JPH01127654A - 鋳物表面の再溶融処理方法 - Google Patents
鋳物表面の再溶融処理方法Info
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- JPH01127654A JPH01127654A JP28236887A JP28236887A JPH01127654A JP H01127654 A JPH01127654 A JP H01127654A JP 28236887 A JP28236887 A JP 28236887A JP 28236887 A JP28236887 A JP 28236887A JP H01127654 A JPH01127654 A JP H01127654A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明はアルミニウム合金鋳物などの各種金B鋳物か
らなる自動車部品や各種機械部品などにおいて、その一
部の表面層を局部的に改質するためにTIGアークを用
いて再溶融処理を施す方法に関するものである。
らなる自動車部品や各種機械部品などにおいて、その一
部の表面層を局部的に改質するためにTIGアークを用
いて再溶融処理を施す方法に関するものである。
従来の技術
最近に至り、アルミニウム合金などの金属材料からなる
部品、特に鋳物部品の表面の一部の特性を局部的に向上
させるための再溶融処理が注目を浴びている。この再溶
融処理は、TIGアークやレーザビーム、あるいは電子
ビーム、プラズマアークなどの高密度加熱エネルギを鋳
物の表面に照射してその表面層を再溶融させ、引続く急
冷凝固によって引は巣やピンホール、ブローホールなど
の鋳造欠陥を除去するとともに金属組織を微細化させて
、表面層の特性向上を図るものである。
部品、特に鋳物部品の表面の一部の特性を局部的に向上
させるための再溶融処理が注目を浴びている。この再溶
融処理は、TIGアークやレーザビーム、あるいは電子
ビーム、プラズマアークなどの高密度加熱エネルギを鋳
物の表面に照射してその表面層を再溶融させ、引続く急
冷凝固によって引は巣やピンホール、ブローホールなど
の鋳造欠陥を除去するとともに金属組織を微細化させて
、表面層の特性向上を図るものである。
このような再溶i!処理を特にアルミニウム合金鋳物か
らなる自動車用エンジンのシリンダヘッドに適用した例
としては、本出願人の出願に係る特開昭61−1937
73号記戦の方法がある。この方法は、アルミニウム合
金鋳物ではピンホールやブローホール、引は巣等の鋳造
欠陥が生じ易いこと、またシリンダヘッドは大型で複雑
な形状を要するため鋳造時の冷却速度が遅くなって金居
組織が粗大化し易いこと、一方シリンダヘッドのうちで
も特に排気ポートと吸気ポートとによって挟まれるいわ
ゆる弁間部に大きな熱応力が加えられることから、その
弁間部に機械的特性が優れていることが要求されること
、等を背景としてなされたものであり、アルミニウム合
金鋳物からなるシリンダヘッドの弁間部にTIGアーク
等の高密度エネルギを印加して再溶融・急冷再凝固させ
、弁間部の鋳造欠陥を除去するとともに弁間部の組織の
微細化を図り、弁間部の機械的特性、特に熱応力に対す
る特性を向上させている。
らなる自動車用エンジンのシリンダヘッドに適用した例
としては、本出願人の出願に係る特開昭61−1937
73号記戦の方法がある。この方法は、アルミニウム合
金鋳物ではピンホールやブローホール、引は巣等の鋳造
欠陥が生じ易いこと、またシリンダヘッドは大型で複雑
な形状を要するため鋳造時の冷却速度が遅くなって金居
組織が粗大化し易いこと、一方シリンダヘッドのうちで
も特に排気ポートと吸気ポートとによって挟まれるいわ
ゆる弁間部に大きな熱応力が加えられることから、その
弁間部に機械的特性が優れていることが要求されること
、等を背景としてなされたものであり、アルミニウム合
金鋳物からなるシリンダヘッドの弁間部にTIGアーク
等の高密度エネルギを印加して再溶融・急冷再凝固させ
、弁間部の鋳造欠陥を除去するとともに弁間部の組織の
微細化を図り、弁間部の機械的特性、特に熱応力に対す
る特性を向上させている。
上述のような再溶融処理のうち、特に高密度加熱エネル
ギとしてTIGアークを用いて処理を行なう場合の代表
的な例を第6図に示す。この場合、処理すべきアルミニ
ウム合金鋳物等の鋳物からなる基材1の表面にTIGア
ーク発生発生上−チ2によってアーク3を印加しつつ、
トーチ2を処理すべき領域4の長さ方向Pに沿って移動
させる。
ギとしてTIGアークを用いて処理を行なう場合の代表
的な例を第6図に示す。この場合、処理すべきアルミニ
ウム合金鋳物等の鋳物からなる基材1の表面にTIGア
ーク発生発生上−チ2によってアーク3を印加しつつ、
トーチ2を処理すべき領域4の長さ方向Pに沿って移動
させる。
基材1の表面層はアーク3の熱によって急速溶融されて
溶融プール5が形成され、この溶融プール5はトーチ2
の移動によりアーク3が印加されなくなったときに金属
基材1の側への急速熱移動によって急速冷却されて凝固
し、再凝固層(処理ビード)6となる。このようにして
形成された再凝固層6におけるトーチ移動方向Pに対し
直交する方向の断面(ビード断面)の状況を第7図に示
す。
溶融プール5が形成され、この溶融プール5はトーチ2
の移動によりアーク3が印加されなくなったときに金属
基材1の側への急速熱移動によって急速冷却されて凝固
し、再凝固層(処理ビード)6となる。このようにして
形成された再凝固層6におけるトーチ移動方向Pに対し
直交する方向の断面(ビード断面)の状況を第7図に示
す。
発明が解決すべき問題点
第7図に示されているように、従来の一般的なTIGア
ークによる再溶融処理を施した場合には、トーチ移動方
向(ビード長ざ方向)に対し直交する方向の断面におけ
る処理深さ(再凝固層6の深さ)が均一ではなく、幅方
向の中央部における処理深さと比較して両脇の部分の処
理深さが浅くなっており、そのため表面の処理幅Woに
比較して有効処理幅W1が狭い問題がある。すなわち、
−般に再溶融処理によって充分な改質効果を与えるため
には、ある程度の深さ(有効処理深さ)61以上の処理
深さが必要となるが、第6図の場合には必要な有効処理
深さ61以上となる部分の幅、すなわち有効処理幅W1
が小ざくならざるを得ない問題があった。このような現
象はTIGアークの特性に起因するものであり、通常の
先端が尖っているTXGトーチを用いた場合にアークの
エネルギ密度分布は中央部で極大となり、その両側で急
激に小さくなることに起因している。
ークによる再溶融処理を施した場合には、トーチ移動方
向(ビード長ざ方向)に対し直交する方向の断面におけ
る処理深さ(再凝固層6の深さ)が均一ではなく、幅方
向の中央部における処理深さと比較して両脇の部分の処
理深さが浅くなっており、そのため表面の処理幅Woに
比較して有効処理幅W1が狭い問題がある。すなわち、
−般に再溶融処理によって充分な改質効果を与えるため
には、ある程度の深さ(有効処理深さ)61以上の処理
深さが必要となるが、第6図の場合には必要な有効処理
深さ61以上となる部分の幅、すなわち有効処理幅W1
が小ざくならざるを得ない問題があった。このような現
象はTIGアークの特性に起因するものであり、通常の
先端が尖っているTXGトーチを用いた場合にアークの
エネルギ密度分布は中央部で極大となり、その両側で急
激に小さくなることに起因している。
ところでTrGアークを用いた場合に幅広く再溶融処理
を施す方法、すなわち幅広い再凝固層を形成する方法と
しては、従来から、第8図に示すようにトーチ2をウィ
ービングさせる方法、第9図に示すように処理ビード6
a、・6bをオーバーラツプさせる方法、および第10
図に示すようにバンド状の幅広い電極2Aを用いる方法
などが知られているが、これらの方法でも前述のような
問題を根本的に解決することはできず、また別の新たな
問題が発生している。
を施す方法、すなわち幅広い再凝固層を形成する方法と
しては、従来から、第8図に示すようにトーチ2をウィ
ービングさせる方法、第9図に示すように処理ビード6
a、・6bをオーバーラツプさせる方法、および第10
図に示すようにバンド状の幅広い電極2Aを用いる方法
などが知られているが、これらの方法でも前述のような
問題を根本的に解決することはできず、また別の新たな
問題が発生している。
すなわち先ずトーチをウィービングさせる方法は、第8
図に示すように、トーチ2を処理すべき領域の長さ方向
に対し直交する方向へ往復動くウィービング)させなが
ら処理領域の長さ方向へ移動させる方法であり、この場
合ウィービングの幅を大きくすれば幅広い再凝固層6を
形成することが可能となる。しかしながら、この場合で
も再凝固層6の幅方向両脇の部分では処理深さが浅くな
ることは第6図の場合と同じである。またこのようにウ
ィービングさせる場合は処理時における溶融プールの波
立ちが大きくなるが、アルミニウム合金鋳物のように熱
伝導度が高い基材を対象としている場合は冷却速度が高
く、特に処理部位の幅方向両脇部分では前記同様に溶融
プールの深さか浅くなるためその部分で冷却速度が著し
く高くなり、そのため冷却速度が不均一となるから、前
述のように溶融プールの波立ちが大きいことと相俟って
再凝固層の表面の凹凸が大きくなる問題が生じている。
図に示すように、トーチ2を処理すべき領域の長さ方向
に対し直交する方向へ往復動くウィービング)させなが
ら処理領域の長さ方向へ移動させる方法であり、この場
合ウィービングの幅を大きくすれば幅広い再凝固層6を
形成することが可能となる。しかしながら、この場合で
も再凝固層6の幅方向両脇の部分では処理深さが浅くな
ることは第6図の場合と同じである。またこのようにウ
ィービングさせる場合は処理時における溶融プールの波
立ちが大きくなるが、アルミニウム合金鋳物のように熱
伝導度が高い基材を対象としている場合は冷却速度が高
く、特に処理部位の幅方向両脇部分では前記同様に溶融
プールの深さか浅くなるためその部分で冷却速度が著し
く高くなり、そのため冷却速度が不均一となるから、前
述のように溶融プールの波立ちが大きいことと相俟って
再凝固層の表面の凹凸が大きくなる問題が生じている。
そしてこのように再凝固層表面の凹凸が激しければ、再
溶融処理後における仕上加工での加工代が大きくなり、
加工に長時間を要するとともに材料歩留りも低下する問
題がある。
溶融処理後における仕上加工での加工代が大きくなり、
加工に長時間を要するとともに材料歩留りも低下する問
題がある。
また前述の処理ビードをオーバーラツプさせる方法は、
第9図に示すように先ずトーチ2を処理すべき領域の長
さ方向に移動させつつ処理して1番目の処理ビード6a
を形成した後、その1番目の処理ビード6aと平行に再
びトーチ2を移動させつつ処理して、1番目の処理ビー
ド6aとオーバーラツプする2番目の処理ビード6bを
形成し、必要に応じざらにその過程を繰返して、幅広い
再凝固層6を形成する方法である。しかしながらこの方
法においては、他の方法と比較してオーバーラツプ分だ
けエネルギコストが余計にかかり、またその分だけタイ
ムロスとなり、結局コスト高となる問題があり、しかも
再凝固層6の幅方向両脇部分で処理深さが浅くなること
は免れ得ない。
第9図に示すように先ずトーチ2を処理すべき領域の長
さ方向に移動させつつ処理して1番目の処理ビード6a
を形成した後、その1番目の処理ビード6aと平行に再
びトーチ2を移動させつつ処理して、1番目の処理ビー
ド6aとオーバーラツプする2番目の処理ビード6bを
形成し、必要に応じざらにその過程を繰返して、幅広い
再凝固層6を形成する方法である。しかしながらこの方
法においては、他の方法と比較してオーバーラツプ分だ
けエネルギコストが余計にかかり、またその分だけタイ
ムロスとなり、結局コスト高となる問題があり、しかも
再凝固層6の幅方向両脇部分で処理深さが浅くなること
は免れ得ない。
さらに第10図に示すようなバンド状の幅広いトーチ電
612 Aを用いる方法では、アークが安定せず、その
ため再凝固層6の表面の凹凸が激しくなるほか、アーク
スタート性も劣り、さらには再凝固層6の幅方向両脇の
処理深さが浅くなる問題も解決されない。
612 Aを用いる方法では、アークが安定せず、その
ため再凝固層6の表面の凹凸が激しくなるほか、アーク
スタート性も劣り、さらには再凝固層6の幅方向両脇の
処理深さが浅くなる問題も解決されない。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、T
XGアークを用いて鋳物表面に再溶融処理を行なうにめ
たり、幅方向に処理深さが均一で有効処理幅の広い再凝
固層を形成することができ、しかも表面の凹凸が激しく
なったりすることがなく、かつコスト上昇やアークの不
安定化等の不都合を招くことない再溶融処理方法を提供
することを目的とするものである。
XGアークを用いて鋳物表面に再溶融処理を行なうにめ
たり、幅方向に処理深さが均一で有効処理幅の広い再凝
固層を形成することができ、しかも表面の凹凸が激しく
なったりすることがなく、かつコスト上昇やアークの不
安定化等の不都合を招くことない再溶融処理方法を提供
することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段
この発明は、金属鋳物からなる基材表面のある長さを有
する領域に対してTIGアークの印加により再溶融処理
を行なうにあたり、予め機械加工により前記領域内の基
材表面にその領域の長さ方向に沿う2条の凹溝を所定間
隔を置いて平行に形成しておき、TIGアークを印加す
る際に、前記2条の凹溝の間の中央部においてTIGア
ーク発生用のトーチを前記領域の幅方向にオンレートさ
せながらその領域の長さ方向に移動させることを特徴と
するものである。
する領域に対してTIGアークの印加により再溶融処理
を行なうにあたり、予め機械加工により前記領域内の基
材表面にその領域の長さ方向に沿う2条の凹溝を所定間
隔を置いて平行に形成しておき、TIGアークを印加す
る際に、前記2条の凹溝の間の中央部においてTIGア
ーク発生用のトーチを前記領域の幅方向にオンレートさ
せながらその領域の長さ方向に移動させることを特徴と
するものである。
作 用
アルミニウム合金鋳物等の鋳物の表面層、すなわち鋳肌
層は多数のブローホールやピンホールが存在しまたび化
物やその他の介在物が多数存在している。そのため鋳物
表面の鋳肌層はその電気抵抗が鋳物内部の正常組織より
もかなり高くなっているのが通常である。そして切削加
工等の機械加工によって鋳肌層を貫くように鋳物表面に
形成した凹溝においては、その底面に鋳物内部の正常組
織が露呈しているから、その部分の電気抵抗は凹溝を形
成していない鋳肌のままの部分と比較して格段に小さく
なっている。また一方、TIGアーク印加による再溶融
処理時のアークの飛び易さは基材表面の電気抵抗に関係
し、電気抵抗が小さいほどアークが飛び易くなるから、
前述のように電気抵抗が小さい凹溝の部分では電気抵抗
が大きい鋳肌のままの部分と比較してアークが飛び易い
状態となっている。
層は多数のブローホールやピンホールが存在しまたび化
物やその他の介在物が多数存在している。そのため鋳物
表面の鋳肌層はその電気抵抗が鋳物内部の正常組織より
もかなり高くなっているのが通常である。そして切削加
工等の機械加工によって鋳肌層を貫くように鋳物表面に
形成した凹溝においては、その底面に鋳物内部の正常組
織が露呈しているから、その部分の電気抵抗は凹溝を形
成していない鋳肌のままの部分と比較して格段に小さく
なっている。また一方、TIGアーク印加による再溶融
処理時のアークの飛び易さは基材表面の電気抵抗に関係
し、電気抵抗が小さいほどアークが飛び易くなるから、
前述のように電気抵抗が小さい凹溝の部分では電気抵抗
が大きい鋳肌のままの部分と比較してアークが飛び易い
状態となっている。
この発明の方法においては、TIGアーク印加による再
溶融を行なうに先立って、処理すべきある長さの領域内
に予め機械加工によって2条の凹溝をその領域の長さ方
向に沿い平行かつ所定間隔を置いて形成しており、これ
ら2条の凹溝の部分には、前述の説明で明らかなように
それらの凹溝の間の鋳肌のままの部分よりもアークが飛
び易い状態となっている。したがってTIGアーク発生
用のトーチを前記2条の凹溝の間の中央部で処理すべき
領域の幅方向(すなわち凹溝の長さ方向に直交する方向
)にオンレートさせながら処理すべき領域の長さ方向に
連続移動させつつ、アークを印加させれば、トーチのオ
ンレートの過程においてそのトーチが2条の凹溝のうち
一方の凹溝に近付いた状態ではその一方の凹溝の側にア
ークが集中し、1・−チが他方の凹溝に近付いた状態で
はその他方の凹溝の側にアークが集中し、それらの間の
期間では両方の凹溝の間の部分に平均的にアークが印加
される。したがってトータルとして見れば、一方の凹溝
の部分から他方の凹溝の部分までほぼ均一な入熱が行な
われることになり、そのため溶融プールの深さも幅方向
にほぼ均一となり、それに伴なって再凝固層の深さ(処
理深さ)も幅方向にほぼ均一となる。そのため有効処理
幅も表面の処理幅に近い大きな幅となる。すなわち、2
条の凹溝を形成していない場合は、既に述べたように幅
方向の中央部分と比較して両脇部分の入熱量が少ないた
めその部分で溶融深さ、したがって処理深さが浅くなる
が、この発明の方法の場合、その両脇部分に相当する位
置に凹溝を形成して鋳肌を除去しておくことにより、両
脇部分での入熱量を大きくして処理深さを中央部分と同
等の深さまで深くし、全体として幅方向に均一な処理深
さが得られるようにしたのである。
溶融を行なうに先立って、処理すべきある長さの領域内
に予め機械加工によって2条の凹溝をその領域の長さ方
向に沿い平行かつ所定間隔を置いて形成しており、これ
ら2条の凹溝の部分には、前述の説明で明らかなように
それらの凹溝の間の鋳肌のままの部分よりもアークが飛
び易い状態となっている。したがってTIGアーク発生
用のトーチを前記2条の凹溝の間の中央部で処理すべき
領域の幅方向(すなわち凹溝の長さ方向に直交する方向
)にオンレートさせながら処理すべき領域の長さ方向に
連続移動させつつ、アークを印加させれば、トーチのオ
ンレートの過程においてそのトーチが2条の凹溝のうち
一方の凹溝に近付いた状態ではその一方の凹溝の側にア
ークが集中し、1・−チが他方の凹溝に近付いた状態で
はその他方の凹溝の側にアークが集中し、それらの間の
期間では両方の凹溝の間の部分に平均的にアークが印加
される。したがってトータルとして見れば、一方の凹溝
の部分から他方の凹溝の部分までほぼ均一な入熱が行な
われることになり、そのため溶融プールの深さも幅方向
にほぼ均一となり、それに伴なって再凝固層の深さ(処
理深さ)も幅方向にほぼ均一となる。そのため有効処理
幅も表面の処理幅に近い大きな幅となる。すなわち、2
条の凹溝を形成していない場合は、既に述べたように幅
方向の中央部分と比較して両脇部分の入熱量が少ないた
めその部分で溶融深さ、したがって処理深さが浅くなる
が、この発明の方法の場合、その両脇部分に相当する位
置に凹溝を形成して鋳肌を除去しておくことにより、両
脇部分での入熱量を大きくして処理深さを中央部分と同
等の深さまで深くし、全体として幅方向に均一な処理深
さが得られるようにしたのである。
ここで、トーチを2条の凹溝間の中央部でオンレートさ
せない場合には、アークがいずれか一方の凹溝に片寄っ
て集中した状態が続いてしまうため、逆に均一な処理深
さが得られなくなってしまう。そこでこの発明ではオン
レートさせることにより交互にアークを各凹溝の部分に
集中させることによって、均一な処理深さを得ている。
せない場合には、アークがいずれか一方の凹溝に片寄っ
て集中した状態が続いてしまうため、逆に均一な処理深
さが得られなくなってしまう。そこでこの発明ではオン
レートさせることにより交互にアークを各凹溝の部分に
集中させることによって、均一な処理深さを得ている。
このようにトーチのオンレートの主目的は均一な処理深
さを得る点にあり、したがってそのオンレートの振幅は
一方の側の凹溝にアークが集中している状態から他方の
凹溝にアークが集中する状態に切替えるに要するだけの
微小距離とすれば良い。
さを得る点にあり、したがってそのオンレートの振幅は
一方の側の凹溝にアークが集中している状態から他方の
凹溝にアークが集中する状態に切替えるに要するだけの
微小距離とすれば良い。
そしてこの発明の方法では、前述のように幅方向の中央
部から両脇部分まで溶融深さがほぼ均一となることから
、凝固時の凝固速度も幅方向の全体にわたってほぼ均一
となり、しかも前述のようにオンレートはさせるものの
その振幅は小さくて良いからオンレートによる溶融プー
ルの波立ちもさほど大きくなく、これらが相俟って表面
の凹凸が少ない再凝固層を得ることができる。
部から両脇部分まで溶融深さがほぼ均一となることから
、凝固時の凝固速度も幅方向の全体にわたってほぼ均一
となり、しかも前述のようにオンレートはさせるものの
その振幅は小さくて良いからオンレートによる溶融プー
ルの波立ちもさほど大きくなく、これらが相俟って表面
の凹凸が少ない再凝固層を得ることができる。
なおまた、TIGアーク用のトーチ電極としては待に幅
広なバンド状のものなどを使用する必要はなく、通常の
ものを用いれば良いから、アークの不安定化やアークス
タート性の悪化などを招くことはない。
広なバンド状のものなどを使用する必要はなく、通常の
ものを用いれば良いから、アークの不安定化やアークス
タート性の悪化などを招くことはない。
発明の実施のための具体的な説明
第1図は、この発明の方法においてTIGアーク印加に
よる再溶融に先立って、鋳物基材1の処理すべき領域4
内に平行な2条の凹溝11.12を形成した状態を示す
。この凹溝11.12の深ざd2は、要は欠陥や介在物
の多い鋳肌層13を貫通していれば良い。また凹溝11
.12の幅W2は、鋳肌層13のない部分の幅かlam
以上となるように定めることが望ましい。この幅W2が
1111111未満ではTIGアークが凹溝の部分に選
択的に集中しにくくなる。なお凹溝11.12の形成は
、その部分で鋳肌層を除去するのが目的であるから、塑
性加工によらずに切削加工等の機械加工によって行なう
必要がある。
よる再溶融に先立って、鋳物基材1の処理すべき領域4
内に平行な2条の凹溝11.12を形成した状態を示す
。この凹溝11.12の深ざd2は、要は欠陥や介在物
の多い鋳肌層13を貫通していれば良い。また凹溝11
.12の幅W2は、鋳肌層13のない部分の幅かlam
以上となるように定めることが望ましい。この幅W2が
1111111未満ではTIGアークが凹溝の部分に選
択的に集中しにくくなる。なお凹溝11.12の形成は
、その部分で鋳肌層を除去するのが目的であるから、塑
性加工によらずに切削加工等の機械加工によって行なう
必要がある。
第2図には上述のようにして凹溝11.12を形成した
基材1に対してTIGアーク用トーチ2を用いて再溶融
処理を行なっている状態を示す。
基材1に対してTIGアーク用トーチ2を用いて再溶融
処理を行なっている状態を示す。
トーチ2としては前述のように電極2Aの形状が通常の
ものを用いれば良い。ここで、基材1に形成した2条の
凹溝11.12間の内側間隔!の1/2すなわち1/2
1は、アーク長h(電極2Aの先端と基材1の表面との
距離)よりも小さいことが望ましい。1/2!が1以上
の距離となれば、アークの選択性が悪くなって、トーチ
2のオンレートの過程で凹溝11.12にアークが集中
しにくくなるおそれがある。
ものを用いれば良い。ここで、基材1に形成した2条の
凹溝11.12間の内側間隔!の1/2すなわち1/2
1は、アーク長h(電極2Aの先端と基材1の表面との
距離)よりも小さいことが望ましい。1/2!が1以上
の距離となれば、アークの選択性が悪くなって、トーチ
2のオンレートの過程で凹溝11.12にアークが集中
しにくくなるおそれがある。
トーチ2は凹溝11.12の間の中央部の上方に配置さ
れ、前述のように処理すべき領[4の長さ方向P(L/
たがってトーチ2の主極動方向=凹溝11.12の長さ
方向)に対し直交する方向に微小なオンレートを加えな
がら前記方向Pへ移動させつつ、基材1との間でアーク
3を発生させる。
れ、前述のように処理すべき領[4の長さ方向P(L/
たがってトーチ2の主極動方向=凹溝11.12の長さ
方向)に対し直交する方向に微小なオンレートを加えな
がら前記方向Pへ移動させつつ、基材1との間でアーク
3を発生させる。
ここで、トーチ2のオンレートは、少なくとも電極2A
の先端が前記方向ヘオンレートすれば良く、したがって
トーチ2の全体を直線的に往復移動させても良いが、簡
便にはトーチ2の上部を支点としてトーチ2の主移動方
向Pに直交する面内でトーチ2を揺動させれば良い。ト
ーチ2の電極2Aの先端でのオンレートの振幅は、トー
チ2の主移動方向Pに直交する方向へ1〜3Iltll
I程度とすることが望ましく、またその振動数は5Hz
以上とすることが望ましい。振幅が1M未満ではアーク
の飛びが凹溝11.12のいずれか一方に片寄り、その
ため良好な処理ビードが形成されなくなるおそれがある
。また振幅が3mを越えれば、従来のウィービングによ
る幅広な処理層を形成する場合と同様に、再凝固層の表
面の凹凸が激しくなる問題が生じるおそれがある。ざら
に、振動数が5Hz未満では、アークが一方の側の凹溝
に集中している時間、すなわちアークの片寄り時間が長
くなってビード不良が生じるおそれがある。
の先端が前記方向ヘオンレートすれば良く、したがって
トーチ2の全体を直線的に往復移動させても良いが、簡
便にはトーチ2の上部を支点としてトーチ2の主移動方
向Pに直交する面内でトーチ2を揺動させれば良い。ト
ーチ2の電極2Aの先端でのオンレートの振幅は、トー
チ2の主移動方向Pに直交する方向へ1〜3Iltll
I程度とすることが望ましく、またその振動数は5Hz
以上とすることが望ましい。振幅が1M未満ではアーク
の飛びが凹溝11.12のいずれか一方に片寄り、その
ため良好な処理ビードが形成されなくなるおそれがある
。また振幅が3mを越えれば、従来のウィービングによ
る幅広な処理層を形成する場合と同様に、再凝固層の表
面の凹凸が激しくなる問題が生じるおそれがある。ざら
に、振動数が5Hz未満では、アークが一方の側の凹溝
に集中している時間、すなわちアークの片寄り時間が長
くなってビード不良が生じるおそれがある。
上述のようにトーチ2をその主移動方向Pに対し直交す
る方向ヘオンレートさせている間におけるオンレートの
1サイクル中におけるアーク3の状態を模式的に第3図
(A)〜(D>に示す。第3図(A>に示すようにトー
チ2の電極2Aの先端が一方の凹溝11に最も近接した
状態では、アーク3はその凹溝11の側に集中して片寄
った状態で生じ、続いて電極2Aの先端が凹溝11に近
い側から他方の凹溝12に近い側へ向う間においては、
第3図(B)に示すようにアーク3は凹溝11.12の
間に平均的に印加され、ざらに第3図(C)に示すよう
に電極2Aの先端が凹溝12に近接すれば、アーク3は
凹溝12の側に集中して片寄った状態となり、その後電
極2Aの先端が凹溝12の側から凹溝11の側へ向う間
は第3図(D)に示すように凹溝11.12の間に平均
的にアーク13が印加される。このようにトーチ2をオ
ンレートさせて交互に凹溝11.12にアーク3を集中
させることによって、凹溝11の位置から凹溝12の位
置までほぼ均一な深さで基材1が溶融され、そのため第
4図に示すように再凝固層6の深さもほぼ均一となる。
る方向ヘオンレートさせている間におけるオンレートの
1サイクル中におけるアーク3の状態を模式的に第3図
(A)〜(D>に示す。第3図(A>に示すようにトー
チ2の電極2Aの先端が一方の凹溝11に最も近接した
状態では、アーク3はその凹溝11の側に集中して片寄
った状態で生じ、続いて電極2Aの先端が凹溝11に近
い側から他方の凹溝12に近い側へ向う間においては、
第3図(B)に示すようにアーク3は凹溝11.12の
間に平均的に印加され、ざらに第3図(C)に示すよう
に電極2Aの先端が凹溝12に近接すれば、アーク3は
凹溝12の側に集中して片寄った状態となり、その後電
極2Aの先端が凹溝12の側から凹溝11の側へ向う間
は第3図(D)に示すように凹溝11.12の間に平均
的にアーク13が印加される。このようにトーチ2をオ
ンレートさせて交互に凹溝11.12にアーク3を集中
させることによって、凹溝11の位置から凹溝12の位
置までほぼ均一な深さで基材1が溶融され、そのため第
4図に示すように再凝固層6の深さもほぼ均一となる。
なおこの発明で処理対象となる鋳物としては、アルミニ
ウム合金鋳物の場合が最も有効であるが、その他の金属
や合金の鋳物にも適用できることは勿論である。
ウム合金鋳物の場合が最も有効であるが、その他の金属
や合金の鋳物にも適用できることは勿論である。
実施例
JIS A02B合金を鋳造して50履X 100s
*X20m厚の板状試験片を作成し、その試験片の50
#X 100sの面の中央部に2条の凹溝を切削加工に
よって平行に形成した。これらの凹溝は、相互の内側間
隔!を6m、溝幅W2を1#1lll、深ざd2を0゜
2馴、全長30mとした。これらの凹溝の長さ方向の片
端部における両凹溝間の中央部にTIGアーク用のトー
チを配し、アーク長りを5mに設定して、トーチを凹溝
の長さ方向に直交する方向にオンレートさせつつ凹溝の
長さ方向に沿って送り移動させながらアークを印加して
、TIG再溶融処理をiテなった。平均アーク電流値は
150A、250A、35OAの3水準に設定し、各水
準の平均アーク電流値で同じ実験を行なった。その他の
条件は次の通りである。
*X20m厚の板状試験片を作成し、その試験片の50
#X 100sの面の中央部に2条の凹溝を切削加工に
よって平行に形成した。これらの凹溝は、相互の内側間
隔!を6m、溝幅W2を1#1lll、深ざd2を0゜
2馴、全長30mとした。これらの凹溝の長さ方向の片
端部における両凹溝間の中央部にTIGアーク用のトー
チを配し、アーク長りを5mに設定して、トーチを凹溝
の長さ方向に直交する方向にオンレートさせつつ凹溝の
長さ方向に沿って送り移動させながらアークを印加して
、TIG再溶融処理をiテなった。平均アーク電流値は
150A、250A、35OAの3水準に設定し、各水
準の平均アーク電流値で同じ実験を行なった。その他の
条件は次の通りである。
アルゴンガス流量:30Z/薗
パ ル ス :平均電流±15Aトーチのオンレ
ート幅: 1.5M トーチの送り速度: 1.Os/Secトーチのオンレ
ート周波数:10Hz また比較のため、凹溝を形成していない試験片について
も、同じ条件でTIG再溶融処理を行なった。
ート幅: 1.5M トーチの送り速度: 1.Os/Secトーチのオンレ
ート周波数:10Hz また比較のため、凹溝を形成していない試験片について
も、同じ条件でTIG再溶融処理を行なった。
この発明の方法にしたがって予め凹溝を形成してTIG
再溶融処理を行なった場合(実施例)の再凝固層6のパ
ターンは第4図に示した通りであり、また凹溝を形成せ
ずにTIG再溶融処理を行なった比較例の場合の再凝固
層6のパターンは第7図に示した通りとなった。そして
有効処理深さdlを3mmとし、その有効処理深ざ01
以上の深さの部分の幅(有効処理幅>Wlを、実施例お
よび比較例について各水準の平均アーク電流値ごとに調
べたところ、第5図に示す結果が得られた。
再溶融処理を行なった場合(実施例)の再凝固層6のパ
ターンは第4図に示した通りであり、また凹溝を形成せ
ずにTIG再溶融処理を行なった比較例の場合の再凝固
層6のパターンは第7図に示した通りとなった。そして
有効処理深さdlを3mmとし、その有効処理深ざ01
以上の深さの部分の幅(有効処理幅>Wlを、実施例お
よび比較例について各水準の平均アーク電流値ごとに調
べたところ、第5図に示す結果が得られた。
第5図から明らかなように、同じ平均アーク電流値では
実施例の場合の有効処理幅d1が比較例の場合よりも窄
段に大きくなっていることが確認された。このことから
、この発明の方法によれば、低出力で有効処理幅を大き
くし得ることが明らかである。
実施例の場合の有効処理幅d1が比較例の場合よりも窄
段に大きくなっていることが確認された。このことから
、この発明の方法によれば、低出力で有効処理幅を大き
くし得ることが明らかである。
また再凝固層の表面状態は、この発明の方法による実施
例の場合も特に凹凸が激しくなることがなく、比較例の
場合と同程度の良好な状態が得られた。
例の場合も特に凹凸が激しくなることがなく、比較例の
場合と同程度の良好な状態が得られた。
発明の効果
この発明の再溶融処理方法によれば、TIG再溶融処理
に先立って予め2条の凹溝を機械加工によって形成して
おき、しかも再溶融処理時にトーチをオシシートさせる
ことによって、幅方向に処理深さが均一な再凝固層(処
理ビード)を得ることができ、したがって有効処理幅の
広い処理ビードを低出力で得ることができ、しかも得ら
れる処理ビードの表面の凹凸も特に激しくなることがな
いから仕上加工に要する手間もさほど大きくならない等
の効果が得られる。さらにこの発明の方法では、従来の
オーバーラツプ法により幅広な処理ビードを形成する場
合のようなエネルギロス、作業時間のロスもなく、ざら
に特に幅広なバンド状の電極を必要とせず、通常の電極
を使用すれば良いから、アークが不安定となったりアー
クスタート性を悪化させるおそれもない。
に先立って予め2条の凹溝を機械加工によって形成して
おき、しかも再溶融処理時にトーチをオシシートさせる
ことによって、幅方向に処理深さが均一な再凝固層(処
理ビード)を得ることができ、したがって有効処理幅の
広い処理ビードを低出力で得ることができ、しかも得ら
れる処理ビードの表面の凹凸も特に激しくなることがな
いから仕上加工に要する手間もさほど大きくならない等
の効果が得られる。さらにこの発明の方法では、従来の
オーバーラツプ法により幅広な処理ビードを形成する場
合のようなエネルギロス、作業時間のロスもなく、ざら
に特に幅広なバンド状の電極を必要とせず、通常の電極
を使用すれば良いから、アークが不安定となったりアー
クスタート性を悪化させるおそれもない。
第1図はこの発明の方法において鋳物表面に凹溝を形成
した状態の一例を示す斜視断面図、第2図はこの発明の
方法によりTTG再溶融処理を施している状態の一例を
示す斜視図、第3図(A)〜(D)はこの発明の方法に
よりトーチをオンレートさせている間の1サイクルにお
けるTIGアークの状況の推移を模式的に示す略解図、
第4図はこの発明の方法により得られた再凝固層の一例
を示す断面図、第5図は実施例および比較例におけるア
ーク電流値と有効処理幅との関係を示すグラフ、第6図
は従来の一般的なTIG再溶融処理を行なっている状況
を示す模式的な断面図、第7図は第6図の方法により得
られた再凝固層を第6図のvm −vm線の断面位置で
示す断面図、第8図、第9図および第10図はそれぞれ
幅広な処理ビードを得るための従来のTIG再溶融処理
の一例を説明するための略解的な断面斜視図である。 1・・・基材、 2・・・トーチ、 3・・・アーク、
6・・・再凝固層(処理ビード)、 11.12・・
・凹溝。 出願人 トヨタ自動車株式会社
した状態の一例を示す斜視断面図、第2図はこの発明の
方法によりTTG再溶融処理を施している状態の一例を
示す斜視図、第3図(A)〜(D)はこの発明の方法に
よりトーチをオンレートさせている間の1サイクルにお
けるTIGアークの状況の推移を模式的に示す略解図、
第4図はこの発明の方法により得られた再凝固層の一例
を示す断面図、第5図は実施例および比較例におけるア
ーク電流値と有効処理幅との関係を示すグラフ、第6図
は従来の一般的なTIG再溶融処理を行なっている状況
を示す模式的な断面図、第7図は第6図の方法により得
られた再凝固層を第6図のvm −vm線の断面位置で
示す断面図、第8図、第9図および第10図はそれぞれ
幅広な処理ビードを得るための従来のTIG再溶融処理
の一例を説明するための略解的な断面斜視図である。 1・・・基材、 2・・・トーチ、 3・・・アーク、
6・・・再凝固層(処理ビード)、 11.12・・
・凹溝。 出願人 トヨタ自動車株式会社
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 金属鋳物からなる基材表面のある長さを有する領域に対
してTIGアークの印加により再溶融処理を行なうにあ
たり、 予め機械加工により前記領域内の基材表面にその領域の
長さ方向に沿う2条の凹溝を所定間隔を置いて平行に形
成しておき、TIGアークを印加する際に、前記2条の
凹溝の間の中央部においてTIGアーク発生用のトーチ
を前記領域の幅方向にオンレートさせながらその領域の
長さ方向に移動させることを特徴とする再溶融処理方法
。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28236887A JPH01127654A (ja) | 1987-11-09 | 1987-11-09 | 鋳物表面の再溶融処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28236887A JPH01127654A (ja) | 1987-11-09 | 1987-11-09 | 鋳物表面の再溶融処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01127654A true JPH01127654A (ja) | 1989-05-19 |
Family
ID=17651495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28236887A Pending JPH01127654A (ja) | 1987-11-09 | 1987-11-09 | 鋳物表面の再溶融処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01127654A (ja) |
-
1987
- 1987-11-09 JP JP28236887A patent/JPH01127654A/ja active Pending
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