JPH0115645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、少なくとも１つの中ぐり部を有する
もろい及び／又は容易に変形可能な物品を収納す
る包装装置に関する。この物品は包装前に、中空
の支持体上に配設でき得る。

本考案は特に、管状支持体上に分配されたガラ
ス繊維から形成される湿つた巻線の包装に適して
いる。

中空支持体上に巻取り可能な物品を搬送するた
めに設けられた、２つの部分から成る包装物は公
知である。この種の包装物において、２つの部分
は、折り畳み可能な材料から切抜かれた素材から
形成される。素材の折曲げ後に、各々の部分は１
つの側板の形を取り、この側板は、これと一体の
複数の要素から成る１つのマンドレルを備えたも
のになる。物品が包装されると、２つのマンドレ
ルがその物品の支持体の中ぐり部内に入れられ
る。

この包装物は米国特許第3319866号及び第
2615564号に開示されている。

米国特許第3319866号によれば、各々の部分は、
折り畳み可能な材料から切抜いた２つの素材から
形成される。

各々の素材は、１つの中央帯とその中央帯に対
し180゜折曲げ可能な２つの翼部とを形成する２本
の折り目により横方向に区画されている。各々の
翼部は、折り目の反対側に一つの舌状部を有し、
この舌状部は折曲げ時に、中央帯の中央に十字形
の開口を形成する。翼部及び舌状部に形成された
スリツトが相補形状を有するため、２つの素材を
組合せると、４つの舌状部から成る１つのマンド
レルを備えた側板が形成される。

この包装物は次の２つの欠陥、即ち、折り畳み
可能な材料に相当大きな面を必要とすることと、
大径の中ぐり部を有する支持体上に巻かれる物品
の搬送用に適していないこととがある。後者の場
合には、十字片の長さ及び舌状部の幅を大きくし
て中央帯と翼部の幅を保つか、素材面を大きくし
てその比率を保つかの選択がある。その結果とし
て、側板の強度が減少するか又は素材形成に必要
な材料の量が増大する。

米国特許第2615564号には、米国特許第3319866
号と同型式であるが各側板がやはり折り畳み可能
な材料から切抜かれた１枚の素材から形成されて
いる包装物が記載されている。

この素材は、１つの正方形の中央帯及びこの中
央帯上に180゜折曲げることができる２つの翼部を
画定する２本の折り目によつて、横方向に区画さ
れている。マンドレルは、中央帯において切抜か
れ90゜折曲げられた２つの舌状部により形成され、
これらの舌状部は、折り目と反対の翼部の縁部上
にある２つの切欠により囲まれて、２つの翼部に
より、所定位置に保持される。

この包装物は、上記の包装物に比べて折り畳み
可能な材料の消費量は少ないが、大径の中ぐり部
を備えた支持体上に巻かれた物品の搬送用には適
していない。実際に、これらの物品を梱包するに
は、舌状部の幅を大きくする必要があり、その結
果として中央帯に中ぐり部を形成するため、側板
の強度が減少する。

他方では、舌状部を形成する材料を一方向に補
強する縦溝又は他の補強材の向きのため物品に加
わる力の方向の関数として、舌状部部のたわみ強
度が変わるため、物品の搬送がどんな条件の下で
も可能とはならない。

本考案の目的は、これらの欠陥を解消し、もろ
く重量のある又は変形し易い物品を水平位置に保
ち、その変形又は劣化をひき起こし得る全ての接
触を回避するように、該物品を搬送できる包装物
を提供することを目的としている。

本考案による包装物の各々の側板は、中央帯が
主要な切抜き部でありそしてマンドレルを構成す
る要素が物品の姿勢とかかわりなく同一の強度を
与えるように打抜かれた、ただ１つの素材により
形成される。

本考案による包装物は、２つの部分から成り、
各々の該部分は、単一の素材から出発して一方向
の補強材を備えた折畳み可能な材料に切抜かれて
得られ、そして中央帯と複数の翼部とを画定する
複数の折り目を備えており、上記マンドレルを構
成する全部の要素が、全中央帯を囲む４つの翼部
と一体になるように、また上記折り畳み可能な材
料の補強材が上記中央帯の対角線の１つに平行と
なるように、上記素材が切抜かれる。

次に図面を参照して、本考案の包装物をその好
適な実施例により詳細に説明する。

本考案による包装物を構成する２つの要素のう
ち１つは、第１図に示した素材から製造される。

波形のボール紙から成るこの素材は、正方形の
中央帯１０を有し、中央帯１０はその各側部で長
方形の翼部１１，１２，１３，１４により延長し
ている。中央帯１０に二重折り目２１，２２，２
３，２４により結合されたこれら翼部の全面は、
中央帯１０のほぼ２倍に等しい。素材１０は、ボ
ール紙の縦溝が中央帯１０の対角線−と平行
になるように切抜かれる。

各々の翼部１１〜１４は、折り目２１〜２４の
反対側に、翼片１１Ａ，１１Ｂ，……１４Ａ，１
４Ｂを有し、この翼片は、翼部１１〜１４から、
その長さの半分にわたり第１スリツトにより部分
的に隔だてられていると共に、高さのほぼ半分に
わたり該第１スリツトを垂直に延長する第２スリ
ツトを備えている。この切抜き形状により、対応
する翼部１１〜１４についてそれぞれ符号Ａ，Ｂ
を付して示された２つの部分から成る翼片が形成
される。符号Ａを付した部分は、第１スリツトの
延長上にある折り目によつて翼部１１〜１４に接
続され、符号Ｂを付した部分は、第２スリツトの
延長上にある折り目のみにより、符号Ａを付した
部分に接続されている。

これらの共通の特徴は、以下の説明により明ら
かになろう。

対向する翼部１１，１２は、スリツト１５ａ，
１６ａをそれぞれ備えた翼片を有し、これらスリ
ツト１５ａ，１６ａは、対応する翼部１１，１２
から翼片１１Ｂ，１２Ｂを隔だてているスリツト
１５ｂ，１６ｂ及び翼片１１Ｂ，１２Ｂの外側縁
と直交している。他の２つの翼部１３，１４は、
スリツト１７ａ，１８ａをそれぞれ備えた翼片を
有し、スリツト１７ａ，１８ａは対応する翼部１
３，１４から翼片１３Ｂ，１４Ｂを隔てるスリツ
ト１７ｂ，１８ｂを、直角に方向を変えた後に延
長させている。また翼部１３，１４は、星形に配
列された３つのスリツト１７ｃ，１７ｄ，１７
ｅ，１８ｃ，１８ｄ，１８ｅを有し、これらのス
リツトは、スリツト１７ａ，１７ｂ及びスリツト
１８ａ，１８ｂの合流点で合流している。

中央帯１０及び翼部１１は、折り目２１に対し
て対称な２つの互いに平行な切抜き部１９，２０
を備えている。

使用時には、中央帯１０の後面に対して翼部１
１，１２を180゜折曲げ、次に翼片を、これらが中
央帯１０に対し直角になるように折り目２１ａ，
２１ｂに沿つて折曲げ、立体形状にする。

翼部１３，１４及びそれらの翼片についても、
それらが別々のスリツトに入るように、折り目２
１ｂ，２２ｂ，２３ｂ，２４ｂで翼片１３Ｂ，１
４Ｂを135゜折曲げる。この折曲げの際にスリツト
１５ａ，１６ａ，１７ａ，１８ａは、第２図に略
示したように、全体として星形の形状が保たれる
ように協働する。このようにして形成された側板
は第３図に示すように、８個の翼片１１（Ａ，
Ｂ）、１２（Ａ，Ｂ）、１３（Ａ，Ｂ）、１４（Ａ，
Ｂ）を備えた３重の壁部を有し、これらの翼片は
星形に配列され、壁面の１つである中央部上に突
出している。中央帯１０及び翼部１１に形成した
小さな切抜き部１９，２０は、上記翼片を支持す
る面と反対の面に形成された把持用の穴として用
いられる。

搬送される物品の包装は、１枚の側板の各々の
翼片を物品の支持体の各端部にはめ込むことによ
り、公知のように行なわれる。

素材の上述したスリツトの配向により、８つの
翼片は、物品の取扱い及び搬送に際して物品が占
める位置とはかかわりなく、物品を支持するよう
に協働し、たわみに対して同一の強度を与える。

本考案は、支持体に使用されたスリーブ上に分
布される連続ガラス繊維の巻線包装に特に適用で
きる。巻線が湿つていて、その湿気を保存する必
要がある場合には、プラスチツク材料製の柔軟な
包装物に巻線を包み、その包装物の先端をスリー
ブ内に折曲げ、翼片によつて保持することが望ま
しい。

こうして用意された巻線は、アメリカンボツク
スという名前で知られる大きな接合翼片付きの箱
に所定位置に収納される。荷造り後のこの箱の取
扱いは、側板に形成した切抜き部と向かい合つて
形成した切抜き部による把持部のため容易にな
る。こうして２つの巻線を箱に収納することがで
きる。

側板の寸法は巻線が壁と接触しないように選定
される。

これらの箱は例えば標準として箱３個の割合
で、４つの入口を有する通常のパレツト上に配置
され得る。引伸ばし可能なフイルム又は収縮した
おおいによつて所定位置に保持された組立体の安
定性を高めるために、各々の標準において、箱の
向きが交差させられる。

翼片の反対側にある側板の面は印刷されること
ができ、その場合に、包装された物品は、使用者
による取扱いの間広告媒体になる。

上述した包装物は、160mmの中ぐり部のある支
持体上に配設した直径が320mmで長さが260mmの連
続ガラス繊維の巻線（その場合、全体の重さは約
30Kgになる）のような比較的重い物品の搬送用に
特に適している。

本考案は上述した実施例の他にもいろいろ変形
して実施し得る。

一例として本考案は、中心部に貫通孔又は両面
に凹部を備えたもろい物品の搬送にも適用し得
る。その際凹部の断面は円形でも、正方形でも、
長方形もよい。その場合に翼部及び翼片の寸法
は、折曲げ後、貫通孔又は凹部の断面に適合した
マンドレルを形成するように変更される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、巻線の包装に適した２つの同一側板
の１つを製造するための素材の展開図、第２図は
組立て状態の側板を示す平面図、第３図は第２図
の側板の斜視図である。 １０……中央帯、１１〜１４……翼部、１１
Ａ，１１Ｂ，１２Ａ，１２Ｂ，１３Ａ，１３Ｂ，
１４Ａ，１４Ｂ……翼片、２１〜２４……折り
目。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 少なくとも１個の中ぐり部を備えた物品を受
   け入れるか、又は、中ぐりされた支持体の上に
   配置された物品を受け入れるかするために、２
   個の部材から成る包装物であつて、これらの２
   個の部材のそれぞれは、前記中ぐり部内に挿入
   可能なマンドレルを備えた側板の形状を有して
   おり、また、各部材は、一つの方向において補
   強された折り畳み可能な単一の波形のボール紙
   などを切り抜いて形成された、切り抜きを有す
   る単一の素材から作られており、この切り抜き
   を有する単一の素材が、中央帯１０と、翼部１
   １〜１４と、それらを境界している複数の折り
   目２１〜２４とから成り立つている包装物にお
   いて、前記素材が、マンドレルを構成する全部
   の要素が、４個の翼部１１〜１４と一体的とな
   るように切り抜きをされており、また、前記折
   り畳み可能な単一の素材の前記補強が、前記中
   央帯１０の対角線の一つ−に対して平行に
   延びている包装物。 ２ 前記切り抜きを有する単一の素材が、正方形
   状を有する中央帯１０を有しており、その各側
   部からは、それぞれ、１個の長方形状の翼部１
   １〜１４が延長して形成されており、各翼部１
   １〜１４の面積が、中央帯１０の面積のほぼ半
   分に等しく、また、各翼部１１〜１４は、その
   外側部から、折り畳み可能な２個の部分から成
   る翼片１１Ａ，１１Ｂ，１２Ａ，１２Ｂ，１３
   Ａ，１３Ｂ，１４Ａ，１４Ｂが、前記外側部か
   ら、その長さの半分の長さを有するスリツト１
   ５ｂ，１６ｂ，１７ｂ，１８ｂを有して延長し
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載の包
   装物。 ３ 前記翼部１３；１４及び前記翼片１３Ａ，１
   ３Ｂ；１４Ａ，１４Ｂが、スリツト１７ｃ，１
   ７ｄ，１７ｅ，１７ａ；１８ｃ，１８ｄ，１８
   ｅ，１８ａを有し、素材の折り曲げにより、星
   形に配列された８個のスリツトを有する３重の
   壁部が、側板を形成している中央帯１０に形成
   され、これらのスリツトが、壁部の１つの面と
   直角の８個の翼片を支持するようになつている
   実用新案登録請求の範囲第２項記載の包装物。 ４ 前記中央帯１０及び一つの翼部１１が、それ
   ぞれ、切り抜き部１９，２０を設けられている
   実用新案登録請求の範囲第３項記載の包装物。