JPH01168449A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JPH01168449A
JPH01168449A JP32928387A JP32928387A JPH01168449A JP H01168449 A JPH01168449 A JP H01168449A JP 32928387 A JP32928387 A JP 32928387A JP 32928387 A JP32928387 A JP 32928387A JP H01168449 A JPH01168449 A JP H01168449A
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JP
Japan
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film
water
polyester film
coating layer
laminated
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JP32928387A
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Shigemi Seki
関 重己
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Takashi Mimura
尚 三村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は積層ポリエステルフィルムに関するものである
。詳しくは、透明性、易滑性に優れた積層ポリエステル
フィルムに関するものである。
[従来の技術] ポリエステルニ軸延伸フィルムは、その機械的性質、電
気的性質、寸法安定性、透明性などに優れた特性を有す
ることから、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、
グラフイックアーツ材料、各種写真材料など多くの用途
の基材フィルムとして広く使用されている。しかし、最
近、これらの用途は共通して小型軽量化、高精度化の技
術志向にあり、これらに付随してベースフィルムに対す
る要求、品質も厳しくなっている。例えば、グラフィッ
クアーツの分野では、透明性、易滑性に対する要求レベ
ルが高まり、しかも、両特性を共に保持したベースフィ
ルムが待望されている。しかし、透明性と易滑性につい
ては、元来、透明性の高いポリエステルフィルムは、フ
ィルム同士の滑り性が非常に悪いため、ブロッキングや
スリ傷等の表面欠点を生じたり、巻き取り性や巻姿の悪
化、更には加工時の作業性の悪さ等を引き起こすことが
知られている。しかも、これらの欠点は、ベースフィル
ムの薄膜化にともない、より顕著となる傾向にある。一
方、フィルム表面を粗面化し易滑性を良化させると透明
性が悪化するように、ポリエステルフィルムでは、透明
性と易滑性は相反関係にあり、両特性を同時に満足させ
ることは難しいことであり、このようなフィルムを得る
ために従来から種々の検討がなされてきた。この様な積
層ポリエステルフィルムとしては、 (1)透明なフィルム表面上に粗面化物贋として無機系
微粉末或いは有機系微粉末を含む有機高分子樹脂層を塗
設した積層ポリエステルフィルム(例えば特開昭61−
2528号公報)。
(2)透明なフィルム表面上に塗設しな樹脂層の延伸破
断によって、微細な縦長突起を形成させた積層ポリエス
テルフィルム(例えば特開昭6l−20424O号公報
〉などが知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、前述した積層ポリエステルフィルムには次のよ
うな問題点がある。
上記(1〉項では、粗面化粒子は有機高分子樹脂バイン
ダーへの均一分散が難しいため、フィルム特性にバラツ
キが生じたり、塗設層に凝集粒子による粗大突起が発生
しやすいなめ、透明性の低下や突起脱落による弊害が増
し易い。更には塗設後、フィルムの延伸の結果、粒子は
周囲に空所(ボイド)を発生し易いため、ベース基材と
の密着性が低下し、耐摩耗性が悪化し易い。また、微細
な粗面化粒子を用いた場合は、易滑性は多量添加によっ
てのみ発現するが、反面、透明性の低下を引き起こし易
い。さらには、ベースフィルムが薄くなると十分な易滑
効果は得られない。
上記(2)項のフィルムでは、突起形状が微細なためベ
ースフィルムが薄くなると滑り性が不十分となるのみな
らず、塗膜に発生した亀裂による透明性の低下も起き易
い。
本発明は、これらの従来技術の欠点を解消せしめ、透明
性、易滑性とが共に優れ、しかも易滑性の耐久性、耐摩
耗性にも優れた積層ポリエステルフィルムを提供せんと
するものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、透明なポリエステルフィルムの少なくとも一
表面上に、水溶性あるいは水分散性樹脂(A>と、該樹
脂(A)を内包した平均粒径0゜08〜2.0μmの有
機多孔性中空体微粒子(B)を主成分とした被覆層を設
けてなる積層ポリエステルフィルムであって、該微粒子
(B)の平均粒径(D>と該被覆層厚み(d)の比(D
/d)が1.1〜80の範囲にあることを特徴とする積
層ポリエステルフィルムを要旨とするものである。
本発明において、ポリエステルとは、周知のもの、具体
的には例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸、ビス−α、β(2−クロルフェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸等の2官能カルボン酸の少なくとも1種と、エチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレ
ングリコール等のグリコールの少なくとも1種とを重縮
合して得られるポリエステルを挙げることができる。
また、該ポリエステルには本発明の目的を阻害しない範
囲内で他種ポリマをブレンドしたり、共重合してもよい
し、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、紫外線吸収剤
等が含まれていてもよい。ポリエステルの固有粘度(2
5℃オルトクロルフェノール中で測定)は、0.4〜2
.0であり、好ましくは0.5〜1.0の範囲のものが
通常用いられる。
本発明には、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを用いた
場合、特に優れた効果が得られる。
本発明でいう被覆層とは、水溶性あるいは水分散性樹脂
(A)(以下、樹脂(A>と略称する)と有機多孔性中
空体微粒子(B)(以下、微粒子(B)と略称する)を
主成分としたものからなる層である。主成分とは、その
ものが被覆層中65%以上、好ましくは75%以上、よ
り好ましくは85%以上が本発明の組成物であるものを
指し、適宜他の物質を含有してもよい。本発明において
は、かかる被覆層を前記ポリエステルフィルムの少なく
とも一表面に設けるのであるが、この中で両表面に設け
る場合には、以下に述べる該層の説明は、少なくとも一
方に適用されるものである。
本発明でいう樹脂(A>とは、ベース基材と親和力が良
い熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応性樹脂などの中か
ら選ばれた水溶性あるいは水分散性の樹脂であり、具体
的には、例えばニカワ、カゼインなどの天然水溶性高分
子、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、
メチルセルロースおよびその他セルロース誘導体、尿素
樹脂やメラミン樹脂などの合成水溶性高分子、ポリエス
テルエーテルなどの水溶性ポリエステル、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリ
ビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリブタジェン、
ポリウレタン、ポリクロロプレン、フェノール樹脂、ア
ルキッド樹脂、エポキシ樹脂、架橋性シリコーン樹脂な
ど、および、以上の共重合体、および、それらの混合物
であり、中でもベース基材への密着性や透明性の点でセ
ルロース系、コポリエステルエーテル系、ポリアクリル
系が好ましく、特に好ましいのは水溶性あるいは水分散
性アクリル系樹脂であり、以下の組成のものが有用であ
る。
水溶性あるいは水分散性アクリル系樹脂(以下アクリル
系樹脂と略称する)としては、アルキルアクリレートあ
るいはアルキルメタクリレートを主要な成分とするもの
が好ましく、該成分30〜90モル%と、これらと共重
合可能でかつ官能基を有するビニル単量体成分70〜1
0モル%を含有する水溶性あるいは水分散性樹脂が好ま
しい。
アクリル系樹脂中のアルキルアクリレートあるいはアル
キルメタクリレートが30モル%以上であるのが好まし
いのは、塗布形成性、塗膜強度、耐ブロッキング性が良
好になるためである。アクリル系樹脂中のアルキルアク
リレートあるいはアルキルメタクリレートが90モル%
以下であるのが好ましいのは、共重合成分として特定の
官能基を有する化合物をアクリル系樹脂に導入すること
により、水溶化、水分散化しやすくすると共に、その状
態を長期にわたり、安定にするなめであり、更に塗布層
とポリエステルフィルム層との接着性の改善、塗布層内
での反応による塗布層の強度、耐水性、耐薬品性の改善
、さらに本発明のフィルムと他の材料との接着性の改善
などを図ることができるからである。
アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートのア
ルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−70
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基
、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、
ステアリル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレート
と共重合する官能基を有するビニル系単里体は、反応性
官能基、自己架橋性官能基、親水性基などの官能基を有
する下記の化合物類が使用できる。しかもこれらの官能
基は、樹脂中に2種以上含有されていてもよい。
カルボキシル基またはその塩、あるいは酸無水物基を有
する化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸
、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、こ
れらのカルボン酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモ
ニウム塩、あるいは無水マレイン酸などが挙げられる。
スルホン酸基またはその塩を有する化合物としては、例
えばとニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これらの
スルホン酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモニウム
塩などが挙げられる。
アミド基あるいはアルキロール化されなアミド基を有す
る化合物としては、例えばアクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化ア
クリルアミド、メチロール化メタクリルアミド、ウレイ
ドビニルエーテル、β−ウレイドイソブチルビニルエー
テル、ウレイドエチルアクリレートなどが挙げられる。
アミノ基またはアルキロール化されたアミン基あるいは
それらの塩を有する化合物としては、例えばジエチルア
ミンエチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニル
エーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビ
ニルエーテル、それらのアミン基をメチロール化したも
の、ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなど
により4級塩化したものなどが挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、例えばβ−ヒドロキシ
エチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、β−ヒドロキシビニル
エーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6
−ヒトロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレング
リコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアク
リレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレー
トなどが挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、例えばグリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げら
れる。
更に上記以外に次に示すような化合物を併用してもよい
。すなわち、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
スチレン類、ブチルビニルエーテル、マレイン酸モノあ
るいはジアルキルエステル、フマル酸モノあるいはジア
ルキルエステル、イタコン酸モノあるいはジアルキルエ
ステル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン
、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
アクリル系樹脂は、界面活性剤を含有していてもよいが
、アクリル系樹脂に含有される低分子量体の界面活性剤
が増膜過程で濃縮され、粒子と粒子の界面に蓄積された
り、塗布層の界面に移行するなどして、塗布層の機械的
強度、耐水性、積層体との接着性に問題を生じる場合が
ある。この様な場合には、界面活性剤を含有しないいわ
ゆるソープフリー重合による重合物を利用できる。
しかし、その中でもメチルメタクリレートとスチレン或
いはエチルアクリレートの35/65〜65/35(モ
ル比)の共重合体を幹ポリマーとした水分散性アクリル
が、被覆層の密着性や積層フィルムの易滑性、透明性に
おいて、特に好適である。 本発明でいう微粒子(B)
とは、球形で細孔を有する多孔質状であり、しかも内部
に中空部を有しており、中空部に液体、固体や気体を自
由に封入、放出できるものである。
代表的な製造方法としては、例えば特開昭56−325
13号公報などに記載されており、水性媒体中の継続的
乳化重合法によって水不溶性芯(コア)/さや様ポリマ
ー粒状体としてエマルジョンの形で得られる。
芯ポリマーとは、式−HC=C<で表わされる基及びカ
ルボン酸基を含む少なくとも一種以上のモノエチレン的
不飽和モノマーから成る水性乳化重合生成物であり、例
えば酸性モノマとしては、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリロキシプロピオン酸、メタアクリロキシプロピオ
ン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸又は無水
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸モノメ
チル、フマル酸モノメチル及びイタコン酸モノメチルな
どが挙げられる。芯ポリマーはこの種の酸性モノマーの
乳化ホモ重合あるいは2種以上の共重合によって得られ
るが、好ましくは酸性モノマー又は酸性モノマーの混合
物を、1種以上の式H2C=Cで示されるエチレン的不
飽和基を有する非イオン性(可イオン化基を有していな
い)である少なくとも1種以上のエチレン的不飽和モノ
マーと共重合させたほうが望ましい。非イオン性モノエ
チレン的不飽和モノマーとしては、具体的には、スチレ
ン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、アクリル酸、メタアクリル酸
などの各種アルキル又はアルキルエステルであり、例え
ばメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メ
タアクリル酸ブチル、アクリル′vi2−エチルヘキシ
ル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ベ
ンジル、メタアクリル酸ベンジル、アクリル酸うウジル
、メタアクリル酸うウジル、アクリル酸オレイル、メタ
アクリル酸オレイル、アクリル酸パルミチル、メタアク
リル酸パルミチル、アクリル酸オレイル、メタアクリル
酸オレイルなどが挙げられる。芯コポリマーは、特性上
、酸性モノマーを5重量%以上、好ましくは10重量%
以上含有したものが望ましい。更に芯コポリマーは、そ
の−成分として少量のポリエチレン的不飽和モノマー、
例えばジアクリル酸エチレングリコール、メタアクリル
酸エチレングリコール、アクリル酸アリル、メタアクリ
ル酸アリル、ジアクリル酸1,3−ブタンジオール、ジ
メタアクリル酸1,3−ブタンジオール、ジアクリル酸
ジエチレングリコール、ジメタアクリル酸ジエチレング
リコール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、
ジビニルベンゼンなどを含んでいるものが好ましく、そ
の割合は芯の合計モノマー重量基準で0.1〜20重量
%である。
芯粉状体上にさやポリマーを形成するために用いるモノ
マーは、芯製造用の前記した任意の非イオン性モノエチ
レン的不飽和モノマーであればよい。
しかし、その中でも微粒子゛(B)としてはアクリル酸
或いはメタアクリル酸とスチレンを主成分とした共重合
体よりなり、透明性、耐熱性、硬度に優れているものが
特に好適である。主成分とは、共重合体中、両成分が6
0%以上、好ましくは80%以上あるものを指す。
微粒子(B)は内部に単一の空隙が形成されてい、その
空隙容量は粒状体の全容積に対して5〜90%、好まし
くは10〜60%の範囲が外力による変形、破壊などの
力学的特性の点で優れている。更に、微粒子の壁厚さは
均一であるものが望ましい。
微粒子(B)の平均粒径は0.08〜2.0μm、好ま
しくは0.10〜1.5μm、より好ましくけ0.15
〜0,8μmの範囲であることが必要である。平均粒径
が0.08μm以下では、積層フィルムの易滑性が不十
分となるのみならず、粒子の凝集性が高まるため、粗大
異物の発生によって、透明性の低下を起こしやすくなる
。2.0μmを越えるものは、積層フィルム表面が顕著
に粗れたり、被覆層の耐摩耗性が悪化しやすくなる。
なお、ここでいう平均粒径とは、微粒子(B)の水分散
体液を遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所■製5
A−CP2型)を用いて測定したものである。
本発明では、被覆層における微粒子(B)の濃度は0.
1〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜2
0重量%、更に好ましくは1.0〜15重量%の範囲に
あることが望ましい。微粒子(B)の濃度が0.1重量
%未満では、所望の易滑性を有する積層フィルムが得に
くい。30重量%を越えるものでは、積層フィルムの透
明性、耐摩耗性が悪化したり、被覆層のベースフィルム
への密着性が低下するので好ましくない。
また、被覆層には、被覆層の密着性、耐水性、耐溶剤性
、機械的強度の改良のため、架橋剤としてメチロール化
あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アク
リルアミド系、ポリアミド系などの樹脂、エポキシ化合
物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、
ビニル化合物などの反応性化合物を含有せしめてもよい
。更に必要に応じて、本発明の効果を損なわない量で公
知の添加剤、例えば消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯
電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料など
を含有せしめてもよい。また、本発明の目的を達成する
うえにおいて重要なことは、被覆層内の微粒子(B)の
多孔質部或いは中空部に樹脂(A)が内包されているこ
とが必要であり、内包量は樹脂含浸率で0.5重量%以
上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量
%以上である。樹脂含浸率が0.5重量%未満では微粒
子(B)の延伸後の密着性が低下し、耐摩耗性が悪化し
易い。なお、微粒子(B)は事前に樹脂(A)の含浸率
を高めたものを用いるのが望ましい。
さらに、被覆層を形成する樹脂(A>及び微粒子(B)
の屈折率がベース基材より小さく、屈折率の差が0.0
05〜0.5、好ましくは0.005〜0.3の範囲に
あることが望ましい。屈折率がベース基材の値を越えた
り、屈折率の差が0゜5以上になると各組成物の界面で
の光散乱が大きくなり、透明性の低下をまねき易い。
本発明フィルムを構成する透明なポリエステルフィルム
とは、常法により少なくとも一軸配向させたものである
が、機械的強度や寸法安定性、剛性等の点で少なくとも
二軸配向させたものが望ましく、光学ヘイズく濁度)が
4.0%以下、好ましくは3.0%以下のものである。
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものでは
ないが2〜500μmが好ましく、5〜300μmの範
囲がより好ましく基材ベースとしての実用面での取り扱
い性に優れている。
本発明フィルムを構成する被覆層の積層厚みは微粒子(
B)の粒径との比が本発明範囲にあればよいのであり特
に限定されないが、0.005〜2μmが好ましく、0
.01〜0.1μmの範囲がより好ましい。積層厚みが
0.005μm未満では、均一積層が難しいのみならず
、易滑耐久性を有する積層フィルムが得にくい。0.2
μmを越えるものは、透明性や易滑性が低下したり、場
合によっては、被覆層の吸湿によって、ブロッキングを
発生しやすくなる。
本発明フィルムは、被覆層の微粒子(B)の平均粒径(
D>と被覆層厚み(d)との比(D/d)が1.1〜8
0でなければならない。好ましくは2.0〜40、より
好ましくは3.0〜15の範囲である。粒子径と膜厚の
比が1.0未満では、積層フィルムの易滑性、透明性が
悪化し、表面欠点などの弊害が増すので好ましくない。
粒子径と膜厚の比が80以上では、被覆層の耐摩耗性が
悪化して白粉が発生しやすくなったり、逆に滑り性の悪
化をまねくこともあるので好ましくない。
本発明フィルムは、透明性において、ヘイズが4.0%
以下が好ましく、より好ましくは3.0%以下、更に好
ましくは、2.5%以下である。
次に、本発明の製造方法について説明する。まず、常法
によって重合されたポリエステルのペレットを十分乾燥
した後、公知の押出機、好ましくは圧縮比3.8以上の
溶融押出機に供給し、ペレットが溶融する温度以上、ポ
リマが分解する温度以下の温度でスリット状のグイから
シート状に溶融押出し、冷却固化せしめて未延伸シート
を作る。
この際、未延伸シートの固有粘度はフィルム特性から0
.5以上であることが望ましい。次に、該未延伸シート
或いは該未延伸シートを70〜120℃で2.0〜5.
0倍延伸したフィルム上に、前記組成物を所定量に調製
した塗材を塗布し、塗膜を乾燥させて所定の塗布層を設
けた後70〜150℃で、未延伸フィルムを用いる場合
は、縦方向に2.0〜5.0倍、横方向に2.0〜5.
0借間時延伸を、又−軸延伸フィルムを用いる場合は2
.0〜5.0倍横延伸する。又、二軸配向したフィルム
を100〜180℃で少なくとも一方向に1.1〜3.
0倍延伸してもよい。さらに、二軸配向フィルムは必要
に応じて150〜240℃で0〜10%弛緩を与えつつ
1〜60秒熱処理する。
塗布方法は、特に限定されず押出ラミネート法、メルト
コーティング法を用いてもよいが、高速で薄膜コートす
ることが可能であるという理由から水溶化又は水分散化
させた塗材のグラビアコート法、リバースコート法、キ
ツスコート法、グイコート法、メタリングバーコード法
など公知の方法を適用するのが好適である。この際、フ
ィルム上には塗布する前に必要に応じて空気中あるいは
その他種々の雰囲気中でのコロナ放電処理など公知の表
面処理を施すことによって、塗布性が良化するのみなら
ず被覆層をより強固にフィルム表面上に形成できる。尚
、塗材濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものではな
いが、塗膜乾燥条件は積層ポリエステルフィルムの諸特
性に悪影響を及ぼさない範囲で行なうのが望ましい。
[評価法コ 本発明の特性値は、次の測定方法、評価基準による。
(1)耐ブロッキング性 積層フィルム面のブロッキング性は、JIS−Z−02
19に準じて50℃、80〜90%RH中で荷重500
g、/12otfをかけて24時間後のブロッキング性
を評価しな。判定基準は、O:良好、△:やや劣る、X
:不良とした。
(2)易滑性(μS〉 ASTM−D−1894−63により、積層面と未積層
面の静摩擦係数μsを測定した。
(3〉  塗膜の密着性 被覆層/ベースフィルムの接着力は、被覆層にクロスカ
ット(100ケ/−)を入れ、該クロスカット面に対し
45°にセロハンテープ: CT−24にチバン■製)
を貼り、ハンドローラを用いて約5k(lの荷重をかけ
、長さ方向く約10cm)に5回往復して圧着させ、セ
ロハンテープを手で引き剥がして被覆層の剥離度合いを
観察し、評価しな。判定基準は、○:良好(剥離面積5
%未満)、△:やや劣る(剥離面積5%以上20%未満
)、X:不良(剥離面積20%以上)とした。
(4)  透明性 5EP−H−2型温度計(日本精密光学■製)を用いJ
 IS−に−6714−58に基づいてヘイズ(濁度)
を判定しな。判定基準は、ベースフィルムに対するヘイ
ズの上昇が0.3%未満を良好(0)、0.3%以上を
不良(X)とした。
(5)  被覆層の厚みd(μ) 被覆層にセロハンテープを貼り、セロハンテープ端部の
被覆層をジメチルホルムアミド等の溶剤で溶解除去する
。次いでセロハンテープを剥がし、セロハンテープで保
護された面と、溶解除去した面との境界を小坂研究所製
ET−10高精度段差測定器により測定し、厚みを求め
た。
上記方法で困難な場合は、日立製作所製透過型電子顕微
鏡HU−12型を用い、積層フィルムの超薄断面切片を
観察し、厚みを求めた。
(6)平均粒子径(D>と積層厚み(d)の比(D/d
) 平均粒子径(D)と上記(5)で測定した積層厚み(d
)より、比(D/d)を求めた。
(7)  耐摩耗性 テープ状にしたフィルムの被覆層表面を、テープ走行性
試験機TBT−300(II横横浜システム研究調製を
使用し、25℃、50%RHの雰囲気で100回繰返し
走行させた後、固定ガイド部及びフィルム上に付着した
スクラッチ量(削れ粉)を目視にて判定し、次の如く評
価しな。ここで、ガイド径は8mmφであり、ガイド材
質は5US27(表面粗度0.2S)、巻き付は角は1
8o°、テープ走行速度は3.3cm/秒である。
Oニスクラッチ量が少ない(耐久性良好)Δニスクラッ
チ量がやや多い(耐久性不良)Xニスクラッチ量が非常
に多い(耐久性不良)(8)屈折率 ポリエステルフィルム及び樹脂(A)の値は、20℃、
65%r(HでナトリウムD線(589nm)を光源と
したアツベ屈折率計を用いて測定した。
その際マウント液にはヨウ化メチレンを使用した。
微粒子(B)の屈折率は、20℃、65%RHで位相差
顕微鏡によるベック法によって、粒子と同じ屈折率の溶
剤を調製し、その溶剤の屈折率を粒子の屈折率とした。
尚、溶剤の屈折率は上記アツベ屈折率計を用いて測定し
た。
(9)  微粒子(B)の樹脂含浸率 一定i(gr)の微粒子(B)の水分散体を1o to
rrの真空下、80〜100℃の温度で十分乾燥させた
後、重量W1 (単位gr)を25℃、50%RHの雰
囲気下で測定しな。
次に、塗工に使用するため一定濃度に調製した樹脂(A
)を上記処理微粒子(B)に十分含浸させな後該粒子を
分離し、洗浄後、上記処理条件で乾燥して重量W2を測
定した。
これらの値から次式にて含浸率を求めた。
[発明の作用] 本発明は、透明なポリエステルフィルム上に、特定の有
機多孔性中空体微粒子を含む水溶性あるいは水分散性樹
脂を塗布した後、延伸し、該微粒子の粒径と積層厚みが
特定の相関関係にある被覆層を形成させたので、基材フ
ィルムの諸特性を悪化させることなく、次のような優れ
た効果を得ることができた。
[発明の効果] (1)積層ポリエステルフィルムは、透明性と易滑性が
同時に優れている。
(2)積層ポリエステルフィルムは、耐摩耗性に優れて
いるので易滑耐久性がある。
(3)  積層ポリエステルフィルムは、薄膜になって
も優れた透明性、易滑性を保持しているので、製膜工程
での巻き取り性や巻姿、後加工での取り扱い性に優れて
いる。
[発明品の用途] 本発明の積層ポリエステルフィルムは、磁気記録媒体用
ベースフィルム、電絶用ベースフィルム、コンデンサー
用ベースフィルム、包装用ベースフィルム、各種写真用
ベースフィルム、光学用ベースフィルム、グラフィック
用ベースフィルムなどに適用できるが、中でも、特に透
明性、易滑性が要求されるベース基材に用いるのが好ま
しい。
[実施例] 本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明するが、本
発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1 常法によって製造されたポリエチレンテレフタレートの
ホモポリマーチップ(固有粘度=0.62、融点:25
9℃)を180℃で2時間減圧乾燥(3mmHa)した
。このチップを280℃で圧縮比3.8のスクリューを
有した押出機に供給しT型口金から溶融押出し、静電印
加法を用いて表面温度20℃の冷却ドラムに巻きつけて
冷却固化せしめ、未延伸フィルムとした後、得られたフ
ィルムを90℃でロール延伸によって縦方向に3.3倍
延伸した。
次に、微粒子(B)としてアクリル/スチレン共重合体
よりなる平均粒径0.55μ(内径0゜3μ)の水分散
体゛オペークポリマー”OP−42M(ロームアンドハ
ースジャパン■)とバインダーとして水分散性アクリル
/スチレン共重合樹脂“°アクロナール” YJ−25
01DT (三菱油化バーディッシェ■)を重量固形分
比4:96の組成で均一分散させた濃度1.0重量%の
塗材を、前記−軸延伸フィルムの片面にメタリングバ一
方式で塗布した後、該塗布層を乾燥しつつ100℃で横
方向に3.6倍延伸し、横方向に2%弛緩しつつ210
℃で5秒間熱処理して、被覆N0903μmが積層され
た厚さ12μmの積層フィルムを得な。
かくして得られた被覆層は、微粒子(B)の平均粒子径
と層厚みの比(D/d)が18.3であった。
更に、積層フィルムの特性は第1表に示したとおりで透
明性、易滑性が共に優れており、しかも被覆層の耐摩耗
性、耐ブロッキング性、密着性ともに優れているもので
あった。
実施例2〜3.比較例1〜2 実施例1と同じ原料チップを使用し、実施例1と同じ組
成物で、微粒子(B)の平均粒径を変えた塗材を作り、
以下実施例1と同一手法で、被覆層における微粒子(B
)の平均粒子径と積層厚みの比(D/d)を変えた積層
フィルムを得た。これらの積層フィルムの特性を第1表
に示した。第1表に見る如く、積層フィルムが本発明の
範囲にある場合は(実施例2.3)は、易滑性、透明性
のバランスに優れたフィルムを得ることができるが、本
発明の範囲外にある場合(比較例1.2)では、透明性
、易滑性が共に優れたフィルムを得ることができないこ
とが分る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)透明なポリエステルフィルムの少なくとも一表面
    上に、水溶性あるいは水分散性樹脂(A)と、該樹脂(
    A)を内包した平均粒径0.08〜2.0μmの有機多
    孔性中空体微粒子(B)を主成分とした被覆層を設けて
    なる積層ポリエステルフィルムであつて、該微粒子(B
    )の平均粒径(D)と該被覆層厚み(d)の比(D/d
    )が1.1〜80の範囲にあることを特徴とする積層ポ
    リエステルフィルム。
  2. (2)樹脂(A)及び微粒子(B)の屈折率がポリエス
    テルフィルムの屈折率より小さく、且つ、その差が0.
    005〜0.5の範囲にあることを特徴とする特許請求
    の範囲第(1)項記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. (3)被覆層が少なくとも一方向に延伸されてなること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の積層ポリ
    エステルフィルム。
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