JPH0113007B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、家庭用給湯機等に用いられる燃焼装
置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、この種の燃焼装置では、第１図に示すよ
うに、水缶壁を有する燃焼室１内に壁面にこの壁
面に対し接線方向に燃焼用空気を噴出する空気噴
出孔２が多数設けられた中筒３と、燃料供給用の
ノズル４とを備え、中筒３と同心状に燃焼室１と
中筒３とを区画し、ノズル４から供給された燃料
が通過する通過口５と下端部に設けられた開口部
６とを有する助燃筒７が設けられていた。

燃焼室内においては、中筒３の壁面に接線方向
に設けられた空気噴出孔２により、旋回流が発生
しており、また中筒３と同心状に下端部に開口部
６を設けた助燃筒７があるため、中筒３よりの噴
出空気の一部は、助燃筒７の外側を通り、開口部
６より助燃筒７内に入り中筒３の下部の空気噴出
孔２より噴出された空気は、助燃筒７の外側より
開口部６を通つて助燃筒７内に入つてきた流れと
合流し、中筒３の壁面にそつて上昇する流れが発
生している。

燃焼室１内の燃焼は、以下のようになる。ノズ
ル４より供給された燃料は、点火装置により着火
され初期は、供給された燃料と空気が充分気化混
合できるだけの温度ではないので、混合不足な状
態で拡散燃焼を行ない温度上昇とともに燃料の気
化が促進され予混合燃焼に移る。空気と燃料の混
合ガスは中筒３の壁面にそつて上昇し中筒３の上
部で燃焼する。その一部の燃焼廃ガスは、助燃筒
７の外側を通り開口部６より助燃筒７内に入り気
化に必要な熱量を供給し、安定燃焼を行なう。

この構成では、中筒３の下端のＡ部は吹きだま
りになりやすい。そのため、ノズル４より供給さ
れた燃料の一部が、Ａ部に入つた時に、なかな
か、搬送されにくく、又、助燃筒７の下端部の開
口部６を通つて、助燃筒７内に入つてくる燃焼廃
ガスも、Ａ部にはあまり到達しないので、Ａ部の
温度はあがりにくく、燃料がたまりやすい。その
ため、消火した時に、たまつていた燃料が蒸発し
排出過程で高温部に接触し、熱分解を起こし、臭
気の原因となる成分を発生しやすく、問題があつ
た。

発明の目的 本発明は、かかる従来の問題点を解消するもの
で、消火時の臭気低減を目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために、本発明は、中筒と
同心状に設け、上端部及び下端部が開口した助燃
筒の下端部の開口部が、中筒の下端部近傍まで導
びかれるように、案内板を設けたものである。

この構成により、助燃筒の外側を通り内側に入
つてくる燃焼廃ガスが、中筒３の下端部を通るよ
うにし、中筒下端部での気化を促進させ、消火時
に、燃料がたまつていないようにし、臭気を低減
させる。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第２図を用いて説明
する。第２図において１は水缶壁を有する燃焼
室、２は壁面に対し接線方向に燃焼用空気を噴出
する空気噴出孔３を壁面に多数設けた中筒、４は
燃焼室１の側壁より燃焼室内に臨ませ、燃料を噴
霧するためのノズル、５は点火装置、６は燃料供
給用のポンプ、７は燃料の流れを制御するための
電磁弁である。８は、中筒２と同心状に設けら
れ、ノズル４から供給された燃料が通過する通過
口９と下端部に設けられた開口部１０とを有する
助燃筒である。１１は助燃筒８の開口部１０を中
筒２の下端部近傍まで導びくための案内板であ
る。１２は燃焼用空気を送るための送風モータ
ー、１３は送風フアン、１４は燃焼用空気を中筒
２にガイドするための送風ガイドである。

上記構成において燃焼用空気は、送風モーター
１２と送風フアン１３より送風ガイド１４を通り
中筒２に送られ、空気噴出孔３より中筒２の壁面
に対し接線方向に噴出される。燃焼室１内におけ
る流れは中筒２より接線方向に噴き出された空気
により旋回流となつている。又、助燃筒８がある
ため、旋回流の一部は助燃筒８の上端より、助燃
筒８の外側を通り、開口部１０から、案内板１１
により中筒２の下端部近傍まで導びかれ助燃筒８
内に入る。

ノズル４より供給された燃料は助燃筒８に設け
られた通過口９を通り、助燃筒８内に送られる。
燃料は点火装置５により点火される。初期は供給
された燃料と空気が充分気化混合できるだけの温
度ではないので、混合不足な状態で拡散燃焼を行
ない、温度上昇とともに燃料の気化が促進され予
混合燃焼に移る。空気と燃料の混合ガスは中筒２
の壁面にそつて上昇し、中筒２の上部で燃焼す
る。その一部の燃焼廃ガスは、助燃筒８の外側を
通り開口部１０より案内板１１により中筒２の下
端部近傍まで導びかれ、助燃筒８内に入り気化に
必要な熱量を供給し安定燃焼を行なう。

上記構成に於いて、中筒２の下端Ａ部は、吹き
だまりなりやすいがノズル４より供給された燃料
の助燃筒８内に浮遊しているものの１部はＡ部に
たまりやすく、又、中筒２に当つた燃料の一部
は、中筒２の壁面をつたわつて、Ａ部に流れるが
助燃筒８には、案内板１１が設けられているの
で、助燃筒８の外側より入つてくる高温の燃焼廃
ガスは強制的にＡ部に送られるため、Ａ部に集ま
ろうとする燃料の気化を促進させ、燃料がＡ部に
たまりにくく、消火した時に、たまつていた燃料
が蒸発し高温部に接触し熱分解することによる臭
気発生が抑えられる効果がある。

発明の効果 以上のように本発明の燃焼装置によれば、次の
効果が得られる。

助燃筒に案内板を設けたことにより、燃料が集
まりやすい部分に強制的に燃焼廃ガスを送り気化
を促進させ、燃料がたまりにくくし、消火時の臭
気を低減する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃焼装置の正面断面図、第２図
は本発明の燃焼装置の一実施例を示す正面断面図
である。 １……燃焼室、２……中筒、３……空気噴出
孔、４……ノズル、８……助燃筒、９……通過
口、１１……案内板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下面が閉じられた有底筒状の燃焼室と、前記
   燃焼室の中央に立設され壁面にこの壁面に対し接
   線方向に燃焼用空気を噴出する空気噴出孔が多数
   設けられた中筒と、前記燃焼室の側壁より燃焼室
   内に臨ませた燃料供給装置とを備え、前記中筒よ
   り噴出された空気の一部が前記燃焼室内で還流さ
   れるように上端部を開口させ、かつ下端部には開
   口部を設け、さらに前記燃料供給装置に対向する
   ところに燃料を内側に供給するための燃料通過口
   を形成し、助燃筒を前記中筒と同心状に設け、前
   記助燃筒の下端部の開口部の上部にほぼ水平に前
   記中筒の下端部近傍まで延びる案内板を設けた燃
   焼装置。