキル基の炭素数は10以
上で、好ましくは11以上、より好ましくは11〜20であ
る。好ましいアクリレートモノマーとしては、具体的に
はラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、エ
チルデシルアクリレート、エチルヘキサデシルアクリレ
ート等が挙げられる。
いると、高い選択性をもって有機ハロゲン化合物を水か
ら分離することが可能となる。
重合が可能なものであり、グラフト重合してなるポリマ
ーも非水溶性であるとともに有機ハロゲン化合物に対し
て良好な親和性を有する。したがって、ポリエチレン微
多孔膜の少なくとも細孔内表面にこのようなアクリレー
トモノマーからなるグラフト重合体が形成されてなる分
離膜は、良好な選択性をもって、水中の有機ハロゲン化
合物を分離することができる。
表面にグラフト重合体を形成させるが、これにはプラズ
マグラフト重合法を用いる。プラズマグラフト重合法で
は、超高分子量ポリエチレン製微多孔膜にプラズマを照
射して、ラジカルを生成させた後に、上記したアクリレ
ートモノマーを微多孔膜に後述する方法により接触さ
せ、アクリレートモノマーをグラフト重合する。
法及び液相重合法があるが、モノマーをグラフト重合さ
せるには液相重合法が好ましい。
ではなく、基材となる微多孔膜のほうにラジカルを生成
してグラフト重合することにより、細孔内表面にまでア
クリレートモノマーをグラフト重合することができる。
なお超高分子量ポリエチレン微多孔膜の細孔内表面以外
の表面にもグラフト重合体が生成されるが、極力少なく
することが望ましい。
レートモノマーをプラズマグラフト重合して、本発明の
分離膜とする工程を概念的に示す部分断面斜視図であ
る。(a) に示すように、ポリエチレン微多孔膜2は、膜
を貫通する細孔3を多数有している。この微多孔膜にプ
ラズマグラフト重合を行い、アクリレートモノマーをそ
の表面にグラフト重合させる。図1の(b) に示すよう
に、分離膜1では、グラフト重合した重合体4が微多孔
膜の膜表面部のみならず細孔3の内表面にも形成され、
細孔3がグラフト重合体4により実質的に充填された膜
の一態様を示している。なお、この図ではグラフト重合
体4が微多孔膜2の両面に形成されているが、本発明は
これに限らず、ポリエチレン微多孔膜2の片面及び細孔
内の一部分にまでグラフト重合体4が形成されていても
よい。
れたホモポリマーは、トルエン等の溶剤を用いて完全に
洗い流し、グラフト重合体のみをポリエチレン微多孔膜
の表面上(細孔内表面及び膜表面)に残す。
の工程からなる。
ーを無機又は有機溶媒に溶解又はけん濁させ、アクリレ
ートモノマーの均一溶液を調製する。一般に、プラズマ
グラフト重合では重合するモノマーの水溶液を用いるの
が好ましいが、本発明で用いるアクリレートモノマーは
非水溶性のものであるので、本発明の方法では、まず、
アクリレートモノマーを水に加え、さらに界面活性剤を
添加して、アクリレートモノマーの均一なエマルジョン
液を調製する。このエマルジョン液の調製では、界面活
性剤を0.1〜50重量%含有する水100重量部に、
アクリレートモノマーを0.1〜100重量部加えるの
が好ましい。
拌してアクリレートモノマーが均一に分散してなるエマ
ルジョン液とするのが好ましい。界面活性剤の量が0.
1重量%未満では良好なエマルジョン液が得られず、微
多孔膜表面に均一なグラフト重合体を形成することがで
きない。一方、50重量%を超すと、グラフト重合性を
阻害するおそれが生じる。また、アクリレートモノマー
の量が界面活性剤を含む水100重量部に対して、0.
1重量部未満では、微多孔膜の細孔に十分な量のグラフ
ト重合体を形成することができない。一方、アクリレー
トモノマーの量が100重量部を超すと、重合量の制御
が困難となり、細孔内表面以外の膜表面にも重合体が形
成され好ましくない。
ヘリウム、窒素、空気等のガスの存在下で、通常、周波
数10〜30MHz 、出力1〜1000Wで、1〜1000秒のプラズ
マ処理を微多孔膜に対して行い、ポリエチレン微多孔膜
の表面(細孔内表面を含む)にラジカルを生成させ、こ
のポリエチレン微多孔膜を上記したエマルジョン液とと
接触させる。具体的には、上記のエマルジョン液に、ラ
ジカルを発生させたポリエチレン微多孔膜を浸漬するの
がよい。なお、この操作は、窒素ガス、アルゴンガス等
をバブリングしながら、20〜100 ℃で、1分〜数日間行
うのが好ましい。
キシレン等で1時間程度洗浄し、乾燥させる。
り、微多孔膜の細孔をグラフト重合体で実質的に閉塞し
た目的の分離膜を得ることができる。プラズマグラフト
重合はポリエチレン微多孔膜の表面部だけで起こるの
で、膜基材を劣化させることはない。またグラフト重合
体は化学的に膜基材に結合しているため、経時変化を起
こすこともない。
チレン微多孔膜の細孔を、グラフト重合体が実質的に充
満していることが必要である。細孔を充満したグラフト
重合体が液体混合物の特定の成分を選択的に取り込み、
それを膜の反対側まで透過させる。ポリエチレン微多孔
膜の空孔率を高くしておけば、細孔内のグラフト重合体
を透過する(分離される)物質の量も多くなり、効率の
よい分離をすることができる。またポリエチレン微多孔
膜によりグラフト重合体の膨潤が抑えられるので、膜全
体としての強度が低下することもない。
離方法について説明する。
発明の分離膜を用いて、パーベイパレーション法、蒸気
透過法又は逆浸透法により水中に含まれる有機化合物の
分離を行う。本発明の方法におけるパーベイパレーショ
ン法、蒸気透過法又は逆浸透法は、本発明の分離膜を用
いること以外は基本的には公知のパーベイパレーション
法、蒸気透過法又は逆浸透法と同様であり、本発明の分
離膜を隔てて1次側に分離対象となる混合液体又は蒸気
(有機化合物を含有する水又は水蒸気)を供給し、2次
側を低圧側とし、混合液体の一成分(有機化合物)を気
体あるいは液体として2次側に取り出す。
離対象物により多少異なるが、通常0〜120 ℃、好まし
くは10〜100 ℃とする。120 ℃を超える温度ではポリエ
チレン微多孔膜の耐熱性が不十分となって膜形状の保持
に問題が生じ、また0℃未満では、分離対象物にもよる
が、一般には単位膜面積、膜厚及び時間当たりの透過量
が少くなって好ましくない。
囲は、200 kg/cm2 以下、好ましくは100 kg/cm2 以下
である。200 kg/cm2 を超える圧力ではポリエチレン微
多孔膜の形状保持が困難となる。
アクリレートモノマーとしてラウリルアクリレート、又
はステアリルアクリレートを用いた場合、本発明の方法
によると、水に溶解したクロロホルム、四塩化炭素、ト
リクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリ
クロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、メチレンクロ
ライド等の有機ハロゲン化合物を良好に分離することが
できる。この他に、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン等の有機化
合物も分離することができる。
細に説明する。
平均孔径0.02μm、破断強度1300kg/cm2 の超高分子量
ポリエチレン微多孔膜(東燃化学(株)製:分画分子量
20万)に、プラズマ発生装置(サムコ(株)製)を用
いてプラズマを照射した。このときのプラズマ処理の条
件を表1に示す。
(以下SDSと略す)と、ラウリルアクリレート(以下
LAと略す)とを表2に示すように水に加え、超音波振
動を与えてエマルジョン液を調製した。
レン微多孔膜を、LAのエマルジョン液に浸漬し、グラ
フト重合を行った。グラフト重合条件(温度及び時間)
を表2に合わせて示す。
0 重量%としたときの添加したモノマーの量(重量%)
を示す。 (2) :単位はg/リットルであり、水1リットル当たり
のSDSの量を示す。
をトルエン中で1昼夜洗浄し、室温で乾燥した。乾燥後
に膜の重量を測定し、初期の膜重量からの変化によりグ
ラフト重合量を測定した。グラフト重合量は1.54mg/cm
2 であった。
孔はグラフト重合体で埋められていることを確認した。
また、得られた膜を透過型(TR)及び全反射型(AT
R)のフーリエ変換型IR法により分析し、膜全体の組
成と表面組成とを比較し、LAが膜孔内でグラフト重合
していることを確認した。
1,2-トリクロロエタン水溶液を供給液とし、パーベイパ
レーション法により1,1,2-トリクロロエタン(以下TC
Eと呼ぶ)の分離試験を行った。供給液、及び分離膜を
透過した液(以下、透過液と呼ぶ)中のTCEの量(濃
度)を、以下のようにして測定した。まず、供給液及び
透過液中のTCEをヘキサンにより抽出し、この抽出液
をガスクロマトグラフ(FDI検出器)にかけ、それぞ
れの液中のTCEを定量した。供給液のTCE濃度と透
過液のTCE濃度との関係を図2に示す。
のTCE濃度(Y)とから、以下の式により分離係数α
を求めた。 α=Y・(100 −X)/X・(100 −Y) 供給液のTCE濃度と、分離係数αとの関係を図3に示
す。
のものを用いた。アクリレートモノマーとしてLAの代
わりにブチルアクリレート(以下BAという)を用いた
以外は、実施例1と同様にして分離膜を作製した。な
お、BAのグラフト重合量は2.16mg/cm2 であった。
TCEの分離試験を行った。供給液のTCE濃度と透過
液のTCE濃度の関係を図2に示す。また、実施例1と
同様にして分離係数αを求めた。供給液のTCE濃度と
分離係数αとの関係を図3に示す。
の分離膜を用いると、TCEを大幅に濃縮することがで
きる。一方、BAを用いた分離膜(比較例1)では、T
CEの濃縮度は小さい。
レン微多孔膜を用いており、有機溶媒又水に対して良好
な耐膨潤性を有する。特にポリエチレンとして高密度ポ
リエチレンや超高分子量ポリエチレンを用いた場合、分
離膜は機械的強度及び耐久性に優れる。また、再現性の
良好な分離を行うことができる。
キル基を有するアクリレートモノマーからなるグラフト
重合体が微多孔膜の細孔内を実質的に閉塞しているの
で、パーベイパレーション法、蒸気透過法あるいは逆浸
透法を用いることにより、水中に含まれている有機ハロ
ゲン化合物を高い選択性をもって分離することができ
る。
のアクリレートモノマーと界面活性剤と水から均一なエ
マルジョン液を調製し、このエマルジョン液を用いてポ
リエチレン微多孔膜に対してグラフト重合を行ってお
り、ポリエチレン微多孔膜の表面に均一にグラフト重合
体が形成され、分離性能の良い分離膜を製造することが
できる。
ラズマグラフト共重合する工程を概念的に示す部分断面
斜視図であり、(a) はポリエチレン微多孔膜を示し、
(b) はグラフト重合体を有するポリエチレン微多孔膜
(分離膜)を示す。
液と透過液中のTCEの量の関係を示すグラフである。
液中のTCE量と分離係数との関係を示すグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエチレン微多孔膜に、CH2 =CHCOOR
(ここでRは炭素数が10以上のアルキル基である。)で
表されるアクリレートモノマーをプラズマグラフト重合
し、もって前記微多孔膜の細孔を前記アクリレートモノ
マーのグラフト重合体により実質的に充満したことを特
徴とする分離膜。 - 【請求項2】 (a) CH2 =CHCOOR(ここでRは炭素数が
10以上のアルキル基である。)で表されるアクリレート
モノマーと界面活性剤とを水に加えて、均一なアクリレ
ートモノマーのエマルジョン液を調製し、 (b) プラズマを照射してラジカルを生成させたポリエチ
レン微多孔膜を前記エマルジョン液に接触させ、 もって、前記ポリエチレン微多孔膜の細孔を前記アクリ
レートモノマーのグラフト重合体により実質的に充満す
ることを特徴とする分離膜の製造方法。 - 【請求項3】 水中に含まれる有機化合物を選択的に分
離する方法において、請求項1に記載の分離膜を用い、
パーベイパレーション法、蒸気透過法又は逆浸透法によ
り前記アクリレートモノマーのグラフト重合体に親和性
のある有機化合物を選択的に分離することを特徴とする
分離方法。
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