JPH0116959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は引金の操作のたび毎に、銃本体内に
設けたエアー又はガス等の気体の定圧蓄室の常閉
型放出バルブが瞬時開放し、この定圧蓄室から一
定量の気体が噴射し、これにより弾丸状の球体が
銃身先端より発射する、連続発射可能な発射装置
を備えた玩具空気銃において、上記定圧蓄室と弾
丸状球体を多数個収納する弾倉部とを有する弾倉
を銃本体に脱着自在とした、玩具空気銃の改良に
関するものである。

（従来例） 従来の玩具空気銃の発射に当たつては、一発毎
に銃弾を装填することなくまとめて弾倉に数多く
の銃弾の装填が可能であつても、専らスプリング
作動の付勢弾力作動による発射で、一発発射毎に
銃の保持体勢をくずし、次の発射に当たつてはス
プリングを圧縮する操作を行つてから再度体勢を
整えて、発射操作しなければならず、装填銃弾に
関しては連続的に発射することとなるが、銃器用
語でいう単発式とされるもので、発射の都度標的
に対向して体勢を再調整して発射動作を繰り返す
という難点があつた（引例実公昭57−36956号、
実公昭57−41599号）。

そこで銃本体に脱着自在に設けた弾倉内に、気
体を圧縮充満させた定圧蓄室と多数の弾丸状球体
を入れた弾倉部とを設け、引金を引く操作のたび
毎に上記定圧蓄室の常閉型放出バルブが瞬時開放
し、この定圧蓄室から一定量の気体が噴射し、こ
れにより弾丸状球体が銃身先端より発射する玩具
空気銃が開発された。これは標的に対向する体勢
を維持し乍ら引金を引く発射操作のみを繰り返す
ことにより連続発射が可能である。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらこの玩具空気銃の定圧蓄室は蓄気
が気体であるため、蓄気量は気体の５〜６倍とな
り、一本の弾倉容積では弾丸状の球体の連発可能
蓄気量が十数発分で限度があり、数十発から百発
発射可能な大量の蓄気は不可能である。また定圧
蓄室を大型化することも考えられるが、銃本体が
大きくなりこれにも限度がある。従つて多数量の
銃弾の連続発射が不可能であつた。

また定圧蓄室の気体が無くなる度に弾倉を銃本
体から外し、自転車用等の空気入れ又は不燃性低
圧液化ガスボンベ等で気体を定圧蓄室へ注入しな
ければならないといつた欠点を有している。

（問題点を解決するための手段） そこでこの考案は上記定圧蓄室に常時気体を供
給充填せしめる気体発生源を弾倉内に設け、これ
により同容積の従来の気体のままで蓄気する場合
と比べて30〜40倍のエネルギーを保有し、多数の
弾丸状の球体を連続発射でき、数十発の弾丸状の
球体の発射毎のガスボンベ等による定圧蓄室への
気体の注入の手間を省き、かつ小型化を計つたも
のである。

即ちこの考案は引金の操作により常閉型の放出
バルブが瞬時開放し、定圧蓄室から一定量の気体
が噴射され、この噴射気体により弾丸状の球体が
銃身より発射する玩具空気銃において、銃本体に
脱着自在に固定した弾倉を設け、この弾倉には多
数の弾丸状の球体を収納する弾倉部と、気体を圧
縮充填した定圧蓄室と、この定圧蓄室へ常時気体
を供給する気体発生源とを備え、上記弾倉部は一
端に弾倉外面に達する開口部を有し、上記定圧蓄
室の一端から弾倉外面に達する円筒孔を設け、こ
の円筒孔内に一端が弾倉外面に達する上記常閉型
の放出バルブを摺動自在に設け、この円筒孔の内
周一端から上記弾倉部の開口部に対向する内側面
に通じる放出孔を設けたものである。

（作用） 従つて上記定圧蓄室には常時気体が圧縮、充満
し、引金を引く操作をすると、定圧蓄室の常閉型
の放出バルブが瞬時開放し、一定量の気体が定圧
蓄室より噴射され、この噴射された気体は円筒
孔、及び放出孔を通り、弾倉部内の開口部に対向
して位置する弾丸状の球体を吹き飛ばし、この球
体は銃身より発射される。そして定圧蓄室へは気
体発生源から気体が常時に補給され定圧蓄室は常
に一定圧となる。そしてこの気体発生源からの気
体供給がなくなるまで、多数の弾丸状の球体を引
金操作毎に連続発射できる。

（実施例） 以下この考案の実施例を図について説明する。

まず第１図はこの考案の弾倉１の断面図を示
し、この弾倉１の一側には弾倉部２が、他側には
定圧蓄室３及び気体発生源収納室４が夫々設けら
れている。弾倉部２内には多数の弾丸状の球体５
が収納され、最上段の球体５ａはこの弾倉部２の
上端一側に設けた開口部２ａに面しており、他の
球体５は予備弾５ｂとなり、これらの予備弾５ｂ
は常に弾倉スプリング６により最上段の球体５ａ
方向に押圧されている。上記定圧蓄室３と弾倉１
外面に設けた凹溝７の底面との間には円筒孔８が
設けられ、この円筒孔８内に放出バルブ９が摺動
自在に挿入され、この円筒孔８の下端から突出す
る放出バルブ９下端にはフランジ９ａを有し、こ
のフランジ９ａの上面には環状パツキン１０を有
する。また上記凹溝７内に突出した放出バルブ９
の上端にはストツパー１１を設け、このストツパ
ー１１と凹溝７の底面との間の放出バルブ９外周
には放出スプリング１２が巻かれ、この放出スプ
リング１２の力により放出バルブ９はそのフラン
ジ９ａ及び環状パツキン１０により円筒孔８の下
端を塞いでいる。そしてこの円筒孔８下部内周と
放出バルブ９外周との間には環状の間隙を有し、
この箇所から上記弾倉部２の上端側部に貫通した
放出孔１３が設けられ、この放出孔１３の噴出口
１４は上記最上段の球体５ａの位置する箇所に対
向している。上記気体発生源収納室４内には、そ
の下端開口部より液化ガスボンベ１５を収納し、
このガスボンベ１５のノズル１６を定圧蓄室３に
通じるノズルホール１７内周の管状パツキン１８
内周に当接せしめ、収納室４下端の開口部を塞ぐ
収納ネジ１９を螺着すると、液化ガスボンベ１５
が上方へ押され、上記ノズル１６が上記管状パツ
キン１８へ押された状態となり、常時このノズル
１６からノズルホール１７を通つてガスが上記定
圧蓄室３内に注入される。

第２図は弾倉１を挿入した銃本体２０の断面図
を示し、弾倉１は銃把２１内の中空状の弾倉装着
部２２内に嵌入され、この銃把２１の外周に一端
が露出する弾倉止め２３によりロツクされてい
る。

以下の銃本体２０の構成は引金２４の操作によ
る作動により説明する。

引金２４を第２図において右方へ引くと銃身２
５内の管体２６が後退（第２図において右方）
し、この管体２６に装備したゴム製給弾部２７が
弾倉部２の最上段の球体５ａに近接対向する。こ
れと同時に最上段に位置する予備弾５ｂを給弾子
２８が押え、さらにこれと同時に連結子２９が第
２図左方へ引かれて撃鉄３０がその軸３０ａを中
心に時計方向へ回転し、引金２４を引き切つた時
に連結子２９との結合が解け、撃鉄スプリング３
１の弾力によつて撃鉄３０は、軸３０ａを中心に
反時計方向に急激に回転する。この撃鉄３０の回
転押圧により、軸支された連接機構３２を介して
弾倉１上端の凹溝２７に突出した放出バルブ９の
先端を押圧子３３が放出スプリング１２の力に抗
して押圧し、これにより放出バルブ９のフランジ
９ａは、定圧蓄室３内に押し下げられ、円筒孔８
から放出孔１３に定圧蓄室１０内の圧縮気体が瞬
間的に噴出し、上記ゴム製給弾部２７にとらえら
れている最上段の球体５ａを銃身２５内の弾道た
る管体２６を通して発射させる。

引金２４を戻すと、銃身２５内の管体２６は、
元の位置に戻り、給弾子２８は、次の予備弾５ｂ
を開放するのでこれが最上段の球体５ａとなり、
次の発射準備が完了する。

以上のようにこの一連の発射作動はすべて引金
２４を引くことにより連動しているため、引金２
４を引くだけで次々と連射することになる。

なお、連接機構３２は、放出バルブ９の先端に
常に一定の打撃力を与える。したがつて、定圧蓄
室３の圧力が高い時は放出バルブ９の開く時定数
は小さく、圧力が低い時はその時定数は上がるこ
とになる。そのため定圧蓄室３内の気圧に変動が
起きた時でも常に一定の気圧量を送り出すことが
でき、定圧蓄室３の気体が満蓄時には放出限界状
態まで完全に安定した連発気圧力を保持すること
ができることにより有効に作用が継続されること
になる。

そして液化ガスボンベ１５内の液化ガスが無く
なつた際は、収納ネジ１９を外して新しい液体ガ
スボンベ１５を気体発生源収納室４内に装着すれ
ば再び定圧蓄室３内に気体は充満し、球体５の連
続発射が可能となる。

第３図のものは、この考案の他の実施例におけ
る弾倉１の断面図である。

即ちこの実施例においては、定圧蓄室３に常時
気体を供給する気体発生源収納室４を液化ガス室
３４とし、この液化ガス室３４内で発生したガス
を、気体のみを通すミクロフイルター等の気体フ
イルター３５を通して定圧蓄室３に気体を供給し
ているものである。

またこの液化ガス室３４に液化ガスを供給でき
るよう弾倉１の下面に注入バルブ３６を設けてい
る。

また、上記実施例における液化ガスボンベとは
不燃性の低圧液化ガス、例えば「フレオンガス」
等の液化ガスボンベであり、ノズルを押すとガス
がノズルより噴霧されるものである。

さらに上記実施例では定圧蓄室へ常時気体を供
給、充填させる気体発生源を液化ガスボンベ又は
液化ガスとしたが、この考案ではこれらのものに
限定されるものではない。

（考案の効果） この考案は以上の構成であり、定圧蓄室に常時
気体を供給、充填せしめる気体発生源を弾倉内に
設けているため、従来の気体のままで蓄気するも
のと比べ同一容積でも約30〜40倍のエネルギーを
保有でき、約百発程の弾丸状の球体を連続発射で
きる。またそれ故、弾倉へ収納する弾丸状の球体
を多数収納することができる。そしてこの考案は
従来の如く十数発の発射毎に、弾倉を外してガス
ボンベ等で気体を注入するといつたわずらわしさ
がない。また気体がなくなつた場合は、ボンベを
取り換えたり、又は、液化ガス等を注入すればよ
く、極めて気体発生源の補充が容易である。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すもので、第１図は
弾倉の縦断面図、第２図は銃全体の構成を示す縦
断面図、第３図は他の実施例における弾倉の縦断
面図、第４図は銃全体の外観斜視図である。 なお、図中１は弾倉、２は弾倉部、３は定圧蓄
室、４は気体発生源収納室、５は球体、８は円筒
孔、９は放出バルブ、１３は放出孔、１４は噴出
口、１５は液化ガスボンベ、１６はノズル、１７
はノズルホール、１９は収納ネジ、２０は銃本
体、２２は弾倉装着部、２４は引金、３４は液化
ガス室、３５は気体フイルター、３６は注入バル
ブである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 引金の操作により常閉型の放出バルブが瞬時
   開放し、定圧蓄室から一定量の気体が噴射さ
   れ、この噴射気体により弾丸状の球体が銃身よ
   り発射する玩具空気銃において、銃本体に脱着
   自在に固定した弾倉を設け、この弾倉には多数
   の弾丸状の球体を収納する弾倉部と、気体を圧
   縮充填した定圧蓄室と、この定圧蓄室へ常時気
   体を供給する気体発生源とを備え、上記弾倉部
   は一端に弾倉外面に達する開口部を有し、上記
   定圧蓄室の一端から弾倉外面に達する円筒孔を
   設け、この円筒孔内に一端が弾倉外面に達する
   上記常閉型の放出バルブを摺動自在に設け、こ
   の円筒孔の内周一端から上記弾倉部の開口部に
   対向する内側面に通じる放出孔を設けたことを
   特徴とする、定圧蓄室を内蔵する弾倉を着脱自
   在とする連発式玩具空気銃。 (2) 気体発生源が不燃性低圧ガスボンベであるこ
   とを特徴とする、実用新案登録請求の範囲(1)項
   記載の定圧蓄室を内蔵する弾倉を着脱自在とす
   る連発式玩具空気銃。 (3) 気体発生源が気体フイルター及び液化ガス貯
   留槽から成ることを特徴とする、実用新案登録
   請求の範囲(1)項記載の定圧蓄室を内蔵する弾倉
   を着脱自在とする連発式玩具空気銃。