JPH0118015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案はスライドフアスナー製造過程において
用いられるスライダー引上げ装置に関し、詳しく
はスライドフアスナー単位が長手方向に繰返され
た連続帯状のスライドフアスナーチエーンにおい
て、該チエーンに挿通されたスライダーをスライ
ドフアスナーチエーンの長手方向へ移送する段階
中に所定位置まで引上げ得るようにした装置であ
る。

ロ 従来の技術 スライダーを挿通したスライドフアスナーチエ
ーンを長手方向に移送するさいに、スライダーの
みを一時的に係止して引上げる装置は、例えば特
公昭58−17000号公報に示されるように既に公知
である。

この公知のスライダー引上げ装置は、スライド
フアスナーチエーンの長手方向への移送通過を許
す通孔に対して、スライダーの両側面に弾接する
ように二つのストツパーを常時突出せしめたもの
であり、該ストッパーにより係止されたスライダ
ーはスライドフアスナーチエーンの移送に従つ
て、上止に当接するまで摺動引上げられ、該上止
位置においてストツパーの弾性係止を強制的に離
脱通過するようにしたものである。

ハ 考案が解決しようとする問題点 上述のように従来のスライダー引上げ装置によ
ればスライダーは上止位置まで引上げられるもの
であるため、その後に行われるスライドフアスナ
ーチエーンのスペース部分に対する切断工程にお
いて、該切断部位にスライダーが近接しているた
めに切断の障碍となり易く、特にスライダーに付
属した引手がスペース部分に突出した状態になる
と切断不能となるなどの問題点があつた。

ニ 問題点を解決するための手段 本考案は上記の問題点を解決するため、スライ
ダー引上げ装置のスライダー係止用のストツパー
を任意に制御し得るようにして、スライダーの引
上げを上止に当接する以前の所定位置に止めるよ
うにしたものである。

上記の所定位置とは、引上げられたスライダー
の引手がスペース方向に倒伏突出した場合におい
ても、該引手がスペース部分に達しない程度に引
上げ位置である。

即ち、本考案はスライダーを挿通したスライド
フアスナーチエーンを通過案内し得る通孔を形成
したチエーンガイドのスライダーガイド溝の両側
に、該溝に対して互に相対して出没し得るように
連動する二つのスライダー係止用のストツパーを
対設し、該両ストツパーをスライダーの係止並び
に係止解放を任意に制御し得る作動機構に接続し
たことを特徴とするスライドフアスナーチエーン
のスライダー引上げ装置である。

ホ 作用 本考案のスライダー引上げ装置は、スライダー
係止用の二つのストツパーが、作動機構によりス
ライダーガイド溝に出没して、スライダーの係止
並びに係止解放を任意に行うことができるので、
該作動機構を予め選定した制御スケジユールによ
つて、作動せしめることによつて、スライダーを
上止に当接する以前の所定位置まで引上げること
ができる。

ヘ 実施例 以下、本考案の実施例を図面によつて説明す
る。

第１図は要部を断面とした斜視図、第２図は一
部を省略した平面図、第３図、第４図は作動状態
を示す断面図、第５図はスライドフアスナーチエ
ーンとスライダー係止用のストツパーとの関係を
示す説明的平面図である。

図において、１は機台、２は機台１に固設され
たガイド板、３はガイド板２の上面に摺動可能に
軸支されたフアスナーチエーン押えで、スプリン
グ４により常時機台１方向に弾圧される。５はガ
イド板２に凹設されたスライダーガイド溝、６，
６′はスライダーガイド溝５の両側に摺動し得る
ように嵌着されたスライダー係止用のストツパー
である。７は摺動杆、８はエアーシリンダーであ
る。

一方のスライダー係止用のストツパー６並びに
摺動杆７は、エアーシリンダー８の作動端に連結
され、また他方のスライダー係止用のストツパー
６′端と摺動杆７端とは、支軸９により摺動可能
に軸支された揺動レバー１０の両端において緩着
されて、エアーシリンダー８の作動により両スト
ツパー６，６′は第３図のようにスライダーガイ
ド溝５の両側に没入し、あるいは第４図のように
スライダーガイド溝５の両側から互に相対して突
出するように連動される。

上記のガイド板２のスライダーガイド溝５上面
並びにストツパー６，６′上面とフアスナーチエ
ーン押え３下面との間には、第３図に示すように
スライダーを挿通したスライドフアスナーチエー
ンが通過案内し得る深い間隔の中央スライダー通
過部、その両側に狭い間隙のテープ通過部よりな
る通孔Ｈが形成される。

なお、第５図においてＣはスライドフアスナー
チエーン、Ｕは上止、Ｂは下止又は開離嵌挿具、
Ｓはスライダー、Ｐは引手であり、Ｌはスペース
部の切断位置を示す。

本案のスライダー引上げ装置は上記のような構
成よりなるので、これをスライドフアスナーチエ
ーンＣの移送経路の適宜位置に設置して用いるこ
とにより所定位置へのスライダーＳの引上げが行
なわれる。

即ち、設置した本装置のフアスナーチエーン押
え３を第３図に一点鎖線３′のように引上げて、
スライドフアスナーチエーンＣを挿入して通孔Ｈ
内を案内通過し得るようにした後、矢印Ａ方向に
スライドフアスナーチエーンＣを移動せしめると
ともに、ストツパー６，６′を突出せしめるよう
にエアーシリンダー８を作動し、第４図の状態と
してスライダーＳを係止して引上げる。そしてス
ライダーＳが所定位置まで引上げられた時点でエ
アーシリンダー８を逆作動して第３図の状態とす
ることにより、スライダーＳを通過せしめる。

このようにして、スライダーＳが所定位置に引
上げられたスライドフアスナーチエーンＣは切断
工程に導入されて、スペース部の切断線Ｌにおい
て切断されて、単一のスライドフアスナーとされ
る。

なお、本実施例におけるエアーシリンダー８は
他の作動手段、例えば油圧シリンダー、電磁ソレ
ノイド等に代えることもできる。

ト 考案の効果 上記のように、本考案によればスライダーを係
止するストツパーを作動機構によつて積極的に出
没制御して、スライダーを所定位置まで引上げる
ことができるので、スライドフアスナーチエーン
Ｃの切断加工のトラブルを完全に回避でき、また
スライダーに無理な力を加えないので損傷を与え
ることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
要部を断面とした斜視図、第２図は一部を省略し
た平面図、第３図、第４図は作動状態を示す断面
図、第５図はスライドフアスナーチエーンとスラ
イダー係止用のストツパーとの関係を示す説明的
平面図である。 １……機台、２……ガイド板、３……フアスナ
ーチエーン押え、４……スプリング、５……スラ
イダーガイド溝、６，６′……ストツパー、７…
…摺動杆、８……エアーシリンダー、９……支
軸、１０……揺動レバー、Ｈ……通孔、Ｃ……ス
ライドフアスナーチエーン、Ｓ……スライダー、
Ｐ……引手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スライダーを挿通したスライドフアスナーチエ
   ーンを通過案内し得る通孔を形成したチエーンガ
   イドのスライダーガイド溝の両側に、該溝に対し
   て互に相対して出没し得るように連動する二つの
   スライダー係止用のストツパーを対設し、該両ス
   トツパーをスライダーの係止並びに係止解放を任
   意に制御し得る作動機構に接続したことを特徴と
   するスライドフアスナーチエーンのスライダー引
   上げ装置。