JPH0114176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ハンドバツク、セカンドバツグ、
ポシエツト、化粧品入れ等のバツグに関する。

考案の目的 この種のバツグは、その実用機能性もさること
ながら、外観上のデザインが商品価値を決める重
要な要素となる。

而して、従来、布とか人造皮革、柔軟な合成樹
脂皮革で製作されるバツグは、素材自体の表面に
形状要素としての固有の凹凸等を付与することが
困難であつたりあるいはそうすることがコスト高
につくため、そのデザインの創作は主にバツグ本
体の表面に別途プリント等で模様、柄を付すると
かあるいはバツグ本体自体の形状を工夫すること
によつて行われているのが普通である。

これに対し、従来、実公昭37−29455号公報に
示されるように、バツグ本体の外装被覆とする布
生地に、ヒートセツト等の手段によつて一方向に
多数の永久的なひだを付与した布地を用い、これ
でバツク本体の外面を覆い、かつ両端を延長させ
て集束し、この集束部をもつて紐状のものとして
提げ手に連続せしめるものとしたバツグが提案さ
れている。

これはもとより、デザインにおいて非常にユニ
ークなものでありそれなりの価値を有するが、バ
ツグ主体に別途上記横ひだ布を覆い被せて製作す
るものであり、該横ひだ布のヒートセツトによる
製作、バツグ本体と接合して行わなければならな
い開口部の始末等も含めて、製造が非常に厄介な
ものである。加えて、外面に単に横ひだのみが縞
状にあらわれるものであるから、さして高級感、
ゴージヤス性に優れるといつたものではないし、
更には、ヒートセツトで形成た横ひだは、往々に
して型くずれを起し易く、耐久形態保持性に劣る
といつたような問題点も有するものである。

この考案は、上記のような背景のもとにおい
て、バツグの本体そのものを形成する素材とし
て、独自の手法で製作される斬新なデザイン性を
もつた素材を開発することにより、外観と感触に
おいて従来品にない個性を有し、フアツシヨン性
のみならず実用機能性にも優れ、しかも製造が容
易で比較的廉価に供給しうるバツグを提供するこ
とを目的とする。

考案の構成 上記の目的において、この考案は、外袋Ａと内
袋Ｂとで内外二重に形成され、該内外両袋の一部
に共通の袋口Ｃが設けられたバツクにおいて、外
袋Ａが、柔軟なシート状素材１の裏面に互いに交
叉する多数本の経緯線に沿つて伸縮糸２を伸長状
態において縫い止めることにより、この伸縮糸２
の収縮をもつて同素材１の表面に下周部が絞り縮
められた多数の不連続膨出ひだ状部３を形成する
と共に伸縮性を付与した材料地Ｄで構成される一
方、前記内袋Ｂは、平坦状の布地をもつて、外袋
Ａの拡長伸展状態時の大きさよりも十分に小さい
袋に形成されてなることを特徴とするバツクを要
旨とする。

実施例 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図、第２図は、この考案に係るバツグの一
部破砕斜視図であり、外袋Ａと内袋Ｂとで内外二
重に形成され、該内外両袋の一部に共通の袋口Ｃ
を有する。

外袋Ａは、意匠的効果を高めるように光沢を有
する柔軟な合成樹脂よりなるシート状素材１を用
いて形成された次記の伸縮性材料地Ｄをもつて、
第１図に示すように袋状に形成されたものであ
る。

該伸縮性材料地Ｄは、第３図および第４図に示
すように、該素材１の裏面に被覆ゴム糸のような
伸縮糸２が碁盤目状に互いに交叉する多数本の経
緯線に沿つて伸長状態において縫い止められ、該
伸縮糸２の収縮によつてシート状素材１の表面
に、下周部が絞り縮められた多数の不連続膨出ひ
だ状部３が一面に形成されたものである。

内袋Ｂは、外袋Ａのシート状素材１とは別のプ
レーンな布地、即ち平坦状の布地をもつて、第２
図に示すように外袋Ａの拡張伸展状態時の大きさ
よりも十分に小さく、かつ外袋Ａの収縮状態より
大きく袋を形成し、外袋Ａの内側にたるんだ状態
で収容されている（第１図参照）。

そして、外袋Ａ及び内袋Ｂは、袋口Ｃの周縁に
おいて両者が一体的に縫着され、フアスナー４が
取付けられて開閉自在となつており、他の部分は
相互に遊離するように形成されている。

なお、外袋Ａは意匠的効果を高めるため他のシ
ート状素材、例えばレース、編地、布地、紙、プ
ラスチツクフイルム等としてもよい。また、伸縮
糸２は、上記のように碁盤目状に交叉する経緯線
に沿つて縫着する他、更に意匠的効果を高めるた
めに、例えば、上記経緯線の一方或いは双方の並
列間隔を部分的に異ならしめて格子縞状とし、こ
れに沿つて伸縮糸２を縫着することによりシート
状素材１の表面に膨出ひだ状部３を部分的に密
に、あるいは粗に形成して全体として模様状に構
成することも可能である。

また、伸縮糸２によるシート状素材１の収縮度
は、これが使用されるバツグの種類に応じて通常
1.5〜４倍に伸長し得る範囲で決定されるが、外
観、感触の面からは２〜３倍に伸長し得るように
収縮せしめるのが特に好ましい。

なお、内袋Ｂを前記のように外袋Ａより大きく
形成したのは、バツグの使用時に収容物の大きさ
に応じて内袋Ｂ及び外袋Ａを共に伸縮させ、収容
物が小さい場合にはバツグ自体が収縮しコンパク
トになり、逆に収容物が大きい場合にはバツグ自
体が拡張して無理なく収容しうる実用的な構造と
するためである。また、内袋Ｂを伸縮性の生地で
形成しても同様の効果が期待できる。もつとも、
これらに限定されるものではなく従来品に使用さ
れるような通常の内袋の使用をも許容するもので
ある。

また、実施例においては提手又は肩掛け紐を省
略したが、用途に応じてそれらを取り付けうるこ
とを許容するのは言うまでもない。

考案の効果 上述のように、この考案に係るバツグの外袋Ａ
には、膨出ひだ状部３が一面に群生し立体感に富
む厚い伸縮性材料地Ｄを用いているため、縫目が
外観に現われず、しかもゴージヤスで美麗な外観
を呈するのみならず、保形性に優れたものとな
り、型くずれしにくいし、従来品では使用できな
かつたような強度的に弱い薄手のシート状素材を
使用しても保形性等に遜色のない製品を製作する
ことができ、素材の選択範囲が拡大すると共に、
安価に製作しうる。また、その感触は柔らかく弾
力を有するものであるため、外部からの衝撃を緩
和し、収容物を保護すると共に、立体的外観と厚
い感触の割合に軽いという利点を有する。更にま
た、伸縮性材料地Ｄは、シート状素材１に伸縮糸
２を軽緯線に沿つて縫着するのみの単一作業で製
作することができるから、製作が容易でしかも安
価に量産できる。また、内袋Ｂは、平坦状の布地
をもつて形成されているから、これが外袋Ａの膨
出ひだ状部３の内面側の開口部を塞ぐように作用
し、収容物が徒らに上記膨出ひだ状部３内に入り
込むのを防止しうる。のみならず、上記内袋Ｂ
は、外袋Ａの拡張伸展状態時の大きさよりも十分
小さい袋に形成されているから、収容物の負荷を
もつぱらに該内袋Ｂによつて負担せしめることが
でき、大きな収容物を入れた場合にも外袋Ａの著
るしい変形、型くずれを防止することができると
共に、外袋Ａはもつぱらに意匠的効果のみを考慮
した材料地Ｄをもつて製作することが可能とな
る。

このように外観と感触において従来品になく優
れ、フアツシヨン性のみならず実用性をも兼備す
るバツグを安価にしかも簡単に量産することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は収縮時の一部破砕斜視図、第２図はその伸長状
態を示す一部破砕斜視図、第３図は外袋Ａに用い
る伸縮性材料地Ｄの一部を切欠いた表面の斜視
図、第４図は外袋Ａに用いる伸縮性材料地Ｄの裏
面の斜視図である。 Ａ……外袋、Ｂ……内袋、Ｃ……袋口、１……
シート状素材、２……伸縮糸、３……膨出ひだ状
部、Ｄ……伸縮性材料地、４……フアスナー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外袋Ａと内袋Ｂとで内外二重に形成され、該内
   外両袋の一部に共通の袋口Ｃが設けられたバツク
   において、外袋Ａが、柔軟なシート状素材１の裏
   面に互いに交叉する多数本の経緯線に沿つて伸縮
   糸２を伸長状態において縫い止めることにより、
   この伸縮糸２の収縮をもつて同素材１の表面に下
   周部が絞り縮められた多数の不連続膨出ひだ状部
   ３を形成すると共に伸縮性を付与した材料地Ｄで
   構成される一方、前記内袋Ｂは、平坦状の布地を
   もつて、外袋Ａの拡張伸展状態時の大きさよりも
   十分に小さい袋に形成されてなることを特徴とす
   るバツク。