JPH0111985Y2

JPH0111985Y2 -

Info

Publication number: JPH0111985Y2
Application number: JP3927585U
Authority: JP
Priority date: 1985-03-19
Filing date: 1985-03-19
Publication date: 1989-04-07
Also published as: JPS61155676U

Description

【考案の詳細な説明】考案の目的（産業上の利用分野）本考案は車両空調用に好適な斜板式圧縮機の両
頭ピストンに関するものである。

（従来の技術）従来、車両空調用の斜板式圧縮機に使用されて
いる両頭ピストンは一対の頭部と、両頭部を連結
する連結部とからなり、同連結部の外周面はほぼ
均一な曲面に形成されている。

（考案が解決しようとする問題点）ところが、上記従来の斜板式圧縮機において
は、多気筒・小型化により斜板室容積が小さくな
つて同斜板室の冷媒ガス量が減少したり、性能向
上のために潤滑油量を少なくしたり、圧縮機が高
回転化したりすると、斜板、軸受装置、及び両頭
ピストンの滑滑性が低下するという問題点があつ
た。

また、多気筒・小型化によりピストン連結部の
断面積が小さくなり、その強度が低下するという
問題点もあつた。

考案の構成（問題点を解決するための手段）本考案は前記問題点を解決するため、斜板式圧
縮機のシリダボア内を斜板の揺動運動に伴い、軸
受装置を介して往復動するピストンの両頭部を連
結する連結部外周面に対し、潤滑油を霧化して斜
板室へ導くための突条部を、前記両頭ピストンの
軸線方向に対して斜状に設けるという手段を採つ
てる。

（作用）斜板室内に供給された潤滑油が、シリンダボア
内を往復動する両頭ピストンの連結部外周面に形
成した突条部により霧化されて斜板室内に導入、
拡散され、斜板、軸受装置、及び両頭ピストンが
潤滑される。

（実施例）以下、本考案を具体化した一実施例を第１〜３
図に基づいて説明すると、第１図は片側５気筒つ
まり10気筒の斜板式圧縮機の一部を示し、図にお
いて対接されたシリンダブロツク１，２の接合部
分には斜板室３が形成され、そこにはシリンダブ
ロツク１，２の中心に貫設された軸孔１ａ，２ａ
を貫通する駆動軸４に対して傾斜して固着された
斜板５が収容されている。斜板５の前後にはスラ
ストベアリング６が配設されている。

シリンダブロツク１，２には駆動軸４と平行
に、かつ第２図に示すように駆動軸４を中心とす
る放熱状の位置に５組のシリンダボア７が併設さ
れ、各シリンダボア７に嵌挿された本考案の両頭
ピストン８がボール９及びシユー１０よりなる軸
受装置を介して斜板５に係留されており、同斜板
５の回転力によつて両頭ピストン９はシリンダボ
ア７内を往復動可能である。シリンダブロツク
１，２の上面には連通孔１１，１２を介して冷媒
ガスの吸入フランジ１３が取付られている。

第３図に示すように前記両頭ピストン８は両端
に一対の頭部１４，１５と両頭部１４，１５を連
結する連結部１６とにより構成されている。連結
部１６の外周面には平面たすき状をなす突条部１
７が両頭ピストン８の軸線方向に対して斜状に設
けられ、この突条部１７は連結部１６の外周面を
４つの区画Ａ〜Ｄに分割している。また区画Ａ，
Ｂには突条部１７に接して溝部１６ａ，１６ｂが
形成されている。

次に前記のように構成した両頭ピストン８の作
用について説明する。

駆動軸４の回転により斜板５が揺動運動される
と、これに伴つて両頭ピストン８がシリンダボア
７内を往復動され、圧縮が行われる。吸入フラン
ジ１３から連通孔１１，１２を介して斜板室３に
供給された冷媒ガスは第２図に示すようにＳ矢印
方向に流れ、シリンダ壁面近くに滞留する。第３
図において両頭ピストン８が右方向に移動される
と、区画Ａ，Ｂにある冷媒ガスは突条部１７及び
溝部１６ａ，１６ｂによりＰ矢印方向へ案内さ
れ、第２図Ｔ矢印で示すように斜板室３内に拡散
される。また、同ピストン８が第３図において左
方向に移動されると、区画Ａ，Ｂにある冷媒ガス
はＱ矢印方向へ案内され、第２図において前記と
同様に斜板室３内に拡散される。なお、区画Ｃ，
Ｄにある冷媒ガスは同ピストン８の往復動により
突条部１７を乗り越えてＡ，Ｂに流れ、前記と同
様にして斜板室３内に拡散される。

このとき、冷媒ガス中に含まれる潤滑油は突条
部１７により霧化され、シリンダ壁面近くに集ま
ることなく、斜板室３内に拡散され、斜板５、シ
ユー１０、両頭ピストン８、ボール９、及びスラ
ストベアリング６が潤滑される。

また、本実施例では連結部１６に突条部１７を
設けたので、両頭ピストン８の強度が向上する。

なお、本考案は前記実施例に限定されるもので
はなく、第４図に示すように前記突条部１７を平
面双曲線状に形成するとともに、連結部１６の中
央２箇所に透孔１８を貫設して前記吸入フランジ
１３から供給した冷媒ガスの一部を同透孔１８か
ら直接斜板５及びシユー１０に当てるようにして
もよい。この場合には突条部１７が透孔１８へ潤
滑油を導くガイドの機能を果たし、効率良く潤滑
することができる。

また、前記実施例では突条部１７を連続して形
成したが、適宜箇所を切欠いて断続的な突条部と
してもよい。

考案の効果以上詳述したように、本考案によれば両頭ピス
トンの連結部外周面に対し、同ピストンの軸線方
向に対して斜状に突条部を設けたので、斜板室内
に供給した冷媒ガス中に含まれる潤滑油を同突条
部により霧化しながら同斜板室に拡散し、斜板、
軸受装置、及び両頭ピストンの潤滑油を向上でき
る。

また、本実施例では連結部に突条部を設けたの
で、両頭ピストンの強度を向上できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の両頭ピストンを配設した斜板
式圧縮機の要部縦断面図、第２図は同じく側断面
図、第３図ａは両頭ピストンの拡大平面図、同図
ｂは同じく縦断面図、第４図ａは別例の両頭ピス
トンを示す平面図、同図ｂは同じく縦断面図であ
る。斜板５、シリンダボア７、両頭ピストン８、連
結部１６、突条部１７、透孔１８。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１斜板式圧縮機のシリンダボア内を斜板の揺動
運動に伴い、軸受装置を介して往復動するピス
トンの両頭部を連結する連結部外周面に対し、
潤滑油を霧化して斜板室へ導くための突条部
を、前記両頭ピストンの軸線方向に対して斜状
に設けたことを特徴とする斜板式圧縮機におけ
る両頭ピストン。２突条部は連結部外周面に平面たすき状に形成
されている実用新案登録請求の範囲第１項に記
載の斜板式圧縮機における両頭ピストン。３突条部は連結部外周面に平面双曲線状に形成
されている実用新案登録請求の範囲第１項に記
載の斜板式圧縮機における両頭ピストン。４連結部は透孔を備えている実用新案登録請求
の範囲第１項に記載の斜板式圧縮機における両
頭ピストン。