JPH0117910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は携帯に便利なステレオ再生方式の小
型スピーカに関する。

従来のこの種スピーカにおいて左右のスピーカ
ユニツトの間隔を調整可能にしたものでは、全体
に小型化されているため左右のスピーカユニツト
を適正な左右間隔に調整するのが困難である。そ
のため、左右のスピーカユニツトを接近させ過ぎ
て左右の音が干渉し合つたり、反対に離れ過ぎて
移動音が左右の中央付近で切れて音場感が低減す
る、といつた不具合が認められた。

この考案は、かかる観点からステレオ再生方式
の小型スピーカにおいて左右のスピーカユニツト
の間隔を簡単かつ適正に調整できるようにするこ
とを主眼とする。

以下、その詳細を図面に基づき説明すると、第
１図ないし第６図は折り畳んだ状態においてコン
パクトカセツト大のサイズになる小型スピーカを
例示しており、これの本体ケース１は断面コ字形
の左右ケース１ａ，１ｂをヒンジ２ａ，２ａで開
閉回動自在に連結してあり、左右ケース１ａ，１
ｂにスピーカユニツト３，３をそれぞれ左右方向
にスライド自在に組み込んだものとなつている。
スピーカユニツト３，３は左右ケース１ａ，１ｂ
の内部の略外側半分に収納され、左右ケース１
ａ，１ｂのヒンジ寄りの内側半分に格納空間Ｓ，
Ｓを有する。左右ケース１ａ，１ｂ間にはアンプ
９および電池１０を内蔵するボツクス４が、これ
に一体に形成したヒンジ２ｂを前記ヒンジ２ａと
共に枢軸５に挿通することにより該枢軸５まわり
に回動自在に枢着してあり、第１図に示す如く左
右ケース１ａ，１ｂを閉じ合わせたときボツクス
４が前記格納空間Ｓ，Ｓに納まる。

左右のスピーカユニツト３，３はスピーカボツ
クス６にスピーカ本体７を内装するとともに、ス
ピーカボツクス６の開放前面をパンチングメタル
８で閉塞してあり、左右ケース１ａ，１ｂ内に収
納された位置と外側方に延出した位置とにわたつ
てスライドする。そのスライドガイド機構として
は、スピーカボツクス６の各上下壁１１，１１の
外面にゴム、軟質プラスチツク等の軟質弾性材か
らなるガイド１２，１２を敷設し、左右ケース１
ａ，１ｂの上下壁１３，１３の各内面に突設した
ガイド突条１４，１４を該ガイド１２，１２の凹
溝１５，１５に摺動自在に嵌合してなり、ガイド
突条１４と凹溝１５との摩擦でスピーカユニツト
３は任意のスライド位置で停止し、スピーカユニ
ツト３の振動が前記ガイド１２で減衰吸収されて
本体ケース１に伝播することがない。

スピーカユニツト３の収納エンド位置および最
外側方への延出エンド位置での位置決めは、スピ
ーカボツクス６の後壁１６に凹部１７，１７を設
け、左右ケース１ａ，１ｂの後壁１８，１８に凸
部１９，１９をそれぞれ設け、これら凹部１７と
凸部１９との係合で図つている。スピーカユニツ
ト３とボツクス４内のアンプ９とを接続するコー
ド２０はスピーカユニツト３の左右方向へのスラ
イド移動に追随して伸縮する。またアンプ９の入
力端子から導出されたコード２２はカセツトプレ
ーヤー２３等に接続されている。

本考案はかかる小型スピーカにおいて本体ケー
ス１の後壁１８，１８の内面に特性表示２４，２
４を施した点に特徴を有する。この特性表示２４
としては縦軸Ｙに音量を、スピーカユニツト３の
スライド方向と一致する横軸Ｘに左右音の干渉度
合をそれぞれ表すものとなつている。しかるとき
は、ヒンジ２ａを介して左右ケース１ａ，１ｂを
左右方向に展開すれば、ふたつのスピーカユニツ
ト３，３が左右に離れて配置されたステレオ再生
状態になり、両スピーカユニツト３，３の左右間
隔を調整することになるが、この際に各スピーカ
ユニツト３のスライド位置量に対応して特性表２
４，２４がスピーカユニツト３の背後に表れ、両
スピーカユニツト３，３の最適音量および左右音
の干渉度合が一目で判ることになる。

因に、使用に際しヒンジ２ｂを介してボツクス
４をスピーカユニツト３，３間の中央から前方へ
突出させると、このボツクス４が本体ケース１の
前方倒れ止め機能を発揮して本体ケース１を安定
よく支持する。またボツクス４は左右のスピーカ
ユニツト３，３からの音の干渉を有効に防止する
ことにもなる。

第７図は本考案の別実施例を示しており、これ
では左右ケース１ａ，１ｂを左右方向に一直線状
に一体成形してなる。そしてアンプ９や電池１０
は左右ケース１ａ，１ｂの間に一体形成されたボ
ツクス４に内蔵するものとなつている。

なお、第８図に示す如く特性表示２４の縦軸Ｙ
に沿うスピーカユニツト３の端縁に、例えば赤色
など着色ライン２６を施しておくと、スピーカユ
ニツト３のスライド移動に伴う特性表示２４の対
応位置を明確に視認できる。また同じ目的で、第
９図に示す如くスピーカユニツト３の端縁に透明
なカーソル２７を一体に取付け、その中央にカー
ソル線２８を引いておいてもよい。

その他、本考案では特性表示２４が左右音の干
渉度合のみを、又は適正音量のみを表すものであ
つてもよい。また、本体ケース１の左右の一側に
一方のスピーカユニツト３を固定し、他側に他方
のスピーカユニツト３をスライドその他の手段で
離間移動自在に支持しておき、この移動する側の
スピーカユニツト３の背後に位置する本体ケース
１の後壁内面に前述の特性表示２４を施してある
形態でもよい。

また特性表示２４は上記グラフ表示以外に、例
えば第１０図に示す如く耳のイラスト表示、ある
いは第１１図に示す如く音符等のイラスト表示で
音量等を表すものであつてもよい。

以上説明したように、この考案のスピーカによ
れば、本体ケース１の左右にスピーカユニツト
３，３を少なくとも両者の一方が移動自在で両者
３，３の左右間隔が自在に調整できるように組み
込み、本体ケース１の後壁内面に施して特性表示
２４，２４がスピーカユニツト３の移動変位量に
対応して表われるようにしたので、ステレオ再生
時に左右スピーカユニツト３，３の間隔調整を簡
単かつ適正に行なうことができ、より良いステレ
オ感、即ち広がり、奥行き、移動感など臨場感に
あふれる音を出すことができ、とくに初心者向き
に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案に係るスピーカの
一実施例を示しており、第１図はスピーカを閉じ
た状態の斜視図、第２図は開いた状態の斜視図、
第３図は開いた状態の正面図、第４図は開いた状
態の平面面図、第５図は第３図における−線
断面図、第６図は分解斜視図である。 第７図、第８図、第９図、第１０図および第１
１図は本考案に係るスピーカのそれぞれ異なる別
実施例を示しており、第７図は全体の斜視図、第
８図と第９図は要部の斜視図、第１０図と第１１
図は正面図である。 １…本体ケース、１ａ，１ｂ…左右ケース、３
…スピーカユニツト、６…スピーカ本体、２４…
特性表示。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケース１の左右にふたつのスピーカユニツ
   ト３，３を少なくとも一方が移動可能であつて両
   者３，３の左右間隔が調整できるように組み込ん
   であり、少なくとも移動する側のスピーカユニツ
   ト３の背後に位置する本体ケース１の後壁内面
   に、音の干渉度合、適正音量等を示す特性表示２
   ４を施し、この特性表示２４が両スピーカユニツ
   ト３の左右間隔に対応して表われるようにしたこ
   とを特徴とするスピーカ。