JPH0112138Y2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0112138Y2 JPH0112138Y2 JP20320283U JP20320283U JPH0112138Y2 JP H0112138 Y2 JPH0112138 Y2 JP H0112138Y2 JP 20320283 U JP20320283 U JP 20320283U JP 20320283 U JP20320283 U JP 20320283U JP H0112138 Y2 JPH0112138 Y2 JP H0112138Y2
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- Japan
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- stainless steel
- heat exchanger
- ferritic stainless
- weldability
- exchanger tube
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Landscapes
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Description
〈産業上の利用分野〉
この考案は、臭化リチウム−水系吸収剤を利用
する吸収式冷凍機の伝熱管に関し、さらに詳しく
は、応力腐食割れがなく、耐孔食性に優れ、しか
も溶接性が良好なフエライト系ステンレス鋼から
溶接により造管された伝熱管に関するものであ
る。かような伝熱管は、吸収式冷凍機を初めとし
て、吸収式冷凍機や吸収式ヒートポンプ等に利用
することができる。 〈従来技術〉 臭化リチウム−水系吸収剤を用いる吸収式の冷
凍機、冷温水機、ヒートポンプ等(この明細書中
ではこれらを総称して吸収式冷凍機という)の伝
熱管材料としては、従来から17%クロム(Cr)
系のフエライト系ステンレス鋼が利用されてい
る。このフエライト系ステンレス鋼は、腐食性を
有する高温高濃度の臭化リチウム溶液に対しても
比較的耐食性であり、応力腐食割れも生じ難いと
いう長所がある反面、溶接性が悪いため、シーム
レスパイプとして造管しなければならず、価格や
製造上の点から問題があつた。また、耐食性や耐
孔食性の面からも、吸収式冷凍機の伝熱管として
用いるためには必ずしも満足すべきものではなか
つた。 一方、18%クロム(Cr)−8%ニツケル(Ni)
系のオーステナイト系ステンレス鋼は、溶接性に
優れているため溶接管として造管できる反面、高
温高濃度臭化リチウム溶液により応力腐食割れを
生じやすく、装置の破損を招く危険もある。 〈考案の目的〉 以上の実情に鑑みこの考案の目的は、高温高濃
度臭化リチウム溶液に対する応力腐食割れがな
く、耐孔食性、耐食性に優れ、しかも溶接によつ
て造管できる吸収式冷凍機用伝熱管を提供するこ
とである。 〈考案の構成〉 考案者等は、17Cr系のフエライト系ステンレ
ス鋼の優れた耐応力腐食割れ性に着目し、この
17Cr系ステンレス鋼の溶接性を改善するととも
に、耐孔食性、耐食性も向上させるべく鋭意研究
した結果、炭素成分を減らしかつチタン(Ti)、
ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)またはジルコニ
ウム(Zr)の一種または二種以上を1%以下添
加したクロム(Cr)16〜22%を含有するフエラ
イト系ステンレス鋼が、上記の諸性質を兼ね備え
た伝熱管材料として使用できることを見出した。 この考案で用いるステンレス鋼材料は17Crフ
エライト系ステンレス鋼をベースとするものであ
り、Cr含有量は通常16〜22%とされている。 この考案においては、この17Cr系ステンレス
鋼にTi,Nb,TaまたはZrを単独で、またはこ
れらを二種以上組合せて添加するものであり、そ
の添加量は全体として1%を上限とする。これを
超えて添加すると材料コストが高くなるばかりで
なく、材料の表面を粗くするため、管加工上不利
となる。 17Cr系ステンレス鋼中の不純物としての炭素
(C)と窒素(N)がCrと反応してCrの炭化物や
窒化物を鋼中に生成すると、上記したような所望
の性質が得られなくなる。そのためこの考案に用
いるステンレス鋼においては、Ti,Nb,Taおよ
び/またはZrを添加することによつて鋼中のC
とNをTi,Nb,Ta,Zrの炭化物や窒化物とし
て固定し、鋼中のCrと反応させなくしているも
のである。 従つてTi,Nb,TaおよびZrの添加量は厳密
には鋼中のCとNの含有量に応じて化学量論的に
決めることができる。一般的には各々単独で使用
する場合にはTi/C+N≧5,Nb/C+N≧
8,Ta/C+N≧15,Zr/C+N≧8となるよ
うに、また二種以上を組合せて使用する場合には
8×(C%+N%)以上となるように添加するこ
とが望ましい。しかしながら前述したようにTi
等の添加量は全体の1%を限度とし、これ以下の
量を添加すればよい。 17Crフエライト系ステンレス鋼中の不純物C
とNの含有量についてはJIS G4305によりそれぞ
れ0.12%以下および0.025%以下と規定されてい
るが、前述したような理由からこの考案に用いる
ステンレス鋼においてはこの規格以下のできるだ
け低いC含量とすることが必要である。 かくして得られるフエライト系ステンレス鋼は
平板からロールフオーミング等で円形加工し、
TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接などの公知
方法を用いて造管して、この考案の吸収式冷凍機
用伝熱管とすることができる。 第1図はこの考案による伝熱管の代表的実施例
を示しており、上記した17Crフエライト系ステ
ンレス鋼2を溶接部3で溶接して伝熱管1とした
ものである。 また、この考案の好ましい実施例においては、
上記の17Crフエライト系ステンレス鋼中にモリ
ブデン(Mo)を3%以下添加したステンレス鋼
を用いる。このMo添加により、より一層優れた
耐孔食性を鋼に付与することができる。Moを3
%以上添加すると溶接性が低下する傾向がみら
れ、また3%以上添加することは実用上困難とな
る。 この考案に用いるフエライト系ステンレス鋼の
応力腐食割れ、耐孔食性および溶接性を試験した
結果を以下に説明する。 〈試験例〉 供試鋼種 A−1 18%Cr−8%Ni(比較用オーステナイト
系ステンレス鋼) F−1 17%Cr(比較用フエライト系ステンレス
鋼) F−2 17%Cr−0.01%C−0.4%Ti F−3 17%Cr−0.01%C−0.4%Ti−0.5%Mo F−4 17%Cr−0.01%C−0.4%Ti−1%Mo F−5 17%Cr−0.015%C−0.4%Ti−2.1%Mo 応力腐食割れ試験 防食剤としてLi2MoO4またはLi2CrO4を0.2%の
濃度で添加した沸騰状態(約160℃)の55%LiBr
溶液中に各鋼種のU字型サンプル片を1000時間浸
漬し、割れの有無を調べた。結果を第1表に示
す。サンプル片のU字形状は、第2図に示したよ
うに、厚さ(t)0.8mm、幅(w)20mmの平板を
高さ(h)約80mm、間隔(s)50mm、曲率半径
(r)25mmとし、U字形状の折れ曲り部分(a)
をTIG溶接で接合してある。 耐孔食性試験 防食剤としてLi2MoO4またはLi2CrO4を0.2%の
濃度で添加した沸騰状態(約160℃)の55%LiBr
溶液中に、各鋼種サンプル片(厚さ0.8mm、縦100
mm、横50mm)2枚をスポツト溶接により接合した
ものを1000時間浸漬し、2枚のサンプル片隙間の
腐食状態を調べた。結果を第1表に示す。 溶接性試験 各鋼種の平板(厚さ1.0mm)をロールフオーミ
ングにより円形加工し、TIG溶接により溶接して
直径19mmの管とした。この管の開口端を1.3倍に
押し拡げたときの溶接部分における割れの有無を
調べた結果を第2表に示す。
する吸収式冷凍機の伝熱管に関し、さらに詳しく
は、応力腐食割れがなく、耐孔食性に優れ、しか
も溶接性が良好なフエライト系ステンレス鋼から
溶接により造管された伝熱管に関するものであ
る。かような伝熱管は、吸収式冷凍機を初めとし
て、吸収式冷凍機や吸収式ヒートポンプ等に利用
することができる。 〈従来技術〉 臭化リチウム−水系吸収剤を用いる吸収式の冷
凍機、冷温水機、ヒートポンプ等(この明細書中
ではこれらを総称して吸収式冷凍機という)の伝
熱管材料としては、従来から17%クロム(Cr)
系のフエライト系ステンレス鋼が利用されてい
る。このフエライト系ステンレス鋼は、腐食性を
有する高温高濃度の臭化リチウム溶液に対しても
比較的耐食性であり、応力腐食割れも生じ難いと
いう長所がある反面、溶接性が悪いため、シーム
レスパイプとして造管しなければならず、価格や
製造上の点から問題があつた。また、耐食性や耐
孔食性の面からも、吸収式冷凍機の伝熱管として
用いるためには必ずしも満足すべきものではなか
つた。 一方、18%クロム(Cr)−8%ニツケル(Ni)
系のオーステナイト系ステンレス鋼は、溶接性に
優れているため溶接管として造管できる反面、高
温高濃度臭化リチウム溶液により応力腐食割れを
生じやすく、装置の破損を招く危険もある。 〈考案の目的〉 以上の実情に鑑みこの考案の目的は、高温高濃
度臭化リチウム溶液に対する応力腐食割れがな
く、耐孔食性、耐食性に優れ、しかも溶接によつ
て造管できる吸収式冷凍機用伝熱管を提供するこ
とである。 〈考案の構成〉 考案者等は、17Cr系のフエライト系ステンレ
ス鋼の優れた耐応力腐食割れ性に着目し、この
17Cr系ステンレス鋼の溶接性を改善するととも
に、耐孔食性、耐食性も向上させるべく鋭意研究
した結果、炭素成分を減らしかつチタン(Ti)、
ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)またはジルコニ
ウム(Zr)の一種または二種以上を1%以下添
加したクロム(Cr)16〜22%を含有するフエラ
イト系ステンレス鋼が、上記の諸性質を兼ね備え
た伝熱管材料として使用できることを見出した。 この考案で用いるステンレス鋼材料は17Crフ
エライト系ステンレス鋼をベースとするものであ
り、Cr含有量は通常16〜22%とされている。 この考案においては、この17Cr系ステンレス
鋼にTi,Nb,TaまたはZrを単独で、またはこ
れらを二種以上組合せて添加するものであり、そ
の添加量は全体として1%を上限とする。これを
超えて添加すると材料コストが高くなるばかりで
なく、材料の表面を粗くするため、管加工上不利
となる。 17Cr系ステンレス鋼中の不純物としての炭素
(C)と窒素(N)がCrと反応してCrの炭化物や
窒化物を鋼中に生成すると、上記したような所望
の性質が得られなくなる。そのためこの考案に用
いるステンレス鋼においては、Ti,Nb,Taおよ
び/またはZrを添加することによつて鋼中のC
とNをTi,Nb,Ta,Zrの炭化物や窒化物とし
て固定し、鋼中のCrと反応させなくしているも
のである。 従つてTi,Nb,TaおよびZrの添加量は厳密
には鋼中のCとNの含有量に応じて化学量論的に
決めることができる。一般的には各々単独で使用
する場合にはTi/C+N≧5,Nb/C+N≧
8,Ta/C+N≧15,Zr/C+N≧8となるよ
うに、また二種以上を組合せて使用する場合には
8×(C%+N%)以上となるように添加するこ
とが望ましい。しかしながら前述したようにTi
等の添加量は全体の1%を限度とし、これ以下の
量を添加すればよい。 17Crフエライト系ステンレス鋼中の不純物C
とNの含有量についてはJIS G4305によりそれぞ
れ0.12%以下および0.025%以下と規定されてい
るが、前述したような理由からこの考案に用いる
ステンレス鋼においてはこの規格以下のできるだ
け低いC含量とすることが必要である。 かくして得られるフエライト系ステンレス鋼は
平板からロールフオーミング等で円形加工し、
TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接などの公知
方法を用いて造管して、この考案の吸収式冷凍機
用伝熱管とすることができる。 第1図はこの考案による伝熱管の代表的実施例
を示しており、上記した17Crフエライト系ステ
ンレス鋼2を溶接部3で溶接して伝熱管1とした
ものである。 また、この考案の好ましい実施例においては、
上記の17Crフエライト系ステンレス鋼中にモリ
ブデン(Mo)を3%以下添加したステンレス鋼
を用いる。このMo添加により、より一層優れた
耐孔食性を鋼に付与することができる。Moを3
%以上添加すると溶接性が低下する傾向がみら
れ、また3%以上添加することは実用上困難とな
る。 この考案に用いるフエライト系ステンレス鋼の
応力腐食割れ、耐孔食性および溶接性を試験した
結果を以下に説明する。 〈試験例〉 供試鋼種 A−1 18%Cr−8%Ni(比較用オーステナイト
系ステンレス鋼) F−1 17%Cr(比較用フエライト系ステンレス
鋼) F−2 17%Cr−0.01%C−0.4%Ti F−3 17%Cr−0.01%C−0.4%Ti−0.5%Mo F−4 17%Cr−0.01%C−0.4%Ti−1%Mo F−5 17%Cr−0.015%C−0.4%Ti−2.1%Mo 応力腐食割れ試験 防食剤としてLi2MoO4またはLi2CrO4を0.2%の
濃度で添加した沸騰状態(約160℃)の55%LiBr
溶液中に各鋼種のU字型サンプル片を1000時間浸
漬し、割れの有無を調べた。結果を第1表に示
す。サンプル片のU字形状は、第2図に示したよ
うに、厚さ(t)0.8mm、幅(w)20mmの平板を
高さ(h)約80mm、間隔(s)50mm、曲率半径
(r)25mmとし、U字形状の折れ曲り部分(a)
をTIG溶接で接合してある。 耐孔食性試験 防食剤としてLi2MoO4またはLi2CrO4を0.2%の
濃度で添加した沸騰状態(約160℃)の55%LiBr
溶液中に、各鋼種サンプル片(厚さ0.8mm、縦100
mm、横50mm)2枚をスポツト溶接により接合した
ものを1000時間浸漬し、2枚のサンプル片隙間の
腐食状態を調べた。結果を第1表に示す。 溶接性試験 各鋼種の平板(厚さ1.0mm)をロールフオーミ
ングにより円形加工し、TIG溶接により溶接して
直径19mmの管とした。この管の開口端を1.3倍に
押し拡げたときの溶接部分における割れの有無を
調べた結果を第2表に示す。
【表】
【表】
第1表からわかるように、Li2MoO4防食剤を
用いた場合、A−1(18Cr−8Niオーステナイト
系ステンレス鋼)においては、応力腐食割れは起
り難いが隙間腐食が生じ、また、F−1(17Crの
み)では応力腐食は起らないが隙間腐食の徴候が
認められた。これに対してこの考案で用いるF−
2〜F−5(17CrにTi添加)では、応力腐食割れ
も隙間腐食も認められず、F−1に比較して耐孔
食性が改善されたことがわかる。従つて、吸収式
冷凍機用伝熱管として効果的に使用できる。 一方、Li2CrO4防食剤を用いた場合、A−1に
おいては応力腐食割れが生じ、また、F−1では
応力腐食割れは起らないが隙間腐食が生じる。こ
れに対してこの考案で用いるF−2では隙間腐食
は徴候だけで留まり、F−1に比較して耐孔食性
の改善が認められた。さらに、F−2にMoを添
加したF−3〜F−5については、隙間腐食が生
じない程度まで耐孔食性がなお一層改善されたこ
とがわかる。 溶接性については、第2表からわかるように、
F−1は溶接性が悪いのに対して、この考案で用
いるF−2〜F−5は17Cr系であるにも拘わら
ず溶接性は改善されている。 〈考案の効果〉 以上説明したところから明らかなように、この
考案の伝熱管は、高温高濃度のLiBr溶液中でも
応力腐食割れすることなく、耐孔食性、耐食性に
優れているため、LiBr−水系吸収式冷凍機の伝
熱管として効果的に使用できるものである。 また、17Crフエライト系ステンレス鋼にも拘
わらず溶接性が良好となり、薄肉で均一厚さの管
を溶接によつて造管することができるため、熱効
率の良い吸収式冷凍機用熱交換器を提供し、耐久
性に優れるのみならず、軽量で効率の良い吸収式
冷凍機を製造することができる。
用いた場合、A−1(18Cr−8Niオーステナイト
系ステンレス鋼)においては、応力腐食割れは起
り難いが隙間腐食が生じ、また、F−1(17Crの
み)では応力腐食は起らないが隙間腐食の徴候が
認められた。これに対してこの考案で用いるF−
2〜F−5(17CrにTi添加)では、応力腐食割れ
も隙間腐食も認められず、F−1に比較して耐孔
食性が改善されたことがわかる。従つて、吸収式
冷凍機用伝熱管として効果的に使用できる。 一方、Li2CrO4防食剤を用いた場合、A−1に
おいては応力腐食割れが生じ、また、F−1では
応力腐食割れは起らないが隙間腐食が生じる。こ
れに対してこの考案で用いるF−2では隙間腐食
は徴候だけで留まり、F−1に比較して耐孔食性
の改善が認められた。さらに、F−2にMoを添
加したF−3〜F−5については、隙間腐食が生
じない程度まで耐孔食性がなお一層改善されたこ
とがわかる。 溶接性については、第2表からわかるように、
F−1は溶接性が悪いのに対して、この考案で用
いるF−2〜F−5は17Cr系であるにも拘わら
ず溶接性は改善されている。 〈考案の効果〉 以上説明したところから明らかなように、この
考案の伝熱管は、高温高濃度のLiBr溶液中でも
応力腐食割れすることなく、耐孔食性、耐食性に
優れているため、LiBr−水系吸収式冷凍機の伝
熱管として効果的に使用できるものである。 また、17Crフエライト系ステンレス鋼にも拘
わらず溶接性が良好となり、薄肉で均一厚さの管
を溶接によつて造管することができるため、熱効
率の良い吸収式冷凍機用熱交換器を提供し、耐久
性に優れるのみならず、軽量で効率の良い吸収式
冷凍機を製造することができる。
第1図はこの考案による吸収式冷凍機用伝熱管
の代表的実施例を示す斜視図であり、第2図は応
力腐食割れ試験に用いたサンプル片形状を示す斜
視図である。 1……伝熱管、2……フエライト系ステンレス
鋼、3……溶接部。
の代表的実施例を示す斜視図であり、第2図は応
力腐食割れ試験に用いたサンプル片形状を示す斜
視図である。 1……伝熱管、2……フエライト系ステンレス
鋼、3……溶接部。
Claims (1)
- 炭素成分を減らしかつチタン、ニオブ、タンタ
ルまたはジルコニウムの一種または二種以上を1
%以下添加したクロム16〜22%を含有するフエラ
イト系ステンレス鋼を溶接して造管してなる吸収
式冷凍機用伝熱管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20320283U JPS60111465U (ja) | 1983-12-28 | 1983-12-28 | 吸収式冷凍機用伝熱管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20320283U JPS60111465U (ja) | 1983-12-28 | 1983-12-28 | 吸収式冷凍機用伝熱管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60111465U JPS60111465U (ja) | 1985-07-29 |
JPH0112138Y2 true JPH0112138Y2 (ja) | 1989-04-10 |
Family
ID=30765619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20320283U Granted JPS60111465U (ja) | 1983-12-28 | 1983-12-28 | 吸収式冷凍機用伝熱管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60111465U (ja) |
-
1983
- 1983-12-28 JP JP20320283U patent/JPS60111465U/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60111465U (ja) | 1985-07-29 |
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