JPH01189856A - 防爆型電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野〕 本発明は封口体に防爆装置を備えさせた防爆型電池に関
する。

〔従来の技術〕

例えば、有機電解液を用いる筒形のリチウム電池などで
は、電池に内部短絡の発生など不慮の事故が生じて電池
内部にガスが発生し、電池内部の圧力が異常上昇を起こ
しかけたときに、可撓性薄板が上方に撓んで切刃に接触
して破壊することにより、電池内部のガスを電池外部に
排出し、電池の急激な破裂、いわゆる電池の爆発を防止
する防爆装置を封口体に備えさせることが行われている
（例えば、実公昭５９−１５３９８号公報）。

本発明者らも、そのような防爆装置を封口体に備えさせ
た防爆型電池について研究を重ね、これまでに第４図に
示すような電池を開発してきた。

この第４図に示す電池では、封口板１０のガス通気孔１
１を閉塞する可撓性薄板４０の周縁部と環状パッキング
３０とを端子板２０の鍔状周縁部２２と封口板ＩＯとで
挟持し、電池内部に不慮の事故が生してガスが発生し、
電池内部の圧力が上昇すると、第５図に示すように、可
撓性薄板４０の中央部が上方に撓んで端子板２０に設け
た切刃２４に接触して破壊されることにより、防爆装置
が作動して、電池内部のガスを封口板１０のガス通気孔
１１を介して端子板２０のガス排気孔２３から電池外部
へ排出して電池の破裂を未然に防止する。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、これまでの電池においては、いずれもその防爆
装置の作動圧力が温度にかかわらずほとんど一定に設定
されており、常温でも高温でも電池内部の圧力が上昇す
れば防爆装置が作動してしまう。

また、リチウムを負極活物質とし、有機電解液を電解液
として用いる打機電解液系のリチウム電池では、安全性
面から、アルカリ電池などの水溶液系電解液を用いる防
爆型電池よりも、防爆装置の作動圧力をかなり低く設定
しているため、通常の使用温度範囲（一般に６０℃以下
）内での温度変化により電池内部の圧力が一時的に上昇
して、防爆装置が作動し、電池機能を喪失したり、防爆
装置の作動により漏出した電解液によって電池使用機器
が損傷を受けるなどの問題が発生する。

本発明は、上述したように従来の防爆型電池が通常の使
用温度範囲内での温度変化による一時的な圧力上昇によ
って防爆装置が作動し、電池機能を喪失したり、漏出し
た電解液によって電池使用機器が損傷を受けるといった
問題点を解決し、通常の使用温度範囲内での一時的な圧
力上昇では防爆装置が作動せず、内部短絡の発生など温
度上昇を伴い圧力上昇が電池活物質がなくなるまで継続
するような継続的な圧力上昇に対しては防爆装置が作動
して電池破裂を防止することができる防爆型電池を提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための手段を本発明の実施例に対応
する第１図に基づいて説明すると、本発明は、封口板１
０と端子板２０の本体部分２１とで形成される空間部６
０の可撓性薄板４０より上側の部分に環状の熱変形部材
５０を配置することによって、防爆装置の作動圧力を温
度によって変え得るようにしたものである。

（作用〕 上記のように封口板１０と端子板２０の本体部分２１と
で形成される空間部６０の可撓性薄板４０より上側の部
分に環状の熱変形部材５０を配置しておくと、通常の使
用温度範囲内での圧力上昇では、第２図に示すように可
撓性薄板４０が上方に撓むときの支点が環状の熱変形部
材５０の内周端になり、可撓性薄板４０の撓む部分の径
は環状の熱変形部材５０によって規制される。その結果
、可撓性薄板４０の撓む部分の径が小さくなるので、大
きな圧力上昇がないかぎり、可撓性薄板４０は切刃２４
に接触する程度にまで撓まな（なり、防爆装置の作動圧
力が高くなる。したがって、通常の使用温度範囲内での
一時的な圧力上昇による防爆装置の作動は防止されるよ
うになる。一方、それ自体が温度上昇を伴う継続的な圧
力上昇では、その温度が環状の熱変形部材５０の融点近
くまで上昇すると、上記環状の熱変形部材５０が熱によ
って変形するので第３図に示すように可撓性薄板４０が
上方に撓むときの支点は端子板２０の本体部分２１と鍔
状周縁部２２との境界の折曲点になり、可撓性薄板４０
の撓みは端子板２０で規制されるようになって、可撓性
薄板４０の撓む部分の径は通常の使用温度範囲内での一
時的な圧力上昇の場合よりも大きくなる。その結果、通
常の使用温度範囲内での圧力上昇よりも低い圧力で可撓
性薄板４０が切刃２４に接触する程度に撓むようになり
、安全性が確保できる範囲内の圧力で防爆装置が作動す
るようになる。上記のような環状の熱変形部材５０の材
料としては、融点が９０〜１３０℃の熱変形材料、特に
成形の容易さから、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル樹脂などの融点が９０〜１３０℃の熱可塑性合成樹脂
を用いるのが好ましい。

〔実施例〕

第１図は本発明の防爆型電池の一実施例を示す拡大断面
図である。同図において、１は防爆装置を備えた封口体
であって、この封口体１は、ガス通気孔１１を穿設した
封口板１１と、本体部分２１と鍔状周縁部２２からなり
本体部分２１にガス排気孔２３および切刃２４を設けた
帽子状の端子板２０と、封口板１０の周縁部上に配置す
る環状パッキング３０と、周縁部が上記環状パッキング
３０上に配置し前記封口板１０の折曲縁１２のかしめに
よって該環状バンキング３０と共に端子板２０の鍔状周
縁部２２と封口板１０とで挾持される可撓性薄板４０を
有し、上記封口板１０と端子板２０の本体部分２１とで
形成される空間部６０の可撓性薄板４０より上側の部分
には環状の熱変形部材５０が配置されている。

上記封口板１０は浅い容器状のものが用いられているが
、その間口縁は封口体１の組立にあたって内方へ折曲げ
られ、さらにその折曲縁１２をかしめることによって端
子板２０の鍔状周縁部２２を押圧して封口体ｌを気密液
密状態にしている。端子板２０は本体部分２１と鍔状周
縁部２２からなる高さの低い帽子状のものからなり、本
体部分２１には切刃２４とガス排気孔２３が設けられて
いるが、該本体部分２１は上板部と周壁部とからなり、
上記切刃２４は端子板２０の本体部分２１の上板部に部
分的に切込みを入れその部分を先端側から内側（図面で
は下側）に折曲げることによって形成されたものであり
、該切刃２４の形成によって本体部分２１の上板部にあ
いた孔がガス排気孔２３となっている。端子板２０の鍔
状周縁部２２は斜め上方に向けて折曲げられ、本実施例
のものではさらにその先端部がほぼ水平に折曲げられて
いる。環状パッキング３０はその内径が端子板２０の本
体部分２１の外径より大きく形成されていて、端子板２
０の本体部分２１より径方向外方側に封じ込められてい
る。可撓性薄板４０の周縁部は環状パッキング３０と共
に端子体２０の鍔状周縁部２２と封口板とで挟持されて
いるが、可撓性薄板４０の中央部は平常時には封口体１
０のガス通気孔１１を閉塞している。環状の熱変形部材
５０は例えばポリエチレンで成形され、前述のように通
常の使用温度範囲内で生じる一時的な圧力上昇に対して
可撓性薄板４０の撓む部分の径を規制して防爆装置の誤
作動を防止し、また、電池の内部短絡発生など、温度上
昇を伴うような圧力上昇があった場合にはその温度上昇
が環状の熱変形部材５０の融点に近付（と該熱変形部材
５０が熱変形を起こして可撓性薄板４０の撓む部分を大
きくして、安全性が確保できる範囲内の低い圧力で防爆
装置が作動するようにさせる。そして、上記環状の熱変
形部材５０は、温度上昇を伴う内圧上昇時に熱変形が生
じやすいように、下部側の内径が上部側の内径より大き
く形成されている。

上記封口体１の組立は次に示すように行われる。

まず、まだ開口縁を内方に折曲げていない容器状の封口
板１０の底部周縁部上に環状パッキング３０を配置し、
さらにその上に周縁部が上記環状パッキング３０上に載
置するようにして可撓性薄板４０を封口板１０内に配置
する。つぎに環状の熱変形部材５０を上記可撓性薄板４
０上に配置し、その上から端子板２０を配置し、封口板
１０の開口縁を内方へ折曲げ、さらにその折曲縁１２を
かしめて可撓性薄板４０の周縁部と環状パッキング３０
とを端子板２０の鍔状周縁部２２と封口板１０とで挾持
することにより、封口体１の組立が完了する。

そして、上記のように組み立てられた封口体１は、あら
かじめ発電要素３を内填しておいた電池ケース２の開口
部に絶縁パッキング４を介して装着されて防爆型電池が
作製される。つまり、電池ケース２にはあらかじめ発電
要素３、すなわち、正極活物質、負極活物質、電解液、
セパレータなどをそれぞれ必要時に電池反応が生じるの
に適した状態で装填し、ついで電池ケース２の開口端近
傍に封口体ｌの下部周縁部を支えるためのくびれ部を形
成し、封口体ｌを絶縁パッキング４と共に電池ケース２
の開口部に挿入したのち、電池ケース２の開口縁を内方
に締め付けて電池ケース２の開口部を封口する。これに
よって、この電池は平常時には密閉状態に保たれる０発
電要素３は公知の構成のものでよく、その代表的なもの
を例示すると、有機電解液系の発電要素、例えばリチウ
ムを負極活物質として用いその板状物を集電体に圧着し
た負極板と二酸化マンガンを工種活物質とする正極合剤
（上記二酸化マンガンと黒鉛とフッ素樹脂系バインダー
とを混合して調製した正極合剤）を集電体に保持させた
正極板とをセパレータを介在させて渦巻状に巻回した渦
巻電極と、例えばプロピレンカーボネートと１，２−ジ
メトキシエタンとの混合溶媒に過塩素酸リチウムを１モ
ル／ｊ２溶解したものなどの有機電解液とからなるもの
などがあげられる。

そして、この電池に通常の使用温度範囲内での一時的な
圧力上昇が生じた場合、可撓性薄板４０が上方に撓むが
、その際の撓む部分の支点は第２図に示すように環状の
熱変形部材５０の内周端となり、可撓性薄板４０の撓む
部分の径は小さくなる。つまり、可撓性薄板４０の撓む
部分の径が環状の熱変形部材５０によって規制され、可
撓性薄板４０の撓む部分の径は小さくなる。その結果、
可撓性薄板４０は撓みにく（なり、よほど大きな圧力上
昇が生じないかぎり、可撓性薄板４０が切刃２４に接触
する程度にまで撓まなくなって、通常の使用温度範囲内
で生じる一時的な圧力上昇では防爆装置が作動せず、電
池は密閉状態に保たれ、電池としての機能が保持される
。しかし、電池内部での内部短絡の発生など、大きな温
度上昇を伴い、かつ電池活物質がな（なるまで電池内部
の圧力がどんどん高（なるような継続的な圧力上昇が生
じた場合は、温度上昇が環状の熱変形部材５０の融点に
近付くと、該熱変形部材５０が熱変形を生じて、可撓性
薄板４０の撓む部分の支点は、第３図に示すように端子
板２００本体部分２１と鍔状周縁部２２との境界の折曲
点となり、可撓性薄板４０の撓む部分の径が端子板２０
で規制されるようになって、通常の使用温度範囲内での
一時的な圧力上昇の場合より大きくなる。その結果、前
記通常の使用温度範囲内で生じる一時的な圧力上昇の場
合より低い圧力で可撓性薄板４０が切刃２４に接触する
ように撓み、防爆装置が作動するようになる。

このように、この電池では防爆装置の作動圧力が温度に
よって異なり、通常の使用温度範囲内での温度変化によ
り生じる一時的な圧力上昇では防爆装置が作動せず、い
わゆる誤作動が防止され、一方、内部短絡の発生など、
防爆装置が作動しないと電池破裂を招（ような、温度上
昇を伴う継続的な圧力上昇が生じかけたときには、低い
圧力で防爆装置が作動して電池破裂が防止され安蚕性が
確保される。

このような本発明の電池に使用される封口体と第４図に
示すような従来電池に使用されている封口体の防爆装置
の作動状況を示すと第６図のとおりである。つまり、第
６図は横軸に温度をとり、縦軸は防爆装置の作動圧力を
示し、両封口体の防爆装置の作動圧力と温度との関係を
示している。

上記防爆装置の作動試験は封口体を容器状の試験治具の
開口部に装着し、温度を２０℃１６０℃１８０’Ｃ，１
００”Ｃ，１１０℃、１２０℃、１３０℃、１４０″Ｃ
，１５０℃と変え、この試験治具にその底部側からアル
ゴンガスを供給し、封口体の防爆装置の作動圧力を調べ
たものである。封口体１の部材としては、封口板１０に
は厚さ０．３ｍｓのステンレス鋼板（ＳＯ３４３０板）
で浅い容器状に成形したものを用い、環状パッキング３
０はポリプロピレン製であり、可撓性薄板４０には厚さ
０．０１５＋＠ｓのチタン板を用い、環状の熱変形部材
５０はポリエチレン（融点１０５℃）で第１図に示す形
状に成形されたもので、端子板２０は表面にニッケルメ
ッキを施した厚さ０．３１の圧延鋼板（ＳＦ６板）で成
形されたものである。

第゛６図に示すように、従来電池に使用された封口体（
従来品）の場合は、防爆装置の作動圧力は温度にかかわ
らず約６　ｋｇ　／　ｃ−と一定であるが、本発明の電
池に使用される封口体の場合は、温度が低いときは防爆
装置の作動圧力が高く、温度が高くなると防爆装置の作
動圧力は約６　ｋｇ　／　ｃ艷と低くなり従来電池に使
用された封口体（従来品）の場合と同様になる。したが
って、本発明の電池に用いる封口体では温度によって防
爆装置の作動圧力が変わり、温度が低い間は防爆装置の
作動圧力が高く、高温では防爆装置の作動圧力が低くな
るので、電池の通常使用温度範囲内で生じる一時的な圧
力上昇では防爆装置は作動せず、大きな温度上昇を伴う
ＩＩ続的な圧力上昇が生じたときには防爆装置が低い圧
力で作動して安全性が確保される。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明では、封口板１０と端子板
２００本体部分２１とで形成される空間部６０の可撓性
薄板４０より上側の部分に環状の熱変形部材５０を配！
することにより、防爆装置の作動圧力を温度によって変
え得るようにし、電池の通常使用温度範囲内で生じる一
時的な圧力上昇では防爆装置を作動させず、いわゆる防
爆装置の誤作動を防止し、一方、温度上昇を伴う継続的
な圧力上昇が生じたときには防爆装置が安全性の確保で
きる範囲内の低い圧力で作動して電池破裂を防止し、安
全性を確保できるようにすることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の防爆型電池の一実施例を示す拡大断面
図である。第２図は第１図に示す電池の通常の使用温度
範囲内での可撓性薄板が撓む状態を示す要部拡大断面図
であり、第３図は第１図に示す電池の高温下での可撓性
薄板が撓む状態を示す要部拡大断面図である。第４図は
従来の防爆型電池を示す要部拡大断面図であり、第５図
は第４図に示す従来電池の防爆装置の作動状態における
要部拡大断面図である。第６図は本発明の電池に使用さ
れる封口体と従来電池に使用されている封口体の防爆装
置の作動圧力と温度との関係を示す図である。 １・・・封口体、　２・・・電池ケース、　３・・・発
電要素、　４・・・絶縁パッキング、　１０・・・封口
板、１１・・・ガス通気孔、　１２・・・折曲縁、　２
０・・・端子板、２１・・・本体部分、　２２・・・鍔
状周縁部、　２３・・・ガス排気孔、　２４・・・切刃
、　３０・・・環状パッキング、４０・・・可撓性薄板
、　５０・・・環状の熱変形部材、６０・・・空間部 特許出願人　日立マクセル株式会社 第　　１　　図 ■ 第２図 第　　３　　図 第４図 ２４・・切刃 ３０・・環状パッキング ４０・・可撓性薄板　　　　　　　　　第　５　図ｆＩ
Ｓ６図 温　　　度　　（℃）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）発電要素３を内填した電池ケース２の開口部に防
   爆装置を備えた封口体１を絶縁パッキング４を介して装
   着した防爆型電池であって、上記封口体１は、ガス通気
   孔１１を穿設した封口板１０と、本体部分２１と鍔状周
   縁部２２からなり本体部分２１にガス排気孔２３および
   切刃２４を設けた帽子状の端子板２０と、上記封口板１
   ０の周縁部上に配置する環状パッキング３０と、周縁部
   が上記環状パッキング３０上に配置し前記封口板１０の
   折曲縁１２のかしめにより上記環状パッキング３０と共
   に端子板２０の鍔状周縁部２２と封口板１０とで挾持さ
   れる可撓性薄板４０を有し、かつ上記封口体１には、上
   記封口板１０と端子板２０の本体部分２１とで形成され
   る空間部６０の可撓性薄板４０より上側の部分に環状の
   熱変形部材５０が配置されていて、該環状の熱変形部材
   ５０により防爆装置の作動圧力を温度によって変え得る
   ようにしたことを特徴とする防爆型電池。
2. （２）環状の熱変形部材５０の融点が９０〜１３０℃で
   ある請求項１記載の防爆型電池。