JPH0116490B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はミルケース内に入れたコーヒー豆を回
転駆動されるカツターにより粉砕するコーヒーミ
ルに関し、特にコーヒー豆粉砕中にコーヒー豆の
不良成分を選択して分離するようにしたコーヒミ
ルに関する。

ひきたてのコーヒー粉末を使用することが美味
しいコーヒーを抽出するために必要であることは
一般的に常識化されているが、更に、美味しさを
向上させるには、抽出に使用するコーヒー粉末か
ら美味しさにとつて不用な不良成分を除去するこ
とが必要不可欠なことである。

特に、コーヒー豆の一成分であるシルバースキ
ンと称される渋皮と、粉砕によつて生じる微粉末
はコーヒー本来の味を損ねるものであり、いわゆ
る専門の店ではこの渋皮と微粉末を取り除いてコ
ーヒー液の抽出を行つている所もあるほどであ
る。

しかし、従来の一般家庭で用いられているコー
ヒーミルにおいては、コーヒー豆全体を一気に粉
砕する方法であるため、粉砕されたコーヒー粉末
の中に前記渋皮と微粉末とが一様に混入してしま
い、粉砕後に分離することは極めて困難で、かつ
面倒であつた。

そこで本発明は、以上のような従来の実情に鑑
み、コーヒー豆粉砕中に生じせしめた空気流によ
り渋皮と微粉末とを吐出孔よりミルケース外に搬
送して容易かつ確実に選択して前記不良成分を分
離できるコーヒーミルを提供するものである。

以下、本発明の一実施例を第１図〜第４図に基
づいて説明する。

第１図〜第３図において、１はモータ２を内蔵
したモータケースで、このモータケース１上には
コーヒー豆粉砕用カツター４を装備したミルケー
ス３が着脱自在に載置され、モータ２の回転はカ
ツプリング６及び６′によつてカツター４に伝達
されるようになつている。７はミルケース３と着
脱自在に嵌合するミルフタであり、該ミルフタ７
の中央部には外気導入孔１５が設けられ、更らに
該導入孔１５は下方に延設されて導入筒９が形成
され、カツター４の直上方に臨んでいる。

ミルフタ７の内側には、第２図中Ｃで示すカツ
ター４の回転方向に従つて外周から中心方向に向
つてわん曲するガイド１０が設けられ、このガイ
ド１０の外側に対応したミルフタ７の周壁部には
ミルケース３内の空気を吐出する吐出孔１６が設
けられている。更にガイド１０と吐出孔１６の間
には、カツター４の回転方向Ｃに対して逆の方向
から吐出孔１６に空気流を導く遮へいガイド１１
が下向きに折曲形成されている。

一方、５はカツター４の一部に下向きに折曲形
成された翼で、該カツター４の回転時ミルケース
内に矢印Ｐで示されるような空気流を効果的に作
る。

吐出孔１６の外側には不良成分の捕集ケース８
がミルフタ７に対して着脱自在に取り付けられて
おり、該捕集ケース８の一部にはフイルター１４
が取り付けられている。捕集ケース８にはミルフ
タ７に取り付けた状態で、吐出孔１６と対応する
位置に導入穴１７が設けられている。

次に、上記実施例の構成によるコーヒーミルの
コーヒー豆粉砕過程及び不良成分分離過程につい
て説明する。

まず、コーヒー豆をミルケース３の中に入れ、
第１図に示すように各部品をセツトした後、モー
タ２に通電し、カツター４を高速回転させると、
該カツター４によつてコーヒー豆が粉砕される。

粉砕が始まると、第４図に示すコーヒー豆の渋
皮１２と実１３とが分離し、共に時間の経過に従
つて細かくなつていく。

カツター４の回転に伴う翼５の遠心フアン効果
によつて作られた空気流は、図中Ｐ及びＱで示す
矢印の如く生じる。

即ち、粉砕過程のコーヒー豆は、ガイド１０に
衝突しながらカツター４の回転方向Ｃと同方向に
ミルケース３とミルフタ７とで構成される空間内
を回転する。

重量の極めて軽い渋皮と実の微粉末等の不良成
分は、ガイド１０の終端Ｅまでくると、ガイド１
０の裏側へ回り込み、吐出孔１６を通つて捕集ケ
ース８内に流れ込む空気流によつて方向を変えら
れ、捕集ケース８内に搬送される。そしてフイル
ター１４によつてろ過され、渋皮と微粉末等の不
良成分は捕集ケース８内に捕獲され、空気のみが
捕集ケース８外に排出される。従つて運転中に即
ちコーヒー豆を粉砕しながら連続して不良成分を
捕集ケース８内に集中的に分離捕獲できる。

コーヒー液抽出に必要とする大きめの粒子状の
コーヒー粉は、ガイド１０の終端Ｅに達しても、
その慣性によつてカツター４の回転と同方向の移
動を続け、空気流によつて捕集ケース８の方に運
び込まれることはなく、ミルケース３内底部に堆
積する。

以上のようにしてコーヒー豆を粉砕した後は、
ミルフタ７をミルケース３から取り外し、該ミル
ケース３内の粒子状のコーヒー粉を取り出して使
用する一方、必要に応じ捕集ケース８もミルフタ
７から取り外して、捕獲された渋皮及び微粉末等
の不良成分を導入穴１７から廃棄すればよい。

以上実施例の構成によれば、コーヒー豆の粉砕
時、カツター４の回転により生じた空気流によ
り、コーヒー豆の渋皮及び微粉末等をミルケース
３の外側にある捕集ケース８に運び込んで効率良
くかつ集中的に分離捕獲でき、コーヒーの美味し
さにとつて不用な不良成分を除去することができ
るから、コーヒーの美味しさを一段と向上でき、
特に、粉砕後のコーヒー粉末の中からわざわざ不
良成分を取り除くという困難かつ面倒な作業が不
要であり、その簡便さと効用は非常に大きい。し
かも渋皮等不良成分が捕獲される捕集ケース８は
外部から取り付け、取り外し等の操作が容易に行
えるので、使い易く、清掃もし易い。更らにはフ
イルター１４の効果により清浄な空気のみが捕集
ケース８から排出されるため、ミル本体周辺に捕
獲した不良成分が飛散したりして汚すようなこと
もなく、安心して使用することができる。

さらに本実施例によれば、外気の導入孔１５は
ミルケース３内空間に対して円筒９を介してカツ
ター４の直上方に開口するように構成したから、
翼５の遠心フアン効果を大きく高めることができ
る。又、吐出孔１６の下側には遮へいガイド１１
を設けているから、コーヒー豆粉砕直後、カツタ
ー４及び翼５によつてはね飛ばされたコーヒー粒
子が直接吐出孔１６から捕集ケース８内に飛び込
むこともなく、又ガイド１０の裏側へ回り込んで
吐出孔１６を通過する空気流を滑らかなものとす
ることができ、不良成分の捕獲を効率良く行え
る。更に、ガイド１０によつてミルケース３内に
あるコーヒー豆は、外側から中心に向つて撹拌さ
れるため、コーヒー豆が均一に粉砕されるという
効果もある。

以上説明したように、本発明は、ミルケース内
に外気を導入する導入孔とミルケース内の空気を
外部へ吐出する吐出孔を設け、コーヒー粉砕時に
生じせしめた前記導入孔から吐出孔に至る空気流
により、コーヒー豆中の渋皮及び微粉末等の不良
成分を選択して前記吐出孔からミルケース外に送
つて分離し、捕集ケースに収納するようにしたか
ら、ミルケース内は該不良成分を容易かつ確実に
除去でき、このような不良成分を除去したコーヒ
ー粉末により、より美味しいコーヒー液を得られ
るコーヒーミルを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るコーヒーミルの構造を示
す縦断面図、第２図は同上のコーヒーミルの要部
分解斜視図、第３図は同上のコーヒーミルにおけ
るミルフタの平面図、第４図はコーヒー豆の断面
略図である。 ３はミルケース、４はカツター、７はミルフ
タ、１５は導入孔、１６は吐出孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒状でかつ上部が閉じられた形状をなし、
   ミルケース本体に着脱自在に取り付けられる蓋
   と、 前記蓋の上部中央から下方に延設し、コーヒー
   豆を導入する導入孔を形成した導入筒と、 前記蓋の周壁に設けられ、コーヒー豆の微粉末
   及び渋皮が排出される吐出孔と、 前記蓋の内周壁に対して一端を固定し、該一端
   から他端に向かう面が内周壁より内側に向かつて
   わん曲し、空気流を導くガイドと、 前記蓋の内周壁の吐出孔の下部に於いて、前記
   ガイドの下部と吐出孔の下方の内周壁との間に掛
   け渡された遮蔽ガイドと、 前記導入筒に対向してミルケース本体に取り付
   けられ、回転してコーヒー豆を粉砕するカツター
   と、 前記カツターに取り付けられ、前記カツターの
   回転に伴つて遠心フアン効果を発生させる翼と を備えたことを特徴とするコーヒーミル。