JPH0119238B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 この発明は放電灯起動および作動回路、特に、
消弧した高強度ガス入り放電灯をまだ温かい間に
急速に再起動する回路に関する。

発明の背景 高強度放電灯を起動し且つ安定器作用をする公
知の形式の回路は、装置から短時間電力が切れた
時、放電灯が急速に脱イオンし、再び電力が印加
された時に電流を通さなくなるという欠点があ
る。この様な一時的な動作の停止は、放電灯の種
類に応じて、１分間から15分間という長い期間ま
での間続くことがあり、放電灯を再び起動するま
で、作業並びにその他の活動を中断させる。従
来、放電灯を素早く再び起動する種々の装置が提
案されているが、こういう種類の公知の装置並び
に回路は、一般的に高価であつたり、構成が複雑
であつたり、或いは動作に信頼性がなかつた。

この出願と同時に出願された、昭和56年10月26
日提出の特許願(2)には、ガス入り放電灯を起動し
且つ作動する回路として、電源の電圧が一時的に
低下したり或いは停電した場合、放電灯を素早く
再び起動する改良された回路が記載されている。
この別の特許願に記載された実施例の回路では、
放電灯を直ちに再び起動する為のパルスを発生す
る発振器回路を用いている。この発明は、以下詳
しく説明する様に、この再起動用発振器回路の動
作を改良する装置に関する。

発明の目的 この発明の目的は、ガス入り放電灯を起動し且
つ作動する前述の種類の改良された装置、特に消
弧した放電灯をまだ温かい間に素早く再び起動す
る装置を提供することである。更に具体的には、
自走式（フリーランニング型）発振器手段を用い
た放電灯起動装置であつて、放電灯が正常点灯状
態では不作動に保持され、不点灯状態では作動す
る装置を提供することである。

発明の概要 上に述べた目的を念頭において、この発明の１
つの面では、電流源と、その入力側が該電流源に
接続された安定器手段と、該安定器手段の出力側
に接続された放電灯手段と、該放電灯手段及び安
定器手段の間に直列に接続されていて、放電灯手
段に流れる電流を感知する第１の変圧器手段と、
その入力側が電流源に接続され且つその出力側が
第１の変圧器手段に接続され、放電灯手段を起動
並びに再起動する為の高圧正弦波を発生する発振
器手段と、該発振器手段に含まれていて、１次巻
線及び減磁巻線を持ち、第１の変圧器手段に接続
されている第２の変圧器手段と、前記１次巻線に
接続された被制御スイツチ手段と、片側が被制御
スイツチ手段に接続され且つ反対側が第２の変圧
器手段に接続された直列接続の一方向電流手段及
び低域波器手段で構成され、発振器手段をオフ
に転ずる手段とで構成されたガス入り放電灯を起
動し且つ作動する回路を提供する。

この発明は以下図面について説明する所から更
によく理解されよう。

実施例の記載 図面には、高強度ガス入り放電灯１に対する起
動及び作動回路が示されている。放電灯は、典型
的には高圧ナトリウム蒸気灯又はその他の放電灯
であつて、点弧する為には比較的高い電圧パルス
を必要とし、その後は一層低い電圧で動作する。
放電灯１が導体５，６によつて安定器７の出力に
接続され、この安定器が典型的には120ボルトの
交流電流源の端子２に接続される。安定器７は、
任意の公知の形式の誘導性安定器装置であつてよ
いが、放電灯回路で普通行われる様に、限流イン
ピーダンスになる。

この発明では、正弦波発振器回路を用いて、冷
たい時の放電灯１を起動するだけでなく、消弧し
た放電灯をまだ温かい間に素早く再び起動する為
に、例えば1600乃至200000Hzの範囲の高圧高周波
正弦波を発生する。更に、放電灯が不作動である
か或いは存在しない場合、発振器回路に印加され
る電圧を下げる可変インピーダンス手段が設けら
れている。こういう目的の為、図面に示す実施例
では、正弦波発振器回路８が導体９，１０によつ
て安定器７及び可変インピーダンス手段に接続さ
れる。可変インピーダンス手段は、安定器７と発
振器回路８との間に直列に接続された正の温度係
数を持つ抵抗（PTCR）１１として示してある。
周知の様に、PTCRは冷たい時に抵抗値が小さ
く、電流が通過したことによつて徐々に温まるに
つれて、その抵抗値が対応して増加する。図示の
特定の発振器回路は、その主な構成は公知の形式
であつて、例えば米国特許第4202031号に記載さ
れている。発振器回路８が直流源として作用する
両波整流器１２、波コンデンサ１６、電力トラ
ンジスタ１７、変圧器１８、ダイオード１９，２
０、抵抗２１，３０及びコンデンサ２２を含んで
いる。これらの回路部品は図示の様に接続されて
トランジスタをオンに転ずると共にその動作を制
御する。この組合せが正弦波発振器として作用す
る。変圧器１８は１次巻線１８ａ、減磁巻線１８
ｂ及び２次巻線１８ｃを持ち、２次巻線はこの発
明に従つて、導体３３，３４によつて、図示の単
巻変圧器の様な結合変圧器３２に接続され、この
変圧器３２が放電灯１と直列に導体５に接続され
ている。トランジスタ１７の両端に接続されたコ
ンデンサ３６は広い範囲にわたる負荷条件にわた
つてトランジスタが適正に転流する様に保証す
る。変圧器１８は３つの帰還巻線２７，２８，２
９をも持ち、これらがトランジスタ１７の動作を
制御する様に作用する。トランジスタ１７のベー
スが、抵抗３０、ダイオード１９，２０、帰還巻
線２８，２９、抵抗２１及びコンデンサ２２で構
成された起動及び制御回路に接続される。巻線１
８ａ，１８ｂに接続されたダイオード２３はトラ
ンジスタ１７を高圧サージから保護する様に作用
する。

この発明では、放電灯の正常の動作中、フリー
ランニング型の再起動発振器回路をオフに転じ保
持する改良された装置を設け、こうして放電灯の
ちらつき、電力の消費及びその他の欠点を避け
る。図示の様に、このターンオフ機構は、片側が
ダイオード２３の陽極と変圧器の減磁巻線１８ｂ
の接続点に接続され且つ反対側がベース帰還巻線
２９とコンデンサ２２の接続点に接続された直列
接続のダイオード２４及び誘導子２５で構成され
る。この装置が、正常な再起動作用を妨げずに、
放電灯の正常な動作中、発振器の動作を停止す
る。これは、図示の回路では、トランジスタ１７
のベースに、抵抗３０及び帰還巻線２８，２９に
よつて供給される正の電流よりも大きさの大きい
負の電流を供給すると共に、放電灯の動作中、抵
抗３０を介してコンデンサ２２に供給される正の
充電電流よりも大きさの大きい負の電流をコンデ
ンサ２２に供給して、発振器をオフに保つことに
よつて達成される。上に述べたターンオフ回路
は、放電灯の動作中、放電灯の電流の感知装置と
して高圧変圧器３２を利用する。変圧器３２は、
放電灯を起動する為に高周波電圧を逓昇するもの
であるが、放電灯の正常な動作中、放電灯の60Hz
の電流で飽和して、放電灯電流との干渉を最小限
に抑える様に設計されている。然し、電流波形が
鉄心を飽和させるのに十分な大きさに達するまで
に、普通の変圧器作用が起る。これによつて変圧
器３２の普通の１次側に60Hzの電圧が発生され
る。この電圧は、変圧器の２次巻線１８ｃに印加
されることにより、変圧器１８の他の巻線に、タ
ーン比分だけ低下した電圧を誘起する。この発明
では、この電圧を整流して負の電圧を作り、それ
を波してトランジスタ１７をオフに転ずる為に
用いる。

誘導子２５が高周波阻止波器として作用し
て、高周波数の再起動電圧がトランジスタ１７を
オフに転ずるのを防止する。ダイオード２４は正
のパルスを阻止して負のパルスを通過させる様に
作用し、こうしてトランジスタをカツトオフにす
る為にトランジスタのベースに対して負のバイア
スを発生する。

図示の様に、この装置の動作は、放電灯の正常
な動作中、発振器がオフであるが、電力が印加さ
れた状態で放電灯が消えるや否や、放電灯電流の
帰還パルスが停止し、コンデンサ２２が抵抗３０
を介して正に充電され、発振器が動作を開始する
様になつている。

図示の様にコンデンサ２２及び帰還巻線２９の
接続点に接続する代りに、前述のダイオード２４
と誘導子２５の組合せは、帰還巻線２８と抵抗２
１の接続点へ、又は直接的にトランジスタ１７の
ベースへ接続することが出来る。

ターンオフ回路の波装置として誘導子を示し
てあるが、誘導子の代りに、抵抗とコンデンサの
組合せの様な他の形式の低域波装置を用いるこ
とが出来る。

前掲別の特許願に記載されている様に、以上説
明した回路が動作する時、回路が付勢されると、
コンデンサ１６がPTCR１１及び整流器ブリツジ
１２を介して充電される。コンデンサ１６がこの
様に充電される間、PTCR１１は限流作用をす
る。コンデンサ１６が一杯に充電されると、発振
器回路がオンになる。コンデンサ１６及びPTCR
１１のRC時定数は非常に短く、この為、コンデ
ンサ１６は非常に急速に、例えば１サイクル以内
に一杯に充電される。発振器回路８がオンに転ず
る為には、コンデンサ２２が小さな正の値まで充
電されなければならない。この充電が抵抗３０及
びコンデンサ２２のRC定数によつて制御され、
多数のサイクルを必要とする。充電コンデンサ２
２がトランジスタ１７のベースを正にバイアス
し、トランジスタがオンに転じ、コレクタ電流が
変圧器巻線１８ａに流れる。帰還巻線２８，２９
が負の電圧を発生し、それがトランジスタ１７を
オフに転ずる。電流が変圧器の減磁巻線１８ｂ及
びダイオード２３に流れる時、変圧器１８に貯蔵
されているエネルギが減少する。こうして、前掲
米国特許4202031号に詳しく記載されている様に、
発振器８がフリーランニングになり、変圧器１８
の出力は高周波の正弦波である。この後、電圧が
結合単巻変圧器３２によつて逓昇され、放電灯１
に印加される。

安定器７の両端に接続されたコンデンサ３５
は、変圧器３２によつて発生された高圧に対する
インピーダンスが非常に小さく、従つて高周波電
圧は安定器の両端に殆んど現われない。

放電灯１が起動すると、前に述べた様に、ダイ
オード２４及び誘導子２５の作用により、発振器
回路がオフに転ぜられる。こうして冷たい放電灯
の普通の起動が行われる。

線路電圧が下がつたことにより、放電灯１が消
弧した場合、ダイオード２４及び誘導子２５から
成るターンオフ機構は、変圧器３２を流れる放電
灯電流がない為に作用しなくなる。この時、コン
デンサ１６が依然として一杯に充電されているの
で、それがターンオフ機構によつて小さな負の値
に充電された状態に保たれているコンデンサ２２
を再充電し始め、この為コンデンサ２２に小さな
正の電荷が再び印加され、前に述べた手順が燥返
されて、放電灯１を起動する。

放電灯１が入つていないか或いは不作動である
場合、発振器回路８は予定の動作期間の後に部分
的に不作動にされる。これはPTCR１１が加熱さ
れて抵抗値が大きくなり、こうしてコンデンサ１
６が一杯に充電されていないので、発振器の出力
電力を制限するからである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の１実施例による放電灯起動及
び作動回路の回路図である。 主な符号の説明、１：放電灯、２：給電端子、
７：安定器、８：発振器、１８，３２：変圧器、
１７：トランジスタ、２４：ダイオード、２５：
誘導子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガス入り放電灯の起動および作動回路に於
   て、 電流源２と、 その入力側が前記電流源に接続された安定器７
   と、 該安定器の出力側に接続された放電灯１と、 第１の巻線及び第２の巻線を有し、該第２の巻
   線が該放電灯及び前記安定器の間に直列に接続さ
   れ放電灯に流れる電流を感知する第１の変圧器３
   ２と、 第２の変圧器１８と被制御半導体スイツチ１７
   を有し、前記電流源より入力し且つ前記第１の変
   圧器に出力する、前記放電灯を起動し且つ再起動
   する為の高圧正弦波を発生するフリーランニング
   型の発振器８であつて、該第２の変圧器は１次巻
   線１８ａ、減磁巻線１８ｂ及び２次巻線１８ｃ及
   び該２次巻線に磁気結合された減磁巻線１８ｂを
   持ち、該１次巻線は前記被制御半導体スイツチに
   接続され、該２次巻線は前記第１の変圧器の第１
   の巻線に接続されており、更に前記発振器は直列
   接続の一方向性電流手段２４及び低域波器２５
   で構成されていて、片側が前記被制御半導体スイ
   ツチの制御電極に接続され且つ反対側が前記第２
   の変圧器の減磁巻線に接続され、前記放電灯の正
   常動作中は前記第１の変圧器で感知された電流に
   応答して該発振器をオフに転じ保持する手段を包
   含する起動および作動回路。 ２ 特許請求の範囲１に記載したガス入り放電灯
   の起動および作動回路に於て、前記一方向電流手
   段がダイオード２４で構成され、前記低域波器
   が誘導子２５で構成される起動および作動回路。 ３ 特許請求の範囲１に記載したガス入り放電灯
   の起動および作動回路に於て、前記被制御半導体
   スイツチがトランジスタ１７で構成され、該トラ
   ンジスタのベースが前記直列接続のダイオード及
   び誘導子に接続され、且つそのコレクタが前記１
   次巻線に接続されると共に、エミツタが減磁巻線
   に接続されている起動および作動回路。 ４ 特許請求の範囲１に記載したガス入り放電灯
   の起動および作動回路に於て、前記電流が交流電
   流であり、前記電流源及び前記発振器の間に整流
   器１２が接続されている起動および作動回路。