JPH01162577A - 耐食性缶体溶接法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は缶体の製作に係り、特に耐食性を要する缶体に
好適な溶接方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、缶体は隅肉溶接、開先溶接によって製作されてい
るが、隅肉溶接の先端部や開先溶接の場合でも溶かし込
みが十分でないと先端部はすき間構造となっている。こ
のすき間構造を内側に作らないため内側から溶接を行な
うこともある。

しかし−殻内には従来から缶体の隅肉溶接法は、第３図
及び第４図に示すように被溶接板の溶接面同志の間のす
き間を可及的に小さくする傾向にあり、すき間腐食は考
慮されてはいない。

また他方関連技術としては実開昭６１−１７２６７６の
ように太陽熱温水器の集熱器ではスペーサを入れてシー
ム溶接を行ない狭いすき間の形式を防止している゛。そ
の他実開昭６１−２２５５４６．実開昭６１−２５６１
４６、実開昭６１−２５６１４９らのようにすき間腐食
を利用して缶本体を防食する方法などが公知である。太
陽熱温水器の集熱器のようにスペーサを入・れて溶接し
ても隅肉溶接では溶着させることは困難である。またす
き間腐食を利用して缶本体を防食する方法では腐食によ
る溶出物やガスの発生などがあり思わしくない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来方法で製作した缶体の隅肉溶接部の内側には被溶接
面の接触した部分が存在し、その部分から離れるに従が
いすき開帳が広がる。いいかえれば１００μｍ以下のす
き開帳が存在することは明らかで、このすき間の中に溶
液が浸入した場合。

溶質及び酸化剤の拡散がこのすき閣内では小さいため、
すき閣内で化学反応が起るとバルクの溶液との間に溶質
の濃度差や酸化剤の酸素の濃度差を生じ、いわゆる溶質
の濃度差電池や酸素濃淡電池が局部的に形成されて大き
い電位差を生じ、腐食が急激に促進される。これがすき
間腐食である。

上述のすき開帳１００μｍ附近に溶質及び酸化剤として
の酸素の拡散の限界がありこのすき開帳がすき間腐食発
生の要因となる。

すき間腐食の浸食は速く短期間に貫通孔を生じ内容物の
漏洩をきたすため機器の信頼性の上からもこれの防止は
重要である。

またこの対策として内側からの溶接方法は作業性に欠け
、さらに最終的に缶体では不可能な部分が生じるなど問
題があった。

本発明の目的は耐すき開腹食性の構造を有する缶体の溶
接方法を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、缶体の溶接において溶接部の缶体の内側に
形成されるすき間をすき間腐食の発生しない、いいかえ
れば溶質などの拡散を阻害しない幅の広いすき間とする
か、あるいは溶接部の缶体の内側にすき間を形成させな
い構造とすることにより達成される。

〔作用〕

缶体の溶接において被溶接物の間に広いすき開帳を設け
るため５００μｍ厚さ以上のスペーサを複数個挿入して
仮溶接を行ない、次に上記スペーサを取り除き全部を溶
接する。このようにして製作した缶体の溶接部にはすき
間腐食の発生するような１００μｍ以下のすき間を有せ
ずすき間腐食は発生しない。

他方、被溶接物の一方に開先あるいは逆開先をつけて溶
は込ませ溶接部のすき間を形成させなく第１図の実施例
は被溶接面間にスペーサを使用して仮溶接を行なった後
全面溶接を行なう方法である。その断面を６１ｍ厚さの
５ＵＳ３０４Ｌステンレス鋼板１の溶接面１ａと、同じ
く６箇厚さの同材質の被溶接板２の溶接面２ａの間にＷ
ｌｏｍｍ、Ｑ５０ｉｙｎ、ｔ２ｎｙ＋＋の炭素鋼製スペ
ーサ３を端部から１００ｍ間隔に挿入し仮溶接を２０Ｖ
−１８ＯＡ、Ａｒ流量１５　Ｑ　／＋ｎｉｎの条件でφ
２．４のＤ３０８Ｌ溶接捧を使用しＴＩＧ溶接を行なっ
た。その後、炭素鋼スペーサ３を取り外し、同条件で全
面ＴＩＧ溶接を行ない内容積２０Ｑの缶体を製作した。

なお缶体には中に試験液を出入するためのバルブを数個
設けである。すき間４は２請と５００μｍ以上の幅を有
しており、５は溶接ビードである。

実施例２：第２図は被溶接面の一方に逆開先をつけ溶接
する方法で、その断面を示している。６■厚さの８８４
１鋼板１に逆開先をつけた溶接面６と同材質の鋼板２の
溶接面２ａを２５Ｖ−１５ＯＡ、Ａ　ｒ　：　Ｃ０２＝
　８０％：２０％の混合ガスを流量２０Ｑ／ｍｉｎの条
件で溶接棒にはＫＭ５０を使用し２００　ｍｍ／ｍｉｎ
の速さで溶接うらなみをだしながら半自動溶接を行ない
内容積２０Ｑの缶体を製作した。本缶体にも実施例１と
同様に試験液の出入用バルブを取付けである。すき間４
は逆開先により５００μｍ以上の幅を有しており、５は
溶接ビードである。比較のため従来方法によっても缶体
を製作したが第３図は厚さ６ｍの被溶接材５Ｓ４１鋼板
１と同じ厚さの同材質の被溶接板２を溶接棒ＫＭ５０を
使用し実施例２と同じ条件で半自動溶接を行ない内容積
２０Ｑの缶体を製作した。この場合溶は込みは少なくす
き間４は第４図の拡大図にみられるように両溶接板の間
には１００μｍ以下の幅を有するすき間が缶体の内側に
形成されていることは明らかである。また５は溶接ビ゛
−ドである０本缶体にも試験液の出入用バルブを取付け
である。

次に真空ポンプで５　Ｘ　１０−″”ｍｎＨｇに減圧し
たこれら３個の缶体の中に腐食試験液として臭化リチウ
ー水系吸収液（臭化リチウム濃度：６５％。

他に吸収液としての添加剤を少量含有）１０Ｑを入れた
０缶体の外壁を保温材で保温し上記吸収液を１５５℃±
５℃に８時間加熱、１６時間室温に放冷の１サイクル／
日の条件で腐食試験を３ケ月間行なった。その後缶体を
解体しすき間部を調べた結果、実施例１及び２の缶体の
溶接すき間部にはすき開腹食が発生していないが、従来
方法の１００μｍ以下の狭いすき間を有する缶体の溶接
すき間部にはすき開腹食が発生していた。このすき開腹
食は約３ケ年で６ｍ厚さの５Ｓ４１鋼板に貫通孔を生じ
吸収液が漏洩した。

〔発明の効果〕

本発明によれば１缶体の溶接部の内側にすき開腹食の発
生する細いすき間がなくなるのですき開腹食による浸食
がなくなり、内容物の漏洩問題もなくなり製品の信頼性
の向上効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の缶体隅肉溶接部の断面、第
２図は本発明の他の実施例の缶体隅肉溶接部の断面、第
３図は従来技術による缶体隅肉溶接部の断面、第４図は
従来の缶体隅肉溶接部の拡大図である。 １・・・溶接板、２・・・被溶接板、３・・・スペーサ
、４・・・隙間、５・・・溶接ビード。 早　１　口 早５　口

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、缶体の隅肉溶接において、缶体の内側に隙間を形成
   し、両接合面間に５００μｍ以上の厚さを有するスペー
   サを挿入して仮溶接し、スペーサを離脱して全溶接する
   ことを特徴とする耐食性缶体溶接法。 ２、缶体の隅肉溶接において、両接合面の一方に逆開先
   または開先を設け、溶接うらなみを内側に出すことを特
   徴とする耐食性缶体溶接法。