JPH0113145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、天板と該天板から分離可能な折畳脚
体とから構成されるステージ等の組立式床構造体
の改良に関するものである。

従来のこの種床構造体に供される脚体は、第１
図Ａ，Ｂに示す如く４本の脚材１中、２本の脚材
１同士を固定連結杆２で連結する一方、対向する
２組の脚材１同士を遊嵌連結杆３で回動可能に連
結して、展開及び折畳可能に構成され、使用時は
該脚体を展開して各脚材１の上端部で天板４を支
持し、不使用時は天板４から脚体を分離して、脚
体は同図Ｂに示す如く上記遊嵌連結杆３を利用し
て恰も紙箱を潰す状態に平たく折畳んで、他所に
天板４と共に保管されるものであつた。然し乍
ら、特に上記折畳状態にある脚体は平たく折畳ま
れるものであるから、折畳巾が自ずと長寸となり
保管スペースがかなり要求される欠点を有してい
た。又、従来のこの種床構造体は、近年劇場・ス
タジオ・学校講堂等の常仮設のステージとして使
用されているが、使用目的・場所等により斯るス
テージの高さが色々と異なるので、従来に於いて
該要求を満足するためには多種多様な脚体を予め
準備しておくか、或いはその都度所望の高さ寸法
を有する脚体を製作するしか方法はなかつた。依
つて、近年普及しだした組立式ステージとして従
来の床構造体を利用する上では、斯る高低調節の
自在性と簡易性が強く熱望されているのが現状で
ある。

而して、本考案は上記従来の床構造体の欠点に
鑑み案出されたもので、脚体を展開・折畳可能な
主脚と同じく展開・折畳可能な一対の継脚とで構
成し、天板と主脚間に該継脚を単体又は上下に連
結して介在させることにより、上記の従来欠点を
一掃せんとするものである。

以下、本考案を図示する一実施例に基づいて詳
述すれば、本考案に係る床構造体は、第２図に示
す如く従来と同様に天板４と該天板４から分離可
能な折畳脚体とから構成されるものであるが、特
徴とするところは脚体の構造にある。即ち、本考
案は該脚体を主脚１０と一対の継脚２０とから構
成し、前者の主脚１０は上下部が固定連結杆１３
で連結される２本の側脚材１１ａ，１１ｂと同じ
く上下部が固定連結杆１４で連結される側脚材１
２ａ，１２ｂとを対向させ、該対向する側脚材１
１ａと側脚材１２ａの組及び側脚材１１ｂと側脚
材１２ｂの組夫々の同一線上中間部に各側脚材と
平行する中間脚材１５ａ，１５ｂを配設し、該各
中間脚材１５ａ，１５ｂは一端を自身の適所に固
定し他端を側脚材１２ａと側脚材１１ｂの適所に
ブラケツト１８を介して枢着した第一連結杆１６
ａ，１６ｂと、ブラケツト１８を介して一端を自
身適所に他端を側脚材１１ａと１２ｂの夫々に枢
着し且つ内方に湾曲する湾曲部１９が一部に形成
されている第二連結杆１７ａ，１７ｂを介して、
対向する側脚材１１ａ，１２ａ，１１ｂ，１２ｂ
に夫々連結されて、全体の展開及び折畳みを可能
とする構成となつている。

他方、後者の一対の継脚２０は、同図に示す如
く双方共用構造を呈し、具体的にはいずれも２本
の側脚材１１ａ，１１ｂ又は１２ａ，１２ｂと１
本の中間脚材１５ａ又は１５ｂの上端部に係合す
る短寸の脚材２１，２２，２３を備え、該各３本
の脚材中脚材２１と脚材２２は両端が固定される
固定連結杆２４により連結され、脚材２２と脚材
２３は一端がブラケツト２６を介して脚材２２に
枢着され他端が脚材２３に固定される枢着連結杆
２５により順次連結されて、全体の展開及び折畳
みを可能とする構成とし、上記天板４と主脚１０
間に単体又は上下に連結して介在させることによ
り、天板４の高低調節を該継脚２０で行なうもの
である。

又、上記主脚１０の側脚材１１ａ，１１ｂ，１
２ａ，１２ｂと中間脚材１５ａ，１５ｂの上端部
に係合凸部３１を夫々設け、他方上記継脚２０の
各脚材２１，２２，２３の下端部には該係合凸部
３１を係入する係合凹部３２を、上端部には係合
凸部３１を夫々設けて、該係合凸部３１と係合凹
部３２の係合により、主脚１０と継脚２０及び継
脚２０同士、更には継脚２０と天板４の連結を図
る構成となつている。従つて、図示しないが天板
４下面の上記係合凸部３１に対応する個所には当
然係合凹部が形成されていることとなる。

依つて、上記構成の本考案に係る床構造体を用
いてステージを組立てる場合には、第２図に示す
如く主脚１０を方形状に展開して、該主脚１０の
各側脚材１１ａ，１１ｂ，１２ａ，１２ｂと中間
脚材１５ａ，１５ｂの上端部に同じく略Ｌ字状に
展開された一対の継脚２０の各脚材２１，２２，
２３を前記係合凸部３１と係合凹部３２を利用し
て連結し、次いで該継脚２０の各脚材の上端部に
同じく係合凸部と係合凹部を利用して天板４を載
置支持することにより、第３図に示す組立状態が
得られる。従つて、後は斯る組立床構造体を四方
に連続して配置すれば、所望のステージが容易に
構成される。尚、ステージの組立の際又は組立後
に、天板４の高さを調節する必要が生じた場合等
には、天板４と主脚１０間に介在する上記一対の
継脚２０の数を増減すれば、天板４の支持装置が
直ちに変わるので、天板４ひいてはステージの高
低調節が容易に且つ自在に行なえることとなる。

又、ステージの解体の際には、前記作業とは逆
に天板４を継脚２０から、該継脚２０を主脚１０
から順に分離し、Ｌ字状の継脚２０は第４図に示
す如く枢着連結杆２５の枢着部を利用して平行に
折畳み、主脚１０は以下の要領でコンパクトに折
畳み、夫々は他所に保管されることとなる。

主脚１０の折畳みは、第５図Ａに示す如く各中
間脚材１５ａ，１５ｂを内方即ち図中矢印方向に
移動操作すると、該中間脚材１５ａ，１５ｂに
夫々連結されている第一連結杆１６ａ，１６ｂと
第二連結杆１７ａ，１７ｂも該移動に応じて内方
に折曲ると同時に、固定連結杆１３で連結される
側脚材１１ａ，１１ｂと固定連結杆１４で連結さ
れる側脚材１２ａ，１２ｂも夫々平行して序々に
内方に移動接近する。更に、各中間脚材１５ａ，
１５ｂの夫々を内方に移動操作すると、上記第一
連結杆１６ａ，１６ｂ及び第二連結杆１７ａ，１
７ｂの内方折曲りと側脚材１１ａ，１１ｂと側脚
材１２ａ，１２の平行接近が促されて、同図Ｂの
状態に至る。次いで、斯る状態で中間脚材１５
ａ，１５ｂの移動操作を中止して、対向する固定
連結杆１３と１４を夫々接近する方向即ち図中矢
印方向に強制的に押しやると、同図Ｃに示す主脚
１０の折畳状態が得られる。このとき図示する如
く中間脚材１５ａ，１５ｂと第二連結杆１７ａ，
１７ｂが交叉しても、該第二連結杆には夫々前記
湾曲部１９が形成されている関係で、折畳状態時
は、該湾曲部１９が外方に突出して中間脚材１５
ａ，１５ｂを吸収できる状態となるから、固定連
結杆１３，１４の可及的接近が得られて、全体を
コンパクトに折畳んで保管することが可能とな
る。尚、以上の操作を逆に行なえば、主脚１０の
上記展開状態が得られることは言うまでもない。

以上の如く、本考案に係る床構造体は、脚体を
展開・折畳可能な主脚と同じく展開・折畳可能な
一対の継脚とで構成し、天板と主脚間に継脚を単
体又は上下に連結して介在させることを特徴とす
るものであるから、格一高さ寸法の主脚と任意に
設定される短寸の継脚のみを用意して、該主脚に
対する一対の継脚の数を増減するだけで、天板の
高さが自在に且つ簡易に調節できることとなるの
で、使用目的・場所等に応じた色々な高さのステ
ージが提供できることとなる。依つて、従来の如
く高さが種々異なる脚体を予め数多く準備した
り、或いはその都度製作する必要が全くなくなる
ので、劇場・スタジオ・学校講堂等の多種多様な
常仮設のステージには頗る実用性を発揮すること
となる。

更に、継脚は３本の脚体を夫々固定連結杆と枢
着連結杆により順次連結されて一対で、主脚の側
脚材と中間脚材の全てに係合する構成であるか
ら、各脚体同士が互いに補強し合うので、該脚体
による天板の安定支持が可能となるばかりか、脚
材を３本毎に分離して一対構造となしているの
で、運搬・折畳保管が極めて至便となる。

又、ステージ等の解体時に折畳まれた主脚は、
略固定連結杆一本の長さ寸法が折畳巾となるの
で、同一規格のものであれば従来と比し約２分の
１も折畳巾を短寸にでき、保管スペースも狭小で
済む。更に、固定連結杆で連結される側脚材を平
行して折畳むことは、従来構造では実際上不可能
であつた直立保管を可能とすると共に、転倒させ
て積重ね保管する場合でも、平行する固定連結杆
を利用して安定に積重ねることができるので、特
に多数の折畳主脚を保管する場合には最適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来の床構造体を示す斜視図、同図
Ｂは天板から分離して脚体を折畳んだ状態を示す
斜視図、第２図は本考案に係る床構造体を天板と
主脚と継脚とを夫々分離して示す斜視図、第３図
は同床構造体の組立状態を示す正面図、第４図は
継脚の折畳状態を示す斜視図、第５図Ａ，Ｂ，Ｃ
は主脚の折畳動作と折畳状態を示す平面図であ
る。 ４……天板、１０……主脚、１１ａ，１１ｂ，
１２ａ，１２ｂ……側脚材、１３，１４……固定
連結杆、１５ａ，１５ｂ……中間脚材、１６ａ，
１６ｂ……第一連結杆、１７ａ，１７ｂ……第二
連結杆、２０……継脚、２１，２２，２３……短
寸の脚材、２４……固定連結杆、２５……枢着連
結杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天板と該天板から分離可能な折畳脚体とから構
   成されるステージ等の組立式床構造体において、
   上記脚体を主脚と一対の継脚とから構成し、前者
   の主脚は、４本の側脚材と２本の中間脚材とを備
   え、２本の側脚材同士を固定連結杆で連結して、
   対向する２組の側脚材間に上記中間脚材を夫々配
   すると共に、該各中間脚材と各組の対応する側脚
   材とを、一端が中間脚材に固定され他端が側脚材
   に枢着される第一連結杆と、一端他端とも中間脚
   材と側脚材に枢着される第二連結杆とで連結し
   て、展開及び折畳可能構造となし、後者の継脚
   は、上記２本の側脚材と１本の中間脚材の各上端
   部に係合する３本の短寸脚材を備え、該３本の脚
   材を固定連結杆と枢着連結杆とにより順次連結し
   て、展開及び折畳可能構造となし、上記天板と主
   脚間に該一対の継脚を介在させるように構成した
   ことを特徴とするステージ等の組立式床構造体。