JPH01185403A - 電磁誘導形板厚測定方法およびその測定装置 - Google Patents

電磁誘導形板厚測定方法およびその測定装置

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JPH01185403A
JPH01185403A JP1124788A JP1124788A JPH01185403A JP H01185403 A JPH01185403 A JP H01185403A JP 1124788 A JP1124788 A JP 1124788A JP 1124788 A JP1124788 A JP 1124788A JP H01185403 A JPH01185403 A JP H01185403A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、屋外作業において例えば平板な導電性金属材
料の中央部等の板厚を測定する方法及びその測定装置に
関するものである。
[従来の技術] 金属平板の中央部あるいは円筒形の長尺金属管における
板厚測定は、ノギスなどのいわゆるメカニカルな計測器
では困難である。そこで、これらの被測定物の計測に対
して非破壊で且つ表面に形成される塗覆層あるいはサビ
層を除去せずに板厚測定を可能とする方法の例として電
磁誘導法(特願昭61−169882.特願昭6l−2
86068)が提案されている。
この提案された手法では、まず金属導体に低周波数域正
弦波交流を印加した励磁用コイルを近づける。励磁用コ
イルから発生した交番磁界は、その金属導体と鎖交しそ
の金属導体中に渦電流を発生する。この渦電流は、励磁
用コイルの磁界変化に対して妨げる方向に磁界を発生さ
せる。これら2つの磁界は互いに重畳し、被測定物側に
励磁用コイルを介して被測定物に対向するように設置さ
れ且つ励磁用コイルと鉄心を共有する検出用コイルのイ
ンピーダンス(実効インダクタンス)を変化させる。こ
のインピーダンス変化は、被測定物とする金属導体の板
厚変化に対して有意性を示すことから、検出用コイルに
発生する誘起電圧を測定することにより被測定物の板厚
値を得ることができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の技術の電磁誘導法における板
厚測定用の検出信号の処理方法では、可変周波数交流電
源より低周波数域正弦波交流を励磁用コイルに印加し、
励磁用コイルから発生する交番磁界が被測定物側を介し
て検出用コイルに誘起する出力電圧の波形情報の中で、
励磁用コイル一対象物−検出用コイルの一連のループで
構成される磁気回路の非線形効果によって生じた高調波
成分と入力基本波成分が重畳した歪波形の振幅値(Pe
ek  to  Peek値)をオシロ・スコープによ
る観測、あるいは歪波形を整流することによって得られ
る直流電圧値(積分値)を検出信号としていた。したが
って、試験周波数を一定とすると励磁用コイルに印加す
る励磁電流値に応じて被測定物の板厚変化に対する出力
電圧特性が変化(励磁電流値の依存性)することから、
板厚に対して有意差を示す信号成分と有意差を示さない
信号成分(主に高次の奇数高調波成分)を重畳していた
為に、有意差を示さない信号成分が雑音となり被測定物
の板厚測定を可能とする範囲を狭め、また該検出信号の
処理方法では屋外使用時における外来電磁雑音等に対し
ても検出信号として重畳される為、測定値への影響が受
けやすい欠点があった。
本発明は、上記の欠点を改善する為に提案されたもので
、検出用コイルに誘起される出力電圧の信号処理を改善
することによって、被測定物である金属導体の板厚変化
に対する測定可能範囲の拡大及び分解能向上を図るとと
もに、外米雑音等による影響を軽減させ、被測定物の表
面処理(ケレン作業等)を必要としない屋外作業に用い
る簡易な電磁誘導杉板厚測定方法及び測定装置を提供す
ることを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明の電磁誘導杉板厚測
定方法およびその測定装置の構成は、所定の低周波数正
弦波並びに予め設定した一定の励磁電流値にて励磁用コ
イルを励磁し、被測定物である金属導体中に誘起された
渦電流により検出用コイルに発生する誘起電圧から被測
定物の板厚を測定する方法において、該誘起電圧の周波
数成分から板厚変化に対して有意性を示す励磁用コイル
の人力正弦波の基本波または第3高調波を検出し、その
出力値を用いて被測定物の板厚測定を行うことを特徴と
する。
また、上記において基本波と第3高調波の両方を検出可
能とし、基本波出力値による板厚測定範囲の上限値から
は第3高調波出力値を用いて被測定物の板厚測定を行う
のが測定範囲をより一層拡大する上で好適である。
これらの方法を用いる電磁誘導肩板厚測定装置は、励磁
用コイルと検出用コイルから成る測定用プローブと、前
記励磁用コイルに予め設定した電流値にて低周波数の正
弦波交流を送出する交流電源と、該測定用プローブを被
測定物である金属導体に一定の力で加圧する押し付け機
構部と、該金属導体中に誘起された渦電流により生ずる
誘起電圧を検出する検出部とを備え被測定物の板厚を測
定する測定装置において、検出用コイルに誘起される出
力電圧から板厚測定用の入力正弦波の基本波および/ま
たは第3高調波を検出する検出回路部を備えることを特
徴とする。
[作用] 被測定物に励磁用コイルにより交番磁界を印加して、被
測定物である金属導体中に発生させた渦電流によって検
出コイルに得られる誘起電圧の周波数成分における基本
波出力電圧値およびその基本波の各高調波出力電圧値は
、励磁コイルに印加する電流値の大きさ(磁界の強さ)
によって被測定物の板厚変化に対し異なる有意差を示す
。特に高次の高調波成分はほとんど有意差を示さない。
本発明は、これらの有色差の異なる信号成分および有意
差を示さない信号成分が雑音となって被測定物の板厚測
定範囲を狭める結果となっていることに着目し、測定条
件(主に励磁用コイルの励@電流値)に対して最も有意
差を示す周波数成分(基本波または第3高調波)のみを
検出することにより、上記雑音となる周波数成分を除い
て測定範囲と分解能の向上を図る。この検出のとき同時
に、外来雑音を除くようにら作用し、その悪影響を軽減
する。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
第1図は本発明の一実施例を示す電磁誘導肩板厚測定装
置の構成図である。本実施例は、励磁コイルと検出コイ
ルを有するプローブ1と、プローブlの励磁コイルに励
磁電流を供給する可変周波数交流電源2と、検出コイル
の誘起電圧から板厚測定用の検出信号を作成する検出装
置3と、プローブlを被測定物4に一定の力で加圧する
押し付け機構部5と、この押し付け機構部5の制御およ
び検出信号を基に板厚値を求めるマイクロコンピュータ
6から構成される。
プローブlは、第2図(イ)の正面図と(ロ)の側面図
示される概略構成図のように構成される。
励磁用コイル11は被測定物4へ交番磁界を励磁させ、
検出用コイル12は励磁用コイル11から発生した交番
磁界が鉄心13を通して被測定物4と鎖交することによ
って、該被測定物4に誘起した渦電流により発生する磁
界と重畳した磁界を検出する。外部磁極14は重畳した
磁界を励磁用コイル11並びに検出用コイル12へ効率
よく戻す為に構成される磁気的閉回路である。検出用コ
イル12は被測定物4側である金属導体に励磁用コイル
11を介して被測定物4に対向するように設置される。
表19表2は、後記する実験に使用した測定用プローブ
の諸量を示したもので、表1はプローブ構成上の諸量、
表2は電気的特性を示したものである。
表1プローブ 表2電気的特性 第1図に戻って、可変周波数交流1!源2は、周波数発
振器21により低周波数域あるいは高周波数域の正弦波
交流を発生させ、低域通過濾波器(Low  Pa5s
  Filter)22により発振周波数の基本波に対
する高調波成分をカットし、また可変周波数交流電源2
の負荷変動に対して常に一定の電流値に制御する定電流
回路23により、励磁用コイルに予め設定した一定の励
磁電流を供給するものである。検出装置3はプローブ1
内の検出用コイルにより励起された検出信号を検出用負
荷抵抗31により出力電圧とし、例えば分圧比がlO:
1の分圧器32を介して帯域通過濾波器(Band  
Pa5s  Fi 1ter)あるいはスペクトラム・
アナライザ(FFT)33にて、該可変周波数交流電源
2により供給した正弦波交流の基本波または第3高調波
をもしくはそのいずれをも検出し、A/Dコンバータ6
1を介してマイクロ・コンピュータ6へ測定出力電圧値
(検出信号)として入力する。押し付け機構部5は、プ
ローブ1の加圧駆動部51と、その加圧状態を検出する
加圧センサ52と、加圧駆動部51を駆動するサーボア
ンプ53から成り、マイクロ・コンピュータ6−D/A
コンバータ62−サーボアンプ53−加圧駆動部51→
圧カセンサ52→A/Dコンバータ63の一連のループ
は、被測定物4とプローブlの測定条件(接触状態)を
一定とする為に、予め設定した加圧力時における測定値
を得る為の一白由度力制御系を構成する。
以下に上記構成の測定装置を用いて被測定物の板厚の測
定方法を述べる。最初にプローブ1を押し付け機構部5
により被測定物4である金属導体に一定の力で加圧し、
被測定物4とプローブlの接触状態を一定の測定条件に
合致させる。続いて、可変周波数交流電源2により、予
め設定した所定の低周波数正弦波(例えば1〜7Hz)
を測定条件により予め設定した一定電流値にてプローブ
lの励磁用コイル11を励磁する。この励磁によって被
測定物である金属導体の中に誘起された渦電流により検
出用コイル12には磁気回路の非線形効果による歪波形
電圧が誘起される。この歪波形電圧には上記入力正弦波
の基本波の他に高調波成分を含んでいる。後記するよう
に、これらの各周波数成分は被測定物の板厚変化に対し
同じ測定条件のときに異なった特性の有意差を示し、特
に高次の高調波成分は有意差を示さない。そこで、その
有意差を示す信号成分のみを検出装置3の帯域通過濾波
器(Band  Pa5s  Filter)あるいは
スペクトラム・アナライザ(FFT)を用いて分離・検
出し、以下のように3つの測定方法によって被測定物4
の板厚を測定する。
第1の測定方法は、検出装置3で基本波成分のみを取り
出し、その板厚対出力電圧値特性から板厚を求める方法
である。この方法では、出力電圧値が大きく取れる特徴
がある。
第2の測定方法は、検出装置3において、可変周波数交
流電源2より励磁用コイル11に印加する低周波数正弦
波交流の基本波及び第3高調波の2値を検出し、まず第
1の方法と同様に基本波出力値によって被測定物の仮置
を測定し、次いで基本波出力値による板厚測定範囲上限
値からは該励磁電流値の条件によって発生した第3高調
波出力値を用いて被測定物の板厚を補足測定する。この
方法はトータルとして板厚測定範囲を拡大できる特徴が
ある。
第3の測定方法は、上記で説明した第1.第2の方法に
おける比較的大きな励磁電流値を用いた測定条件に比較
して小さな励磁電流値の測定条件により、励磁用コイル
に印加する低周波数域正弦波交流の第3高調波を検出し
、この第3高調波出力値によって低電力にて被測定物の
板厚測定を行う方法である。
以上のように構成した実施例の作用を種々の条件で実験
した結果により説明する。
第3図(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、本発明であ
る電磁誘導杉板厚測定装置により、被測定物として板厚
0.5(mm)の鉄平板(JIS規格、5S−41)に
て低周波数域正弦波交流7(Hz)、励磁電流10(m
A)とする測定条件において、入力信号及び出力信号の
波形と周波数スペクトルを示したものである。(イ)は
可変周波数交流電源よりプローブ内の励磁用コイルに印
加する低周波数域正弦波交流7(Hz)の入力波形であ
り、(ロ)は入力波形の周波数スペクトルを示したもの
である。また、(ハ)はプローブ内の検出用コイルにて
検出した出力波形であり、(ニ)は出力波形の周波数ス
ペクトルを示したものである。第4図(イ)、(ロ)、
(ハ)、(ニ)は、第3図で示した測定条件において励
磁電流値の条件のみを70(mA)としたもので、(イ
)は入力波形、(ロ)は入力波形の周波数スペクトルを
示し、(ハ)は出力波形、(ニ)は出力波形の周波数ス
ペクトルを示したものである。第3図および第4図の(
ニ)より明らかなように、測定用プローブと被測定物に
より形成される磁気回路の非線形効果により、低励磁電
流値(10mA)から高励磁電流値(70mA)の各励
磁電流値条件においても出力信号に高調波成分を含むこ
とが分かる。
第5図〜10図は、第1図で示した測定装置を用いて被
測定物の板厚変化に対する出力電圧特性を示したもので
、被測定物の材質は鉄平板(JIS規格、5S−41’
)であり、板厚0.5〜8(mm)、0.5 (mm)
刻み1枚数16枚である。
第5図は、励磁用コイルに試験周波数7(Hz)。
励磁電流50(mA)を印加したとき、検出用コイルに
誘起する検出信号の周波数成分をスペクトル・アナライ
ザを用いて帯域幅726(mHz)における基本周波数
及び奇数高調波出力値を各周波数成分の最大出力値で正
規化した出力電圧を示したものである。図における○印
の実線は基本周波数、Δ印の破線は第3高調波、口印の
1点鎖線は第5高調波、X印の2点鎖線は第7高調波を
示したものである。この図より、励磁電流値が比較的大
きい場合は○印の実線で示した基本周波数のみが被測定
物の板厚測定に使用できる可能性を示している。これに
対し、比較的大きな励磁電流値(50mA)の測定条件
下における奇数高調波では、板厚に対し傾向が一定しな
いことから、各高調波成分において単一の出力値を用い
た測定方法の可能性はない。
第6図は、試験周波数1(Hz)、励磁電流10(mA
)、スペクトル・アナライザ帯域幅72゜6(mHz)
の測定条件において、横軸に被測定物の板厚、縦軸に各
周波数スペクトル別の最大出力値にて正規化した出力電
圧を示したものである。
○印の実線は基本周波数、Δ印の破線は第3次高調波で
ある。図より、比較的小さい励磁電流値条件下(lom
A)では基本周波数出力値に比較して第3高調波出力電
圧値が、被測定物の板厚変化を幅広く測定できることが
分かる。またFFTにより帯域幅を極度に狭めている為
、外来雑音を概ねカットし精度の高い測定が可能となる
。第5図、第6図で述べた事実を更に詳しく検討した結
果を第7図、第8図に示す。
第7図は、第6図で示した測定条件のうち励磁電流を変
化させたときの基本周波数出力値の出力電圧特性を示し
たものである。この図より、板厚に対する出力電圧特性
が励磁電流値に依存性があり、また基本周波数出力値を
用いる場合には板厚5(mm)まで測定しようとすると
50(mA)以上の大きな励磁電流を必要とし、第6図
に示した第3高調波に比較して大きな励磁電流値を必要
とすることが分かる。
第8図は、第6図で示した測定条件のうち、励磁電流値
を変化させたときの第3高凋波出力値(3Hz )の出
力電圧特性を示したものである。この図より、板厚に対
する出力電圧特性が励磁電流値に依存性があり、また第
3高調波出力値は比較的小さな励磁電流値において被測
定物の板厚変化に対して有意性を示す傾向があることが
分かる。
第9図は、試験周波数7(Hz)、励磁電流値70(m
A)の測定条件にいおて、○印の実線は従来の検出方法
によるものであり、検出用コイルに誘起される出力電圧
において励磁用コイルに印加される低周波数域正弦波交
流を基本波とし、該基本波の高調波成分も含めた歪出力
波形のPeekTo  Peek値をオシロスコープに
て測定したものである。Δ印の破線は、スペクトル・ア
ナライザ(F’FT)により低周波数域正弦波交流基本
波7(Hz)、帯域幅726(mHz)における出力値
を示したものである。横軸は被測定物の板厚、縦軸は各
出力値にて正規化した出力電圧である。図より、従来の
方法に比較して被測定物の板厚変化に対する出力電圧の
飽和点が遅れ、また板厚変化に対する出力電圧の傾きが
大きくとれる(分解能の向上)ことが分かる。
第10図は、試験周波数5(Hz)、励磁iIX流70
(mA)の測定条件において、O印の実線は基本周波数
、Δ印の破線は第3高調波であり、スペクトル・アナラ
イザ帯域幅726(mHz)における出力電圧を示した
ものである。図より、被測定物の板厚変化に対して基本
波の出力電圧が飽和する板厚値(4m m )であるが
、比較的大きな励磁電流値を与えることによって第3高
調波の出力値が基本周波数の飽和点付近より被測定物の
板厚変化に対する有意差を示す傾向にあることから、基
本周波数と第3高調波数の出力値(比較的大きな励磁電
流値による測定方法)や第3高調波の出力値(比較的小
さな励磁電流値による測定方法)に比較し、測定可能範
囲が大きくとれることが分かる。
以上の結果から検出用コイルに誘起される基本波の高調
波が重畳した歪出力電圧の周波数成分における基本波出
力電圧値及び該基本波の各高調波出力電圧値は、励磁用
コイルに印加する励磁電流値の大きさ(磁界の強さ)に
応じて被測定物の板厚変化に対し出力電圧特性が変化す
る。これは試験周波数を一定にすると、被測定物の板厚
変化に対する出力電圧特性が励磁電流に依存性を示す為
である。測定条件において、比較的大きな励磁電流値の
場合では被測定物の板厚変化に対し該歪出力電圧周波数
成分の基本波出力電圧値が大きな有意差を示し、測定条
件において比較的小さい励磁電流値の場合では被測定物
の板厚変化対し第3高調波出力電圧値が基本波出力電圧
値に比して大きな有意差を示す傾向にある。すなわち、
励磁用コイルに印加する電流値の大きさ(磁界の強さ)
によって、検出用コイル誘起される歪出力電圧の周波数
成分は、被測定物の板厚変化に対し異なる特性の有意差
を示す信号成分と有意差を示さない信号成分(主に高次
の高調波成分)を重畳した検出信号であることから、異
なる特性の有意差を示す信号成分や有意差を示さない信
号成分が雑音となり被測定物の板厚測定範囲を狭める結
果となる。
さらに、その有意差を示さなくなる飽和点は、基本波よ
りも第3高調波の場合が厚い板厚値となっている。
そこで、本実施例の測定方法においては、有意差を示す
1つの周波数成分(基本波または第3高調波)のみを分
離・検出して板厚測定範囲を狭めている要因を取り除く
とともに、測定の分解能を向上させる。上記のようにフ
ィルタリングを行う結果、商用電源雑音等の外来雑音を
除去されるため、その影響が軽減される。また、第2の
測定方法により、より一層の測定範囲の拡大が可能とな
る。さらに、第3の測定方法では第3高調波を用いるこ
とにより比較的低い励磁電流値においても被測定物の板
厚測定を可能としている。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の電磁誘導肘板厚測定方法
およびその測定装置を用いれば、従来技術の最大の特徴
である屋外作業におけるサビの発生した金属性導体の板
厚測定を表面処理なしに測定できるというメリットを生
かしたまま測定範囲の拡大及び分解能の向上、あるいは
外来雑音に影響されない高精度な測定を可能とし、更に
第3高調波を用いれば測定電流の大巾低下が可能となり
電源部の小型・軽量化による携帯性に優れたセンサ・シ
ステムが実現できる。
すなわち、第1に予め設定した低周波数正弦波及び励磁
電流値において磁気回路の非線形効果により検出用コイ
ルに発生した歪出力波形の周波数成分を、検出回路部に
よりフィルタリングまたはフーリエ解析し、励磁用コイ
ルに印加する励磁電流値に応じて被測定物の板厚変化に
有意差を示す基本波出力電圧値を用いた測定方法。第2
に予め設定した励磁電流値において磁気回路の非線形効
果により検出用コイルに発生した歪出力波形の周波数成
分を、検出回路によりフィルタリングまたはフーリエ解
析し、励磁用コイルに印加する励磁電流値に応じて被測
定物の板厚変化に有意差を示す基本波出力値及び第3高
調波出力値の2値を用いて、まず基本波出力値にて被測
定物の板厚を測定し、次いで基本波出力値による板厚測
定範囲上限値からは該励磁電流値の条件によって発生し
た第3高調波出力値を用いて被測定物の板厚を補足測定
する測定方法。これら2つの測定方法によって測定範囲
の拡大及び分解能の向上、あるいは外来電磁雑音の影響
を軽減できる。第3に、前記した2つの測定方法、ある
いは従来技術である電磁誘導法(特願昭61−1698
82.特願昭6l−286068)における磁気回路の
非線形効果により検出用コイルに発生する歪波形の振幅
値(Peek  To  Peek)または整流するこ
とによって得られる直流電圧値(積分値)を用いた測定
方法に比較して、小さい励磁電流値条件において、被測
定物の板厚変化に対し有意差を示す第3高調波出力電圧
値を用いて被測定物の板厚を測定する測定方法により、
低電力にて被測定物の板厚を測定できることから携帯性
に優れたセンサ中システムが可能となる利点を有するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電磁誘導杉板厚測定装置の一実施例を
示すブロック構成図、第2図(イ)、(ロ)は本発明で
ある電磁誘導杉板厚測定装置に用いたプローブの概略構
成図、第3図(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は比較的
小さい励磁電流値(10mA)におけろ測定用プローブ
の入力信号波形と周波数スペクトルおよび出力信号波形
と周波数スペクトルを示す図、第4図(イ)、(ロ)、
(ハ)、(ニ)は比較的大きな励磁電流値(70mA)
における測定用プローブの入力信号波形と周波数スペク
トルおよび出力信号波形と周波数スペクトルを示す図、
第5図は比較的大きい励磁電流値(50mA)の条件に
おける被測定物の板厚変化に対する晧本波(7)−i 
z )及び各奇数高調波(21Hz、35Hz、491
−(z)の出力電圧特性図、第6図は比較的小さい励磁
電流値(10mA)における被測定物の板厚変化に対す
る基本波(l Hz )および第3高調波(3Hz)の
出力電圧特性図、第7図は基本波(I Hz )におけ
る被列車物の板厚変化に対する各励磁電流値の出力電圧
特性図、第8図は第3高調波(3Hz )における被測
定物の板厚変化に対する各励磁電流値の出力電圧特性図
、第′  9図は被測定物の板厚変化に対する従来の電
磁誘導法(特願昭61−286068号)による出力電
圧特性と本発明である基本波出力電圧特性の比較図、第
1O図は被測定物の板厚変化に対する基本波(5Hz)
及び第3高調波(15Hz)の出力電圧特性により各出
力値の2値を用いた測定方法の説明図である。 l・・・プローブ、2・・・可変周波数電源、3・・・
検出装置、4・・・被測定物、5・・・押し付け機構部
、6・・・マイクロコンピュータ、11・・・励磁用コ
イル、12・・・検出用コイル。 第2図 入力X ft’、 50(ms/Div )(イ) ; 風力3良f’t′150 (ms/ Div )(ハ) 第こ 0(Hz)                    
 50(Hz)同浪収5(Hz/Div ) (ロ) 0(Hz)                   5
0(Hz)M i a  5(Hz/Div) (ニ) ;図 入力液Me 50(ms/Div) (イ) で バカ311 fte 50(ms/Div)(ハ) 第 周3良収5 (Hz/Div ) (ロ) 0(Hz)                    
 50(Hz)周3TjL数 5(Hz/Div) (ニ) 4図 Of      2    34    5【戊 オ斗
 の 板 R−(mm) 第5図 +2345 試料の板4 (mm) 第6図 試料:鋏千板   F雲1(Hz) 官弐料の板厚(mm) 第7図 試料の板厚(mm) 第8回 第9図 試料の板厚(mm) 第10図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)所定の低周波数正弦波並びに予め設定した一定の
    励磁電流値にて励磁用コイルを励磁し、被測定物である
    金属導体中に誘起された渦電流により検出用コイルに発
    生する誘起電圧から該被測定物の板厚を測定する方法に
    おいて、 該誘起電圧の周波数成分から励磁用コイルに印加する入
    力正弦波周波数の基本周波数成分を検出し、基本周波数
    出力値によって被測定物の板厚を測定することを特徴と
    する電磁誘導形板厚測定方法。
  2. (2)所定の低周波数正弦波並びに予め設定した一定の
    励磁電流値にて励磁用コイルを励磁し、被測定物である
    金属導体中に誘起された渦電流により検出用コイルに発
    生する誘起電圧から該被測定物の板厚を測定する方法に
    おいて、 該誘起電圧の周波数成分から励磁用コイルに印加する入
    力正弦波の基本波及び第3高調波成分を検出し、まず基
    本波出力値を用いて被測定物の板厚を測定し、次いで基
    本波出力値による被測定物の板厚測定範囲の上限値から
    は第3高調波出力値を用いて被測定物の板厚測定を行う
    ことを特徴とする電磁誘導形板厚測定方法。
  3. (3)所定の低周波数正弦波並びに予め設定した一定の
    励磁電流値にて励磁用コイルを励磁し、被測定物である
    金属導体中に誘起された渦電流により検出用コイルに発
    生する誘起電圧から該被測定物の板厚を測定する方法に
    おいて、 該誘起電圧の周波数成分から励磁用コイルに印加する入
    力正弦波の第3高調波成分を検出し、第3高調波出力値
    によって測定物の板厚を測定することを特徴とする電磁
    誘導形板厚測定方法。
  4. (4)励磁用コイルと検出用コイルから成る測定用プロ
    ーブと、前記励磁用コイルに予め設定した電流値にて低
    周波数の正弦波交流を送出する交流電源と、該測定用プ
    ローブを被測定物である金属導体に一定の力で加圧する
    押し付け機構部と、該金属導体中に誘起された渦電流に
    より生ずる誘起電圧を検出する検出部とを備え被測定物
    の板厚を測定する測定装置において、 検出用コイルに誘起される出力電圧から板厚測定用の入
    力正弦波の基本波および/または第3高調波を検出する
    検出回路部を備えることを特徴とする電磁誘導形板厚測
    定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003065706A (ja) * 2001-08-22 2003-03-05 Nippon Steel Corp 導電体の厚み測定装置
JP2009206237A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Tokyo Electric Power Co Inc:The クエンチ検出装置

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