JPH0117488B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0117488B2
JPH0117488B2 JP3769081A JP3769081A JPH0117488B2 JP H0117488 B2 JPH0117488 B2 JP H0117488B2 JP 3769081 A JP3769081 A JP 3769081A JP 3769081 A JP3769081 A JP 3769081A JP H0117488 B2 JPH0117488 B2 JP H0117488B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
complex
catalyst component
catalyst
magnesium chloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP3769081A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57151603A (en
Inventor
Kazuo Soga
Minoru Terano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Priority to JP3769081A priority Critical patent/JPS57151603A/ja
Publication of JPS57151603A publication Critical patent/JPS57151603A/ja
Publication of JPH0117488B2 publication Critical patent/JPH0117488B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔1〕 発明の背景 技術分野 本発明は、オレフイン重合用の新規な触媒成分
に関する。更に詳しくは、新規な方法によつて製
造される担体付きのオレフイン重合用触媒に関す
る。 オレフインの重合においては、活性が著しく高
く、かつ該オレフインがα−オレフインである場
合には活性と同時に生成重合体の立体規則性も著
しく高い触媒が要請される。これは、一つには重
合活性が十分に高められると生成重合体中に残存
する触媒成分の量が相対的に無視しうる程度に低
下するので、脱触媒の工程が簡略化ないし省略し
うること、また一つには重合体の立体規則性が十
分に高められると、副生する無定形重合体の除去
工程が簡略化ないし省略しうること等の理由によ
る。 先行技術 この様な、高活性、高立体特異性重合触媒は広
く開発検討がなされてきているが、中でもハロゲ
ン化チタン等の遷移金属化合物を、有機エステル
等の第3成分と共に、活性化された塩化マグネシ
ウム担体上に担持したものは、これを有機アルミ
ニウム化合物と組合せて触媒として用いると、プ
ロピレン等のα−オレフイン類が高活性かつ高立
体特異的に重合されることが知られ、この種の触
媒の開発が広く精力的に行なわれつつある。 ところがこの様に塩化マグネシウムを担体とす
る触媒成分は担持された遷移金属当りの重合活性
を大巾に高めることはできるが、塩化マグネシウ
ム単位量当りに担持される遷移金属の割合が実用
的には高々数重量%以内であること、また塩化マ
グネシウムの塩素原子は重合体中に残存した場合
には重合体の腐蝕性、着色、臭い等に対し相当悪
い影響を与えること等のために、実用的な意味に
おいてこの種触媒の重合性は必ずしも十分に高め
られたとは謂難いのが実情である。 塩化マグネシウム担体のもつこの様な功罪を認
識した上で、塩化マグネシウムのもつ高活性及び
高立体特異性の長所だけを生かし、塩素原子に起
因する悪弊を極力抑制するために非塩素含有担体
に必要最小限の塩化マグネシウムを担持し、更に
この塩化マグネシウムに対して遷移金属化合物を
担持するという方法が検討された。 例えば特開昭51−11881号公報記載の触媒は、
シリカ等の酸化物担体を塩化マグネシウムの水溶
液で処理し、減圧下に加熱することによつて脱水
して担体表面に塩化マグネシウム層を形成し、最
後にTiCl4を担持したものである。 この様な触媒はエチレンに対しては確かに安定
した活性を示すことが実施例よりうかがわれるも
のの、脱触媒工程が不必要な程度にまで触媒が高
活性化されているとは謂難い。そればかりか、本
発明者の追試によると該触媒をプロピレン等の炭
素数3以上のα−オレフインに対して適用した場
合には、活性はもとより、立体特異性が極めて低
いことが判明した。この理由としては、加熱によ
る脱水の過程で、担持された塩化マグネシウムの
結晶化が進み比表面積を低下させたり、この方法
によつては微少量の水を完全に除去することが困
難であり、そのために重合活性やプロピレン重合
体の立体規則性を十分高めえなかつたものと思わ
れる。 また、特開昭54−148093号公報記載の触媒は、
塩化マグネシウムと四塩化チタンをテトラヒドロ
フラン(THF)に同時に溶かし、このものを多
孔質のシリカに含浸させたものを有機アルミニウ
ムで部分的に賦活した触媒を用いるエチレン重合
について記載している。 この様な触媒で作られるポリエチレンは粒子特
性も良好なので流動床式反応器中で気相重合によ
つてポリエチレンを高活性で製造するのに適する
という。事実実施例によればエチレン重合に対す
る重合活性は極めて高いといえる。しかし、該本
触媒をプロピレン等の炭素数3以上のα−オレフ
インに適用した場合には、本発明者の追試による
と、十分な触媒活性は得られず、かつ生成物の立
体特異性が低いことがわかつた。この触媒がエチ
レン重合を主目的として開発されたものであるこ
とによれば止むを得ないものと考える。 このような不十分な触媒活性および低立体特異
性を示す理由としてはTHF等の電子供与体が最
終触媒中に残留することや部分賦活剤としてアル
キルアルミニウムが存在するためと推定される。
これは本発明者の検討によると、エチレン重合に
対しては高活性化に有効な電子供与体の存在がプ
ロピレン重合においてはその立体特異性の向上に
むしろ逆作用する場合がしばしばあること、また
遷移金属触媒成分を有機アルミニウムと予め接触
させておくとプロピレンの場合にはしばしば活性
や立体特異性の低下につながる場合があるためで
あろうと考えられる。 〔2〕 発明の概要 目 的 本発明はオレフイン、特にα−オレフインを高
活性かつ高立体特異的に重合させることを目的と
した触媒成分を提供しようとするものである。こ
こでいう高活性とは、触媒成分中の遷移金属成分
当りの重合体収率や全固体触媒成分当りの重合体
収率が高いことは勿論、さらには固体触媒成分中
の全塩素原子当りの重合体収率が高いことを意味
するものである。 構 成 従つて、本発明によるオレフイン重合用触媒成
分は、(a)三価または四価のハロゲン化チタンとピ
リジンまたはテトラヒドロフランとの錯体、(b)塩
化マグネシウムとテトラヒドロフランとの錯体、
および(c)無機酸化物、を炭化水素溶媒に分散させ
た状態で、AlRoX3-o(但し、Rは炭素数1〜8の
アルキル基を、Xはハロゲンを、nは1≦n≦3
の数をそれぞれ示す)で表わされる有機アルミニ
ウム化合物と作用させることによつて得られた固
体生成物を、不活性液状媒質によつて洗浄するこ
とを特徴とするものである。 効 果 本発明の触媒がこの様な方法で調製されること
による利点は以下の如くである。 (1) 三塩化チタン及び塩化マグネシウムの電子供
与体溶液を用いるのではなく、(a)と(b)を予め調
製・単離して用いることは必要最小限の電子供
与体しか使用しなくて済むため経済的である。
また後続する工程での電子供与体の除去不十分
分によつて起こりうる性能(特に立体特異性)
低下の危険性を最大防止しうる。 (2) 塩化マグネシウムとハロゲン化チタンが共析
出することは両者が全存在領域において極めて
均一な比率で共存することを可能にする。 塩化マグネシウムにハロゲン化チタンを担持
して得られる触媒においては、プロピレン重合
の立体特異性ならびに活性は、ハロゲン化チタ
ンの担持割合に大きく依存し、最適割合の存在
することが一般に認められている。この事から
すれば、本発明の触媒における様に両者の存在
割合を全存在領域に亘つて一定に保てること
は、全領域に亘つて組成の最適化が計れること
を意味する。 (3) 担体上への塩化マグネシウムおよびハロゲン
化チタンの担持を、(a)、(b)両錯体に有機アルミ
ニウムを作用させて、電子供与体を有機アルミ
ニウム側に移行させることによつて行なうこと
は、有機アルミニウムと電子供与性化合物との
複合体が一般に可溶性であることから、不活性
溶剤による洗浄によつて容易に電子供与性化合
物を除去しうることを意味する。これは加熱等
による方法に比較して条件が穏やかであるた
め、担持された塩化マグネシウムをできる限り
無定形に保つ上で有利である。塩化マグネシウ
ムの結晶性が高まると重合活性を高く発現する
ことができない。 (4) 有機アルミニウムならびに電子供与体(なら
びに両者の複合体)を洗浄により十分に除去し
たあとの担持触媒はそれ自体優れたオレフイン
重合用触媒である。しかし、本触媒成分をより
高い立体特異性を有するα−オレフイン重合用
触媒とするために、適当な電子供与体で処理す
ることができる。既に述でた通り本発明の触媒
成分は担体(c)の存在下に錯体(a)及び(b)に有機ア
ルミニウム化合物を作用させて、錯体から電子
供与体を開放させると同時に担質上にハロゲン
化チタンと塩化マグネシウムを担持させて調製
されるので、この触媒成分は再び電子供与体を
容易に受け入れることができる状態にあると考
えられる。この様な状態を利用して、α−オレ
フインの高立体特異性重合に適した電子供与体
を作用させることができる。 〔3〕 発明の具体的説明 (1) 固体触媒成分 構成成分 (a) 錯体(a) 本錯体は三価または四価のハロゲン化チタ
ンとピリジンまたはテトラヒドロフランとの
錯体である。 ここでいう三価または四価のヘロゲン化チ
タンは、具体的には、TiCl4、TiCl3
TiBr4、TiBr3、TiI4、TiI3、等が代表的で
ある。 これらの中では四価のハロゲン化チタン、
特に四塩化チタンが最も好ましい。 本錯体を形成する電子供与性化合物として
は、ピリジンまたはテトラヒドロフラン
(THF)である。 一般に該錯体は、三価または四価のハロゲ
ン化チタンと、過剰量のピリジン又はテトラ
ヒドロフランの条件下で両者を直接反応させ
ることにより形成される。錯体の具体例を以
下に示す。 TiCl3・3C5H5N TiBr3・3C5H5N など。 上記各錯体は基本的には単離して用いるも
のであるが、若干の過剰の電子供与体を不純
物として含有することは問題ない。その場合
ハロゲン化チタンの析出に要する有機アルミ
ニウムの使用量が増大するが、精製の程度は
錯体の精製コストとのバランスで決めればよ
い。 尚、これら錯体はいずれも水によつて容易
に分解されるので、乾燥窒素ガス等、不活性
雰囲気中で取扱うべきである。 (b) 錯体(b) 本錯体は、塩化マグネシウムとテトラヒド
ロフランとの錯体である。 本錯体の構造については、ハロゲン化チタ
ン錯体(a)と異なり、体系的な整理が十分なさ
れておらず、必ずしも詳細な知見がそろつて
いるとは謂難い。しかし錯体が形成されてい
るか否かについては、例えば錯体の赤外線吸
収スペクトルを調べると、リガンド分子に由
来する特性吸収が、フリーの分子の場合とは
異なる波長に位置を変えていることより判定
することができる。錯体を構成する塩化マグ
ネシウムとテトラヒドロフランの量比を決し
難いので、その構造を容易に明らかにするこ
とはできないが、特に塩化マグネシウムが該
錯体に可溶化する場合には濃度または炭化水
素等の貧溶媒を使つての結晶化によつて容易
に錯体を単離できることからその構造を明ら
かにすることもできる。 本錯体についても、錯体(a)と同様、若干の
過剰のテトラヒドロフランを不純物として含
有することは差支えない。また取扱いを乾燥
した不活性雰囲気中にて実施する必要がある
ことも錯体(a)の場合と同様である。 (c) 担体(c) 本担体としては、触媒の有効成分に対して
本質的に無害で、製品重合体中に残存した場
合に重合体の腐蝕性、着色、劣化等の弊害を
有しない限りにおいて、任意の無機酸化物、
特に微粉末固体の中より選ぶことができる。 好ましい担体の例としては、シリカ、アル
ミナ、シリカ・アルミナ、マグネシア、チタ
ニア、ジルコニア、クロミア等である。特に
好ましいものはシリカである。 これら担体は、比表面積が高く、非晶性に
富んだものが好ましい。また表面の吸着水や
水酸基は極力少いことが好ましく、そのため
には焼成や有機アルミニウム化合物や有機マ
グネシウム化合物等による処理を施こしてか
ら使用することが好ましい。 固体生成物の製造 錯体(a)、(b)および担体(c)を炭化水素溶媒に分
散させた状態で有機アルミニウム化合物を作用
させることによつて固体生成物を製造する。 特に錯体(a)、(b)および担体(c)の炭化水素溶媒
分散物に有機アルミニウム化合物を作用させる
ことによつて、各錯体から電子供与性化合物を
アルミニウム側に移行させ、併せて遊離された
ハロゲン化チタン並びに塩化マグネシウムを担
体(c)上に共析出させることができる。 ここで使用される炭化水素溶媒としては、炭
化水素またはハロ炭化水素系の溶剤から選ばれ
る。具体的な炭化水素溶媒の例としては、脂肪
族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼ
ン、トルエン等)、脂環族炭化水素類(シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン等)、1,2
−ジクロロエタン等が挙げられる。これらを混
合して用いることもできる。 好ましい媒質の例はヘキサンおよびヘプタン
である。 共析出に用いることのできる有機アルミニウ
ム化合物は一般式、AlRoX3-o(但し、Rは炭素
数1〜8のアルキル基、Xはハロゲン原子、n
は1≦n≦3)で表わされる有機アルミニウム
化合物から選ばれる。2種以上の化合物を組合
せてもよく、この場合平均組成として例えば
AlR2.5X0.5といつた化合物として示される。 具体的な有機アルミニウム化合物としては、
例えば、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノ
ルマルオクチルアルミニウム、トリ(2−メチ
ルペンチル)アルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジ
エチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブ
チルアルミニウムモノクロライド、ジエチルア
ルミニウムヨージドなどのジアルキルアルミニ
ウムハライド、(ハ)エチルアルミニウムセスキク
ロライドなどのアルキルアルミニウムセスキハ
ライド、(ニ)エチルアルミニウムジクロライドな
どのアルキルアルミニウムジハライド、その他
がある。これら有機アルミニウム化合物の中で
もジアルキルアルミニウムハライドが好まし
い。 量 比 共析出を行なうに当つて、触媒の性能を本質
的に左右するのは使用する各成分間の量比であ
る。 (a)対(b):(a)、(b)両錯体間の量比は、本質的に
はTi原子とMg原子の量比で論ずることができ
る。重合活性並びに立体特異性はTi/Mgモル
比が0.01〜5、好ましくは0.1〜1、更に好ま
しくは0.05〜0.5の範囲で最も高められる。 有機アルミニウム:本試薬は(a)、(b)両錯体か
ら電子供与性化合物を脱離させることを目的に
使用されるものであるから、基本的には系内に
存在する電子供与体と当量以上加えればよい。
通常は脱離を完全に起こさせるために電子供与
体の2〜100、好ましくは3〜50、更に好まし
くは5〜30倍モル程度加える。 この様な共析出を起こさせる媒質としての炭
化水素溶媒の量に特に制限はないが、通常は初
期の固体濃度、即はち(a)+(b)+(c)+溶剤の全重
量に対する(a)+(b)+(c)濃度が0.1〜10%程度の
範囲で加えるのが、操作性、経済性、その他の
理由から好適である。 洗 浄 担体(c)にハロゲン化チタンと塩化マグネシウ
ムを共析出させた後は、当該固体を不活性液状
媒質で十分に洗浄する必要がある。ここで使用
する不活性液状媒質は、共析出の工程で使用し
たと同種の媒質を使用すればよい。この洗浄工
程は、錯体(a)、(b)から遊離された電子供与性化
合物、有機アルミニウム化合物、ないしは両者
の反応生成物を除去することを目的としてい
る。この洗浄が不十分であると活性ならびに立
体特異性は本来期待しうるものより相当低いも
のになる。 共析出触媒成分の電子供与体処理 前記洗浄工程までに調製された触媒成分はそ
れ自体、オレフイン重合用触媒成分として優れ
た性能を発現するが、プロピレンの様なα−オ
レフイン類の立体特異性重合の場合には、更に
適当な電子供与性化合物による処理を行なうこ
とが好ましい。 この処理に用いられる電子供与性化合物は錯
体(a)、(b)を形成するのに用いる電子供与性化合
物に比較するとはるかに限られた範囲内から選
ぶ必要がある。何故ならば、本工程で用いる電
子供与体はもし不適当な種類を用いれば立体特
異性は何も用いない場合に較べてむしろ悪化す
る場合がしばしばあるからである。 この様な処理における好適な電子供与体とし
ては、炭素数が1〜12のカルボン酸と炭素数が
1〜12のアルコール類から誘導されるカルボン
酸エステル類、特に単環式芳香族カルボン酸の
エステル類が好ましい。特に好ましいものの具
体例は、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安
息香酸プロピル、安息香酸フエニル、安息香酸
シクロヘキシル、トルイル酸エチル、アニス酸
メチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジブ
チル、テレフタル酸ジオクチル等である。 これら電子供与性化合物による共析出触媒成
分の処理方法に特に制約はないが、通常は、電
子供与性化合物を適当な濃度に不活性媒質で稀
釈したものを共析出触媒成分と接触させる方法
がとられる。先の洗浄工程の最終段階で、不活
性媒質中に懸濁させられた状態にある共析出触
媒成分に、直接電子供与性化合物を所定量加え
ることが実用的方法といえよう。 電子供与性化合物の処理量は固体触媒成分中
のTi原子に対するモル比で表現すると1〜300
好ましくは2〜200更に好ましくは5〜100の範
囲から選ばねばならない。なぜならば上限を超
えると重合活性の低下がおこり、下限未満では
立体特異性向上効果が乏しいからである。 (2) 有機アルミニウム化合物成分 上記固体触媒成分と組合せられるべき有機ア
ルミニウム化合物としては、前記固体成分の製
造の共析出で用いた有機アルミニウム化合物と
同様のものが使用できるが、中でもトリアルキ
ルアルミニウムが最も好適である。 ここで用いられる有機アルミニウム化合物の
使用量としては、固体触媒成分に対して重量比
で0.01〜200、好ましくは0.03〜100の範囲内で
用いるのが一般的である。 (3) オレフインの重合 使用する触媒が上記の通りのものである点を
除けば、本発明の触媒を使用したオレフインの
重合法は通常のチーグラー・ナツタ型触媒使用
のそれと本質的には変らない。 オレフイン オレフインとしては、炭素数2〜18程度の一
種または二種以上のオレフインを重合させる。
この様なオレフインとしては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、
1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチ
ル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペ
ンテン、4−メチル−1−ヘプテン、5−メチ
ル−1−ヘプテン、4,4−ジメチル−1−ヘ
キセン、などがある。本発明で対象とする特に
好ましいオレフインはプロピレンである。 これらオレフインの混合物も使用することが
でき、例えばプロピレンの重合の場合にプロピ
レンに対して20重量%まで、好ましくは10重量
%まで、のオレフイン、好ましくはエチレンお
よび/またはブテン−1との共重合を行なうこ
とができる。 重合法 スラリー重合法(ヘキサン、ヘプタンなどの
不活性炭化水素を溶媒とする重合法)、液相重
合法(液化モノマーを溶媒とする重合法)、気
相重合法(モノマーがガス相として存在する重
合法)などが可能である。形式は、連続式でも
回分式でも行ない得る。重合温度は室温から
200℃程度、好ましくは50〜150℃であり、この
際の分子量調節剤として水素を添加することが
できる。 実験例 実施例 1 固体触媒成分の調製 撹拌用回転子を入れた内容積200mlのフラスコ
に窒素気流中で三塩化チタン(水素還元により得
られたもの)10gと、ピリジン60mlを入れ、常温
で24時間撹拌した。更に温度を80℃に上げて一時
間撹拌を継続したところ、ほぼ均一な黒褐色の溶
液が得られた。このものをガラスフイルターを通
したのち、常温で5時間真空下に置くことにより
黄褐色の粉末を得た。元素分析によつてこのもの
が三塩化チタンとピリジンの1対3の錯合体の組
成を有することを確認した〔TiCl3・3C5H5N
(391.5)、Calc.C45.98、H3.83、N10.73;
FoundC45.64、H3.96、N10.74〕。 一方、塩化マグネシウムとテトラヒドロフラン
(THF)とからは一般に明確な量比を持つた錯体
が単離できないので、錯体MgCl2・(THF)xは次
の通りの条件で合成した。塩化マグネシウム10g
をTHF60mlに溶解させた。次いで室温5時間真
空処理することによつてMgCl2・(THF)xの固体
を分離した。 4mmolのジエチルアルミニウムクロリド
(DEAC)を含む5mlのn−ヘプタンの入つた30
mlのフラスコに、先に調製したTiCl3・3C5H5N、
MgCl2・(THF)xおよび酸化マグネシウム担体
(関東化学社製、試薬特級、BET法によるN2
ス吸着より求めた比表面積26.4m2/g、使用直前
に350℃で3時間脱気処理したもの)の所定量を、
N2ガス雰囲気下において加えた。この混合物を
常温で20時間にわたり撹拌した。固体を別し、
多量のn−ヘプタンで十分洗浄したうえで固体触
媒成分とした。固体触媒中に担持されたTi原子
の量は原子吸光スペクトル法により求めた。また
担体(MgO)上に担持されたMgCl2に起因する
Mg原子の量は、担体を構成する金属と同種類の
ため本分析法によつては直接求めることができな
いので、担体種をSiO2としたこと以外は本実施
例と同じ調製条件である実施例13における値をそ
れぞれそのまま採用した。 重 合 誘導撹拌装置を備えた内容積200mlのステンレ
ス鋼製の円筒形反応器にn−ヘプタン10ml、トリ
エチルアルミニウム0.5mmol、上記固体触媒成
分をチタン金属として0.01mmol、プロピレン18
gを仕込み、65℃で1時間反応させた。反応終了
後の生成ポリマーは全量乾燥させ重量を測定し、
仕込み触媒量を勘案して対触媒収率(Kg−ポリマ
ー/g−Ti・時間)を求めた。また生成ポリマ
ーの立体規則性(I.I.)はJ.P.Luongo、J.Appl.
Polym.Sci.、、302C1960)の方法に従つて赤
外線吸収スペクトル分析によつて測定した。 結果を表1に示す。 比較例 1 固体触媒成分調製時にMgCl2・(THF)x錯体を
使用しなかつたこと以外は実施例1と同じ条件で
固体触媒成分の調製ならびに重合を行なつた。 結果を表1に示す。 実施例 2〜7 触媒担体として酸化マグネシウムの代りに水酸
化マグネシウム(Mg(OH)2、関東化学社製試薬
特級、比表面積43.1m2/g、使用直前に350℃で
3時間脱気処理したもの)を使用したことおよび
固体触媒成分調製時のTiCl3・3C5H5Nおよび/
またはMgCl2・(THF)x錯体の使用量を表1記載
の通りの量としたこと以外は実施例1と同じ条件
で固体触媒成分の調製ならびに重合を行なつた。 結果を表1に示す。 比較例 2 固体触媒成分調製時にMgCl2・(THF)x錯体を
使用しなかつたこと以外は実施例6と同じ条件で
固体触媒成分の調製ならびに重合を行なつた。 結果を表1に示す。 実施例 8〜10 重合時に安息香酸エチルの所定量を加えたこと
以外は実施例3と同様の条件で固体触媒成分の調
製ならびに重合を行なつた。 結果を表1に示す。 実施例 11〜13 触媒担体として酸化マグネシウムの代りにシリ
カ(富士デビソン化学社製、比表面積300m2/g、
使用直前に350℃で3時間脱気処理したもの)を
使用したことおよび固体触媒成分調製時の
MgCl2・(THF)x錯体の使用量を表1記載の通り
の量としたこと以外は実施例1と同じ条件で固体
触媒成分の調製ならびに重合を行なつた。 結果を表1に示す。 実施例 14 TiCl3・3C5H5N0.10g、MgCl2・(THF)x0.10
g、シリカ1.0gをDEACを含まないTHF10ml中
に加え、2時間強く撹拌した。次いで過剰の
THFを除去するために100℃で2時間に亘り真空
処理した。ここで得られた固体生成物の50mgを4
mmolのDEACを含む5mlのn−ヘプタンにより
常温で20時間撹拌下に処理しした。固体部分は
別し、更に15mlのn−ヘプタンで洗浄した。 この様にして得られた固体触媒成分を使用した
こと以外は実施例1と同様の条件でプロピレン重
合を行なつた。 結果を表2に示す。 比較例 4 固体生成物はDEACを含むn−ヘプタンで処理
することなくそのまま固体触媒成分として用いた
こと以外は実施例14と同様の条件でプロピレン重
合を行なつた。 結果を表2に示す。 実施例 15 TiCl40.055g、MgCl20.084g、SiO21.0gおよ
びTHF10mlよりなる混合物に実施例14と同様の
条件で一連の処理を施こし固体触媒成分を得、更
にプロピレン重合を実施した。 結果を表2に示す。 比較例 5 固体生成物はDEACを含むn−ヘプタンで処理
することなくそのまま固体触媒成分として用いた
こと以外は実施例15と同様の条件でプロピレン重
合を行なつた。 結果を表2に示す。 実施例 16 重合時に安息香酸エチルを0.2mmol加えたこ
と以外は実施例15と同様の条件で固体触媒成分の
調製ならびに重合を行なつた。 結果を表2に示す。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技
術内容の理解を助けるためのものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 三価または四価のハロゲン化チタンとピ
    リジンまたはテトラヒドロフランとの錯体、 (b) 塩化マグネシウムとテトラヒドロフランとの
    錯体、および (c) 無機酸化物、 を炭化水素溶媒に分散させた状態で、AlRnX3-o
    (但し、Rは炭素数1〜8のアルキル基を、Xは
    ハロゲンを、nは1≦n≦3の数をそれぞれ示
    す)で表わされる有機アルミニウム化合物と作用
    させることによつて得られた固体生成物を、不活
    性液状媒質によつて洗浄することを特徴とするオ
    レフイン重合用触媒成分の製造方法。
JP3769081A 1981-03-16 1981-03-16 Preparation of catalyst component for polymerizing olefin Granted JPS57151603A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3769081A JPS57151603A (en) 1981-03-16 1981-03-16 Preparation of catalyst component for polymerizing olefin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3769081A JPS57151603A (en) 1981-03-16 1981-03-16 Preparation of catalyst component for polymerizing olefin

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS57151603A JPS57151603A (en) 1982-09-18
JPH0117488B2 true JPH0117488B2 (ja) 1989-03-30

Family

ID=12504555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3769081A Granted JPS57151603A (en) 1981-03-16 1981-03-16 Preparation of catalyst component for polymerizing olefin

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS57151603A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS57151603A (en) 1982-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0113937A1 (en) Supported catalyst for polymerization of olefins
JP2625126B2 (ja) アルフアーオレフインの立体特異性重合に使用できる固形触媒
JPS6035005A (ja) オレフィン重合触媒系
JP2003503562A (ja) マグネシウム/遷移金属アルコキシド錯体の製造方法及びそれらから製造された重合触媒
JPH01247406A (ja) 分子量分布の狭いアルファオレフィンポリマー重合用触媒組成物
NO178154B (no) Fast katalysatorbestanddel og katalysator for (ko)polymerisering av etylen, fremstilling av bestanddel og anvendelse av katalysator
CA3015676C (en) Method for improving ziegler-natta catalyst activity
JPS5923561B2 (ja) オレフインの重合方法
JPH0119407B2 (ja)
US4007133A (en) Process for the manufacture of a catalyst
US6765074B2 (en) Olefin polymerization process
EP0113936A1 (en) Supported catalyst for polymerization of olefins
JPH04114007A (ja) 立体規則性ポリオレフィンの製造方法
US4680351A (en) Supported polyolefin catalyst components and methods of making and using same
JPH0859731A (ja) オレフィン重合触媒の製造方法
JPH0117488B2 (ja)
US4007132A (en) Process for the manufacture of a catalyst
US4626519A (en) Supported polyolefin catalyst components and methods of making and using same
JPS61275303A (ja) エチレンまたはα−オレフインの重合法
JPS61207403A (ja) オレフインの重合方法
JPS642127B2 (ja)
JPS588688B2 (ja) エチレンの重合方法
JPH061805A (ja) プロピレンの重合法
JPH0134246B2 (ja)
JPH0471924B2 (ja)