JPH01156904A - ヨード系殺菌剤組成物及び該組成物を用いたウェットティッシュタイプ除菌材 - Google Patents

ヨード系殺菌剤組成物及び該組成物を用いたウェットティッシュタイプ除菌材

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JPH01156904A
JPH01156904A JP63231151A JP23115188A JPH01156904A JP H01156904 A JPH01156904 A JP H01156904A JP 63231151 A JP63231151 A JP 63231151A JP 23115188 A JP23115188 A JP 23115188A JP H01156904 A JPH01156904 A JP H01156904A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高濃度アルコール及び/又はポリオール系の
ヨード系殺菌剤組成物であって、ヨードの配合量が低濃
度でも安定性に優れたヨード系殺菌剤組成物と該組成物
を用いたウェットティッシュタイプ除菌材に関する。
〔従来の技術〕
ヨードは殺菌力に優れるとともに、人体に対してもその
毒性が極めて低い為に殺菌剤成分として広く用いられて
いる。
ヨード系殺菌剤組成物の溶媒としては一般的には水溶液
が用いられるが、ヨードは水溶液中では安定性に乏しく
、長期間貯蔵するとヨードが分解してヨード濃度が減少
する現象が生じる。そしてこの現象はヨード濃度が低い
ほど顕著である。
従って、従来の水溶液系のヨード系殺菌剤組成物では、
ヨードの減少を抑制する為に、ヨードを0.5%以上と
いう高濃度な含有率で水溶液中に配合することにより、
その安定性を維持しているのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、ヨードの殺菌効果は遊離した活性ヨウ素
の濃度(以下、有効ヨード濃度と称す)が10ppm〜
1100ppの範囲内にあるときに最大となることが知
られており、含有率が0.5%以上では濃度が高すぎて
十分な殺菌力が発揮できないという問題がある。そして
現実に市販されているヨード系殺菌剤組成物の有効ヨー
ド濃度は6000ppm〜 −17000ppmにも達
し、ヨードの安定性を保つ為に殺菌効果を犠牲にしてい
るのが現状である。
また、ヨード濃度が高いと、刺激臭が強すぎたり、殺菌
対象物が変色したりする問題もある。
このような事情から、ヨード含有率が低い低濃度ヨード
殺菌剤組成物でありながらも、安定性にも優れたヨード
系殺菌剤組成物の開発が望まれていた。
低濃度ヨード系殺菌剤組成物の開発の試みとしては、米
国特許第4271149号が存在するが、ここで開示さ
れているのは、溶媒として従来通りの水溶液を用いるこ
とを前提としたものであり、殺菌力において十分なもの
とはいえない。
また、溶媒として高濃度アルコールを用いたものとして
は、米国特許第4151275号が存在するが、ここで
開示されているのは、ヨード濃度を1.8〜2.2g/
100m 12に設定した高濃度ヨードについてのもの
であって、高濃度ヨードの存在に起因する殺菌効果の劣
化、刺激臭による不快感、殺菌対象物の変色等の問題は
全く解消されていない。
そして、上記ヨード系殺菌剤組成物は使用時に希釈する
ボトルタイプや直接対象物に噴射するスプレータイプ、
更には布、紙や不織布等に含浸させたウェットティッシ
ュタイプなどがあるが、簡易に使用できる理由から、ウ
ェットティッシュタイプが近年注目を集めており、その
中でも破裂強度とコストの両面から満足できるものとし
て不織布を用いたものが最も注目されている。しかしな
がら不織布にヨード系殺菌剤組成物を含浸させた場合、
他の媒体に含浸させた場合に比べてヨードの安定性が著
しく悪い事実が知られており、不繊布にヨード系殺菌剤
組成物を含浸させる際には解決すべき固有の問題がある
ことが知られている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、高濃
度アルコール系において、ヨード含有率が低くても、ヨ
ードの安定化がはかれるヨード系殺菌剤組成物と該組成
物を用いたウェットティッシュタイプ除菌材を提供する
ことを目的とするものである。本発明者は、この目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、高濃度アルコール及
び/又はポリオールの配合量、ポビドンヨード及び水の
配合量を特定の範囲に設定することにより、殺菌効果に
優れるとともに安定性にも優れたヨード系殺菌剤組成物
を得ることができることを見出したものである。このよ
うにして完成させた第1発明の要旨は、炭素数が1〜3
のアルコールの内から1種又は2種以上を選んだアルコ
ール及び/又はポリオールを含み、且つ水及びポビドン
ヨードを含むものであって、アルコール及び/又はポリ
オールの含有率が80重量%以上、水の含有率が20重
量%以下、ポビドンヨードの含有率が0.0005重量
%〜0.5重量%に設定されたヨード系殺菌剤組成物に
ある。
又、該組成物を用いたウェットティッシュタイプ除菌材
は、前記ヨード系殺菌剤組成物にその全量に対して有機
酸を0.01重量%〜10重量%配合したものを不織布
に含浸させた構成とした。
〔作 用〕
このような本発明によるヨード系殺菌剤組成物は、低濃
度ヨードを高濃度アルコール中で安定して存在させるこ
とができるので、優れた殺菌力が発渾できるとともに、
長期間にわたる貯蔵にも、品質変化のない安定したヨー
ド系殺菌剤組成物が提供できるものである。
又、該組成物全量に対して有機酸を0.01重量%〜1
0重量%配合したものを不織布に含浸して構成したウェ
ットティッシュタイプ除菌材は、有機酸を配合している
為に不織布中でもヨードの安定性を維持することが可能
で、手軽且つ簡易に使用できるとともに長期間の保存に
対しても殺菌力の劣化のないウェットティッシュタイプ
除菌材とすることができるのである。
〔発明の詳説〕
次に第1発明であるヨード系殺菌剤組成物の説明を具体
的組成物に基づき説明する。
本発明で用いるポビドンヨードとしては、例えばPVP
−IODINE 30/60 (BASF社製)やPV
P−1od 1nelO(GAP社製)等を用いること
が可能であり、その含有率は、0.0005重量%(有
効ヨード濃度o、sppm) 〜0.5重量%(有効ヨ
ード濃度500ppm) 、好ましくは0.01重量%
(有効ヨード濃度10ppm)〜0゜2重量%(有効ヨ
ード濃度200ppm)に設定するものとする。ポビド
ンヨードの配合量の下限を0,0005重量%に設定し
たのは、これ以下だと、殺菌効果が低下するとともに、
ポビドンヨードの安定性が維持できない為であり、また
、配合量の上限を0.5重量%に設定したのは、これ以
上だと臭いが強くなる上に、対象物に耐着させたときに
は、対象物の変色現象が生じ、また外観上も色彩が濃く
なって商品価値が半減する為である。
また、ポビドンヨードを溶かす溶媒としては、炭素数が
1〜3のアルコール、即ち、メタノール、エタノール、
又はn−プロパツール若しくは1so−プロパツールの
内から1種又は2種以上を選んだアルコール及び/又は
ポリオールと水を用い、アルコール及び/又はポリオー
ルの配合量は80重量%以上に設定し、一方、水は20
重量%以下に設定するものとする。ポリオールとしては
、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールや
ポリプロプレンゲリコール等が使用可能であり、これら
の内から1種又は2種以上を選んだものを単独で溶媒と
して使用したり、若しくはこれらをアルコールと混合し
て用いることも任意である。
しかしながら、殺菌力の強化という観点からは、ポリオ
ールを含有しないアルコールのみよりなる溶媒を用いる
ことが好ましい。また、ヨード系殺菌剤組成物をエアゾ
ール容器に充填して噴霧式の除菌剤等を構成した場合に
は、ポリオールは乾燥性に劣る為、使用しないことが好
ましい。尚、特に、アルコールのみを用いる場合も、メ
タノールやプロパツールは毒性や臭い等において問題が
あることから、これらの配合量はエタノールより少量と
することが好ましい。更に好ましくはアルコールとして
エタノールのみを用いることが望まれる。アルコール及
び/又はポリオールの配合量を80重量%以上、水の配
合量を20重量%以下に設定したのは、アルコール及び
/又はポリオールの配合比率を80重量%以下、水を2
0重量%以上に設定したときには、本発明の主目的であ
るヨードの安定性が維持できない為である。
以上本発明にかかるヨード系殺菌剤組成物を構成する主
成分について述べたが、ヨード系殺菌剤組成物にはヨー
ドの安定性に悪影響を与えない範囲で、界面活性剤、有
機酸、消臭剤、香料等の添加物を配合させることも任意
である。
第1表及び第2表は本発明にかかるヨード系殺菌剤組成
物における各成分の配合比率の臨界的意義を説明する為
に行った実験の結果である。第1表に記載した処方例A
、B、C,D、l’、Fは本発明の配合比率を満足した
本発明の実施例であり、第2表に記載した処方例G、H
,I、Jは本発明の配合比率を満足しない比較例である
第1表 第1表として示した本発明の実施例も、第2表として示
した比較例も共に、アルコールにはエタノールを、また
ポリオールにはエチレングリコールを用いている。尚、
表中の数字は全て重量%を示している。評価指標は、安
定性、使用域及び総合評価の3種に大別されているが、
それぞれの指標の内容は次の如くである。
ヨード系殺菌剤組成物の殺菌力は有効ヨウ素濃度により
規定されることは前述したが、安定性とは、摂氏40°
の環境下で2ケ月保存したときの有効ヨウ素の残存率に
より判断したもので、実験開始直後の有効ヨウ素濃度を
100としたときの2ケ月経過後の有効ヨウ素濃度を測
定し、そのときの値が60以上であれば0160以下で
あれば×と評価した。また使用感とは、ヨード濃度の増
大に伴って顕在化するヨード系殺菌剤組成物の色や臭い
に対する評価であり、使用するにあたって心理的抵抗の
ない場合をO1心理的抵抗のある場合を×とした。そし
て総合評価とは、前記安定性と使用感について共にOで
ある場合は○、いずれか一方に問題があるときは×とし
た。
このような評価基準で各実験結果をみてみると、エタノ
ールとエチレングリコールの配合量の合計が80重量%
以上、水が20重量%以下であり、且つポビドンヨード
の配合量がo、ooos重量%〜0.5重量%の範囲内
に設定された処方例A、B、C,D、E、Fはいずれも
安定性、使用感共に満足できる′ものであり、総合評価
は全てOとなった。
これに対し、第2表として示した比較例G、 H,I。
Jは、総合評価において全て×となった。例えばGとH
はポビドンヨードの配合量は本発明の0.0005重量
%−0,5重量%の範囲内に収まっているもののエタノ
ールとエチレングリコールの合計配合量が80重量%に
満たない場合である。この場合は、使用域には問題ない
ものの安定性は、満足のいくものではなかった。
また、Iはエタノール及びエチレングリコールの合計配
合量は条件を満足するがポビドンヨードの配合量は本発
明が開示したポビドンヨードの下限値より下まわってお
り、この場合には安定性に問題があることがわかった。
更にJはエタノールとエチレングリコールの合計配合量
は79.4重量%でほぼ条件を満たしてはいるが、ポビ
ドンヨードの配合量を本発明におけるポビドンヨードの
上限値0.5重量%よりも多く設定した場合である。こ
の場合は、ヨード濃度が高い為、ヨードの安定性は保た
れたが、ヨードの色、臭いが強すぎて使用に供するには
不適当であった。
このように、本発明におけるアルコール及び/又はポリ
オールの配合比率、水の配合比率、及びポビドンヨード
の配合比率の各数値は極めて有意味な値であることが理
解され、各成分のいずれか1つでもがこの設定値を逸脱
した場合は、満足のいくヨード系殺菌剤組成物は得られ
ないことがわかった。
前記実験からはエタノールとエチレングリコールの合計
配合量とヨードの安定性との間には緊密な関係が存在す
ることが推察される。そこで本発明者は、両者の関係を
更に明確化にする為に、以下の実験を行った。この実験
では説明を単純化する為にエチレングリコールは用いず
、エタノールのみを用いることとした。また実験に用い
たヨード系殺菌剤組成物に、 L、 M、 Nはポビド
ンヨードの配合量を、0.05重量%に設定し、エタノ
ールの配合量を本発明におけるアルコールの配合量を9
9.95重量%〜79.95重量%の範囲内で増減させ
ることとした。
第3表 第3表及び第1図、第2図はエタノール濃度の増減が、
有効ヨウ素濃度の期間経過による濃度変化にどのような
影響を及ぼすかを実験した結果を示したものである。実
験は、実験環境温度を摂氏−5℃、室温、40℃、55
℃に設定し、それぞれの温度下で2力月間保存したとき
の、初期値、1力月後の有効ヨウ素濃度、2力月後の有
効ヨウ素濃度を測定したものである。これら実験結果か
らは、エタノール濃度が高いほど、また温度は室温に近
いほど有効ヨウ素濃度は高いことがわかる。実験結果で
示される如く、処方例に、 L、 M、 Nの有効ヨウ
素濃度は、初期値35ppm〜45ppmから開始して
期間経過に伴って増減するが、2力月経過した後でも、
少なくとも一り℃〜40’Cの範囲内では初期値に対し
て±60%の変動中白に収まっていることがわかる。ヨ
ード系殺菌剤組成物の殺菌力は前述したように有効ヨウ
素濃度が10ppm〜100 ppmで最大となるが、
上記実験結果における処方例に、 L、 M。
Nの有効ヨウ素濃度は、初期段階から2力月後に至るま
で10ppTn〜100 ppmの範囲内に収まってお
り、したがって処方例に、 L、 M、 Nとして開示
したヨード系殺菌剤組成物は長期間にわたって優れた殺
菌効果を保持していることがわかる。
以上のような配分比率を特徴とした本発明は、そのまま
ポンプ容器等に収容してポンプスプレィ製品としたり、
また、LPG 、フロンガス、ジメチルエーテル、炭酸
ガス等の噴射剤とともにエアゾール容器に収容し、エア
ゾールスプレィ製品とすることもでき、更に、不織布、
紙、布等に含浸して、ウェットティッシュタイプの製品
とすることもできる。特にポンプスプレィ製品を構成し
た場合は従来のように使用に際して希釈する必要もなく
便利であり、またウェットティッシュタイプとしたとき
には、含浸させるヨード系殺菌剤組成物の濃度は、従来
品のように高濃度にする必要はないので、殺菌対象物や
手の変色もないうえに臭いも少なく、使用感に優れた製
品を提供できるのである。このようなヨード系殺菌剤組
成物の用途は、便座の除菌や台所の流しの除菌に用いる
等、任意である。
次に第1発明であるヨード系殺菌剤組成物を用いた第2
発明であるウェットティッシュタイプ除菌材について述
べる。ウェットティッシュタイプ除菌材としては、ヨー
ド系殺菌剤組成物を布、紙や不織布等に含浸させたもの
があるが、破裂強度やコストの面を考慮すれば不織布を
用いるのが最も適している。しかしながら不織布に第1
発明であるヨード系殺菌剤組成物をそのまま含浸させた
場合、単体では安定であったヨード系殺菌剤組成物も不
安定となることがわかった。この現象はおそらく不織布
の製造過程で使用された化学物質が不織布の中に残留し
ており、これがヨードと反応してヨードの安定性を劣化
せしめているものと推測される。本発明は第1発明であ
るヨード系殺菌剤組成物を不織布に含浸させる際に生ず
るこの問題の解決を試みたものである。
本発明者らは、前記ヨード系殺菌剤組成物を各種不織布
に含浸させて、ヨードの安定性についての実験を行った
ところ、以外にも前記ヨード系殺菌剤組成物とともにア
ルコール可溶な有機酸を特定量配合することでヨードの
安定性を保てることを見出した。有機酸としては、クエ
ン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、シュウ酸、コハ
ク酸及びマロン酸を単体若しくは二種以上を混合したも
のが使用可能であり、その配合量は前記ヨード系殺菌剤
組成物の全量に対し0.01重量%〜10重量%の範囲
内に設定することが必要である。有機酸の配合量の下限
を0.01重量%以上としたのは、これ以下ではヨード
が安定しないからであり、又、上限を10重量%以下と
したのは、これ以上だと乾燥したときに殺菌対象物の表
面に有機酸が析出するとともに製造原価も高騰する為で
ある。
又、不織布の製法には湿式、乾式、スパンレース、スパ
ンボンド、メルトブローン、ニードルバンチ及びスイッ
チボンド等があり、本発明のウェットティッシュタイプ
除菌材はこれら全ての製法により作製した不織布を用い
ることが可能である。
又、その原料ファイバーとしてもパルプ、レーヨン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン
、ビニロン、アクリル、セルロース及びポリウレタン等
から任意のものを使用することができる。但し、湿式法
により作製した不織布を用いる際には若干の注意が必要
である。即ち、湿式法では製造過程で紙力増強剤を配合
するが、−船釣に使用される紙力増強剤のなかにはヨー
ドとの反応性が高いものがあるが、これらはヨードの安
定性という観点からは好ましくない。本発明者は各種実
験の結果、ポリビニルアルコール(PvA)及びポリア
クリルアミド(PA)はヨードとの反応性が極めて低い
事実を見出し、湿式法の不織布を用いるときには、ポバ
ール(株式会社クラレ製)等のポリビニルアルコールか
、若しくはAronAF72−06 (東亜合成化学工
業株式会社製)等のポリアクリルアミドのいずれか一方
か若しくは両者を組み合わしたものを紙力増強剤として
用いる必要があることを見出した。更に不織布によって
は剥離剤が添加されている場合があるが、剥離剤はヨー
ドとの反応性が高い為、剥離剤が添加されていない不織
布を用いる必要がある。
以下、本発明にかかるウェットティッシュタイプ除菌材
の構成を見出す為に行った実験結果を示す。第4表は有
機酸の配合がヨードの安定性に与える影響について調べ
た実験結果である。実験は第4表で示した成分構成に従
って常法によりウェットティッシュタイプ除菌材を調製
し、この除菌材におけるヨードの安定性及び使用感につ
いて評価した。尚、不織布としては、原料にパルプ、レ
ーヨンの混合ファイバーを用い、紙力増強剤としてポリ
ビニルアルコールを配合したものを用いた。
評価方法及び評価基準は次の如くである。
■安定性 調製したウェットティッシュタイプ除菌材を摂氏40°
Cの環境下に3力月間保存した後の該除菌材のヨード色
を、0°Cの環境下で同期間保存した同一サンプルの標
準品のヨード色と比較した。評価は目視で行ない、以下
の5段階で行ない、3以上を○(合格)とし、2以下を
×(不合格)とした。
尚、ヨード色とは黄色であり、ヨードが安定してしいる
程、濃色となる。
0:完全にヨード色が消失している。   (×)1:
わずかにヨード色が残っている。   (×)2:標準
品より明らかにヨード色が薄い。 (×)3:標準品よ
り少しヨード色が薄い。   (0)4:標準品よりわ
ずかにヨード色が薄い。 (○)5:標準品と同じヨー
ド色を示す。    (○)■使用怒 ウェットティッシュタイプ除菌材のヨード濃度の増加に
伴って顕在化する使用対象物への着色の有無を掌の除菌
を行う場合を例にとって評価した。
尚、評価はOと×で行なった。
O:掌に着色が認められない。
×:掌に着色が認められる。
■総合評価 安全性と使用域について共に○であるときのみ総合評価
を○とし、その他は×とした。
サンプル1〜8は第1発明であるヨード系殺菌剤組成物
に有機酸を0.2重量%配合した実施例、サンプル9は
有機酸を0.01重量%配合した実施例であり、サンプ
ルlO〜12は比較例である。表から明らかなように、
本発明の実施例であるサンプル1〜9についてはヨード
の安定性も使用感も良好であり、総合評価としては全て
が○となった。比較例であるサンプル10は有機酸の配
合量を0.005重量%とした場合であり、サンプル1
1は有機酸を配合しなかった場合である。サンプル10
及びサンプル11は使用感については問題はないものの
ヨードの安定性が劣り、殺菌効果が劣ることがわかる。
又、サンプル12は有機酸の配合量は0.2重量%とじ
ているので、安定性には問題はないものの使用域にやや
難があった。これは多価アルコールであるエチレングリ
コールの配合量が25.0重量%である為に、アルコー
ル成分が揮発しにくく使用時にベタつく感触がある為で
ある。該事実に着目した発明者はポリオールの種類及び
配合量を変化させて使用感に及ぼす影響を検討した結果
、炭素数1〜3のアルコールとポリオールを併用する場
合ポリオールの配合量を全アルコール含有量の20重量
%以下に設定することが使用域を良好にする観点からは
好ましいことを見出した。
第5表は紙力増強剤がヨードの安定性に及ぼす影響につ
いて実験した結果である。サンプル13〜18が好まし
い実施例であり、サンプル19〜21が比較例である。
サンプル13は乾式の不織布を用い、サンプル14はス
パンレース方式、サンプル15はスパンボンド方式の不
織布を用いたものであり、紙力増強剤は配合されておら
ずこれらのものについては全く問題はない。サンプル1
6〜サンプル21は湿式の不織布を用いた場合であり、
サンプル16はポリビニルアルコール(PVA ) 、
サンプル17はポリアクリルアミド(PA) 、サンプ
ル18はポリアクリルアミド(PA)とポリビニルアル
コール(PVA)の混合物、サンプル19はポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂(PAE ) 、サンプル20
はジアルデヒドスターチ(DAS ) 、サンプル21
はポリアクリルアミド(PA)とポリアミドエピクロル
ヒドリン樹脂(PAE )の混合物を紙力増強剤として
使用した場合である。
表かられかるようにポリビニルアルコール(PvA)若
しくはポリアクリルアミド(PA)を使用した場合はヨ
ードの安定性も使用感も共に良好であることがわかる。
これに対してポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(PA
E ) 、ジアルデヒドスターチ(DAS ) 、ポリ
アクリルアミド(PA)とポリアミドエピクロルヒドリ
ン樹脂(PAR)の混合物を使用した場合は使用域には
影響はないもののヨードの安定性が損なわれることがわ
かった。
以上のように、第I発明であるヨード系殺菌剤組成物を
不織布に含浸させてウェットティッシュタイプ除菌材を
構成するときにはヨード系殺菌剤組成物に有機酸を0.
01重量%〜10重量%したときのみヨードの安定性が
保たれ、長期間にわたって優れた殺菌効果を維持できる
ことが知見された。
又、炭素数1〜3のアルコールとポリオールとを併用す
る場合は、ポリオールの配合量を20重量%以下に設定
すれば、揮発性に優れベタつきのないウェットティッシ
ュタイプ除菌材が提供できることも知見された。
更に、特ムこ湿式の不織布を用いる隙は紙力増強剤とし
てポリビニルアルコールかポリアクリルアミドを単体若
しくは両者を組み合わせて使用することで、ヨードの安
定を保つことが可能となる。
このようなウェットティッシュタイプ除菌材はボトルや
ティッシュペーパータイプの包材に封入した状態で製品
化され、手や体の清掃用として用いたり、冷蔵庫や台所
周辺のクリーナー、更には便座のクリーナーとして用い
る等任意である。
〔発明の効果〕
第1発明であるヨード系殺菌剤組成物は炭素数1〜3の
アルコールの内から1種又は2種以上選んだアルコール
及び/又はポリオールを80重量%以上、水を20重量
%以下、ポビドンヨードを0.0005重量%〜0.5
重量%に設定したので、殺菌効果を高めることができ、
且つヨード濃度を安定的に維持できるので、長期間の保
存にも殺菌効果が劣化することのないヨード系殺菌剤組
成物を提供できるものである。特にアルコールはそれ自
体としても殺菌効果を有するので従来の水溶液系のヨー
ド系殺菌剤組成物に比べて遥かに優れた殺菌効果を実現
できるのである。そして、ヨード濃度は低濃度なので、
殺菌対象物に耐着したときにも対象物が変色することも
なく、またヨード特有の刺激臭も抑えることができるの
で、使い易いヨード系殺菌剤組成物とすることができる
第2発明であるウェットティッシュタイプ除菌材は前記
第1発明であるヨード系殺菌剤組成物に有機酸を0.0
1重量%〜10重量%配合したものを不織布に含浸させ
て構成したので、長期間にわたってヨードの安定性が保
つことが可能となり、優れた殺菌効果を持続できるウェ
ットティッシュタイプ除菌材が提供できるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はエタノール濃度を変化させたときの有
効ヨウ素濃度の期間経過に伴う変化を表したグラフであ
り、第1図は実験環境温度を室温に設定した場合、第2
図は実験環境温度を摂氏40°Cに設定した場合である
。 特許出願人  サンスター株式会社 第2図 (400C) Time (month ) 第1図 (室 温) Time (month)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)炭素数が1〜3のアルコールの内から1種又は2種
    以上を選んだアルコール及び/又はポリオールを含み、
    且つ水及びポビドンヨードを含むものであって、アルコ
    ール及び/又はポリオールの含有率が80重量%以上、
    水の含有率が20重量%以下、ポビドンヨードの含有率
    が0.0005重量%〜0.5重量%に設定されたヨー
    ド系殺菌剤組成物。 2)炭素数が1〜3のアルコールの内から1種又は2種
    以上を選んだアルコールの含有率が80重量%以上であ
    る前記特許請求の範囲第1項記載のヨード系殺菌剤組成
    物。 3)アルコールとしては炭素数が2であるものを用いて
    なる前記特許請求の範囲第1項記載のヨード系殺菌剤組
    成物。 4)ポビドンヨードの含有率を0.01%〜0.2%に
    設定した前記特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項
    記載のヨード系殺菌剤組成物。 5)炭素数が1〜3のアルコールの内から1種又は2種
    以上を選んだアルコール及び/又はポリオールを含み、
    且つ水及びポビドンヨードを含むものであって、アルコ
    ール及び/又はポリオールの含有率が80重量%以上、
    水の含有率が20重量%以下、ポビドンヨードの含有率
    が0.0005重量%〜0.5重量%に設定され、且つ
    有機酸を0.01重量%〜10重量%配合してなるヨー
    ド系殺菌剤組成物を不織布に含浸させてなるウェットテ
    ィッシュタイプ除菌材。 6)有機酸としてクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、
    酢酸、シュウ酸、コハク酸のうちから一種又は二種以上
    を選択してなる前記特許請求の範囲第5項記載のウェッ
    トティッシュタイプ除菌材。 7)炭素数1〜3のアルコールとポリオールを併用する
    場合、ポリオールの配合量が全アルコール量の20重量
    %以下である前記特許請求の範囲第5項又は第6項記載
    のウェットティッシュタイプ除菌材。 8)不織布として湿式のものを使用したときには、紙力
    増強剤としてポリビニルアルコール若しくはポリアクリ
    ルアミドを使用してなる前記特許請求の範囲第5項、第
    6項又は第7項記載のウェットティッシュタイプ除菌材
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04134036A (ja) * 1990-09-21 1992-05-07 Meiji Seika Kaisha Ltd 擦式手指消毒用医薬品組成物
WO1994006297A1 (en) * 1992-09-22 1994-03-31 Arda Technologies, Co. Antimicrobial composition and method of preparation

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