JPS6233695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は包装箱体の大部分を切り開いて収納物
が見えるようにし、展示に供することができる紙
箱用補強枠に関するものである。

この種の補強枠を備えた紙箱としては、実開昭
53−164535号公報に開示された構成のものが公知
である。この公知の紙箱にあつては、箱体の四隅
と長い辺の中間部とに突出片が位置するように構
成した荷崩れ防止部を設け、箱体の大部分を取り
除いて陳列に供した時に、突出片が収納物の荷崩
れを防止するように作用するようになつている。
しかしながら、この公知の突出片は各１個宛の箱
体の陳列にあつて、単に収納物品のずれ落ちを防
止しているのみで、強度材としての補強的な作用
はせず、従つて複数個の箱体の積重ねによる陳列
はできない欠点がある。又、この公知の荷崩れ防
止部はその保管及び運搬時にあつて、突出片が引
掛り易く、取扱いに著しい不便があり、特に一つ
の突出片が折れてしまうと荷崩れ防止としての機
能が失われる欠点もある。

本考案はこれらの欠点を除去するためになされ
たものであつて、その目的は強度的に優れ積重ね
による陳列が可能であると共に、引掛り易い部分
がなく、取扱いが容易な紙箱用補強枠を提供しよ
うとするものである。

この目的を達成するためになされた本考案は、
長方形状を呈する厚紙素材の中央支持壁部を形成
し、該中央支持壁部の両側に窓孔を設け、該窓孔
の内の一つの窓孔の端部には上下の枠部を介して
脚部構成部と糊代とを設け、他方の窓孔の端部に
上下の枠部を介して脚部構成部材と更にもう一つ
の窓孔を形成し、該窓孔の端部に上下の枠部を介
して前記糊代が貼着される脚部構成部を形成し、
厚紙素材の長さ方向に沿つて前記支持壁部の中央
部に折目を設けると共に前記各脚部構成部材の中
央部に切取用ミシン目を設けたことを特徴とする
紙箱用補強枠であつて、糊代と脚部とを接着する
ことにより長方形状の厚紙素材を二つ折りにした
状態で運搬及び保管できるので、未使用の場合は
他の部材に対して引掛るような突出部は全くな
く、その取扱いが極めて容易である。又、使用時
にあつては、中央支持壁部を中心にして各脚部構
成部材の切取用ミシン目を切り離し、中央支持壁
部を二つ折りにすることで二重構造となり、しか
も中央支持壁部が箱体の中央部に位置することに
なるので複数個の箱体を積み重ねても、その重量
に充分耐え得る強度を有しているのである。

次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説
明すると、長方形状を呈する段ボール紙等の厚紙
素材を使用し、該厚紙素材の適当な位置に中央支
持壁部１を形成し、該中央支持壁部の両側に折目
２，３に隣接させて窓孔４，５を形成し、該窓孔
の内一方の窓孔４の端部には脚部構成部６と糊代
７とが一連に設けてある。つまり窓孔４の上下の
枠部４ａ，４ｂに連設された状態になる。他方の
窓孔５の端部には、同じように上下の枠部５ａ，
５ｂに脚部構成部材８を連設して更にもう一つの
窓孔９が形成され、該窓孔の他部には上下の枠部
９ａ，９ｂに連設して前記糊代７が貼着されると
共に脚部構成部材６と一緒になつて脚部となる脚
部構成部材１０が形成されている。

このように各部を形成すると共に厚紙素材の長
さ方向に沿つて、前記中央支持壁部の中心部に折
目１１を設けると共に、各脚部構成部材の略中心
部に切取用ミシン目１２，１３，１４が形成され
る。尚、図中符号１５，１６は折目である。

前記各部の形成は一連の工程で行い、続いて折
目２を内側に折り、糊代７に接着剤を塗布すると
共に折目１６を折つて窓孔９を形成した部分を内
側に折畳むと、糊代７と脚部構成部材１０とが貼
着して一体化し、第２図に示したような全体が二
つ折りされた折畳み状態になる。この状態で輸送
に供すると共に保管管理するので、他の部材への
引掛り部は全く表出していないのである。従つ
て、取扱いが極めて容易となるのである。

この状態から実際の使用に供する場合、中央支
持壁部１を中心にして、第３図に示したように二
つ折りにすると各脚部構成部材６，８，１０に設
けた切取用ミシン目１２，１３，１４が夫々切り
離され、中央支持壁部１を中心にして各脚部構成
部材を拡げると第４図に示した状態になる。この
図から明らかなように各脚部構成部材が２分さ
れ、各枠部４ａ，４ｂ，５ａ，５ｂ，９ａ，９ｂ
を介して夫々箱体のコーナ部に位置する状態にな
る。

このように各部の切取用ミシン目を切り離し、
中央支持壁部１を二つ折りにして二重にしたもの
を例えばＡ式段ボール箱２０の内部に組込んで使
用する（第５図参照）。そして内部に収納される
物品（商品）は荷重を嫌うような例えば麺類等が
収納される。この場合のＡ式段ボール箱は、底部
奇りの周面にカツトテープ２１が設けてあり、箱
体の大部分が取り除けるように形成してある。
尚、この他に使用できる紙箱としては、ラツプラ
ンドケースやサイドオープンケース等がある。

所定の内容物を収納した紙箱は例えばスーパー
ストア等において、商品を展示するために開蓋さ
れるが、本考案の補強枠を組込みカツトテープ２
１を有する紙箱にあつては、カツトテープ２１を
引張つて箱体の側面から天蓋部分にかけて底部よ
り切り離し、取り除いてしまうと箱体の底部及び
補強枠がトレーのようになる。この状態で商品を
載せたまま複数個の箱体（大部分を取り除いて商
品を露出させた状態）を積み重ねて第６図に示し
たように展示に供するのである。この場合に箱体
の四方が開放した状態にあるので、箱体を積み重
ねておくだけで四方から商品２２が見えることに
なり、展示効果が大である。

以上説明したように本考案に係る紙箱用補強枠
は、厚紙素材で形成され、中央支持壁部に対し窓
孔を設けることで上下の枠部を介して脚部構成部
材が連設され、中央支持壁部の中央部に折目を設
けると共に各脚部構成部材の中央部に切取用ミシ
ン目を設けた構成であり、略長方形の厚紙素材を
二つ折りしたような形状で折り畳まれているため
運搬及び保管管理が容易であると共に、持ち運び
の際に他の部材に対する引掛り部がなく、その取
扱いが極めて容易である。更に、使用時にあつて
は、中央支持壁部が二つに折り畳まれて二重構造
となり、強度的に優れたものとなるため、収納物
を詰めたまま複数個の箱体を積重ねても、その重
量に充分耐えることができ、しかも箱体の上面及
び周囲の大部分を取り除いた形状でこの積重ねに
よる展示が行え、展示効果が大になる等の優れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る紙箱用補強枠の展開平面
図、第２図は同補強枠の折畳み状態を示す平面
図、第３図は同補強枠の使用に際して展開直前の
状態を示す斜視図、第４図は同補強枠の使用に供
する展開状態を示す斜視図、第５図は同補強枠を
紙箱内に組込んだ状態の斜視図、第６図は同補強
枠を組込んだ紙箱の大部分を取り除き、複数個を
積重ねて展示した状態を示す斜視図である。 １……中央支持壁部、４，５，９……窓孔、４
ａ，４ｂ，５ａ，５ｂ，９ａ，９ｂ……枠部、
６，８，１０……脚部構成部材、７……糊代、１
２，１３，１４……切取用ミシン目、２，３，１
１，１５，１６……折目。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方形状を呈する厚紙素材に中央支持壁部を形
   成し、該中央支持壁部の両側に窓孔を設け、該窓
   孔の内の一つの窓孔の端部には上下の枠部を介し
   て脚部構成部と糊代とを設け、他方の窓孔の端部
   に上下の枠部を介して脚部構成部材と更にもう一
   つの窓孔を形成し、該窓孔の端部に上下の枠部を
   介して前記糊代が貼着される脚部構成部を形成
   し、厚紙素材の長さ方向に沿つて前記支持壁部の
   中央部に折目を設けると共に前記各脚部構成部材
   の中央部に切取用ミシン目を設けたことを特徴と
   する紙箱用補強枠。