JPH0112626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は水田の土壌中に農薬、肥料等の液体
を注入する液体注入装置を備えた手押深追機に関
する。

（従来の技術） 従来、農薬、肥料等の液体を注入する多連式液
注入装置は複数の液体注入管を備えたもので、作
業者が手に持ち注入管を水田の土壌中に差し込
み、ポンプにより注入管を通じて土壌中に液体を
噴出し、しかる後その注入管を引抜いて移動して
使用する。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の液注入装置では注入管が多連になる程重
量が増加して作業者の負担が重くなり、この重い
装置では広い水田を移動して農薬、肥料等液体の
注入作業をするのは容易でなく、また注入管の土
壌への差込みと液体の噴出を一度に行うことはで
ず、作業時間が甚だ長くかかる等多くの欠点があ
つた。

この考案は走行そり上に液注入管、液注入ポン
プ等からなる液注入装置を備えて移動を楽にでき
るようにするとともに任意の場所で注入管の差込
み動作と農薬等の液体の噴出をほぼ同時に行いう
るようにして作業者の負担を軽るくしかつ作業時
間を短縮できるようにした液注入装置を備えた手
押深追機を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） この考案は従来の問題点を解決するため、任意
の間隔を存した複数の走行そり上にフレームを架
設して手押ハンドルをそのフレーム前部に揺動可
能に枢支し、該フレーム後部に昇降杆を上下摺動
自由に備えて前記ハンドルを関連させるとともに
該昇降杆に固設した保持杆を走行そり上に発条で
上方へ附勢して備え、該保持杆に噴出ノズルを有
する液注入管を前記走行そりに設けた挿通孔を通
じて土壌中に進退可能に備え、前記フレームに前
記昇降杆の動作と関連して一定量の液体を吸排し
うる液注入ポンプを設け、該液注入ポンプを農薬
等の液体タンク及び前記液注入管に連結し、手押
ハンドルの押し下げ操作により注入管の進出動作
と液体の噴出を同時に行いうるようにした技術手
段を提供するにある。

（作用） この考案は前記構成としたので、水田で手押ハ
ンドルを押して走行そりで所望位置へ移動し、そ
の位置でハンドルを押し下げることにより昇降杆
を降下して昇降杆の保持杆に備えた注入管を走行
そりの挿通孔を通じて土壌中へ進出させ、同時に
その昇降杆で液注入ポンプを作動して一定量の農
薬、肥料等の液体を排出し注入管を介して先端の
噴出ノズルより土壌中へ噴出させ、しかる後ハン
ドルを引上げることにより注入管を発条の弾発力
で自動的に土壌中より引抜き、かつ液体タンクよ
り液注入ポンプに液体を吸入し、手押深追機を次
の場所へ移動させ土壌へ液体の噴出作業を行うも
のである。

（実施例） 以下にこの考案を図面に示す実施例に基づいて
説明する。

第１図乃至第４図において、１は幅広の走行そ
りで、２枚のそりを任意の間隔例えば600mmの間
隔をおいて平行に置き、その走行そり上にフレー
ム２を架設する。フレーム２は走行そり１の前後
部にフレームパイプ２ａ，２ｂを立設し、上部を
連杆２ｃ，２ｄで連結して構成し、その前部フレ
ームパイプ２ａの上端に型手押ハンドル３の両
端を軸１２で回動自由に軸承して該ハンドルを上
下に揺動できるようになし、その後部フレームパ
イプ２ｂにはそれぞれ案内筒１３を固設し、フレ
ームパイプ２ｂの連杆２ｃに挿通孔１４を設け、
型昇降杆４の両軸部を挿通孔１４と案内筒１３
に上下摺動自由に挿通し、該昇降杆４の下端に走
行そり１と平行に保持杆５を固定し、この保持杆
５を走行そり１上に発条６で上方に付勢して保持
する。この保持杆５の前後端に適宜の間隔、例え
ば300mmの間隔をおいて下端に液噴出ノズル８を
有する液注入管７を連通路１５ａを有する連結部
材１５で取付け、液注入管７の下端を走行そり１
に設けた挿通孔９を通じて土壌中へ進出可能とな
しかつ前記連結部材１５に後述の液注入ポンプ１
０を連結パイプ１６で連結し、液注入ポンプ１０
で各液注入管７へ液体を供給できるようになす。
実施例では走行そり１を一対としてそれに液注入
管７を備えてあるが、これに限られるものではな
く走行そりの数を増やしそれぞれに液注入管を配
設することもでき、また保持杆５に備える液注入
管７も前後だけに限られるものではない。さらに
液注入管７を走行そり１を挿通する構造として、
走行そり１に短筒１７を挿設してねじ止めし、短
筒１７に液注入管７を挿入し、かつ保持杆５を上
方へ附勢する発条６を液注入管７の廻りの短管１
７と連結部材１５間に装着し、常時は液注入管７
の下端を短管１７内に収納させ、昇降杆４の一定
ストローク降下時に保持杆５を降下して液注入管
７の下端を短管１７より下方へ一定ストロークだ
け突出するようになす。液注入管７の進退ストロ
ークは農薬、肥料等の液体を土壌の所望の深さで
噴出できるストロークとなす。また注入管７の下
端に取付ける噴出ノズル８はノズル体の周面に複
数個のノズル孔１８を穿設してあるが、これに限
られるものではない。

液注入ポンプ１０はシリンダ１９にピストン２
０を備え、シリンダの下部に逆止弁２１を備えた
吸入口２２を設けかつ逆止弁２３を備えた排出口
２４を設け、ピストンの上下摺動により一定量づ
つ液体を吸入排出する構成とし、このシリンダ１
９の上部に設けた管部２５をフレーム２の連杆２
ｃに挿通固定し、シリンダ１９のピストンロツド
２６を管部２５を通じて上方へ突出せしめ、該ピ
ストンロツド２６の上端受部２６ａとポンプ器体
間に発条２７を装着し、このピストンロツド２６
の上端受部２６ａを昇降杆４の押圧部４ａの直下
に臨ませ、昇降杆４の降下でピストンロツドを下
降させるようになし、発条２７の復帰によるピス
トンの上昇で吸入口２２の逆止弁２１を開くとと
もに排出口２４の逆止弁２３を閉じてシリンダに
液体を吸入し、昇降杆によるピストンの下降で逆
止弁２３を開くとともに、逆止弁２１を閉じてシ
リンダより液体を排出する。

前記液注入ポンプ１０の吸入口２２はフレーム
２の適所に備えた農薬、肥料等の液体を入れる液
体タンク１１を連結パイプ２７で連結し、また排
出口２４には二又連結具２８を設けて前後の注入
管７からの連結パイプ１６と連結する。

実施例ではこの液注入ポンプ１０をフレームの
両側に備えて両側の液注入管に別々に液体に注入
するようにしてあるが、これに限られるものでは
ない。

この考案は前記した構成なので、手押ハンドル
３を押し下げることにより昇降杆４を案内筒１３
に沿つて降下させ、保持杆５を介して液注入管７
を降下してその下端を走行そり１より土壌中へ進
出させると同時に昇降杆４の降下で液注入ポンプ
１０のピストンロツド２６の上端受部２６ａを押
圧してシリンダ１９内に予め吸入した一定量の液
体をピストン２０で排出口２４より注入管７へ供
給し、その先端の噴出ノズル８より土壌中へ噴出
し、しかる後手押ハンドル３を引上げることによ
り液注入管７を発条６の弾発力で土壌中より引抜
き、同時に発条２７でピストンロツド２６を上昇
せしめピストン２０で液体タンク１１より液体を
シリンダ１９へ吸入して次の供給に備え、この状
態で手押深追機を所望の場所へ移動し上記操作を
繰返すものである。

（考案の効果） この考案によれば液注入管、液注入ポンプ等を
走行そり上に備えたので、水田のぬかるみでもむ
やみに沈むことなく、手押ハンドルで押すだけで
軽快に走行させることができて広い水田の移動作
業を楽に行うことができ、また液注入管を複数列
の前後に備えたので一度に数個所に農薬、肥料等
の液体を注入できる。さらに液体を注入したい場
所において手押ハンドルを押し下げるだけの簡単
な操作で注入管を水田の土壌中に差込み、同時に
液注入ポンプを作動して一定量の農薬、肥料等の
液体を差込んだ注入管の噴出ノズルより噴出して
注入でき、また発条の復帰で注入管を引抜きかつ
液注入ポンプに液体タンクより一定量の液体を吸
入することができるので、作業者の農薬、肥料等
の注入作業を楽にすることができ、作業能率も向
上できて作業時間もかなり短縮することができる
等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の液注入装置を備えた手押深
追機を示す正面図、第２図は同一部破断側面図、
第３図は液注入管の断面図、第４図は液注入ポン
プの縦断面図である。 １……走行そり、２……フレーム、３……手押
ハンドル、４……昇降杆、５……保持杆、６……
発条、７……液注入管、８……噴出ノズル、９…
…挿通孔、１０……液注入ポンプ、１１……液体
タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 任意の間隔を存した複数の走行そり１上にフレ
   ーム２を架設して手押ハンドル３をフレーム前部
   に揺動可能に枢支し、該フレーム後部に昇降杆４
   を上下摺動自由に備えて前記ハンドル３を関連さ
   せるとともに該昇降杆４に固設した保持杆５を走
   行そり１上に発条６で上方へ附勢して備え、該保
   持杆５に噴出ノズル８を有する液注入管７を前記
   走行そり１に設けた挿通孔９を通じて土壌中に進
   退可能に備え、前記フレーム２に前記昇降杆の動
   作と関連して一定量の液体を吸排しうる液注入ポ
   ンプ１０を設け、該注入ポンプ１０を農薬等の液
   体タンク１１及び前記液注入管７に連結し、手押
   ハンドル３の押し下げ操作により注入管の進出動
   作と液体の噴出を同時に行いうるようにしたこと
   を特徴とする液注入装置を備えた手押深追機。