JPH0112577B2 - - Google Patents
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- JPH0112577B2 JPH0112577B2 JP13499980A JP13499980A JPH0112577B2 JP H0112577 B2 JPH0112577 B2 JP H0112577B2 JP 13499980 A JP13499980 A JP 13499980A JP 13499980 A JP13499980 A JP 13499980A JP H0112577 B2 JPH0112577 B2 JP H0112577B2
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Landscapes
- Mold Materials And Core Materials (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は再生砂よりなるフラン鋳型に関するも
のである。更に詳しくは、鋳型製作の際、窒素を
含有するフラン樹脂をバインダーとして用い、且
つ鋳型中における窒素含有量を一定値以下に調整
したことによつてガス欠陥のない鋳造品を得るこ
とのできるフラン鋳型に係わるものである。 [従来の技術] フラン樹脂は、例えばクロマイトサンド/ジル
コンサンドや珪砂に、フルフリールアルコールと
尿素樹脂との混合物(フラン樹脂という)をバイ
ンダーとし、更に例えばパラトルエンスルホン酸
やキシレンスルホン酸のような酸触媒を配合し、
造型の際フルフリールアルコールと尿素樹脂との
重縮合物を形成硬化せしめてなるもので造型に当
つて乾燥工程を必要とせず、高硬度で且つ高い寸
法精度の砂型が得られるという長所があり造型能
率のよい鋳型としてその利用価値が高く認められ
ているものである。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、フラン樹脂をバインダーとする
こうしたフラン鋳型には、再生砂を用いると、得
られる鋳造品にガス欠陥を生じるという欠点があ
ることも知られており、これがフラン樹脂による
鋳造品量産上の隘路となつている。 鋳型造型上のバインダーとしてのフラン樹脂に
対して要求される物性については、種々検討が加
えられている。その結果、溶湯鋳込みの際に、バ
インダーとして用いたフラン樹脂から発生するガ
ス(窒素を含む)が、鋳造品に対するガス欠陥発
生の原因であり、フラン樹脂をバインダーとして
用いた鋳型において溶湯鋳込みの際、上記のガス
の発生を抑制させればその問題は解決できるが、
そのためにバインダーとしてのフラン樹脂の使用
量を減ずると砂型の硬化速度がおそくなり、最終
強度も低下するという欠点が現われる。 本発明者等は、以上のようなフラン鋳型造型上
の諸課題を解決するべく、種々検討の結果、バイ
ンダーとしてフラン樹脂を用いる鋳型において鋳
型中に含有される窒素量をある定まつた値以下に
調整すれば、砂型の硬化速度及び強度を低下せし
めることなく鋳造品のガス欠陥発生の問題を解消
しうるとの知見を得て、本発明に到達した。 [発明の構成および作用] 即ち、本発明の要旨は、 繰り返し鋳型の造型に使用される再生砂に、フ
ラン樹脂をバインダーとして添加してなるフラン
鋳型において、 前記再生砂に残留するフラン樹脂の残留量を低
下させることにより、鋳型中の窒素含有量を
0.025重量%以下に調整してなることを特徴とす
るフラン鋳型にある。 以下、本発明を更に詳細に説明すると、バイン
ダーとして使用されるフラン樹脂は尿素−ホルム
アルデヒトの重合によつて得られる尿素系樹脂と
フルフリールアルコールとの混合物で、分子量の
比較的小さな液状の初期縮合物からなつており、
常温又は加熱下に酸性硬化触媒を混在させること
により縮合反応を起こし、凝固して造型用砂粒同
士の強力な結合を行なわしめるものである。 本発明において、バインダーとして用いられる
フラン樹脂即ち、フルフリールアルコールと上記
尿素系樹脂とによつて精製する重縮合物中の窒素
分が鋳型に造型したとき、鋳型中における含有量
が0.025重量%以下になるよう調整されているこ
とが必須の要件で、このように鋳型中における窒
素含有量を調整することにより、鋳造品のガス欠
陥の発生が大幅に減少し、しかも、鋳型造型時に
おける硬化速度、及び強度の低下がみられないす
ぐれた鋳型を得ることができるもので、これが本
発明の大きな特徴である。 本発明のフラン樹脂に用いられる砂はフラン鋳
型の再生砂であるが、鋳型用の砂は繰り返し使用
されることにより製造工程上で失われるため、失
われた分を新砂で補うことがある。ここでは、こ
うした繰り返し用いられるフラン鋳型用の砂を広
く再生砂と呼ぶ。 再生砂は、鋳込みされる溶湯の種類や鋳造品の
形状に応じて、天然又は人造珪砂やクロマイトサ
ンド或いはジルコンサンドのような特殊な砂の中
から適宜選択される。 バインダーとしてのフラン樹脂の硬化を促進さ
せるのに用いられる酸性硬化触媒としては各種の
ものが例示されるが、最も代表的なものは、芳香
族スルホン酸、例えばパラトルエンスルホン酸、
キシレンスルホン酸であり、それらの使用量はフ
ラン樹脂100重量部当り10〜100重量部の範囲で、
所属する硬化時間に合せて適宜使用される。 本発明の鋳型を造型するには、再生砂、フラン
樹脂、酸性硬化触媒の三者を配合混練するのであ
るが、フラン樹脂は、酸性触媒と接触すると硬化
反応を開始し、時間の経過と共に、粘性を増して
くるので、混練した砂はできるだけ早く造型に供
しなければならない。従つて、順序としては砂に
酸性硬化触媒を十分均一になるまで混合してから
フラン樹脂を配合するのが望ましい。 以上のようにして再生砂、酸性触媒、フラン樹
脂の三者が配合混練され、硬化した後のフラン鋳
型に含まれる窒素量は、 (a) バインダーとして新たに添加されたフラン樹
脂中の窒素量N1と、 (b) フラン樹脂の残留によつて再生砂中に含まれ
る窒素量N2と、 によつて定まる。前者N1は添加されるフラン樹
脂量とその成分(含有窒素量)から、後者N2は
再生砂量と再生砂の成分を分析して得られる灼熱
減量(以下LOIと略す、単位は重量%)とから、
各々知ることができる。LOIとは、JIS Z−2606
等に定められた周知の試験方法により、試料を灼
熱(鋳物砂の場合は、例えば1000℃に加熱)し、
灼熱前の重量に対する灼熱前後の減量の重量%を
測定して求められるが、再生砂の場合、灼熱によ
り揮発するような成分は大部分フラン樹脂であつ
て、採取した再生砂を試料としてそのLOIを求め
れば再生砂全体に対するフラン樹脂の残留量を知
ることができる。配合・添加すべきフラン樹脂量
は必要とされるフラン鋳型の強度から所定の量と
なるので、フラン鋳型中の窒素含有量を0.025重
量%とする為には再生砂のLOIを管理し、再生砂
が繰り返し使用されて仮にそのLOIが限度を上回
つた場合には高温焼成により再生砂のLOIを充分
に低下させてやればよい。高温焼成は、約1000〜
1100℃の大気雰囲気のバツチ炉に再生砂を約1時
間入れることにより行なわれる。これによりフラ
ン樹脂は完全燃焼し、そのフラン樹脂の残留量は
ほぼ零となる。 [発明の効果] 本発明のフラン樹脂は、以上述べたように窒素
含有フラン樹脂をバインダーとして用い且つ、 前記再生砂に残留するフラン樹脂の残留を低下
させることにより、鋳型造型の際において、バイ
ンダーとして新たに添加されるフラン樹脂中の窒
素量とフラン樹脂の残留による再生砂中の窒素量
とによつて定まる鋳型中の窒素含有量を0.025重
量%以下に調整してなることを特徴とするもの
で、従来知られているフラン樹脂をバインダーと
して用いるフラン鋳型に比べて、得られる鋳造品
のガス欠陥の発生が大幅に減少ししかも造型の際
の硬化速度、強度の点ではそん色なく、改良され
たフラン樹脂を提供するものとして利用価値の高
いものである。 [実施例] 次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発
明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定
されることはない。説明中「%」とあるのは「重
量%」を表わす。 実施例 1 第1表に示すような化学組成、及び第2表に示
すような粒度を有する再生珪砂に市販のバインダ
ー用フラン樹脂(窒素分1.9%、1.2%及び0.9%)
の3種を用い、酸性硬化触媒として、フラン樹脂
に対し30%のキシレンスルホン酸を用いて常法に
より各種窒素含有量の鋳型を造型しバルブボデー
を鋳造した。尚、こうしたフラン樹脂としては花
王クエーカー株式会社製、商品名カオーライトナ
ー340等がある。 尚、バルブボデー各種の平均重量は200Kgであ
る。 又、フラン鋳型を鋳造するにあたつては鋳型強
度上の要請から、添加するフラン樹脂を鋳型全重
量に対してA%以上(ここでは0.5重量%以上)
とし、再生砂中の窒素量については再生砂のLOI
を測定して求めた。今、再生砂のLOIの値(フラ
ン樹脂の残留量にほぼ等しい)をα%、使用して
いるフラン樹脂中の窒素含有量がβ%であるとす
ると、鋳型全重量Gに対して、添加したフラン樹
脂中の窒素量N1は、 N1=β×A×G/10000 一方、再生砂中の窒素量N2は、 N2=β×α×G×(1−A/100)/10000 となる。更に鋳込みによつて、再生砂中の窒素は
失われるので、残留係数をkとすると、鋳込んだ
後の窒素量N2は、 N2=k×β×α×G ×(1−A/100)/10000 となる。定数kは、窒素含有量(β%)のフラン
樹脂をバインダーとして使用している再生砂を試
料とし、その窒素含有量をガス分析により測定
し、一方灼熱減量(α%)を測定することによつ
て実験的に求められる。本実施例では約0.8であ
る。また、鋳型の大部分を再生砂の重量が占める
ことから、1−A/100≒1と近似すれば、鋳型
全体中の窒素含有量N(%)は、 N=(N1+N2)/G =(0.8×α×β+β×A)/100 …(1) として求めることができる。 本実施例で用いたフラン樹脂の窒素含有量は約
1.2%であり、これを、鋳型の全重量に対し、0.5
%配合した。また再生砂のLOIの値α%は第1表
の上限値1,38%であつた。 これらの条件を式(1)に適用すると、 N=0.019(%) を得る。種々のLOI値を有する再生砂を用いれ
ば、鋳型に配合するフラン樹脂の割合を変えるこ
となく、即ち鋳型の強度等を変えることなく、鋳
型全重量中の窒素含有量Nを種々調整したフラン
鋳型を製造することは容易である。 本実施例では、鋳型中の窒素含有量Nが、
0.015重量%〜0.05重量%の鋳型を製造し、れら
の鋳型に鋳造して得られた鋳造品につき液体浸透
探傷法によりガス欠陥発生数を測定した。その結
果をグラフにして第1図に示す。尚、この試験に
供した試料の化学組成は、第3表のものである。 第1図の結果から明らかな通り、鋳造品1個あ
たりのガス欠陥発生数は、鋳型中における窒素含
有量が0.025重量%を境に、それ以下の場合はそ
れ以上の含有量の場合に比べて極端に少なくなる
ことが判る。
のである。更に詳しくは、鋳型製作の際、窒素を
含有するフラン樹脂をバインダーとして用い、且
つ鋳型中における窒素含有量を一定値以下に調整
したことによつてガス欠陥のない鋳造品を得るこ
とのできるフラン鋳型に係わるものである。 [従来の技術] フラン樹脂は、例えばクロマイトサンド/ジル
コンサンドや珪砂に、フルフリールアルコールと
尿素樹脂との混合物(フラン樹脂という)をバイ
ンダーとし、更に例えばパラトルエンスルホン酸
やキシレンスルホン酸のような酸触媒を配合し、
造型の際フルフリールアルコールと尿素樹脂との
重縮合物を形成硬化せしめてなるもので造型に当
つて乾燥工程を必要とせず、高硬度で且つ高い寸
法精度の砂型が得られるという長所があり造型能
率のよい鋳型としてその利用価値が高く認められ
ているものである。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、フラン樹脂をバインダーとする
こうしたフラン鋳型には、再生砂を用いると、得
られる鋳造品にガス欠陥を生じるという欠点があ
ることも知られており、これがフラン樹脂による
鋳造品量産上の隘路となつている。 鋳型造型上のバインダーとしてのフラン樹脂に
対して要求される物性については、種々検討が加
えられている。その結果、溶湯鋳込みの際に、バ
インダーとして用いたフラン樹脂から発生するガ
ス(窒素を含む)が、鋳造品に対するガス欠陥発
生の原因であり、フラン樹脂をバインダーとして
用いた鋳型において溶湯鋳込みの際、上記のガス
の発生を抑制させればその問題は解決できるが、
そのためにバインダーとしてのフラン樹脂の使用
量を減ずると砂型の硬化速度がおそくなり、最終
強度も低下するという欠点が現われる。 本発明者等は、以上のようなフラン鋳型造型上
の諸課題を解決するべく、種々検討の結果、バイ
ンダーとしてフラン樹脂を用いる鋳型において鋳
型中に含有される窒素量をある定まつた値以下に
調整すれば、砂型の硬化速度及び強度を低下せし
めることなく鋳造品のガス欠陥発生の問題を解消
しうるとの知見を得て、本発明に到達した。 [発明の構成および作用] 即ち、本発明の要旨は、 繰り返し鋳型の造型に使用される再生砂に、フ
ラン樹脂をバインダーとして添加してなるフラン
鋳型において、 前記再生砂に残留するフラン樹脂の残留量を低
下させることにより、鋳型中の窒素含有量を
0.025重量%以下に調整してなることを特徴とす
るフラン鋳型にある。 以下、本発明を更に詳細に説明すると、バイン
ダーとして使用されるフラン樹脂は尿素−ホルム
アルデヒトの重合によつて得られる尿素系樹脂と
フルフリールアルコールとの混合物で、分子量の
比較的小さな液状の初期縮合物からなつており、
常温又は加熱下に酸性硬化触媒を混在させること
により縮合反応を起こし、凝固して造型用砂粒同
士の強力な結合を行なわしめるものである。 本発明において、バインダーとして用いられる
フラン樹脂即ち、フルフリールアルコールと上記
尿素系樹脂とによつて精製する重縮合物中の窒素
分が鋳型に造型したとき、鋳型中における含有量
が0.025重量%以下になるよう調整されているこ
とが必須の要件で、このように鋳型中における窒
素含有量を調整することにより、鋳造品のガス欠
陥の発生が大幅に減少し、しかも、鋳型造型時に
おける硬化速度、及び強度の低下がみられないす
ぐれた鋳型を得ることができるもので、これが本
発明の大きな特徴である。 本発明のフラン樹脂に用いられる砂はフラン鋳
型の再生砂であるが、鋳型用の砂は繰り返し使用
されることにより製造工程上で失われるため、失
われた分を新砂で補うことがある。ここでは、こ
うした繰り返し用いられるフラン鋳型用の砂を広
く再生砂と呼ぶ。 再生砂は、鋳込みされる溶湯の種類や鋳造品の
形状に応じて、天然又は人造珪砂やクロマイトサ
ンド或いはジルコンサンドのような特殊な砂の中
から適宜選択される。 バインダーとしてのフラン樹脂の硬化を促進さ
せるのに用いられる酸性硬化触媒としては各種の
ものが例示されるが、最も代表的なものは、芳香
族スルホン酸、例えばパラトルエンスルホン酸、
キシレンスルホン酸であり、それらの使用量はフ
ラン樹脂100重量部当り10〜100重量部の範囲で、
所属する硬化時間に合せて適宜使用される。 本発明の鋳型を造型するには、再生砂、フラン
樹脂、酸性硬化触媒の三者を配合混練するのであ
るが、フラン樹脂は、酸性触媒と接触すると硬化
反応を開始し、時間の経過と共に、粘性を増して
くるので、混練した砂はできるだけ早く造型に供
しなければならない。従つて、順序としては砂に
酸性硬化触媒を十分均一になるまで混合してから
フラン樹脂を配合するのが望ましい。 以上のようにして再生砂、酸性触媒、フラン樹
脂の三者が配合混練され、硬化した後のフラン鋳
型に含まれる窒素量は、 (a) バインダーとして新たに添加されたフラン樹
脂中の窒素量N1と、 (b) フラン樹脂の残留によつて再生砂中に含まれ
る窒素量N2と、 によつて定まる。前者N1は添加されるフラン樹
脂量とその成分(含有窒素量)から、後者N2は
再生砂量と再生砂の成分を分析して得られる灼熱
減量(以下LOIと略す、単位は重量%)とから、
各々知ることができる。LOIとは、JIS Z−2606
等に定められた周知の試験方法により、試料を灼
熱(鋳物砂の場合は、例えば1000℃に加熱)し、
灼熱前の重量に対する灼熱前後の減量の重量%を
測定して求められるが、再生砂の場合、灼熱によ
り揮発するような成分は大部分フラン樹脂であつ
て、採取した再生砂を試料としてそのLOIを求め
れば再生砂全体に対するフラン樹脂の残留量を知
ることができる。配合・添加すべきフラン樹脂量
は必要とされるフラン鋳型の強度から所定の量と
なるので、フラン鋳型中の窒素含有量を0.025重
量%とする為には再生砂のLOIを管理し、再生砂
が繰り返し使用されて仮にそのLOIが限度を上回
つた場合には高温焼成により再生砂のLOIを充分
に低下させてやればよい。高温焼成は、約1000〜
1100℃の大気雰囲気のバツチ炉に再生砂を約1時
間入れることにより行なわれる。これによりフラ
ン樹脂は完全燃焼し、そのフラン樹脂の残留量は
ほぼ零となる。 [発明の効果] 本発明のフラン樹脂は、以上述べたように窒素
含有フラン樹脂をバインダーとして用い且つ、 前記再生砂に残留するフラン樹脂の残留を低下
させることにより、鋳型造型の際において、バイ
ンダーとして新たに添加されるフラン樹脂中の窒
素量とフラン樹脂の残留による再生砂中の窒素量
とによつて定まる鋳型中の窒素含有量を0.025重
量%以下に調整してなることを特徴とするもの
で、従来知られているフラン樹脂をバインダーと
して用いるフラン鋳型に比べて、得られる鋳造品
のガス欠陥の発生が大幅に減少ししかも造型の際
の硬化速度、強度の点ではそん色なく、改良され
たフラン樹脂を提供するものとして利用価値の高
いものである。 [実施例] 次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発
明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定
されることはない。説明中「%」とあるのは「重
量%」を表わす。 実施例 1 第1表に示すような化学組成、及び第2表に示
すような粒度を有する再生珪砂に市販のバインダ
ー用フラン樹脂(窒素分1.9%、1.2%及び0.9%)
の3種を用い、酸性硬化触媒として、フラン樹脂
に対し30%のキシレンスルホン酸を用いて常法に
より各種窒素含有量の鋳型を造型しバルブボデー
を鋳造した。尚、こうしたフラン樹脂としては花
王クエーカー株式会社製、商品名カオーライトナ
ー340等がある。 尚、バルブボデー各種の平均重量は200Kgであ
る。 又、フラン鋳型を鋳造するにあたつては鋳型強
度上の要請から、添加するフラン樹脂を鋳型全重
量に対してA%以上(ここでは0.5重量%以上)
とし、再生砂中の窒素量については再生砂のLOI
を測定して求めた。今、再生砂のLOIの値(フラ
ン樹脂の残留量にほぼ等しい)をα%、使用して
いるフラン樹脂中の窒素含有量がβ%であるとす
ると、鋳型全重量Gに対して、添加したフラン樹
脂中の窒素量N1は、 N1=β×A×G/10000 一方、再生砂中の窒素量N2は、 N2=β×α×G×(1−A/100)/10000 となる。更に鋳込みによつて、再生砂中の窒素は
失われるので、残留係数をkとすると、鋳込んだ
後の窒素量N2は、 N2=k×β×α×G ×(1−A/100)/10000 となる。定数kは、窒素含有量(β%)のフラン
樹脂をバインダーとして使用している再生砂を試
料とし、その窒素含有量をガス分析により測定
し、一方灼熱減量(α%)を測定することによつ
て実験的に求められる。本実施例では約0.8であ
る。また、鋳型の大部分を再生砂の重量が占める
ことから、1−A/100≒1と近似すれば、鋳型
全体中の窒素含有量N(%)は、 N=(N1+N2)/G =(0.8×α×β+β×A)/100 …(1) として求めることができる。 本実施例で用いたフラン樹脂の窒素含有量は約
1.2%であり、これを、鋳型の全重量に対し、0.5
%配合した。また再生砂のLOIの値α%は第1表
の上限値1,38%であつた。 これらの条件を式(1)に適用すると、 N=0.019(%) を得る。種々のLOI値を有する再生砂を用いれ
ば、鋳型に配合するフラン樹脂の割合を変えるこ
となく、即ち鋳型の強度等を変えることなく、鋳
型全重量中の窒素含有量Nを種々調整したフラン
鋳型を製造することは容易である。 本実施例では、鋳型中の窒素含有量Nが、
0.015重量%〜0.05重量%の鋳型を製造し、れら
の鋳型に鋳造して得られた鋳造品につき液体浸透
探傷法によりガス欠陥発生数を測定した。その結
果をグラフにして第1図に示す。尚、この試験に
供した試料の化学組成は、第3表のものである。 第1図の結果から明らかな通り、鋳造品1個あ
たりのガス欠陥発生数は、鋳型中における窒素含
有量が0.025重量%を境に、それ以下の場合はそ
れ以上の含有量の場合に比べて極端に少なくなる
ことが判る。
【表】
【表】
【表】
実施例 2
実施例1で用いたものと同一の珪砂、バインダ
ー用フラン樹脂、及び酸性触媒を用いて、常法に
より各種窒素含有量の鋳型を造型しマグネツトフ
レームを鋳造した。尚、マグネツトフレームの重
量は1個あたり1000Kgである。本実施例において
も第1実施例と同様に、鋳型中の窒素含有量の異
なるフラン鋳型を製造し、これらの鋳型に鋳造し
て得られた鋳造品につき液体浸透探傷法によりガ
ス欠陥発生数を測定した。その結果をグラフにし
て第2図に示す。尚、この試験に供した試料の化
学組成は第4表のものである。 第2図の結果から明らかな通り、実施例1と同
様、鋳造品のガス欠陥発生数は鋳型中における窒
素含有量が0.025重量%を境に、それ以下の場合
はそれ以上の含有量の場合に比べて極端に少なく
なることが判る。
ー用フラン樹脂、及び酸性触媒を用いて、常法に
より各種窒素含有量の鋳型を造型しマグネツトフ
レームを鋳造した。尚、マグネツトフレームの重
量は1個あたり1000Kgである。本実施例において
も第1実施例と同様に、鋳型中の窒素含有量の異
なるフラン鋳型を製造し、これらの鋳型に鋳造し
て得られた鋳造品につき液体浸透探傷法によりガ
ス欠陥発生数を測定した。その結果をグラフにし
て第2図に示す。尚、この試験に供した試料の化
学組成は第4表のものである。 第2図の結果から明らかな通り、実施例1と同
様、鋳造品のガス欠陥発生数は鋳型中における窒
素含有量が0.025重量%を境に、それ以下の場合
はそれ以上の含有量の場合に比べて極端に少なく
なることが判る。
【表】
【表】
実施例 3
実施例1,2で用いたものと同一の珪砂、バイ
ンダー用フラン樹脂、及び酸性触媒(25%キシレ
ンスルホン酸)を用いて、常法により鋳型全重量
に対する窒素含有量0.012重量%〜0.05重量%の
鋳型を造型し、ポンプケーシングを鋳造した。
尚、ポンプケーシングの重量は1個あたり150Kg
である。 こうして製造されたフラン鋳型に鋳造して得ら
れた鋳造品につき液体浸透探傷法によりガス欠陥
発生数を測定した。この結果を第3図のグラフに
示す。尚、この試験に供した試料の化学組成は第
5表のものである。 第3図に示す結果から明らかなように、実施例
1,2と同様、鋳造品のガス欠陥発生数は鋳型中
における窒素含有量が0.025重量%を境に、それ
以下では極めて少なくなることがわかる。
ンダー用フラン樹脂、及び酸性触媒(25%キシレ
ンスルホン酸)を用いて、常法により鋳型全重量
に対する窒素含有量0.012重量%〜0.05重量%の
鋳型を造型し、ポンプケーシングを鋳造した。
尚、ポンプケーシングの重量は1個あたり150Kg
である。 こうして製造されたフラン鋳型に鋳造して得ら
れた鋳造品につき液体浸透探傷法によりガス欠陥
発生数を測定した。この結果を第3図のグラフに
示す。尚、この試験に供した試料の化学組成は第
5表のものである。 第3図に示す結果から明らかなように、実施例
1,2と同様、鋳造品のガス欠陥発生数は鋳型中
における窒素含有量が0.025重量%を境に、それ
以下では極めて少なくなることがわかる。
第1図、第2図、第3図は、それぞれ実施例
1、実施例2、実施例3におけるフラン鋳型中の
窒素含有量と、鋳造品のガス欠陥発生数との関係
を示す図である。
1、実施例2、実施例3におけるフラン鋳型中の
窒素含有量と、鋳造品のガス欠陥発生数との関係
を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 繰り返し鋳型の造型に使用される再生砂に、
フラン樹脂をバインダーとして添加してなるフラ
ン鋳型において、 前記再生砂に残留するフラン樹脂の残留量を低
下させることにより、鋳型中の窒素含有量を
0.025重量%以下に調整してなることを特徴とす
るフラン鋳型。 2 鋳型用砂に珪砂、ジルコンサンド、クロマイ
トサンドを1種以上用いる特許請求の範囲第1項
記載のフラン鋳型。 3 窒素を含有するフラン樹脂の硬化触媒として
パラトルエンスルホン酸又はキシレンスルホン酸
を用いる特許請求の範囲第1項記載のフラン鋳
型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13499980A JPS5758948A (en) | 1980-09-26 | 1980-09-26 | Furan mold |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13499980A JPS5758948A (en) | 1980-09-26 | 1980-09-26 | Furan mold |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5758948A JPS5758948A (en) | 1982-04-09 |
JPH0112577B2 true JPH0112577B2 (ja) | 1989-03-01 |
Family
ID=15141562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13499980A Granted JPS5758948A (en) | 1980-09-26 | 1980-09-26 | Furan mold |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5758948A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5250300B2 (ja) * | 2008-04-30 | 2013-07-31 | 花王株式会社 | 鋳型の製造方法 |
EP2272603B1 (en) | 2008-04-30 | 2017-09-20 | Kao Corporation | Method for producing mold |
CN110343225B (zh) * | 2019-06-28 | 2022-02-18 | 宁夏共享化工有限公司 | 低发气量的呋喃树脂及其制备方法 |
-
1980
- 1980-09-26 JP JP13499980A patent/JPS5758948A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5758948A (en) | 1982-04-09 |
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