JPH0116992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、可動翼を備えた流体機械の翼角制御
装置に関するものである。

可動部の位置を制御する方法として、その位置
を電気信号で検出し電気・油圧サーボ弁を利用し
て、アクチユエータ部へ導入する操作圧油の切換
えを行う装置を備えた機械は、工作機械を始め、
一般産業用の機械装置に数多く利用されている。
この機構を可動翼を備えた流体機械に適用する場
合、従来、翼角の検出方法として、油圧サーボモ
ータ中のピストンの位置をポテンシヨメータや差
動トランスの原理を利用して検出していた。

第１図に従来例の縦断面図を示す。

回転軸４端には可動翼本体５３が固定され、可
動翼本体５３の半径方向に軸支された可動翼６を
有し、回転軸４中を軸方向移動自在に支持され翼
角制御用軸５端に可動翼本体５３の中で翼角制御
用軸５の軸方向の運動を可動翼６の半径方向の軸
を中心とする回動する運動に変換する機構を備え
た操作部材７を介して可動翼６と連動している。
回転軸４には油圧サーボシリンダ１６ａが設けて
あり、そのピストン２は翼角制御用軸５に固定さ
れている。即ち、翼角制御用軸５はピストンロツ
ドとなつている。ポンプの場合には回転軸４はモ
ータ３の軸と連結されており、翼角制御用軸５は
モータ軸中を挿通して上部で軸受５４を介して回
動しないアクチユエータ９ａを翼角制御用軸５と
共に軸方向に移動するように連結してある。そし
てアクチユエータ９ａの動きをポテンシヨメータ
１０ａ（第１図）、差動トランス（第２図）１０ｂ
のような位置の検出手段で検出する。第２図の従
来例としては特開昭56−2497号公報に示す発明が
ある。

このような機構では、サーボモータ中のピスト
ンの動きをピストンロツドの動きとしてとらえる
ためにピストンロツドを流体機械上部のモータ３
の中を通して、モータ３上部まで機械的に伝達し
なければならず、構造が複雑になり、かつ高価で
あつた。さらにモータ軸が中空軸のモータを使用
する必要があるため、既設の固定翼流体機械を可
動翼に変更したい場合、モータも新規に製作しな
ければならないという欠点があつた。モータ軸を
中空としないで上記問題点を解決したものとして
特開昭58−106196号公報に示される発明は油圧シ
リンダ及び油圧シリンダへの配圧弁が該油圧シリ
ンダのピストン中に位置しているので保守性に問
題点がある。又、該油圧シリンダは水中に位置し
ているので保守時は水上に引上げるか水槽を空に
しなければならないという問題点もある。

本発明は、保守性を損なうことなく、油圧サー
ボシリンダのサーボ出力の検出手段を可動翼を回
転駆動する原動機又は可動翼により回転駆動され
る作業機の回転軸を貫通する部材を用いないで作
動させるように配設することにより、上記欠点を
解消した可動翼を備えた流体機械の翼角制御装置
を提供することを目的とする。

本発明は油圧サーボモータにより可動翼を制御
される可動翼を備え円筒状部材両端に端壁を有し
た密閉シリンダ内部にピストンを備え、ピストン
に固定したピストンロツドがシリンダ端壁を密封
挿通して回転軸中を軸方向移動自在に挿通する可
動翼の翼角制御用軸と一体に形成され、もしくは
翼角制御用軸に連結された流体機械の翼角制御装
置において、ピストンロツドと平行しピストンに
一端が固定されシリンダ端壁を密封して挿通する
ピストン位置検出用ロツドを備えた油圧サーボシ
リンダを可動翼を備える回転軸端部に同芯に装着
し、位置検出用ロツド端側にサーボ機構の位置検
出手段を固設したことを特徴とする可動翼を備え
た流体機械の翼角制御装置である。

以下、本発明の実施例を図面に従つて説明す
る。第３図は要部の縦断面図である。

第３図は上方のモータ、下方の可動翼間にある
部分を示す。駆動側の軸、即ちモータ３の軸５６
にはキー５７を介してカツプリング５８が嵌入
し、モータ軸５６にねじ込まれたナツト５９によ
り軸方向に移動しないように固定されている。カ
ツプリング５８には中継板６０を介して従動側の
カツプリング１６が当接し、カツプリング５８、
中継板６０、カツプリング１６のボルト孔を挿通
するボルトナツト１７により固定されている。中
継板６０とカツプリング１６間は密封輪１８によ
り密封されている。カツプリング１６は従動側の
軸、即ちポンプの主軸となつている回転軸４の上
端にキー１９を介して嵌入し、回転軸４にねじ込
んだナツト２０により固定されている。回転軸４
とカツプリング１６間には外周側に設けた溝に密
封輪を嵌入した円環形の密封材２１カツプリング
１６と回転軸４との間を密封するように嵌入し、
回転軸４の円周溝に嵌入する密封輪２２に密封材
２１が圧接している。

カツプリング１６はサーボシリンダとして機能
するもので、内部の円筒形空間には軸方向に密封
されて移動可能なサーボピストン２が配され、サ
ーボピストン２は翼角制御用軸５の一端に嵌入
し、内周と端面に備える密封輪を介して翼角制御
用軸５とサーボピストン２に当接する密封材２３
を介して翼角制御用軸５の軸端にねじ込んだナツ
ト２４により翼角制御用軸５にサーボピストン２
が固定されている。

翼角制御用軸５は回転軸４に嵌入固定されたブ
ツシユ２５に滑入している。

以上より明かにカツプリング１６、中継板６０
がシリンダを形成し、サーボピストン２に固定し
た翼角制御用軸５がピストンロツドとなり、サー
ボピストン２と共にサーボシリンダを形成してい
るのである。

サーボピストン２にはピストン位置検出用ロツ
ドとして翼角制御用軸５と平行に該軸５を中心と
する円周上に配された複数の連結棒８がねじ込ま
れ、連結棒８はカツプリング１６を軸封されて軸
方向移動可能に貫通して軸端に二つ割りの円板９
が固定されている。この連結棒８はサーボ出力と
なるサーボピストン２の位置検出の部材となるも
のである。

サーボシリンダへの圧油の給排についてのべ
る。回転軸４には油圧回転接手２６が滑入し油圧
回転接手２６は回動しないように不動部材に取付
けられている。

油路２７，２８が外部配管につながる。油路２
７，２８は夫々油圧回転接手２６の円周溝２９，
３１に通ずる。該円周溝２９，３１の位置におい
て回転軸４の半径方向の油穴３２，３３を通じて
回転軸４と翼角制御用軸５間を軸方向に仕切るべ
く翼角制御用軸５に嵌め込んだ密封輪３４，３４
及びブツシユ２５により形成された室３６，３７
に夫々通ずる。室３６はブツシユ２５と翼角制御
用軸５間の隙間を通じてサーボピストン２の一方
の側のシリンダ室３８に通じており、室３７は翼
角制御用軸５の半径方向の油穴３９と軸方向の穴
４１を通じてシリンダ室３８とサーボピストン２
を間において隣接するシリンダ室４２に通じてい
る。油圧回転接手の上下両側には漏油室４３，４
４を設け、オイルシール４５，４６を漏油室４
３，４４を形成する端壁に係止して回転軸４の軸
封を計る。漏油室４３，４４は連通孔４７により
連通し、漏油室４４の油はドレン孔４８から図示
されない配管により油圧源に戻される。

給排出される油圧油の一方の通路は油路２７、
円周溝２９、油穴３２、室３６、翼角制御用軸５
とブツシユ２５の隙間からシリンダ室３８に通じ
てこの間を流れ、他方の通路は油路２８、円周溝
３１、油穴３３、室３７、油穴３９，４１からシ
リンダ室４２となり、油路２７，２８の何れかに
圧油を送り込み他方から排出することによりサー
ボピストン２が軸方向に移動する。

油圧回転接手２６上に固定した台４９上には例
えば金属製の円板９を感応片としてうず電流効果
によりインダクタンスの減少する高周波コイルを
備えた位置検出器１０を備える。この円板９と位
置検出器１０でもつてサーボ機構の位置検出手段
をなしている。位置検出器１０はうず電流を利用
した高周波コイルのインダクタンス変化により発
生電圧が変化する非接触変位計であるが抵抗値変
化形のポテンシヨメータでもよく差動トランスで
もよい。位置検出器の種類によつては連結棒８の
動きを例えばレバーを用いて機械的に拡大して感
応させるようにしてもよい。或はスプール式のサ
ーボバル部として直動のサーボ機構としてもよ
い。

油圧回転接手２６は柱５１を介して図示されな
い不動部分に据付けた枠５２に固定されている。
枠５２内には回転軸４に軸受及び下方にある流体
機械からの漏水を封止するため回転軸４の軸封装
置５５を備える。

第４図は本発明のフローシートである。指令部
１２に可動翼６が所望翼角になるように入力され
た信号は信号電圧として出力され、比較部１１で
出力信号電圧との差が求められ、増幅部１３で該
差の信号は増幅され電力制御されて電気油圧サー
ボ弁１４を変位させる。

そして油圧源より送られた圧油は電気油圧サー
ボ弁１４を介して配管１５によりシリンダ室３
８，４２の何れか一つに入ると共に他のシリンダ
室から排出されてサーボピストン２を移動させ
る。サーボピストン２の移動により連結棒８に移
動し、円板９と位置検出器１０との距離に応じて
位置検出器１０は出力信号電圧を出しており、該
出力信号電圧は比較部１１へ送られる。比較部１
１では前述のように指令部１２からの信号電圧と
フイードバツクされた出力信号電圧に差があると
きはその差の信号電圧を増幅部１３に送るから比
較部１１の差がなくなるように制御される（負の
フイードバツク制御）。かくして指令部１２で入
力した翼角に相当する位置にサーボピストン２は
移動する。かゝるサーボピストン２の移動は翼角
制御用軸５を移動させ操作部材７を介して可動翼
６を所望の角に保つ。

本発明はピストンロツドに平行してピストンに
固定したピストン位置検出用ロツドとして連結棒
をシリンダ端壁を密封挿通して、該連結棒の位置
を位置検出手段により検出するようにしてサーボ
機構の出力側検出部とした流体圧作動のサーボシ
リンダを翼角制御装置の回転軸端部に構成したか
ら原動機又は作業機の主軸例えばモータ主軸を中
空にする必要がないという効果を生じた。このた
め構造が複雑になるのを防ぎ、モータも安価とな
る。特に、既設の固定翼流体機械を可動翼に改善
する場合、既設原動機又は作業機をそのまま使用
できるという大きな効果を得ることができる。位
置検出手段を円板９と位置検出器１０として位置
検出器１０の出力信号電圧をフイードバツクする
ようにした場合にはサーボピストン位置のフイー
ドバツク機構に摩擦部分がないため寿命が長くな
り、信頼性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来例の縦断面図、第３図は
本発明の実施例の縦断面図、第４図は本発明の制
御を示す実施例のフローシートである。 ２……サーボピストン、３……モータ、４……
回転軸、５……翼角制御用軸、６……可動翼、７
……操作部材、８……連結棒、９……円板、９ａ
……アクチユエータ、１０……位置検出器、１０
ａ……ポテンシヨメータ、１０ｂ……検出手段、
１１……比較部、１２……指令部、１３……増幅
部、１４……油圧サーボ弁、１５……配管、１６
……カツプリング、１６ａ……油圧サーボシリン
ダ、１７……ボルトナツト、１８……密封輪、１
９……キー、２１……密封材、２２……密封輪、
２３……密封材、２４……ナツト、２５……ブツ
シユ、２６……油圧回転接手、２７，２８……油
路、２９，３１……円周溝、３２，３３……油
穴、３４……密封輪、３６，３７……室、３８…
…シリンダ室、３９……油穴、４１……穴、４２
……シリンダ室、４３，４４……漏油室、４５，
４６……オイルシール、４７……連通孔、４８…
…ドレン孔、４９……台、５１……柱、５２……
枠、５３……可動翼本体、５４……軸受、５５…
…軸封装置、５６……軸、５７……キー、５８…
…カツプリング、５９……ナツト、６０……中継
板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 油圧サーボモータにより可動翼を制御される
   可動翼を備え、円筒状部材両端に端壁を有した密
   閉シリンダ内部にピストンを備え、ピストンに固
   定したピストンロツドがシリンダ端壁を密封挿通
   して回転軸中を軸方向移動自在に挿通する可動翼
   の翼角制御用軸と一体に形成され、もしくは翼角
   制御用軸に連結された流体機械の翼角制御装置に
   おいて、ピストンロツドと平行しピストンに一端
   が固定されシリンダ端壁を密封して挿通するピス
   トン位置検出用ロツドを備えたサーボシリンダを
   可動翼を備える回転軸端部に同芯に装着し、位置
   検出用ロツド端側にサーボ機構の位置検出手段を
   固設したことを特徴とする可動翼を備えた流体機
   械の翼角制御装置。 ２ サーボ機構の位置検出手段が位置検出用ロツ
   ドに固定され回転軸を間にして分割された金属製
   円板と金属製円板の軸方向に対向して設けた非接
   触形位置検出器とからなる特許請求の範囲第１項
   記載の可動翼を備えた流体機械の翼角制御装置。