JPH01176507A - セラミックスの泥漿鋳込み用型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の目的） （産業上の利用分野） 本発明はセラミックスの泥漿を注入して吸水固化するこ
とによりセラミックスの固化成形品を得る泥漿鋳込み型
に係り、特に成形時の巣の発生防止を図ったセラミック
スの泥漿鋳込み用型に関する。

（従来の技術） 従来、所定形状のセラミックス焼結体を製造する場合、
予めその焼結体と同一寸法の成形体を鋳型でつくる、い
わゆるスリップキャスティングが行なわれている。この
スリップキャスティングでは、セラミックス粉末を水、
バインダ、分散剤などに混合して泥漿（スリップ）をつ
くり、第６図に示１ように、この泥漿１を吸水性材料、
例えば石膏等で構成された鋳型２に注入し、その鋳型２
の吸水作用によって泥漿１中の水分を除去して固化させ
る。この方法ではプレス機械等の高価な設備を必要とせ
ず、しかも大形な成形品でも比較的容易に製作できるな
どの利点が得られる。

ところが、中実な成形品で特に複雑形状や長尺寸法のも
のを成形する場合には、第７図に示すように、成形品３
内に巣４が発生することがある。

このような巣４は、泥漿鋳込み時の泥漿加圧等によって
小さくすることは可能であるが、それにより完全に消滅
させることは困難である。成形品内の巣は、セラミック
ス焼結製品とした場合の欠陥となり、機械的強度の低下
等の不具合をもたらす。

（発明が解決しようとする課題） 従来ではセラミックスの泥Ｍ鋳込みによる成形品に巣が
発生することがあり、これを消滅させることが困難であ
った。

発明者において巣の発生原因について種々検討したとこ
ろ、鋳型の泥漿流動用経路にくびれ部等の小径部分が存
在する場合、または径が一定でも経路が長尺な場合に、
それらの部分に巣が発生し易いことが判った。即ち、こ
のような部分では、泥漿が注入口から鋳型の内方へ流動
する途中で、鋳型と接する泥漿が脱水作用によって徐々
に固化され、鋳型内への充填が不十分な状態で経路閉塞
を起こし、空洞部分が発生ず菖ためと考えられる。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、複雑
形状あるいは長尺寸法のセラミックス成形品をつくる場
合でも、経路途中での固化閉塞を防止して巣の発生を確
実に防止することができるセラミックスの泥漿鋳込み用
型を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 本発明は、吸水性材料で構成された鋳型を有し、その鋳
型に注入したセラミックスの泥漿を脱水固化してセラミ
ックス成形品とするセラミックスの泥漿鋳込み用型にお
いて、前記鋳型内の泥漿流動用経路を形成する吸水性材
料部分にその経路形成面から所定距離離間させて、吸水
浸透を一部遮断する吸水遮断部材を埋設したことを特徴
とする。

（作用） 本発明によれば、鋳型の泥漿固化が起り易い小径または
長尺部分等に対応して吸水遮断部材を設けることにより
、泥漿から脱する水が吸水遮断部材に達した時点で、そ
の部分における吸水作用を急激に減少または停止させる
ことができる。

したがって、経路内因化の生じ易い部分でも、泥漿から
の脱水作用がある程度まで進んだ状態で固化速度が緩和
され、成形品全体としての均一な固化が可能となり、巣
の発生が防止できる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図〜第３図を参照して説
明する。

この実施例の泥漿鋳込み型では、第１図および第２図に
示すように、吸水性材料、例えば石膏によって形成した
長尺な有底円筒状の鋳型１１を備えている。即ち、この
鋳型１１は上端部が注入口１２として開口した垂直な長
尺円柱状のキャピテイ１３を有し、このキャビティ１３
の上側部分は注入口１２から注入されるセラミックスの
泥漿ａが下方に流動する経路１３ａとなる。この経路１
３ａを形成する鋳型１１の石膏部分に、その経路形成面
１３ｂから所定距離外周側に離間させて、両端開口円筒
状の吸水遮断部材１４を同軸配置で埋設している。吸水
遮断部材１４は例えばマイラー紙によって構成したもの
で、その周壁部分ではこれを貫通する方向の水の進行を
遮断する。つまり、鋳型１１内の経路１３ａ部から外周
側に向かう吸水浸透作用は、この吸水遮断部材１４の壁
面まで進行した状態で遮断され、それ以降の外周側に向
かう吸水浸透は行なわれない。

なお、鋳型１１の注入口１２には押湯部１５を設け、注
入する泥漿ａに加圧力を作用させるようにしている。

このような実施例の構成によれば、セラミックスの泥漿
ａを鋳型１１内に注入した場合、その泥漿ａは鋳型１１
の経路１３ａを介してキャビティ１３の内方（下方）に
進行しつつ、その周壁面部に徐々に吸水されて一部着肉
固化してゆくが、経路１３ａ部分の外周側に吸水遮断部
材１４の埋設部分まで吸水浸透した時点で経路１３８部
分からの吸水量が減少または停止するため、その経路１
３８部分での着肉速度は他の部所と比べ相対的に低下す
る。したがって、泥漿ａの注入途中で経路１３ａが閉塞
されることがなく、泥漿ａは鋳型１１の内部（下部）に
十分に充填され、空隙発生が防止され、巣の全くないセ
ラミックス成形品を得ることが可能となる。

第３図（ａ）〜（Ｃ）はセラミックスの泥漿ａの鋳型１
１内における充填固化進行状態を順次に模式的に示した
ものである。吸水遮断部材１４を設けたことにより、注
入初期における経路閉塞が起らず（同図（ａ））、下方
から次第に充填固化が進行しく同図（ｂ））　、巣の発
生しない健全な成形品Ａが得られる。

実験例を以下に示す。

第１図および第２図に示す石膏製の鋳型１１において、
キャビティ１３の軸方向長さく深さ）を２００ａｍ、直
径を３０履とし、吸水遮断部材１４をキャビティ１３の
上半分に相当する経路１３ａ部分に位置して、経路周面
から約１０履離間させて同軸的に配置した。

この鋳型１１内に、焼結助材としての酸化イツトリウム
およびアルミナを含む窒化ケイ素調合粉１００（ｌと、
水４５０ｃｃおよび適伍の分散剤およびバインダとから
なる２０時間混合の泥漿を注入した。

その結果得られた成形品を切断して内部を観察したとこ
ろ、巣の発生は全く見られなかった。

次に本発明の他の実施例を第４図および第５図を参照し
て説明する。

この実施例は円盤状のセラミックス成形品を得るための
装置についてのものである。第４図に示すように、鋳型
２１は石膏によって構成し、上型２１ａおよび下型２１
ｂからなる。この上型２１ａと下型２１ｂとの接合面部
に水平に円盤状のキャピテイ２２を形成し、上型２１ａ
に注入口２３を形成している。注入口２３からキャビテ
ィ２２までの経路２４にはゲート部２５を形成している
。

このゲート部２５から、キャビティ２２に至る所定範囲
に亘り、これらを上下方向から被覆する配置で平板状の
上下一対の吸水遮断部材２６．２７をそれぞれ上型２１
ａおよび下型２１ｂに埋設している。

このような構成によっても、鋳型２１内の経路２４のゲ
ート部２５からキャビティ２２に至る部分を被覆する配
置で吸水遮断部材２６．２７を設けたことにより、セラ
ミックスの泥漿ａ１を注入した場合にくびれ部２５およ
びキャビティ２２への流入部分での脱水固化作用が成る
時点で減少し、経路内閉塞が起こらず、第５図に示す円
盤状のセラミックス成形品Ａ１が巣の発生なく得られる
。

実験例として、直径２００ａｍ＋、肉厚１５履の成形品
Ａ１を得るための鋳型２１に対し、マイラー紙製の吸水
遮断部材２６．２７をキャビティ２２直前のゲート部２
５からキャビティ２２の略１／２を覆う配置で、キャご
ティ上下面２２ａ、２２ｂからの離間距離１０ａｇ＋の
部位に設け、この鋳型２１に前記実施例と同様の窒化ケ
イ素泥漿ａを注入固化したところ、得られた成形品Ａ１
には全く巣の発生が見られなかった。

なお、以上の各実施例では、吸水遮断部材１４゜２６．
２７をマイラー紙で構成したが、薄い金属板等、水分の
壁面透過を阻止するものであれば種々の材料を適用でき
る。

また、鋳型構成材料としては石膏に限らず、他の吸水性
材料が適用できることは勿論、ｖＩ造対象とするセラミ
ックス材料の種類および鋳型形状、寸法等についても前
記実施例以外に種々変更できる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明に係るセラミックスの泥漿鋳込み
用型によれば、詩型内に吸水遮断部材を設けることによ
り、泥漿の鋳型内流動途中での脱水固化作用を遅らせる
ことができ、それにより、複雑形状あるいは長尺寸法等
のセラミックス成形品をつくる場合でも、経路内の固化
閉塞を防止して、成形品内への巣の発生を確実に防止す
ることができるという効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第２図は第
１図のＩ−Ｉ線断面図、第３図（ａ）〜（Ｃ）はセラミ
ックスの泥漿の固化進行状況を示す断面図、第４図は本
発明の他の実施例を示す縦断面図、第５図は第４図の型
による成形品を示す斜視図、第６図は従来の型を示す縦
断面図、第７図は従来の型による成形品の巣の発生状態
を示す断面図である。 １１．２１・・・鋳型、１３．２２・・・キャビティ、
１３ａ、２４・・・経路、１４．２６．２７・・・吸水
遮断部材、ａ　、　ａ　ｉ・・・泥漿、Ａ、Ａ１・・・
成形品。 出願人代理人　　　波　多　野　　　久く　　づ 区 弓 第７図 第６区

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 吸水性材料で構成された鋳型を有し、その鋳型に注入し
   たセラミックスの泥漿を脱水固化してセラミックス成形
   品とするセラミックスの泥漿鋳込み用型において、前記
   鋳型内の泥漿流動用経路を形成する吸水性材料部分にそ
   の経路形成面から所定距離離間させて、吸水浸透を一部
   遮断する吸水遮断部材を埋設したことを特徴とするセラ
   ミックスの泥漿鋳込み用型。