JPH0118668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、防波堤や岸壁又は護岸用の消波ブロ
ツクやケーソン等構築物の据付に際し、基礎部分
の洗掘防止用の防砂シートの前記構築物への取付
構造に関するものである。

従来の技術 防波堤や岩壁又は護岸用に消波ブロツクやケー
ソンが用いられ、その据付工事に際して、波の進
退による基礎部分の砂等の洗掘防止のために防砂
シートが使用される。防砂シートは、捨石基礎の
傾斜法面の上に敷き、ケーソンブロツク又は消波
ブロツクの天端又は所望の高さで止めて、水の基
礎部分への出入を防止する。この防砂シートが破
れたり、隙間があつたりするとこの破れ目や隙間
から水が出入し、基礎の砂等が洗掘され、ケーソ
ンブロツクや消波ブロツクが沈下したり、あるい
は傾斜したりする。特に、ケーソンブロツクの場
合、捨石基礎の上に据えられ、被覆工事、中込工
事が完了し、重量がかかり安定するまでは、防砂
シートで遮水し保護することが重要である。

従来の防砂シートの取付けは、ケーソンブロツ
ク１１の上端から、例えば軟質塩化ビニル製シー
ト又はゴム布製の防砂シートを垂下し、第３図に
示すように、ブロツク１１の天端にシート端縁を
固定し、犬走り１２を覆い傾斜した法面１３上に
敷設する。この場合、防砂シートが犬走りとケー
ソン立上壁で形成される角隅部に密着せず、曲面
状に引張られたままで、基礎固めのため捨石被覆
工事が底開き土運船や、クレーンで投石される
と、曲面部７に投石が当つて、ケーソン天端の止
め部が切れ基礎の法面に沿つて投石と共にずり落
ちたり、角隅部曲面で破れたりする。このように
防砂シートがずり落ちたり、破れると、水が出入
して捨石基礎を洗掘し、ケーソンブロツク、消波
ブロツクまたは根固めの方塊を沈下させたり、傾
斜させる原因となる。

考案が解決しようとする問題点 上述の如く防砂シートを上記構築物の角隅部に
密着させて敷設する必要があるが、このように敷
設するには多数の人手を要し、風浪等の影響のな
い時間を選ぶ必要があり、シート敷設の手直しは
非常に困難で実際上不可能である。

本考案は、防砂シートが確実、かつ容易に構築
物の上記角隅部に密着敷設できるようにした防砂
シートの取付構造を提示するものである。

問題点を解決するための手段 本考案に係る防砂シートの取付構造は、立上壁
と犬走りおよび傾斜法面からなる岩壁等構築物に
用いる防砂シートであつて、断面直角三角形のコ
ーナーブロツクをシート中間表面に設け、前記コ
ーナーブロツクの直角稜の取付位置から犬走り幅
を隔てて繋着用ロープの一端をシート裏面に取り
付けられてなる防砂シートが、前記コーナーブロ
ツクの直角の角稜を立上壁と犬走り面の角隅辺に
当接し、かつ前記繋着用ロープの他端が予め立上
壁と犬走り面の角隅辺に取付けられた繋着金具と
犬走り幅を保つて前記繋着金具に結着されている
ことを特徴とするものである。

本考案に適用される防砂シートの構造を図面に
基いて説明すると、第１図Ａはシート側からの斜
視図で、例えば軟質塩化ビニルシートで形成され
た防砂シート１の敷設時に、構築物角隅辺に対応
する位置に断面直角三角形のコーナーブロツク２
が適宜間隔、例えば横方向に１ｍ置きに直角をな
す二辺がシートに接するよう取付けられている。
コーナーブロツクは例えば合成樹脂成形品で長さ
１ｍ位のものが取付、取扱等に好都合でシートに
接着、溶着等で取付けられている。また防砂シー
トの裏面には、第１図Ｂに示すように、敷設時の
犬走りと傾斜法面の境界線に相当する位置に、横
方向に所定間隔、例えば１ｍおきに、繋着用ロー
プ３が取付けられている。ロープ３は、犬走りと
法面との境界線から犬走り幅を保つために供され
る。この場合に、前記繋着金具は、ロープの取付
間隔と同一間隔で角隅辺にドライピツトで止めら
れた金属製輪環が好都合である。

作 用 本考案において、防砂シート１は第２図Ａ，ｂ
に示す手順で取付けられる。第２図Ａにおいて、
防砂シート１を傾斜した法面１３に敷設し、コー
ナーブロツク２および繋着用ロープ３の位置を確
認し、シートをまくり状態とする。次いであらか
じめ構築物角隅辺に打込まれた繋着金具５（ドラ
イピツト）に繋着用ロープ３を結着し、丁度コー
ナーブロツクの直角稜が角隅辺に当接するような
長さ、即ち犬走り幅を保持するように調節結着す
る。次いで、まくり状態を解き、第２図Ｂのよう
にコーナーブロツク２を角隅辺４に合致させ、立
上壁上部位置を定め当て板６をしてドライピツト
で固定し、設置を完了する。

考案の効果 本考案の取付けは上述のような構成を有し、ロ
ープの結ばれた長さを犬走りと傾斜法面の境界線
から角隅辺までの距離と一致させることにより、
コーナーブロツクの直角稜が角隅辺と確実に合致
して敷設することができ、更にコーナーブロツク
の直角をなす二辺を防砂シートに固着させている
ため、角隅部の直角面とコーナーブロツクの直角
面が合致し、角隅部での密着性が確保され、以後
の据付工事で、ずれ、破損等のおそれがない。

さらに、ケーソン等上部から垂下敷設するのと
異なり、最初に防砂シートの法面部分を敷設する
ので、敷設が正確かつ容易に行なわれ、敷設に要
する人手も少なくて済む。

また、水平な犬走りと傾斜した法面との境界線
に接するシート部分は、繋着ロープにより構築物
の角隅辺に繋着し、その位置が移動することなく
保持され、従つて該境界線から犬走り幅に保たれ
た防砂シートのコーナーブロツクは、シートの敷
設中および敷設後も構築物の角隅辺から離脱する
ことなく、シートのこの部分での密着性が維持さ
れるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ＡおよびＢは、本考案に用いる防砂シー
トの表面側および裏面側からの部分斜視図で、第
２図Ａ，Ｂは本考案取付構造を形成する手順を示
す側面図で、第３図は従来の防砂シートの取付状
態を示す側面図である。 １……防砂シート、２……コーナーブロツク、
３……繋着用ロープ、４……構築物角隅辺、５…
…繋着金具、６……当て板、１１……ケーソンブ
ロツク、１２……犬走り、１３……法面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 立上壁と犬走りおよび傾斜法面からなる岸壁等
   構築物に用いる防砂シートであつて、断面直角三
   角形のコーナーブロツクをシート中間表面に設
   け、前記コーナーブロツクの直角稜の取付位置か
   ら犬走り幅を隔てて繋着用ロープの１端をシート
   裏面に取り付けられてなる防砂シートが、前記コ
   ーナーブロツクの直角の角稜を立上壁と犬走り面
   の角隅辺に当接し、かつ前記繋着用ロープの他端
   が予め立上壁と犬走り面の角隅辺に取付けられた
   繋着金具と犬走り幅を保つて前記繋着金具に結着
   されていることを特徴とする防砂シートの取付構
   造。