JPH0115277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は携帯に便利なステレオ再生方式の小
型スピーカに関する。

カセツトプレーヤなど各種オーデイオ機器の小
型化に伴い、その機器に接続するセパレート型ス
ピーカもコンパクト化されているが、従来のコン
パクトスピーカはスピーカユニツトが左右に別れ
ているため、なお持ち運びに不便であり、また小
型であるため左右のスピーカを接近させて並べる
と左右スピーカからの音が干渉し合つてステレオ
感が低減するところに難があつた。

この考案は、かかる観点からステレオ再生方式
の小型スピーカにおいて左右のスピーカをひとつ
のケースにまとめるアンサンブル型にして持ち運
びの便を図るとともに、左右のスピーカユニツト
から出る音が干渉し合わないようにすることを目
的とする。

以下、その詳細を図面に基づき説明すると、図
面は第１図に示すように折り畳んだ状態において
コンパクトカセツトの収納ケース大のサイズにな
る小型スピーカを例示しており、これの本体ケー
ス１は断面コ字形の左右ケース１ａ，１ｂをヒン
ジ２ａ，２ａを介して互いに開閉回動自在に枢支
連結し、左右ケース１ａ，１ｂにスピーカユニツ
ト３，３をそれぞれ左右方向に出し入れ自在に組
み込んである。スピーカユニツト３，３は左右ケ
ース１ａ，１ｂの内部の略外側半分に収納され、
左右ケース１ａ，１ｂのヒンジ寄り内側半分に格
納空間Ｓ，Ｓを有する。左右ケース１ａ，１ｂ間
にはアンプ９や電池１０等の収納を兼ねたボツク
ス状の干渉防止壁４がこれに一体に形成したヒン
ジ２ｂを前記ヒンジ２ａとともに枢軸５に挿通し
て該枢軸５まわりに回動自在に枢支連結してあ
り、左右ケース１ａ，１ｂを第１図に示す如く閉
じ合わせたとき干渉防止壁４が前記格納空間Ｓ，
Ｓに納まる。

左右のスピーカユニツト３，３は、スピーカボ
ツクス６にスピーカ本体７を内装するとともに、
スピーカボツクス６の開放前面をパンチングメタ
ル８で閉塞した標準仕様のものであり、左右ケー
ス１ａ，１ｂ内へ収納された位置と外側方に延出
する位置とにわたつてスライドする。そのスライ
ドガイド機構としてはスピーカボツクス６の各上
下壁１１，１１の外面にゴム、軟質プラスチツク
等の軟質弾性材によるガイド１２，１２を敷設
し、左右ケース１ａ，１ｂの上下壁１３，１３の
各内面の左右端に突設したガイド突条１４，１４
を前記ガイド１２，１２の凹溝１５，１５に摺動
自在に嵌合したものとなつている。そして、スピ
ーカユニツト３の収納位置と最外側方への延出位
置での位置決めは、第４図に示す如くスピーカボ
ツクス６の後壁１６に凹部１７，１７を設け、左
右ケース１ａ，１ｂの後壁１８，１８に凸部１
９，１９をそれぞれ設け、これら凹部１７と凸部
１９との係合で図つている。

スピーカ本体７とボツクス４内のアンプ９とを
接続するコード２０はスピーカユニツト３の左右
方向へのスライド移動に追随して伸縮する。なお
アンプ９の入力端子から導出されたコード２２は
カセツトプレーヤー２３に接続してある。

しかるときは、不使用時には第１図に示す如く
ヒンジ２ａを介して左右ケース１ａ，１ｂが互い
に突き合わさるように重ね合わせて閉合してお
く。これで、アンプ９や電池１０を内蔵する干渉
防止壁４は左右ケース１ａ，１ｂ間のスピーカユ
ニツト３，３を避けるヒンジ寄りの内側空間Ｓ，
Ｓ内に格納されている。この状態からヒンジ２ａ
を介して左右ケース１ａ，１ｂを展開すれば、本
体ケース１内においてふたつのスピーカユニツト
３，３が左右に離れて配置されたステレオ再生状
態になる。このとき、左右ケース１ａ，１ｂの拡
開角度αを調整することにより、また左右スピー
カユニツト３，３の間隔を調整することにより、
好ましいステレオ再生効果が得られる。

使用に際しヒンジ２ｂを介して干渉防止壁４を
スピーカユニツト３，３間の中央から前方へ突出
すれば、この干渉防止壁４は左スピーカユニツト
３の前方と右スピーカユニツト３の前方との間に
境界をつけて左右の音の重なり，干渉を防止す
る。また、干渉防止壁４は支えにもなつて本体ケ
ース１が前方に倒れ込むのを防止するスタンド機
能も発揮し、本体ケース１を安定よく立てておけ
ることにもなる。

第７図は本考案の別実施例を示しており、干渉
防止壁４は大小のボツクス型の壁単体４ａを順次
継ぎ合わせる入れ子構造にしてある。これによれ
ば干渉壁防止壁４が本体ケース１にコンパクトに
収納できるとともに、左右スピーカユニツト３，
３の間隔に合わせて干渉壁防止壁４の突出長さを
伸縮調整できる利点をも有することになる。また
壁単体４ａ群のうち少なくとも最先端の壁単体４
ｄをゴム製にすれば接地面上での防振機能も図れ
る。

また、干渉防止壁４は図示例の如きボツクス型
であればアンプ９や電池１０などを収納できて便
利ではあるが、中実状の壁構造であつてもよい。
この干渉防止壁４が本体ケース１の支え効果を併
有している必要はない。

その他、左右ケース１ａ，１ｂは後壁１８を有
しない枠状のものであつてもよい。またスピーカ
ユニツト３も左右方向にスライド自在に支持され
ておれば好ましいが、左右ケース１ａ，１ｂに固
定されていてもよいこと言うまでもない。

以上説明したように、本考案に係るスピーカで
はヒンジ２ａを介して開閉回動自在に枢支連結し
た左右ケース１ａ，１ｂに左右のスピーカユニツ
ト３，３をそれぞれ内装し、不使用時には左右ケ
ース１ａ，１ｂをコンパクトに閉じ合わせるだけ
でスライドユニツト３，３を納めることができる
ものとしたので携帯に便利である。そして、使用
時には左右ケース１ａ，１ｂを展開するだけで自
動的にスピーカユニツト３，３が左右に離れたス
テレオ再生状態になり、しかも左右ケース１ａ，
１ｂを開いたとき干渉防止壁４で両スピーカユニ
ツト３，３の前方を左右に仕切るようにしたの
で、左右のスピーカユニツト３，３が接近した小
型スピーカでも左右の音を聞き分けることができ
て音場感を高める利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案に係るスピーカの
一実施例を示しており、第１図は閉じた状態での
斜視図、第２図は開いた状態での斜視図、第３図
は開いた状態での正面図、第４図は分解斜視図、
第５図は開いた状態の平面図、第６図は第３図に
おける−線断面図である。第７図は本考案の
別実施例を示すスピーカの平面図である。 １……本体ケース、１ａ，１ｂ……左右ケー
ス、３……スピーカユニツト、４……干渉防止
壁、６……スピーカボツクス、７……スピーカ本
体、９……アンプ、１０……電池。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スピーカユニツト３，３を内装した左右ケース
   １ａ，１ｂをヒンジ２ａを介して開閉回動自在に
   連結し、閉合状態にある左右ケース１ａ，１ｂ間
   に格納される大きさを有する干渉防止壁４を前記
   ヒンジ２ａまわりに回動自在に装備してあるスピ
   ーカ。