JPH01127633A - 炭素繊維の表面処理法 - Google Patents

炭素繊維の表面処理法

Info

Publication number
JPH01127633A
JPH01127633A JP62284776A JP28477687A JPH01127633A JP H01127633 A JPH01127633 A JP H01127633A JP 62284776 A JP62284776 A JP 62284776A JP 28477687 A JP28477687 A JP 28477687A JP H01127633 A JPH01127633 A JP H01127633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
carbon fiber
oxide
strength
coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP62284776A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kitahara
北原 晃
Shigeru Akiyama
茂 秋山
Hidetoshi Ueno
英俊 上野
Koji Imagawa
今川 耕治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP62284776A priority Critical patent/JPH01127633A/ja
Publication of JPH01127633A publication Critical patent/JPH01127633A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 繊維強化金属は、高強度、高弾性率、高耐熱性を有する
構造用新素材として広範な産業分野からその開発が熱望
されている。その中でも、炭素繊維強化アルミニウムは
最も軽量で、高圧強度、高比弾性率という特長を有して
おり、宇宙、航空機船舶、自動車などの軽量化構造材料
としての利用が期待される。
この発明は、上記の炭素繊維強化アルミニウムの製造に
おいて基地金属となるアルミニウムに対してぬれや接着
性が悪く、しかも、673に以上の高温では反応により
強度が著しく劣化するなど適合性が悪い炭素¥&維の表
面を、反応を防止するセラミックス層およびぬれや接着
性を向上させる金属石で被覆することにより、炭素繊維
のアルミニウムに対する適合性を改善する方法に関する
ものである。
〈従来技術及びその問題点〉 従来、炭素繊維のアルミニウムに対するぬれや接着性の
悪さおよび反応による強度劣化など適合性の悪さの改善
方法としては、基地金属のアルミニウム中に合金元素を
添加する方法あるいは炭素繊維の表面に金属やセラミッ
クスを被覆する方法がとられている。
萌者の合金元素を添加する方法では、例えば、ぬれの改
善にはカルシウムやリチウムが、接着力の向上にはニッ
ケル、クロム、鉄、コバルト力、反応による強度劣化の
抑制にはけい素、マグネシウム、銅、鉄などが効果があ
るといわれている。
しかしながら、ぬれや接着性の改善に有効な元素は炭素
繊維との反応性が強いものであるから、炭素繊維の反応
による強度劣化を助長する。一方、反応を抑制する元素
は反応を阻止するのではなく反応速度を遅くするだけで
あるから反応による強度劣化の抜本的な解決ではない。
すなわち、元来が結晶化度が高く反応性が低いピッチ系
炭素繊維やPAN系高体高弾性型炭素繊維ある程度有効
であるが、しかし、繊維の結晶化度が低く反応性が高い
PAN系高強度炭素繊維ではほとんど効果がない。
後者の炭素繊維を被覆する方法では、例えば、ぬれ性の
改善にはニッケル、銅、コバルト、炭化けい素、炭化チ
タン、はう化チタンなどが、接着力の向上にはニッケル
、チタン、銅、鉄などが、反応による強度劣化の抑制に
は銅、炭化けい素、炭化チタン、はう化チタンなどが有
効であるといわれている。しかしながら、金属の被覆で
はぬれや接着性の向上は著しいが、銅やマグネシウムを
除くほとんどの金属はそれ自体が炭素繊維と反応や拡散
を生じて炭素繊維の強度劣化を生じ、更に基地金属のア
ルミニウムとの間で非常に脆い金属間化合物を生成する
場合には複合材の強度を著しく低下させる。一方、炭化
チタン、炭化けい素などのセラミックスの被覆は反応防
止には最も有効な方法であると考えられるが、これまで
有効性の認められているセラミックス被覆のほとんどが
、毒性が強い塩化物のガスを用いた化学的蒸着法(CV
D法)によるもので、その操作は難しくかつ危険をとも
なうのが問題である。更に、蒸着法による被覆はその組
成が化学量論的組成から偏ることがほとんどで、炭化物
形成元素のチタンやけい素などを構成元素とするセラミ
ックスではそれらの過剰元素が炭素繊維と反応し強度劣
化を引き起こすことが多い。また、一般にセラミックス
はアルミニウムとのぬれ性が悪いのも問題である。これ
らの炭素繊維の表面被覆法もほとんどが反応性の低いピ
ッチ系炭素繊維やPAN系高体高弾性型炭素繊維して有
効性が認められている方法で、反応性の高いPAN系高
強度型炭素繊維ではあまり有効ではない。
即ち、炭素繊維の中では最も強度が強くしかも安価であ
ることから、構造用アルミニウムの強化繊維として最も
適用の要望が強いにもかかわらず、アルミニウムとの反
応性が高いために用いられていないPAN系高強度炭素
繊維を実用化するためには、炭素繊維のアルミニウムに
対する適合性の抜本的な改善方法、即ち、それ自体は炭
素繊維と反応せず炭素繊維とアルミニウムとの反応障壁
になり、かつ、アルミニウムとのぬれや接着性に優れた
炭素繊維の表面被覆法の開発が必要とされている。
〈発明の目的〉 この発明は、上記のような従来の課題を解決するために
なされたもので、炭素繊維の強度を劣化−させることな
しに炭素繊維強化アルミニウム複合材を製造すること、
およびその複合材を高温で強度劣化なしで使用すること
、特に、反応性が強く、従来殆ど用いられていないPA
N系高強度型の炭素繊維をアルミニウムの強化繊維とし
て用いることを可能とするため、炭素繊維のアルミニウ
ムに対する適合性を改善する効果が従来法よりも著しく
向上した、しかも、簡便で危険や公害のおそれがない炭
素繊維の表面被覆法を堤供するものである。
く問題を解決するための手段〉 この発明は、炭素繊維をアルミニウムと複合化すること
により炭素繊維強化アルミニウムを製造する方法におい
て、第1に炭素繊維がアルミニウムとの反応により強度
劣化することを防ぐために、複合材の製造および使用温
度範囲において炭素繊維および基地金属アルミニウムの
両方に対して安定で反応を生じない酸化物系セラミック
スを反応障壁として炭素繊維表面に被覆する方法と、第
2にこれらの酸化物系セラミックス被膜とアルミニウム
とのぬれや接着性を改善するために、酸化物系セラミッ
クス被膜の上に更に金属を被覆する方法である。
第1の方法において反応障壁として被覆する酸化物系セ
ラミックスとしては、複合材の製造温度および使用温度
範囲、即ち約1073に以下の温度範囲で炭素およびア
ルミニウムの酸化物生成の標準生成エネルギーよりもそ
の酸化物生成の標準生成エネルギーが大きくない金属の
酸化物、具体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化セリウム
、酸化バリウム、およびそれら′の複合酸化物が炭素お
よびアルミニウムの両者に対して安定であることから効
果が大きく、しかも、その効果が長く持続するが、なか
でも炭化物を生成しない元素であるマグネシウムの酸化
物、即ち酸化マグネシウムはその組成が化学量論的組成
からずれても炭素繊維と反応して劣化させることがない
ので最も有用である。
酸化物系セラミックスを炭素繊維の表面に被覆する方法
には、真空蒸着法、イオンブレーティング法、スパッタ
リング法などの物理的蒸着法、あるいはプラズマCVD
法、熱CVD法などの化学的蒸着法のいずれも用いるこ
とが可能であるが、酸化物は炭化物や窒化物に較べて融
点が低く比較的加熱蒸発が容゛易であることから、成膜
速度が速い加熱蒸発源を用いる真空蒸着法やイオンブレ
ーティング法などの被覆法が容易に採用できるので工業
化においては生産性を著しく向上させる利点が期待され
る。なかでも、イオンブレーティング法は、蒸着粒子の
つきまわり性が良いので繊維の被覆法としては真空蒸着
よりも優れている。また、酸化物を真空槽内で直接蒸発
させて被覆を行わせる物理的蒸着法では、炭素繊維の表
面処理を非常にクリーンな環境で行うため、化学的蒸着
法で問題となる有毒な廃ガスによる人体への影響や公害
を引き起こすおそれが全くないことも大きな改善点であ
る。炭素繊維の表面に被覆する酸化物系セラミックスの
厚みは、セラミックスの被膜がぜい弱でほとんど繊維強
度の上昇には寄与しないので、過剰な膜厚はいたずらに
繊維の断面積を増加させ繊維の実質的な強度を低下させ
るだけであるから、反応障壁として機能できれば可能な
限り薄い方がよいが、その限界は被膜の種類やその被覆
方法により異なり、おおむね0.01〜1μ舅の範囲で
選ばれる。
本発明による酸化物系セラミックス被覆法は、炭素繊維
とアルミニウムとの反応に対する障壁効果が従来法より
著しく優れ、反応性が高いPAN系高強度型炭素繊維に
対しても有効である。したがって、従来のPAN系高弾
性型炭素繊維あるいはピッチ系炭素繊維を用いた繊維強
化アルミニウムの安定使用限界温度をより高温に引き上
げるとともに、強度が最も強く、安価であるにもかかわ
らず従来用いられなかったPAN系高強度型炭素繊維を
、アルミニウムの強化繊維として実用化する道を拡くこ
とができる。
第2の方法においては、第1の方法において基地金属の
アルミニウムとの反応障壁として炭素繊維の表面に被覆
される酸化物系セラミックスが基地金属のアルミニウム
とのぬれや接着性が悪いため、その改善方法として金属
を被覆するものであり、本来、金属と金属とはぬれやす
く接着しゃすいものであるから、はとんどの金属の被覆
により酸化物系セラミックス被覆炭素繊維のアルミニウ
ムとのぬれや接着性が改善されると予測されるが、これ
までに銅、はう素、チタン、ジルコニウムけい素、クロ
ム、モリブデン、鉄、ニッケル、マグネシウム、カルシ
ウムおよびアルミニウムなどが有効でタンタルは効果が
ないことが確認されている。上記の金属の中でぬれ性の
改善に対して特に有効なのは、鉄、クロム、ニッケル、
銅、アルミニウムであり、接着性の改善に対してはいず
れの金属も著しい効果がある。
金属を酸化物系セラミックス被覆炭素繊維の表面に被覆
する方法としては、酸化物系セラミックスの被覆の場合
と同様な物理的蒸着法や化学的蒸着法に加えて無電解メ
ツキ法も用いることが可能であるが、クリーンな作業環
境という利点と酸化物系セラミックスの被覆に引き続き
金属を被覆するという作業の連続性などの点から、イオ
ンブレーティングやスパッタリングなどのPVD法が実
用性に優れていると考えられる。
酸化物系セラミックス被覆炭素繊維の表面に被覆する金
属の厚みは、基地金属のアルミニウムと反応してぜい弱
な金属間化合物をつくる金属、例えば、上記のぬれ性を
向上させることが確認されているものではけい素とマグ
ネシウムを除く全ての金属は、繊維強化金属の製造時お
よび高温での使用時に生成される金属間化合物が繊維の
見掛けの強度を著しく低下させるので、ぬれや接着性を
改善する範囲内で可能な限り薄い方が良く、おおむね0
.01−0.1μlの範囲内の膜厚が選ばれる。−方、
金属間化合物をつくらないアルミニウム、けい素、マグ
ネシウムなどの金属の被覆においてはぬれや接着性を充
分に改善するに必要な膜厚を選ぶことが可能でおおむね
0.1〜1μ履の範囲で選ばれる。
〈実施例及び作用〉 実施例! 繊維径的7μ!、引っ張り強さ3.110PaのPAN
系高強度型の炭素繊維の12.000本の束を幅3cm
に拡げて20cm角のステンレス枠に4列に並べて張り
、蒸発源からI SCIの距離にある基板ホルダーに設
置する。イオンブレーティング装置の真空槽内をアルゴ
ンガス圧5.3Paに保ち、基板に一1kVのバイアス
電圧を印加して発生させたグロー放電により10分間炭
素繊維表面をスパッタクリーニングしたのち、真空槽内
のアルゴンガス圧を0.33 Pλに下げ、基板のバイ
アス電圧は同じ<−1kYの状態で、蒸発源の容W12
.6cm”の水冷銅ルツボ内の酸化アルミニウムを75
0W (10kYx 75mA) (D電子ビームニヨ
り加熱蒸発させることにより炭素繊維の表面に酸化アル
ミニウムが蒸発源前面で毎分的0.2μlの速度で被覆
されるので、その膜厚をモーターで監視しながら、約2
分間膜厚が0.4μlになるまでイオンブレーティング
を行う。上記の条件では、被膜が炭素繊維の蒸発源前面
と後面では膜厚比が約5:lと不均一であるが、繊維取
付枠を裏返して再度全(同じ条件で被覆を行うことによ
り、繊維全面でほぼ均一な膜厚0.5μ!の酸化アルミ
ニウムの被膜を得ることができる。
上記の方法で被覆した酸化アルミニウムの炭素繊維とア
ルミニウムとの反応の障壁としての効果を調べるために
、酸化アルミニウムの上に更にアルミニウムを1μ度イ
オンブレーティングにより被覆して単繊維状の炭素繊維
強化アルミニウムを作り、これをアルゴンガス雰囲気中
で5時間熱処理した後、室温で引っ張り試験を行い界面
反応による強度劣化を調べた結果、酸化アルミニウムと
アルミニウムを被覆した状態での炭素繊維の引っ張り強
さ(2,470Pa)に対する熱処理後の引っ張り強さ
の相対強度は、823Kまでは0.947以上でほとん
ど低下せず、酸化アルミニウムの被膜が炭素繊維とアル
ミニウムとの反応障壁として有効に働いていることが確
認された。しかし、813にでは相対強度が0.522
と急激に低下して、酸化アルミニウムの反応障壁効果が
低下することが判った。
実施例2 実施例1と同じ方法で酸化マグネシウムをPAN系高強
度型の炭素繊維の表面に0.5μl被覆した。
この酸化マグネシウム被膜の炭素繊維とアルミニウムと
の反応障壁効果を実11と同じ方法で調べた。その結果
、酸化マグネシウムの上に更にアルミニウムを1μ鳳被
覆して作った単繊維状の炭素繊維強化アルミニウムの引
っ張り強さ(2,690Pa)に対する熱処理後の相対
強度は、823にで1.04.873にでも0.99と
ほとんど低下せず、酸化マグネシウムの被膜が炭素繊維
とアルミニウムとの反応障壁として優れた効果を有する
ことが確認された。
比較例1 PAN系高強度型の炭素繊維の表面に直接あるいは実施
例1と同じ方法で二酸化チタンを0.51m被覆した上
にアルミニウムをlμl被覆して作った単繊維状の炭素
繊維強化アルミニウムの引っ張り強さはそれぞれ3.0
5GPaと3.110Paであった。これらの単繊維状
の炭素繊維強化アルミニウムを実施例1と同じ方法で熱
処理し、熱処理後の相対強度を調べた結果、前者の炭素
繊維にアルミニウムを直接被覆したものでは、673K
までは相対強度が低下しないが、723.773.82
3.873にではそれぞれ0.920.6?、0.59
.0.44としだいに相対強度が低下してゆき、PAN
系高強度型の炭素繊維は723Xを越える温度域ではア
ルミニウムとの反応による強度劣化が顕著であることが
確認された。一方、後者の二酸化チタンを被覆して作っ
た単繊維状の炭素繊維強化アルミニウムでも、823.
873にでそれぞれ相対強度が0.75.0.67と低
下しており、炭素あるいはアルミニウムに対して化学的
に安定でない酸化物の被膜は、それ自体が反応するので
反応障壁としては有効ではないという予測が確認された
実施例3 実施例1と同じ方法で、PAN系高強度型炭素繊維に酸
化アルミニウムを膜厚0.025〜1μmの範囲で変え
て被覆し、その上に更にアルミニウムを1μ翼被覆して
単繊維状の炭素繊維強化アルミニウムを作った。これら
の炭素繊維強化アルミニウムの熱処理による相対強度変
化を調べた結果、図1に示す如く、0.025μlの膜
厚においてもすでに反応による強度劣化開始温度が約7
601[にまで上昇し、炭素繊維とアルミニウムとの間
の反応に対する障壁効果が表れている。膜厚が増えるに
従って強度劣化開始温度が高温側に移行し反応の障壁効
果は高まり、膜厚0.25μlでは強度劣化開始温度が
823に以上までに達するが、それ以上の膜厚増加では
顕著な強度劣化開始温度の上昇は認められない。
実施例4 実施例1と同じ方法で、PAN系高強度型炭素繊維に酸
化マグネシウムを0.01μl被覆し、更にその上にア
ルミニウムを1μ!被覆して作った単繊維状の炭素繊維
強化アルミニウムの熱処理による相対強度の変化を調べ
た。その結果、強度劣化開始の温度が823に以上にま
で上昇し、上記の厚さの酸化マグネシウム被膜が反応の
障壁効果を充分有していることが確認された。
実施例5 実施例1と同じ方法で、PAN系高弾性型の炭素繊維に
酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムをそれぞれ0
.5μl被覆し、更にその上にアルミニウムを1μm被
覆して作った単繊維状の炭素繊維強化アルミニウムの熱
処理による相対強度を調べた結果、酸化アルミニウム被
覆のものでは強度劣化開始温度が823藍にまで上昇し
、酸化マグネシウムを被覆したものでは873Xでも全
く強度劣化を生じなかった。
このように酸化物系セラミックスによる炭素繊維とアル
ミニウムとの反応の障壁効果は、PAN系高弾性型の炭
素繊維においても有効であることが確認された。
実施例6 実施例1と同じ方法でPAN系高強度型の炭素繊維の表
面に酸化アルミニウムあるいは酸化マグネシウムをそれ
ぞれ0.25μl被覆し、更にその上に直接あるいはニ
ッケルを0.1μ度被覆した後でアルミニウムをlμl
被覆した単繊維状の炭素繊維強化アルミニウムを、0.
67sPa以下の高真空中で1073Kに加熱して表面
に被覆したアルミニウムを溶解した結果アルミニウムは
はじかれて球形になることなしに繊維表面をぬらしてい
ることが確認され、アルミニウムおよびニッケルのイオ
ンブレーティングによる被覆が酸化アルミニウムあるい
は酸化マグネシウム被覆炭素繊維とアルミニウムとのぬ
れ性を改善することが判明した。実施例7実鳩例6の効
果を確認するため次の様なぬれ性(接触角)のシミュレ
ーション実験を行った。
実施例1と同じ方法で20x 20X 3xxの黒鉛基
板の表面に酸化アルミニウムあるいは酸化マグネシウム
をそれぞれ0625μ!被覆し、更にその上にアルミニ
ウムあるいはニッケルをそれぞれlおよび0゜1μl被
覆したる後に、0.67+sPa以下の高真空中で上記
黒鉛基板と0.159のアルミニウム液滴との1073
Kにおける接触角を測定した結果、酸化アルミニラムの
上にアルミニウムを被覆したものでは接触角が13°、
ニッケルを被覆したものでは19°、そして酸化マグネ
シウムの上にアルミニウムを被覆したものでは58°、
ニッケルを被覆したものでは9°となり、酸化物系セラ
ミックス被覆黒鉛基板とアルミニウムとのぬれ性がアル
ミニウムおよびニッケル被覆により著しく改善されるこ
とが確認された。
比較例2 実施例7と同じ方法で非被覆黒鉛基板および酸化アルミ
ニウムあるいは酸化マグネシウムをそれぞれ0.25μ
m被覆した黒鉛基板とアルミニウム液滴との1073に
での接触角を測定した結果は、それぞれ147°、14
4°、156° となり、非被覆および酸化アルミニウ
ムあるいは酸化マグネシウム被覆状態の黒鉛基板はアル
ミニウムとは非常にぬれ性が悪いことが判った。
実施例8 実施例1と同じ方法で直径11mmの黒鉛棒の端面に酸
化アルミニウムあるいは酸化マグネシウムを0.25μ
R被覆し、更にその上にアルミニウムを1μlあるいは
ニッケルまたはチタンをそれぞれ0.1μl被覆したる
後、これらの被覆端面の間に厚み0.511で純度99
.5gのアルミニウム箔を挟み、67mPa以下の真空
中で973にで30分間加熱保持してろう付けした接合
界面の接着力を常温において測定した結果、それぞれ1
462.18.3.19.5MPaと強い接着力が得ら
れ、アルミニウム、ニッケルおよびチタン被覆が酸化ア
ルミニウムあるいは酸化マグネシウム被膜、とアルミニ
ウムとの接着性を改善することが判明した。
比較例3 実施例8と同じ方法で、非被覆黒鉛、酸化アルミニウム
あるいは酸化マグネシウム被覆黒鉛をアルミニウム箔を
用いてろう付けした接合界面の接着力は、それぞれ3.
1B、14.2および0MPaであった。
〈発明の効果〉 以上説明したように、この発明は、炭素繊維強化アルミ
ニウムを製造する際に、炭素繊維の表面に酸化物系セラ
ミックスを被覆することにより炭素繊維のアルミニウム
との反応による強度劣化を防止し、更にこの酸化物系セ
ラミックス被膜の上にアルミニウムやニッケルなどの金
属を被覆することにより繊維のアルミニウムとのぬれや
接着性を向上させることにより、従来よりも高強度の炭
素繊維強化アルミニウムの製造を可能にするとともに、
この炭素繊維強化アルミニウムを強度劣化なしに従来よ
り高温で使用することを可能とする更に、本発明により
、炭素繊維の中で最も強度が強く、しかも安価であるに
もかかわらずアルミニウムとの反応性が強く、反応によ
る強度劣化が著しいためにアルミニウムの強化繊維とし
ては使用されなかったPAN系高強度型の炭素繊維をア
ルミニウムの強化繊維として用いることが可能となり、
高性能の炭素繊維強化アルミニウムを安価に製造できる
ようになる。
上記の本発明の効果により、高比強度、高弾性率、高耐
熱性などの特徴を有する炭素繊維強化アルミニウムが安
価に提供され、軽量化構造材料として広範な産業分野で
の利用の拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例3のPAN系高強度型炭素繊維に酸化
アルミニウムを0.025〜1μl(記号の説明のAl
tosの萌に記された数値は酸化アルミニウムのμm単
位での厚み)とアルミニウムを1g度被覆して作った単
繊維状の炭素繊維強化アルミニウムのアルゴン中で5時
間熱処理後の引っ張り強さ(σ)の熱処理萌の引っ張り
強さ(σ。)に対する相対強度(σ/σ。)を熱処理温
度に対してプロットしたもので、酸化アルミニウムの厚
みが増すに従って相対強度の低下開始の温度が高温に上
昇しており、酸化アルミニウムの被覆が炭素繊維のアル
ミニウムとの反応による強度劣化の防止に有効であり、
その効果はほぼ0.25μlの膜厚で飽和していること
が観察される。 第2図は、本発明により製造された実施例1の酸化アル
ミニウムを被覆したPAN系高強度型の炭素繊維の電子
顕微鏡写真であり、酸化アルミニウムが炭素繊維の表面
に均一に被覆されているのが観察される。 第3図は、実施例1のPAN系高強度型の炭素繊維に酸
化アルミニウムとアルミニウムとを被覆して作った単繊
維状の炭素繊維強化アルミニウムの電子顕微鏡写真であ
る。 第4図は、実施例7の酸化アルミニウムとニッケルとを
被覆したPAN系高強度型の炭素繊維の電顕写真である

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素繊維をアルミニウムおよびその合金と複合化し
    て炭素繊維強化アルミニウムを製造する方法において、
    炭素繊維が製造工程中あるいは高温での使用中に基地金
    属のアルミニウムまたはその合金元素との反応によって
    強度劣化するのを防止するために、炭素繊維の表面に反
    応障壁として酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
    化カルシウム、酸化ベリリウム、酸化バリウム、酸化セ
    リウムおよびこれらの複合酸化物などの酸化物系セラミ
    ックスを0.01〜1μmの厚さに被覆する方法。 2 酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの酸化物
    系セラミックスを被覆した炭素繊維を用いて炭素繊維強
    化アルミニウムを製造する方法において、セラミックス
    被覆炭素繊維と基地金属のアルミニウムおよびその合金
    とのぬれや接着性を改善するために、炭素繊維に被覆し
    たセラミックス被膜の上に更にニッケル、銅、マグネシ
    ウム、アルミニウム、鉄、チタン、クロムなどの金属を
    0.01〜1μmの厚さに被覆する方法。
JP62284776A 1987-11-10 1987-11-10 炭素繊維の表面処理法 Pending JPH01127633A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62284776A JPH01127633A (ja) 1987-11-10 1987-11-10 炭素繊維の表面処理法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62284776A JPH01127633A (ja) 1987-11-10 1987-11-10 炭素繊維の表面処理法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH01127633A true JPH01127633A (ja) 1989-05-19

Family

ID=17682865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62284776A Pending JPH01127633A (ja) 1987-11-10 1987-11-10 炭素繊維の表面処理法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH01127633A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1055433C (zh) * 1995-08-10 2000-08-16 山东工业大学 焊接陶瓷复合导卫板
JP2008274351A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Nissei Plastics Ind Co カーボンナノ複合金属材料の製造方法
CN104631101A (zh) * 2015-01-15 2015-05-20 湘潭大学 一种超柔性高导电纳米碳纤维和镍/碳复合纤维膜的制备方法
JP2015203155A (ja) * 2014-04-14 2015-11-16 現代自動車株式会社Hyundaimotor Company ナノカーボン強化アルミニウム複合材およびその製造方法
CN106702732A (zh) * 2016-12-26 2017-05-24 浙江大学 一种石墨烯‑铜复合纤维及其制备方法
CN109136791A (zh) * 2018-08-01 2019-01-04 玉环双翔机械有限公司 一种高耐久度的用于标动高铁刹车片的复合材料制备方法
WO2020203484A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 東ソー株式会社 被覆層付セラミックス連続繊維及びその製造方法、並びにセラミックマトリックス複合材料及びその製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62107038A (ja) * 1985-10-31 1987-05-18 サリバン・マイニング・コ−ポレ−シヨン 炭素質繊維の金属酸化物被膜

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62107038A (ja) * 1985-10-31 1987-05-18 サリバン・マイニング・コ−ポレ−シヨン 炭素質繊維の金属酸化物被膜

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1055433C (zh) * 1995-08-10 2000-08-16 山东工业大学 焊接陶瓷复合导卫板
JP2008274351A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Nissei Plastics Ind Co カーボンナノ複合金属材料の製造方法
JP2015203155A (ja) * 2014-04-14 2015-11-16 現代自動車株式会社Hyundaimotor Company ナノカーボン強化アルミニウム複合材およびその製造方法
CN104631101A (zh) * 2015-01-15 2015-05-20 湘潭大学 一种超柔性高导电纳米碳纤维和镍/碳复合纤维膜的制备方法
CN106702732A (zh) * 2016-12-26 2017-05-24 浙江大学 一种石墨烯‑铜复合纤维及其制备方法
CN109136791A (zh) * 2018-08-01 2019-01-04 玉环双翔机械有限公司 一种高耐久度的用于标动高铁刹车片的复合材料制备方法
WO2020203484A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 東ソー株式会社 被覆層付セラミックス連続繊維及びその製造方法、並びにセラミックマトリックス複合材料及びその製造方法
US20220185742A1 (en) * 2019-03-29 2022-06-16 Tosoh Corporation Coating layer-attached continuous ceramic fiber and method for producing same, and ceramic matrix composite material and method for producing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3860443A (en) Graphite composite
US4072516A (en) Graphite fiber/metal composites
US5162159A (en) Metal alloy coated reinforcements for use in metal matrix composites
US5244748A (en) Metal matrix coated fiber composites and the methods of manufacturing such composites
US6458218B1 (en) Deposition and thermal diffusion of borides and carbides of refractory metals
JPH0470376B2 (ja)
Feldhoff et al. Interface Engineering of Carbon‐Fiber Reinforced Mg–Al Alloys
CA1177284A (en) Fiber-reinforced metal composite material
Aggour et al. Thin coatings on carbon fibers as diffusion barriers and wetting agents in Al composites
US3894863A (en) Graphite composite
CN109913796A (zh) 一种钛合金表面的TiAlN复合涂层及其制备方法
JP3774472B2 (ja) チタン合金のための耐酸化性コーティング
US4839238A (en) Fiber-reinforced metallic composite material
US5156912A (en) Multi-layer coatings for reinforcements in high temperature composites
JPH01127633A (ja) 炭素繊維の表面処理法
US4737382A (en) Carbide coatings for fabrication of carbon-fiber-reinforced metal matrix composites
Warrier et al. Control of interfaces in Al-C fibre composites
CN105862003A (zh) 一种钼合金基体上FeCrAl镀层的制备方法
US5227249A (en) Boride coatings for SiC reinforced Ti composites
CN108267812A (zh) 具有梯度结构涂覆层的耐高温光纤
Himbeault et al. Carbon fibers coated with chromium carbide using the liquid metal transfer agent technique
US5270112A (en) Hybrid reinforcements for high temperature composites and composites made therefrom
JPH03103334A (ja) 繊維強化金属
JPH08143384A (ja) 炭素部材およびその製造方法
US20080034669A1 (en) Coated Abrasives