JP7880997B2 - 癒着関連疾患を予防・治療する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリヂン誘導体の使用 - Google Patents

癒着関連疾患を予防・治療する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリヂン誘導体の使用

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Description

本発明は2022年5月30日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が202210596510.4であり、発明の名称が「癒着関連疾患を予防・治療する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリジン誘導体の使用」、および2022年10月20日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が202211286168.4であり、発明の名称が「癒着関連疾患を予防・治療する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリジン誘導体の使用」の先願の優先権を主張する。前記先行出願の全ての内容は参照によって本発明に応用される。
本発明は、医薬の分野に関し、具体的に、癒着関連疾患を予防・治療する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリヂン誘導体の使用に関する。
癒着(Adhesions)は組織損傷の結果であり、その原因としては、鋭利な器具、機械または熱損傷、感染、放射線、虚血、乾燥、磨損、異物反応、腫瘍などが含まれる。いずれの誘発因子であっても、癒着は、体内の3つの互い絡み合ったプロセス、すなわち、線溶系、細胞外マトリックス沈着およびリモデリング、ならびに炎症系が相互に作用して形成されるものである。胃腸管が生物学的、物理的または化学的損傷を受けると、急性炎症反応が現れる。組織虚血、組織因子およびサイトカイン、血管透過性の増加、炎症性因子の放出などは、腸の癒着および腹腔内の癒着を引き起こし、同時に、フィブリノーゲンおよびフィブリンを含む大量の滲出液は、沈着、凝固して繊維網状物を形成し、刺激された組織器官の表面に集中し、周囲の組織に付着することができる。正常な情況の下で、腹膜中皮細胞滲出液はフィブリノーゲンを放出するほか、フィブリン溶解作用があり、セルロース網を溶解吸収させ、癒着形成を減少させる。フィブリンの沈着と分解との間のバランスは、正常な修復癒合または癒着形成において重要な役割を果たし、これら2つのバランスの不均衡を引き起こす重要な因子は、局所的損傷および炎症反応の程度である。
術後癒着(Postoperative adhesions)(例えば、腸癒着または腹膜癒着)は、不妊症、疼痛またはイレウスを引き起こす可能性があり、その後の腹部または骨盤腔手術の難易度が高まる可能性がある。すべての外科医は、術後癒着のリスクおよび結果に熟知し、術後癒着の発生を可能な限りに低減するための措置を採用しなければならない。理論的には、手術中の腹膜損傷を減少させ、反応性異物の導入を防止し、局所炎症反応を減少させ、凝血カスケード反応を阻害し、フィブリン溶解を促進し、または損傷された組織間に障壁を設けることによって、癒着形成を減少させることができる。しかし、研究によると、どのような手術方法を選択しても、子宮筋腫切除術などの手術は通常に癒着をもたらす。開腹筋腫切除術後の癒着発生率は90%より大きかったが、腹腔鏡筋腫切除術後にも癒着発生率は少なくとも70%であった。癒着防止生体吸収性膜を使用して手術部位を近くの腹膜または隣接する器官から物理的に隔離し、相互の癒着を防止することは、実行可能な方法の1つと考えられる。FDAは、ヒアルロン酸およびカルボキシメチルセルロースからなる膜(Seprafilm)などの様々な癒着防止膜製品を承認している。臨床研究によると、腹部手術後に創面などの部位に吸収性医療用膜を配置した試験群の患者は、手術後に介入しなかった対照群の患者より、術後の腸鳴音の回復時間、排気時間が明らかに短く、術後の各項目の徴候が対照群の患者より優れ、かつ良好な生体適合性と安全性を有する。この生体吸収性膜は術後の癒着をよく予防でき、二次手術のリスクを減少させ、明らかにコンプライアンスを向上させることができる。しかし、生体吸収性膜の作用部位は留置部位に限られており、外科医は癒着可能な部位を判断する必要があり、癒着発生位置は手術部位から少し離れている可能性があり、同時に、癒着防止膜の留置操作は困難であるため、腹腔鏡手術に使用されることは困難である。
現在、組換えtPA、ストレプトキナーゼ、ヘパリン、低分子量ヘパリン、非ステロイド性抗炎症薬、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト、ホスファチジルコリン、ビタミンE抗酸化分子、およびコルチコステロイドを含む薬物による癒着予防の有効性を評価する多くの研究がある。これらの薬剤は最初には術後癒着以外の疾患の治療のために開発されたものであり、癒着予防の機序は明らかではなく、その効果もさらに検証する必要がある。最近の研究は、腸管の創傷(切開、手術操作、および低灌流)が腸管の粘膜バリアの破壊をもたらし、その後消化性プロテアーゼが腸管の組織および内臓腔に導入されることを示している。これらのプロテアーゼは、内臓の中皮表面にタンパク質加水分解損傷を引き起こし、生体修復プロセスの一部として、損傷された組織の治癒中に癒着形成を引き起こす。本発明者らは、長期の研究において、特定のテトラヒドロナフチリジン誘導体は、広域セリンプロテアーゼ阻害剤として、手術中に腸管粘膜バリア損傷により過剰に放出される消化プロテアーゼの活性を中和することで、胃腸管組織への損傷を減少させ、胃腸管機能の回復を加速し、それによって術後の腸癒着を予防するという目的を達成できることを見出した。
本発明の目的の1つは、胃腸管損傷関連疾患を予防・治療する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリジン誘導体の使用を提供することである。
ある具体的な実施形態において、前記テトラヒドロナフチリジン誘導体は、5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-カルボン酸、5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-ホスホン酸、および前記化合物の水和物、または薬学的に許容される塩、またはプロドラッグ、または混合物から選択される。
ある具体的な実施形態において、前記薬学的に許容される塩は、テトラヒドロナフチリジン誘導体の塩酸塩である。
ある具体的な実施形態において、前記胃腸管損傷関連疾患は癒着を指し、特に外科術後の腹腔胃腸管損傷、感染などに起因する各種の癒着、例えば、術後腸管癒着、腹腔癒着、肋間癒着、腹膜癒着、子宮癒着などを含む。
ある具体的な実施形態において、胃腸管損傷関連疾患には、さらに術後癒着に起因する合併症、例えば、女性の不妊症、術後イレウス、疼痛のうちの1種または複数種が含まれる。
本発明はさらに、胃腸タンパク質キナーゼを抑制する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリジン誘導体の使用を提供する。
ある具体的な実施形態において、胃腸タンパク質キナーゼは、トリプシン(Trypsin)、MMP9、およびTACEから選択される少なくとも1種である。
本発明において、「予防・治療」とは、「予防」および/または「治療」を指し、ここで、「予防」とは、疾患の発生および発症のリスクを回避、軽減、または減少させることを指し、「治療」とは、疾患の症状または疾患の症状の発症、進行または進展を人工介入で排除、阻止、軽減、減弱、制限、抑制または阻害することを指す。
本発明において、研究を通じて、前記テトラヒドロナフチリジン誘導体は胃腸管損傷関連疾患を予防・治療する良好な効果を有し、胃腸管損傷を予防・治療する薬物又は胃腸タンパク質キナーゼを抑制する薬物の調製に用いられ、特に胃腸癒着、腹腔癒着、肋間癒着、腹膜癒着、子宮癒着などの症状及びその合併症に対して良好な予防・治療効果を有することを発見した。
図1は、試験例3における偽手術群ラットの術後7日目の屠殺後の腹腔腸部の写真である。 図2は、試験例3におけるモデル群ラットの術後7日目の屠殺後の腹腔腸部の写真である。 図3は、試験例3における薬物群ラットの術後7日目の屠殺後の腹腔腸部の写真である。 図4は、Phillips分級法を採用した試験例4におけるラット腸部癒着の状況に対するスコア(Scores)の棒グラフである。
以下、具体的な実施例を結合して本開示の技術案をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、本開示を例示的に説明するものに過ぎず、本開示の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。本開示の上記内容に基づいて実現される技術は、本開示の保護範囲内に含まれる。
特に断りのない限り、以下の実施例で使用される原料および試薬はすべて市販商品であり、または既知の方法によって調製することができる。
ステップ1:tert-ブチル2-クロロ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6-(5H)-カルボキシレートの調製
2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン塩酸塩(0.9g)を秤量してジクロロメタン(15mL)に懸濁させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.4g)を遊離させた後、ジ-tert-ブチルジカーボネート(1.15g)を加えて室温で1時間反応させた。TLCは、原料が完全に消耗されたことを示し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、標題の化合物(1.12g)を得た。
MS(ESI)m/z(M+H)+=269.0。
ステップ2:tert-ブチル2-シアノ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6-(5H)-カルボキシレートの調製
tert-ブチル2-クロロ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(1.12g)を秤量してN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、シアン化亜鉛(2.44g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(483mg)を加え、アルゴンで3回置換3し、120℃で3時間反応させた。TLCは、原料が完全に消耗されたことを示し、酢酸エチルを加えて希釈し、珪藻土で濾過し、酢酸エチルで2回抽出し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して標題の化合物(1.1g)を得た。
MS(ESI)m/z(M+H)+=260.0。
ステップ3:5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-カルボン酸塩酸塩の調製
tert-ブチル2-シアノ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6-(5H)-カルボキシレート(1.1g)を秤量して6M塩酸水溶液(25mL)に溶解し、120 ℃で一晩反応させた。LCMSは、原料が完全に消耗されたことを示し、反応物を乾燥するまでに濃縮し、標題の化合物(726mg)をpre-HPLCにより分離して得た。
MS(ESI)m/z(M+H)+=179.0。
1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.21 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.60 (s, 2H), 3.71 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.42 (t, J = 6.4 Hz, 2H).
ステップ1:tert-ブチル2-クロロ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6-(5H)-カルボキシレートの調製
2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン塩酸塩(0.9g)をジクロロメタン(15mL)に懸濁し、N, N-ジイソプロピルエチルアミン(1.4g)を加え、次にジ-tert-ブチルジカーボネート(1.15g)を加え、室温で1時間反応させた。TLCは、原料が完全に消耗されたことを示し、水を加えて反応液を希釈し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、得られた粗製品をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物1.12gを得た。
MS(ESI)m/z(M+H)+=269.0。
ステップ2:tert-ブチル2-(ジエトキシホスホリル)-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチルピリジン-6(5H)-カルボキシレートの調製
アルゴン雰囲気で、tert-ブチル2-クロロ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(100mg)をトルエン(20mL)に溶解し、ジエチルホスファイト(102mg)、トリス(ジベンザルアセトン)ジパラジウム(34mg)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン(41mg)およびトリエチルアミン(75mg)を加え、系を120℃で一晩反応させた。TLCは、原料が完全に消耗されたことを示し、酢酸エチルを加えて希釈し、珪藻土でろ過し、ろ液を集めて濃縮し、得られた粗製品をPreparative TLCで精製し、目的化合物70mgを得た。
MS(ESI)m/z(M+H)+=371.1。
ステップ3:(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル)ホスホン酸塩酸塩の調製
tert-ブチル2-(ジエトキシホスホリル)-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチルピリジン-6(5H)-カルボキシレート(70mg)を濃塩酸(5mL)に溶解し、100℃で一晩反応させた。LCMSは、原料が完全に消耗されたことを示し、反応液を濃縮し、粗製品をPreparative HPLCによって精製し、目的化合物30mgを得た。
MS(ESI)m/z(M+H)+ =215.0.
1H NMR (400 MHz,D2O) δ 8.35 (dd, J = 8.0, 2.4 Hz, 1H), 8.06 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 4.59 (s, 2H), 3.67 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.49 (t, J = 6.4 Hz, 2H).
生物実験
試験例1
1、実験目的
ラット小腸空腸セグメントのホモジネート液中の全プロテアーゼに対する本発明の化合物の阻害活性を測定した。
2、実験材料と機器


3、実験ステップ
a)ラット腸ホモジネートの調製およびタンパク質の定量
i.組織採取:実験動物を麻酔した後に出血して屠殺し、小腸を回盲部から胃下端十二指腸方向に半分に折り、中間約4cmの空腸を取り、0.9%塩化ナトリウム溶液で洗浄した後、液体窒素中に入れて急速冷凍し、その後、-80℃の条件に移して保存した。
ii.腸組織ホモジネート:氷上で無菌手術用ハサミを用いて腸組織を小さな塊に切り、2mLのEPチューブに移し、1mgの組織ごとに4μLの体積のAssay Buffer(Protease Activity Assay Kit、Abcam、ab111750)を添加し;各EPチューブに2個の小さい鋼球を添加し、4℃の条件下でハイスループット冷凍研磨機を用いて組織をホモジナイズし、毎回3600rpmで30秒間ホモジナイズし、合計で2回ホモジナイズした;
iii.組織ホモジネートを12000g、4℃で10分間遠心分離した後、気を付けてホモジネート上清(腸ホモジネート液)を取り、新しいEPチューブに移し、分注した後、-80℃で保存した。
iv.BCAタンパク質濃度測定キットの説明書を参照して、腸ホモジネート液に対して全タンパク質定量を行った。
b)化合物阻害活性試験
i.化合物保存液:化合物をAssay Bufferに溶解して400mMのストック液を調製し、分注した後-20℃で保存した。
ii.4×化合物作動液:化合物ストック溶液を3倍勾配希釈し、全部で10個の濃度点があり、希釈液はAssay bufferであり、化合物を含まないウェルを陰性対照として設置し、プロテアーゼホモジネート液のないウェルをブランク対照として設置した;
iii.4×腸プロテアーゼ作動液:Assay Bufferで腸ホモジネート液を指定濃度に希釈する;
iv.以下の表に従ってReaction Mix溶液を調製し、200μL Reaction Mix溶液を調製したことを例とした;

v.黒色平底384ウェル反応プレートに、4×化合物作動液10μL、4×腸プロテアーゼ作動液10μL、Reaction Mix溶液20μLを順次加え、3000rpmで10秒間迅速に遠心分離した後、すぐに検出した。
vi.動力学モードで、FI=Ex485/Em 520nmの蛍光シグナルを30分間以内(5分間に1回)に連続して検出した。
c)データ分析
30分間の蛍光シグナルの差値をΔRFUと記録して計算した。
化合物濃度のlog値をX軸とし、蛍光シグナル差値(ΔRFU)をY軸とし、分析ソフトGraphPad 7の4パラメーターモデル(log(阻害剤)vs.応答-可変スロープ(Variable slope))フィッティング量効果曲線を用いて、各化合物の酵素活性に対するIC50値を求めた。
フィッティング公式:Y = min+(max-min)/(1+10^((LogIC50-X)×Hillslope))。
上記ラット小腸ホモジネート中の全プロテアーゼに対する本発明の化合物の阻害効果は、上記の試験によって測定され、測定されたIC50値は次のとおりである。
実験データは、本発明の化合物がラット小腸の全プロテアーゼに対して一定の阻害活性を有することを示している。
試験例2
1.実験目的
組換えヒトプロテアーゼであるトリプシン、MMP9およびTACEに対する本発明の化合物の阻害活性を測定した。
2.実験材料および機器
主な試薬と消耗材料

反応緩衝液
Trypsin: 100 mM Tris-HCl, 75 mM NaCl, 2.5 mM CaCl2, 10 mM Cysteine, pH 7.5
MMP9: 50 mM Tris, 10 mM CaCl2, 150 mM NaCl, 0.05 % Brij-35(w/v), pH7.5
TACE: 25 mM Tris, 2.5 μM ZnCl2, 0.005 % Brij-35 (w/v), pH 9.0
3.実験ステップ
a)化合物をPBSまたは等モル体積濃度のNaOH水溶液で溶解して、100mMストック溶液を調製した。
b)化合物を3倍勾配希釈し、全部で10個の濃度点があり、希釈液はPBSである。
c)勾配希釈した化合物溶液5μLを取り、実験プレートに加えた。
d)Trypsin、MMP9およびTACEの4×酵素作動液をそれぞれ調製し、最終濃度がそれぞれ75nM、0.2μg/mL、0.2μg/mLとなるように5μLのプレートを加えた。
e)2×基質溶液を調製し、最終濃度がそれぞれ120、10、20μMとなるように、10μLをTrypsin、MMP9およびTACEプレートに添加した。
f)室温で(MMP9とTACE)または37℃(Trypsin)で30分間(MMP9とTACE)または60分間(Trypsin)インキュベートした後、多機能マイクロプレートリーダーを用いて蛍光値を読み取った。
g)タンパク質、基質を含有し、化合物を含有しないウェルのシグナルをHigh Controlとし、基質を含有し、タンパク質および化合物を含有しないウェルのシグナルをLow Controlとして、以下の式で各テストウェルの阻害率を計算した。
阻害率% = 100-100 ×(テストウェル-Low Control)/(High Control - Low Control)
h)濃度のlog値をX軸とし、阻害率パーセントをY軸とし、分析ソフトウェアIDBS_XLFitのMode205モデルフィッティング量効果曲線を用いて、各化合物の酵素活性に対するIC50値を得た。
フィッティング公式:fit=(A+((B-A)/(1+((C/x)^D))));
A: Bottom; B: Top; C: IC50; D: Hillslope
本発明化合物による上記3種のプロテアーゼの阻害作用を以上の試験により測定した。測定されたIC50値は以下の通りであった。
実験データは、本発明の化合物が3つのプロテアーゼに対してすべて一定の阻害効果を有することを示している。
試験例3
3.1実験動物:SPF級雄性220g SDラット、杭州メディカルカレッジ実験動物センターから購入し、浙江省実験動物品質監督検査ステーションにより合格と検査された。30匹のSDラットを、実験室に入ってから10日間適応的に飼育し、耳標番号を用いて、ランダムに3群に分け、各群10匹とした。
3.2被験物:被験物1の被試験活性化合物は5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリヂン-2-カルボン酸であり、被験物2の被試験活性化合物は(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル)ホスホン酸である。胃内投与用溶媒は複方ポリエチレングリコール電解質溶液であり、洗浄投与溶媒は無菌生理食塩水である。
3.3溶媒調製:1袋の複方ポリエチレングリコール電解質溶液(68.56g)を取り、1Lの純水に溶解し、さらに溶媒のグルコース含量が4%(w/v)になるように44gのグルコース(含水)を加えた。調製後2~8℃で保存し、1週間以内に使用した。
3.4胃内投与用溶液の調製:一定量の被験物を秤量し、適量の無菌超純水を加えて20%(w/v)母液を調製し、等当量のNaOHを加えてpHを中性に調節し、完全に溶解した状態(pH値を測定)を呈した。母液1部を取り、9部の電解質溶液(1:9、v:v)を加え、2%(w/v)の胃内投与用溶液(pH範囲を測定)を調製した。
3.5洗浄溶液調製:一定量の被験物を秤量し、生理食塩水を用いて1%(w/v)の腹腔洗浄溶液を調製した(pHを中性に調節)。
3.6モールディング:ヤスリ法を用いて腹腔癒着モデルを作成し、術前に動物は禁食するが禁水せず(>12h)、吸入麻酔下で腹部を局所的に除毛し、ヨードフォア溶液で消毒し、メスを用いて実験動物の腹部の中線領域に3cm切開し、盲腸を取り出し、回盲部の右側面でヤスリを用いて漿膜層を表面に針先状出血点が出るまで繰り返し摩擦して、約0.5cm×0.5cmの損傷創面を形成し、これを腹腔に戻し、洗浄投与を完了した後、手術縫合糸で1層ずつ縫合して腹腔を閉じた。各群の動物を各群3匹ずつ交差させた。開腹のみで盲腸損傷のない偽手術群対照を設置した。
3.7投与:開腹術の2時間前に12mL/kgで単回経口胃内投与し、盲腸を損傷した後、腹部縫合前に2mL/匹で腹腔内洗浄を1回行った。
3.8癒着採点:Phillips分級基準を用いて術後腹腔内癒着の情況を採点した。下記の表の通りである。
3.9結果検出
術後7日目に解剖動物を屠殺し、Phillips分級法を用いて腸部癒着の情況を採点し、結果は図1(偽手術群)、図2(モデル群)および図3(被験物2)に示すように、偽手術群では、モールディング7日後に、腹腔と盲腸の癒着が観察されなかった;モデル群ラットでは、盲腸摩擦モールディング7日後に、複数箇所で大面積の腸癒着が観察された;2%の被験物2溶液胃内投与+1%溶液腹腔洗浄を採用した後、モデル群に対して80%を超える動物の腸癒着の数量及び程度は明らかに改善された。
試験例4
4.1実験動物
SPF級雄性SDラット220±20g、70匹、北京維通利華実験動物技術有限公司より購入した。実験室に入ってから適応的に2週間飼育した後、耳標番号を用い、ランダムに7群に分け、各群8匹とした。
4.2被験物および溶媒調製
被験物:被験物1の被試験活性化合物は5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリヂン-2-カルボン酸塩酸塩であり、被験物2の被試験活性化合物は(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリヂン-2-イル)ホスホン酸塩酸塩である。陽性薬はトラネキサム酸(Tranexamic Acid, TXA)である。
溶媒:1袋の複方ポリエチレングリコール電解質溶液粉末(68.56g)を取り、1Lの純水に溶解し、さらに溶媒のグルコース含量が4%(w/v)になるように44gのグルコース(含水)を加えた。調製後2~8℃で保存し、1週間以内に使用した。
被験物胃内投与用溶液:一定量の被験物1を秤量し、電解質溶液を加えて64mM、21mMの溶液を調製し、適当なNaOHを加えてpHを7.5程度に調整し、放置し、析出は認められなかった。一定量の被験物2を秤量して64mMのクリア溶液を調製し、適当なNaOHを添加してpHを中性に調節した。一定量の陽性薬トラネキサム酸(TXA)を秤量して電解質溶液に加え、それぞれ64mMと21mMの溶液を調製した。
4.3群分けおよび投与
開腹術の2時間前に12mL/kgで単回経口胃内投与し、偽手術群とモデル群に溶媒を投与した。
4.4モールディング
術前に動物は禁食するが禁水せず(>12h)、吸入麻酔下で腹部を局所的に除毛し、ヨードフォア溶液で消毒し、メスを用いて実験動物の腹部を中線領域に3cm切開し、盲腸を取り出し、回盲部の両側で無菌ガーゼで漿膜層を表面に針先状出血点が出るまで繰り返し摩擦して、盲腸の内外側の損傷創面を形成し、これを腹腔に戻し、手術縫合糸で1層ずづに縫合して腹腔を閉じ、消毒し、全手術操作過程は無菌を保持した。各群の動物を4匹ずつ交差させた。偽手術群は開腹のみで盲腸を損傷しなかった。
4.5癒着採点
術後7日間に解剖学的観察し、Phillips分級基準を用いて術後腹腔内癒着の情況を採点した。その結果は、下記の表の通りである。
4.6結果
術後7日目に各群の生存動物を解剖し、Phillips分級法を用いて腸部癒着の情況を採点し、採点結果は図4に示すように、偽手術群では腹腔と盲腸の癒着が観察されなかった;モデル群ラットでは、盲腸摩擦モールディング7日後に、複数箇所で大面積の腸癒着が観察された;モデル群と比較し、トラネキサム酸群は、術後に各1匹の動物が死亡し、64mM群の腹腔内癒着程度は明らかに軽減し、21mM群は軽減する傾向があった;64mM被験物1を投与したラットでは、腹腔内癒着部位と程度が有意に減少した;21mM被験物1を投与したラットでは、癒着部位と程度が減少した。64mM被験物2を投与したラットでは、腹腔内癒着部位と程度はある程度改善された。
以上、本発明の技術案の実施形態を例示的に説明した。なお、本発明の保護範囲は、上記実施形態に限定されるものではないと理解されるべきである。本開示の精神および原則の範囲内で、当業者によってなされた任意の修正、等価置換、改良などは、本出願の特許請求の範囲の保護範囲内に含まれるべきである。

Claims (5)

  1. 胃腸管損傷関連疾患を予防・治療する薬物の調製におけるテトラヒドロナフチリジン誘導体の使用であって、
    前記テトラヒドロナフチリジン誘導体は、5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-カルボン酸、5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-ホスホン酸、および前記化合物の水和物、または薬学的に許容される塩、または混合物から選択され、前記胃腸管損傷関連疾患は癒着を指す、使用。
  2. 前記癒着が、術後癒着または術後癒着に起因する合併症であることを特徴とする、
    請求項1に記載の使用。
  3. 前記術後癒着は、腸管癒着、腹腔癒着、肋間癒着、腹膜癒着、子宮癒着から選択される1種または複数種であることを特徴とする、
    請求項2に記載の使用。
  4. 前記術後癒着に起因する合併症は、女性不妊症、術後イレウス、および疼痛から選択される1種または複数種であることを特徴とする、
    請求項2に記載の使用。
  5. 前記薬学的に許容される塩は、前記テトラヒドロナフチリジン誘導体の塩酸塩であることを特徴とする、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の使用。
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