JPH0112621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、たとえば厨房家具等の被取付体に取
着されるゴキブリ捕獲器用収納ケースに関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

特に厨房室などにおいては、人体に対する病原
菌をばらまく害虫、特にゴキブリの発生に最適な
条件が揃つている。すなわちゴキブリにとつて厨
房室には、適度な暖かさと、湿気および身を潜ま
すに都合のよい暗さと狭い隙間、それに何よりも
豊富なエサがある。逃げ足が極めて速いので、一
度繁殖すると、その絶滅にはかなりの手間がかか
り、また室外からの侵入を阻止することができな
いところから、注意を怠ると直ちに発生および繁
殖化が見られる。

そこで、従来より、簡単にゴキブリを捕獲でき
る捕獲器が市販されている。これはゴキブリの好
む匂いを発散する粘着剤を捕獲器に塗付け、箱状
に組立ててゴキブリの通路に置くことにより、匂
いに引寄せられたゴキブリが粘着剤に足をとら
れ、捕獲が可能となる。ゴキブリを捕獲したとこ
ろで、捕獲器をそのまま捨てることができ、手を
汚さず衛生的である。

しかるに、捕獲器そのものはある程度の大きさ
があり、また厨房室のスペースは必ずしも余裕が
あるとは限らないので邪魔になり易く、その設置
場所が最適であることは少ない。しかも、乳幼児
などが誤つて手にしたり、また捕獲器を踏付けて
圧潰することのないよう、これを目立つ配色にし
なければならず、厨房室の美観を損ねている。ま
た粘着剤は、その匂いを厨房室中に放散するので
稀薄になり、ゴキブリの臭覚に影響し難くなる。
このため、特に流し台などの厨房家具内部に潜在
するゴキブリに対する捕獲率が悪いなどの欠点が
あつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、ゴキブリ捕獲器
の設置スペースをとらずに最適な設置場所を得ら
れ、安全であるとともに捕獲率の増大を図つたゴ
キブリ捕獲器用収納ケースを提供しようとするも
のである。

〔考案の概要〕 すなわち本考案は、被取付体に取着されるケー
ス本体の少なくとも一面に開口部を設け、この開
口部からゴキブリ捕獲器を挿脱自在に収容するこ
とにより、ゴキブリ捕獲器を邪魔にならずに配置
し、上記開口部をカバーで開閉自在としてケース
本体内部を遮蔽することにより、ゴキブリ捕獲器
を目立たなくさせるとともに美観の向上を図り、
上記被取付体内とケース本体内とを誘導路で連通
して被取付体内のゴキブリをケース本体内に誘導
することにより、ゴキブリ捕獲率を増大させたこ
とを特徴とするゴキブリ捕獲器用収納ケースであ
る。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。図中１は被取付体であるところの厨房家
具、たとえば流し台である。この流し台１の前面
最下部である蹴込み部２には、ケース用開口部３
が設けられている。ケース用開口部３に後述する
ゴキブリ捕獲器用収納ケース（以下、単に収納ケ
ースと称する）４が取着される。すなわち、収納
ケース４の一端部はケース用開口部３に嵌合支持
され、他端部は蹴込み部２内に設けられる支持杆
５に載置される。上記収納ケース４は第３図およ
び第４図にも示すように、ケース本体６とカバー
７および複数の誘導路８ａ，８ａ，８ｂとから構
成される。上記ケース本体６は前面に開口部９を
有する薄箱状のものであり、その前面下部端縁に
は断面略三角形状のガイド鍔部１０が一体的に設
けられる。ガイド鍔部１０の突出長さは、上記支
持杆５の肉厚と略同一に揃える。上記カバー７の
上端部はケース用開口部３の上部である蹴込み部
２の前面にヒンジ具１１を介して枢着されてい
て、下端部は上記ガイド鍔部１０に沿うよう折曲
した自由端となり、上記開口部９を開閉自在であ
る。また、カバー７には下向きに開口する図示し
ない複数の孔部が設けられる。ここでは、カバー
７の一部に切込みを入れるとともに、たとえばプ
レス加工により切起した、いわゆる換気孔と略同
様にして形成する。上記誘導路８ａ，８ａ，８ｂ
は、それぞれ両端部が開口する筒状体からなる。
すなわち、ケース本体６の上面には一対の孔部１
２，１２および背面にも孔部１３が設けられる。
流し台１の底板１ａにも孔部が設けられていて、
これらに上部誘導路８ａ，８ａの両端部が嵌合す
る。したがつて、上部誘導路８ａ，８ａにより、
流し台１の収納室１４とケース本体６内とは連通
することになる。ケース本体６背面の孔部１３と
蹴込み部２の背面側に設けられる孔部にも背部誘
導路８ｂの両端部が嵌合し、流し台１の背面側と
ケース本体６内は連通することになる。

しかして、このようにして構成される収納ケー
ス４のカバー７を回動して開口部９を開放し、こ
こから添附の粘着剤を塗布するとともに所定の形
状に組立てたゴキブリ捕獲器Ｓをケース４内に収
納する。ゴキブリ捕獲器Ｓを厨房室の床面に直接
設置する必要がないから、邪魔にならずにすみ圧
潰する恐れがないとともにカバー７によつて遮蔽
されるから美観を損わず、目につかないので乳幼
児に対して安全である。

ゴキブリ捕獲器Ｓの粘着剤の匂いは収納ケース
４に充満し、かつカバー７の孔部を介して厨房室
の床面に漂う。さらにまたその匂いは、上記誘導
路８ａ，８ａを介して収納室１４に漂うとともに
背部誘導路８ｂを介して流し台１と厨房室の壁面
との間に漂うから、それぞれの部位にいるゴキブ
リは集中して粘着剤の匂いに触れる。そして、そ
れぞれの経路を経て収納ケース４内に誘導され、
ゴキブリ捕獲器Ｓ内に入つて捕獲される。特に収
納室１４は密閉状態となつているから、粘着剤の
匂いは充満してここにいるゴキブリを効率よく誘
導できる。したがつて、ゴキブリの捕獲率は極め
て良好である。

なお上記実施例においては、収納ケース４の前
面に開口部９を設け、カバー７で開閉するように
したが、これに限定されるものではなく、たとえ
ば第５図に示すようにしてもよい。すなわち、収
納ケース４Ａの上面および前面は開放し、底板１
ａおよび蹴込み部２の前面板に直接取着する。上
記底板１ａには収納ケース４Ａと対向して開口部
１５を設け、摘みを有する蓋体１６で開閉自在に
閉成する。この蓋体１６には複数の誘導孔からな
る誘導路１７…が設けられる。また、収納ケース
４Ａと対向する蹴込み部２の前面には下部から上
部に向けた斜めの孔部１８…が設けられる。収納
ケース４Ａの背面側と流し台１の背面側とは、背
部誘導路８ｂによつて連通する。

しかして、ゴキブリ捕獲器Ｓの挿脱にあたつて
は収納室１４を開放するとともに蓋体１６を取外
して底板１ａの開口部１５を開放し、これらを介
して行う。その他、ゴキブリおよびゴキブリ捕獲
器Ｓに対する作用効果は上記実施例と全く同様で
ある。

また上記実施例において、被取付体１として流
し台を適用したが、これに限定されるものではな
く、調理台、ガス台、食器棚、吊り戸棚、ハツチ
等の厨房家具もしくは洗面台などに用いることが
でき、また他の家具もしくは強度およびゴキブリ
捕獲器Ｓの挿脱に支障のない範囲内で建築物に直
接収容するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、ゴキブリ
の捕獲率を極めて増大化できるとともに美観およ
び安全性の向上を図れるという実用上の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示
し、第１図は流し台とゴキブリ捕獲器の斜視図、
第２図はそのゴキブリ捕獲器を収容した状態の縦
断面図、第３図はゴキブリ捕獲器用収納ケース要
部を切り離した斜視図、第４図はその一部切欠し
た正面図、第５図は本考案の他の実施例を示すゴ
キブリ捕獲器を収納した縦断面図である。 １……被取付体（流し台）、９……開口部、Ｓ
……ゴキブリ捕獲器、６……ケース本体、７……
カバー、８ａ，８ｂ……誘導路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被取付体に取着され少なくともその一面に開口
   部を有し、この開口部からゴキブリ捕獲器を挿脱
   自在に収容するケース本体と、このケース本体の
   上記開口部を開閉しケース本体内部を遮蔽するカ
   バーと、上記被取付体内とケース本体内とを連通
   し被取付体内のゴキブリをケース本体内に誘導す
   る誘導路とを具備したことを特徴とするゴキブリ
   捕獲器用収納ケース。