JPH01117729A - 育苗設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、トレーに載置した植物を所要の温度条件下で
発芽または育苗させるための育苗設備に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来から、一般的に普及している育苗設備は、育苗用ハ
ウス内全体を冷暖房することで植物を常時適正温度条件
下に保つ方式のものである。この方式は、育苗用ハウス
内全体を冷暖房するため、冷暖房負荷が大きく、熱源と
して大規模のものを使用しなければならないことと相ま
って経済的にも大変効率の悪いものとなっていた。

そこで、近年においては、植物の周囲だけを集中的に冷
暖房する育苗設備が望まれており、かかる冷暖房設備と
してダクト型温室冷暖房設備が提案されている。この設
備は、通気性のよい網目状の架台上に植物を個別的に植
木鉢に収めた状態で配置すると共に、この架台の下部に
冷気又は暖気を供給するダクトを配設し、このダクトか
ら植物の根側に向けて冷風又は暖風を供給することによ
り植物全体を根側から集中的に冷暖房することのできる
構造をなしている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した既知の設備は、植物自体を集中的に冷暖房する
ことにより冷暖房負荷の軽減をある程度まで図ることが
できる反面、冷風や暖風によるダクトからの吹上げによ
り植物の周囲温度を調整しているため、植物を網目状の
架台上に密に配置できず、空間利用効率の向上を図るこ
とができない。

更に、ダクトより排出された冷風又は暖風を育苗用ハウ
ス外に排出する空気排出口を必要とするため、設備自体
が大変大がかりなものになると共に、ダクトから排出さ
れた冷気又は暖気を放出することになって、熱効率が低
下する虞れがある。これを防止する目的で、仮に、ダク
トから排出された冷風又は暖風を循環させる構造にする
と、確かに熱を有効に回収することができるが、結局の
ところハウス内全体を冷暖房することになり、冷暖房負
荷が大きくなることに起因してやはり熱効率の低下は避
けられない。

（問題点を解決するための手段） そこで、上記問題点を一挙に解決するため、本発明は、
育苗用ハウス内の優れた空間利用効率を図りかつ、育苗
用ハウス全体を冷暖房せずに植物の生育に適する温度を
確保しつつ熱効率の良い育苗設備を提供することを目的
としている。

かかる目的を達成するため、本発明は、熱媒体を選択的
に加温し又は冷却する熱源と、この熱源に接続されて前
記熱媒体を内部に循環させうる流路を有し、かつ、前記
トレーを直接載置しうる吸放熱マットとを具え、該吸放
熱マットは、前記トレーを載置した状態で前記熱媒体を
前記流路内で循環させる際に植物に対して放熱し又は吸
熱して該植物を直接加温し又は冷却することを特徴とす
る。

（作　用） 本発明によれば、熱源により選択的に加温又は冷却され
た熱媒体を吸放熱マットに供給し、この吸放熱マットに
直接載置したトレーを直接加温又は冷却することにより
吸放熱マットからの輻射熱および伝導伝熱によって植物
を根側から直接にかつ集中的に加温又は冷却することが
でき、また、熱源と吸放熱マット間で熱媒体を循環させ
るので、冷暖房効率を著しく向上することもできる。更
に、本発明はトレーおよびマット相互間の輻射熱および
伝導伝熱を利用する構成を有するため、既知のように風
に依存することがなく、植物の密装置を可能にし空間利
用効率を向上させることができる。

（実施例） 以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

第１図に示すように、本発明による育苗設備は、通常の
育苗用ハウス１を備えており、このハウス内には、複数
個の植物用トレー２を支持するための架台３が複数個並
列して配置されている。この架台３とトレー２との間に
は、熱媒体例えば水を循環させる通路を有する吸放熱マ
ット４が敷設されている（第２図参照）。トレー２は、
マット４上に直接設置されるものとする。また、ここで
、吸放熱マット４と架台３との間に断熱材（図示せず）
を介挿すると、吸放熱マットを挟んで植物の側の反対側
にあたる部分において無駄な吸放熱が抑制されるので、
更に好適である。また、育苗用ハウス１の外部には、吸
放熱マット４内を通して循環する熱媒体を所要に応じて
選択的に加温し又は冷却する熱源５が設けられており、
この熱源４は、媒体加温用としての温水暖房器５ａと媒
体冷却用としての水式又は空式チラー５ｂとを含めたも
のである。熱源５と吸放熱マット４との間には、熱媒体
の分配／回収に供するヘッダー６が設置されており、こ
のヘッダー６により温水暖房器５ａまたはチラー５ｂか
ら複数個の吸放熱マット４に対して熱媒体を供給し、ま
た、吸放熱マット４とトレー２との間で熱交換が行われ
た後に排出される熱媒体を再度回収して熱源５へ送り返
すものである。

したがって、熱媒体は熱源５と吸放熱マット４との間で
熱媒体分配／回収用ヘッダー６を介しで循環することと
なる。

以下、第２図を参照して、熱媒体の循環径路及び熱媒体
分配／回収用ヘッダー６の具体的構成について説明する
。ヘッダー６は、熱源５から供給された熱媒体を複数の
吸放熱マット４に分配するための分配管７を有し、更に
複数の吸放熱マット４で熱交換が行われた熱媒体を回収
して熱源５へ送り返すための回収管８を有している。こ
の分配管７には複数の吸放熱マット４と連結される複数
の媒体供給管９が並設され、また、回収管８には、複数
の吸放熱マット４と連結される複数の媒体戻り管１０が
並設されている。更に、媒体供給管９と媒体戻り管１０
との間を連絡管１１による連絡し、この連絡管１１の媒
体供給管９側の端部には三方弁１２が設けられている。

この三方弁１２は、吸放熱マット４及びトレー２内の温
度が所望値に達したときに熱源５から吸放熱マット４へ
の熱媒体の供給が遮断され、また三方弁１２の吸放熱マ
ット４側のループ内で所定温度の熱媒体循環を行わせる
構成となっている。すなわち、循環ポンプ１３を、三方
弁１２の吸放熱マット側に位置するループ内に配置する
ものである。

上述した三方弁１２の開閉作動は、モータ等のアクチュ
エータ１２ａによって行われると共に、トレー２内の温
度変化に対応して制御されている。この制御は、例えば
トレー２内に配置された温度センサー１４によって感知
された温度に応じてアクチュエータ１２ａに駆動信号を
供給する制御盤１５で行われる。すなわち、植物の生育
に適した温度を常時維持する回路が組込まれた制御盤は
、温度センサー１４からの信号に応じて三方弁１２のア
クチュエータ１２ａを駆動制御して熱媒体の循環径路の
切換を行うものである。なお、制御盤１５により熱源５
をも制御して熱媒体を所要に応じて選択的に加温又は冷
却し、熱源５による熱供給熱量を制御することもできる
。

第２図に示すように、架台３は２段に構成されており、
各段には、それぞれ前述の構成の吸放熱マット４及びト
レー２が載置されている。また、分配管７及び回収管８
から分岐した媒体供給管９及び媒体戻り管１０の各々に
、上段の吸放熱マット４及び下段の吸放熱マット４が連
結されており、各媒体供給管の途中には、三方弁１２及
びポンプ１３がそれぞれ設けられている。したがって、
ハウスｌを透明材料により構成する場合には、上段に光
合成の必要のある植物を、また下段には光合成の必要の
ない例えば発芽期の植物をそれぞれ配置することで架台
３の下部をも有効に活用することができる。当然のこと
として、上段及び下段の吸放熱マットを制御する三方弁
１２を別個に設けることは、制御盤１５によって同じ作
動をさせることも可能であるが、上下段の植物の生育状
態に応じて個別的に異なる態様をもって作動させること
を可能にする。

次に、前述した吸放熱マット４の具体的構成について説
明する。第３〜５図に示すように、吸放熱マット４は、
トレー２への熱移動をすみやかに行う矩形の熱伝導性材
料（例えばアルミ、銅、プラスチック、ゴム材）からな
る吸放熱体２０と、この吸放熱体２０の内部に熱媒体を
挿通させる導管２１とから成る。第３図に示すように、
この導管２１は直状をなして複数本並列に配設されてお
り、そして、吸放熱体２０の一端が媒体入口部、他端が
媒体出口部として構成されている。吸放熱媒体２０の対
向端部からそれぞれ突出した導管２１の媒体入口部及び
媒体出口部は、前述した媒体供給管９及び媒体戻り管１
０とそれぞれ連結されている。この構成によれば、吸放
熱マット４の製造を簡単にかつ安価にすることができる
。

第５図は、吸放熱マット４の他の実施例を示すものであ
る。本例では、吸放熱体２０内に複数本並列に配置され
た導体２１はＵ字状接続部２１ａを介して相互に接続さ
れている。したがって、吸放熱体２００片側端で導管２
１の媒体入口部及び媒体出口部が突出する構成をなす。

そして、この媒体人口部及び媒体出口部にはそれぞれ媒
体供給管９及び媒体戻り管１０が連結されている。この
構成によれば、導管２１の入口部が最も高温となり続い
てＵ字状部２１ａが中温となり、そして、出口部が最も
低温となる。したがって、吸放熱マット４全体から見れ
ば全面で均一な温度をなし、結局各場所での温度ムラが
ない利点を有する。

上述した吸放熱マットの実施例においては、吸放熱体２
０と導管２１とは別体に形成されているが、例えば適当
な金属材料の押出加工等により一体に成形すると、熱伝
達効率が向上すると共に溶接等の作業を必要とせず更に
好適である。

また、本実施例に用いられている熱源５は、媒体加温を
行う温水暖房器５ａと媒体冷却を行うチラー５ｂとを個
別的に設けたものであるが、ヒートポンプ型式を利用す
ることにより、簡易で効率の良いシステムを構成できる
。

本発明は、上記実施例に限定されるものではなく本発明
の範囲内で種々の変更を加えることができのは言うまで
もない。

（発明の効果） 以上詳述したように、本発明によれば、吸放熱マットと
の間の直接的な熱交換によりトレーを加温又は冷却する
ことにより、育苗用ハウス全体を冷暖房する必要なしに
、植物の生育に適する温度を吸放熱マットとトレーとの
間で直接行う熱交換で確保することができ、そのことに
伴って、熱効率のよい育苗設備が達成され、その上、既
知のもののように風を使用せず輻射熱および伝導伝熱を
利用する構成を有しているので、設備を大型にせずとも
、植物を密に配置することができ、空間利用効率を大い
に向上させることができる。また、熱交換後の熱媒体の
保有する排熱を有効に利用することができるため、運転
コストを軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る育苗システムの全体を示す斜視図
、 第２図は本発明に係る育苗システムの概略図、第３図は
本発明に利用する吸放熱マットの平面図、 第４図は第３図のｒＶ−ｒＶ線に沿う断面図、第５図は
吸放熱マットの他の実施例を示す平面図である。 １・・・育苗用ハウス　　２・・・トレー３・・・架台
　　　　　　４・・・吸放熱マット５・・・熱源　　　
　　　５ａ・・・温水暖房器５ｂ・・・水式又は空穴チ
ラー ６・・・ヘッダー　　　　７・・・分配管８−　回収管
　　　　　９・・・媒体供給管１０・・・媒体戻り管　
　　１１・・・連絡管１２・・・三方弁　　　　　１２
ａ・・・アクチュエータ１３・・・ポンプ　　　　　１
４・・・温度センサー１５・・・制御盤　　　　　２０
・・・吸放熱体２１・・・導管 特許出願人　　社団法人　長野県農協地域開発機横銅　
　出願人　ソーラーシステム株式会社第３図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、トレーに載置した植物を所要の温度条件下で発芽ま
   たは育苗させるための育苗設備において、熱媒体を選択
   的に加温し又は冷却する熱源と、この熱源に接続されて
   前記熱媒体を内部に循環させうる流路を有し、かつ、前
   記トレーを直接載置しうる吸放熱マットとを具え、該吸
   放熱マットは、前記トレーを載置した状態で前記熱媒体
   を前記流路内で循環させる際に植物に対して放熱し又は
   吸熱して該植物を直接加温し又は冷却することを特徴と
   する育苗設備。