JP7859622B2 - 免疫学的測定方法 - Google Patents
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Description
本発明は、免疫学的測定方法に関する。特に、抗C3抗体存在下で免疫反応を行う免疫学的測定方法に関する。
診断薬分野における測定方法として、生体試料中に存在する測定対象物質を免疫反応を利用して測定する免疫学的測定方法が挙げられる。免疫学的測定方法は抗原抗体反応を利用していることから、特異性が非常に高い測定方法である。
生体試料中には様々な物質が存在しており、いわゆる非特異因子とよばれる非特異反応の原因となる物質が含まれていることが多い。非特異反応とは、特異反応にもとづかない結合が促進されたり、特異的な免疫反応が妨げられたりする現象のことであり、測定誤差の原因となる。非特異因子としては、異好性抗体やリウマチ因子(RF)の存在が明らかとなっている。異好性抗体とは、免疫学的測定方法の主成分である動物由来抗体に対して反応性を示すヒト抗体の総称であり、HAMA(ヒト抗マウス免疫グロブリン抗体)が代表的なものとして知られている。リウマチ因子とは、関節リウマチ患者に出現し、動物由来抗体に対して反応性を示すという性質においてHAMAと共通しており、その実体はいずれもヒトの免疫グロブリンGや免疫グロブリンMであることが知られている(非特許文献1)。
生体試料中には様々な物質が存在しており、いわゆる非特異因子とよばれる非特異反応の原因となる物質が含まれていることが多い。非特異反応とは、特異反応にもとづかない結合が促進されたり、特異的な免疫反応が妨げられたりする現象のことであり、測定誤差の原因となる。非特異因子としては、異好性抗体やリウマチ因子(RF)の存在が明らかとなっている。異好性抗体とは、免疫学的測定方法の主成分である動物由来抗体に対して反応性を示すヒト抗体の総称であり、HAMA(ヒト抗マウス免疫グロブリン抗体)が代表的なものとして知られている。リウマチ因子とは、関節リウマチ患者に出現し、動物由来抗体に対して反応性を示すという性質においてHAMAと共通しており、その実体はいずれもヒトの免疫グロブリンGや免疫グロブリンMであることが知られている(非特許文献1)。
免疫学的測定方法において非特異反応を抑制する技術として例えば特許文献1が知られている。特許文献1には、予め試料をヒトリウマチ因子(RF)の反応部位に結合能を有する動物由来抗体の十分量で前処理することによりRFに起因する非特異反応を抑制する方法が開示されている。動物由来抗体としては抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgA抗体及び/又は抗ヒトIgM抗体が挙げられている。
臨床化学 ;第23巻補冊175a-1~175a-10 (1994)
特許文献1は、抗ヒトIgM抗体、抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgA抗体によって自然抗体やRFに起因する非特異反応を抑制する方法である。現在、さまざまな試薬で実用化されている方法であるが、これらの抗体によってもなお、抑制できない非特異反応も存在することが、本発明者らの試験で明らかとなっていた。本発明は免疫学的測定方法における非特異反応を抑制することを課題とする。
本願発明者らは上記課題を解決するために、様々な物質の非特異反応抑制効果を検討した結果、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことにより非特異反応を抑制できることを見出し、本願発明を完成するに至った。すなわち、本願発明は以下の構成を有する。
なお、抗C3抗体は、免疫学的測定方法において測定対象物質の検出に用いられることは知られているが、免疫反応における非特異反応抑効果については一切知られていない。
<1>
試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法において、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことを特徴とする免疫学的測定方法。
<2>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<1>に記載の免疫学的測定方法。
<3>
ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集測定方法である<1>又は<2>に記載の免疫学的測定方法。
<4>
試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程と、
前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程と、
溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程と、
を含む、<3>に記載の免疫学的測定方法。
<5>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<1>~<4>のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
<6>
試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法における非特異反応抑制方法であって、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことを特徴とする非特異反応抑制方法。
<7>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<6>に記載の非特異反応抑制方法。
<8>
ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集測法である<6>又は<7>に記載の非特異反応抑制方法。
<9>
試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程と、
前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程と、
溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程と、
を含む、<8>に記載の非特異反応抑制方法。
<10>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<6>~<9>のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
<11>
抗C3抗体を含む免疫学的測定用試薬。
<12>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<11>に記載の免疫学的測定用試薬。
<13>
ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集法である<12>に記載の免疫学的測定用試薬。
<14>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<11>~<13>のいずれかに記載の免疫学的測定用試薬。
<15>
抗C3抗体を含む免疫学的測定用試薬キット。
<16>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<14>に記載の免疫学的測定用試薬キット。
<17>
ホモジーニアス法にもとづく方法が、ラテックス免疫凝集法であって、以下を含む<16>に記載の免疫学的測定用試薬キット。
(1)抗C3抗体を含む第1試薬
(2)測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を含む第2試薬
<18>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<15>~<17>のいずれかに記載の免疫学的測定用試薬。
<19>
抗C3抗体を有効成分として含む、免疫学的測定方法における非特異反応抑制剤。
<20>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<19>に記載の免疫学的測定方法における非特異反応抑制剤。
なお、抗C3抗体は、免疫学的測定方法において測定対象物質の検出に用いられることは知られているが、免疫反応における非特異反応抑効果については一切知られていない。
<1>
試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法において、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことを特徴とする免疫学的測定方法。
<2>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<1>に記載の免疫学的測定方法。
<3>
ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集測定方法である<1>又は<2>に記載の免疫学的測定方法。
<4>
試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程と、
前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程と、
溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程と、
を含む、<3>に記載の免疫学的測定方法。
<5>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<1>~<4>のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
<6>
試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法における非特異反応抑制方法であって、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことを特徴とする非特異反応抑制方法。
<7>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<6>に記載の非特異反応抑制方法。
<8>
ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集測法である<6>又は<7>に記載の非特異反応抑制方法。
<9>
試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程と、
前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程と、
溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程と、
を含む、<8>に記載の非特異反応抑制方法。
<10>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<6>~<9>のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
<11>
抗C3抗体を含む免疫学的測定用試薬。
<12>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<11>に記載の免疫学的測定用試薬。
<13>
ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集法である<12>に記載の免疫学的測定用試薬。
<14>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<11>~<13>のいずれかに記載の免疫学的測定用試薬。
<15>
抗C3抗体を含む免疫学的測定用試薬キット。
<16>
免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である<14>に記載の免疫学的測定用試薬キット。
<17>
ホモジーニアス法にもとづく方法が、ラテックス免疫凝集法であって、以下を含む<16>に記載の免疫学的測定用試薬キット。
(1)抗C3抗体を含む第1試薬
(2)測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を含む第2試薬
<18>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<15>~<17>のいずれかに記載の免疫学的測定用試薬。
<19>
抗C3抗体を有効成分として含む、免疫学的測定方法における非特異反応抑制剤。
<20>
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上である<19>に記載の免疫学的測定方法における非特異反応抑制剤。
本発明によれば、免疫学的測定方法において、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことにより試料中に含まれる非特異因子による非特異反応を抑制することができ、正確な測定をすることが可能となった。特に、市販の非特異反応抑制剤によってもなお抑制できなかった非特異反応を本発明により抑制することが可能となった意義は大きい。
(免疫学的測定方法)
本発明の免疫学的測定方法は、試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法において、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことを特徴とする方法である。換言すれば、非特異抑制剤としての抗C3抗体存在下で、試料中の測定対象物質を抗C3抗体以外の特異的結合パートナーを用いて免疫学的に測定する方法である。
免疫学的測定方法は、さらにホモジーニアス法とヘテロジーニアス法に大別される。
ホモジーニアス法は、試料と試薬液の混和溶液(反応液)中で測定対象物質により進行する反応をB/F(結合/非結合)分離を行うことなく特異的に検出する測定法であり、ヘテロジーニアス法は、B/F分離操作によって結合反応に関与しなかった余剰成分を洗浄・除去した後、主反応を進行させて検出する測定法である。
ヘテロジーニアス法は、洗浄工程を経るため、工程が多く測定に時間を要するという課題がある一方、非特異反応物質による影響を比較的受けにくいという利点がある。これに対してホモジーニアス法は、洗浄工程を経ないため、非特異反応の影響を受けやすいという課題がある一方、工程が少なく簡便であり、測定に要する時間も短いため、臨床診断の分野で広く求められている方法である。
ホモジーニアス法としては、免疫凝集法を利用した測定方法(TIA)、イムノクロマトグラフィー(ラテラルフロー式、フロースルー式)が挙げられる。TIAは、抗体などの特異的結合パートナーによるアナライト(測定対象物質)の架橋作用によって形成される免疫複合体の凝集度合いに基づいて、試料中のアナライトを定性もしくは定量的に検出する方法であり、なかでも、凝集シグナルを増幅させるために不溶性担体としてラテックス粒子を用いたラテックス免疫凝集法(以下、LTIAということがある)は光学的な検出に適しており、自動化も容易なことから、さまざまな検査項目に適用されている汎用性の高い測定方法である。
ヘテロジーニアス法としては、ウェル状プレートを用いたELISA法、化学発光法などが挙げられる。
本発明は、上記いずれの免疫学的測定方法も利用することができるが、非特異反応の影響を比較的受けやすいホモジーニアス法が、より効果を享受することが期待できるため好ましい。
本発明の免疫学的測定方法は、試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法において、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことを特徴とする方法である。換言すれば、非特異抑制剤としての抗C3抗体存在下で、試料中の測定対象物質を抗C3抗体以外の特異的結合パートナーを用いて免疫学的に測定する方法である。
免疫学的測定方法は、さらにホモジーニアス法とヘテロジーニアス法に大別される。
ホモジーニアス法は、試料と試薬液の混和溶液(反応液)中で測定対象物質により進行する反応をB/F(結合/非結合)分離を行うことなく特異的に検出する測定法であり、ヘテロジーニアス法は、B/F分離操作によって結合反応に関与しなかった余剰成分を洗浄・除去した後、主反応を進行させて検出する測定法である。
ヘテロジーニアス法は、洗浄工程を経るため、工程が多く測定に時間を要するという課題がある一方、非特異反応物質による影響を比較的受けにくいという利点がある。これに対してホモジーニアス法は、洗浄工程を経ないため、非特異反応の影響を受けやすいという課題がある一方、工程が少なく簡便であり、測定に要する時間も短いため、臨床診断の分野で広く求められている方法である。
ホモジーニアス法としては、免疫凝集法を利用した測定方法(TIA)、イムノクロマトグラフィー(ラテラルフロー式、フロースルー式)が挙げられる。TIAは、抗体などの特異的結合パートナーによるアナライト(測定対象物質)の架橋作用によって形成される免疫複合体の凝集度合いに基づいて、試料中のアナライトを定性もしくは定量的に検出する方法であり、なかでも、凝集シグナルを増幅させるために不溶性担体としてラテックス粒子を用いたラテックス免疫凝集法(以下、LTIAということがある)は光学的な検出に適しており、自動化も容易なことから、さまざまな検査項目に適用されている汎用性の高い測定方法である。
ヘテロジーニアス法としては、ウェル状プレートを用いたELISA法、化学発光法などが挙げられる。
本発明は、上記いずれの免疫学的測定方法も利用することができるが、非特異反応の影響を比較的受けやすいホモジーニアス法が、より効果を享受することが期待できるため好ましい。
(抗C3抗体)
本発明において非特異反応抑制のために用いられる抗C3抗体は、C3に対する抗体であり、C3のうちC3dに対応する部分を認識する抗体であればよい。
C3は、Classical pathwayの補体タンパク質の1つであり、補体第3成分又は電気易動度からβ1Cグロブリンとも呼ばれる。C3は分子量が180kDaのタンパク質であり、分子量110kDaのα鎖と分子量70kDaのβ鎖が-s-s-結合で架橋された構造を有しており、補体系の中心的タンパク質である。C3は、図4に示すようにC3b、iC3bを経て、C3dg、さらにはC3dへと分解される。本発明に用いられる抗C3抗体は、C3のうち分解されて生成するC3dに対応する部分を認識する抗体であればよく、その意味で抗iC3b抗体、抗C3b抗体、抗C3dg抗体又は抗C3d抗体のいずれも用いることができる。このうちでも特に抗C3d抗体が好ましい。
本発明に用いられる抗C3抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。より好ましくは、モノクローナル抗体である。
また、本発明に用いられる抗C3抗体としては、抗体分子全体のほかに抗原抗体反応活性を有する抗体の機能性断片を使用することも可能である。
本発明に用いられる抗C3抗体は、一般的な動物(マウス、ヤギ、ヒツジなど)への免疫工程を経て得られたもののほか、遺伝子組換え技術等により免疫原(測定対象物質)を免疫する動物とは異なる動物種のアミノ酸配列に変化させた抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト化抗体等)であってもよい。抗体の機能性断片としては抗原抗体反応活性を有する断片であるF(ab')2、Fab'や一本鎖抗体(scFv)、VHH(variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)抗体、IgNAR (new antigen receptor)抗体などが挙げられる。これらの抗体の機能性断片は前記のようにして得られた抗体をタンパク質分解酵素(例えば、ペプシンやパパインなど)で処理することにより製造できる。本発明において抗C3抗体の機能性断片としては、上述のようにC3dに対応する部分を含む断片であればよい。本発明において、特に断らない限りは、抗C3抗体には機能性断片も含むものとする。
本発明に用いられるC3に対する抗体は、抗C3b抗体、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体及び抗C3d抗体からなる群のいずれか1種を用いればよく、また、これらから選ばれるいずれか2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において非特異反応抑制のために用いられる抗C3抗体は、C3に対する抗体であり、C3のうちC3dに対応する部分を認識する抗体であればよい。
C3は、Classical pathwayの補体タンパク質の1つであり、補体第3成分又は電気易動度からβ1Cグロブリンとも呼ばれる。C3は分子量が180kDaのタンパク質であり、分子量110kDaのα鎖と分子量70kDaのβ鎖が-s-s-結合で架橋された構造を有しており、補体系の中心的タンパク質である。C3は、図4に示すようにC3b、iC3bを経て、C3dg、さらにはC3dへと分解される。本発明に用いられる抗C3抗体は、C3のうち分解されて生成するC3dに対応する部分を認識する抗体であればよく、その意味で抗iC3b抗体、抗C3b抗体、抗C3dg抗体又は抗C3d抗体のいずれも用いることができる。このうちでも特に抗C3d抗体が好ましい。
本発明に用いられる抗C3抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。より好ましくは、モノクローナル抗体である。
また、本発明に用いられる抗C3抗体としては、抗体分子全体のほかに抗原抗体反応活性を有する抗体の機能性断片を使用することも可能である。
本発明に用いられる抗C3抗体は、一般的な動物(マウス、ヤギ、ヒツジなど)への免疫工程を経て得られたもののほか、遺伝子組換え技術等により免疫原(測定対象物質)を免疫する動物とは異なる動物種のアミノ酸配列に変化させた抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト化抗体等)であってもよい。抗体の機能性断片としては抗原抗体反応活性を有する断片であるF(ab')2、Fab'や一本鎖抗体(scFv)、VHH(variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)抗体、IgNAR (new antigen receptor)抗体などが挙げられる。これらの抗体の機能性断片は前記のようにして得られた抗体をタンパク質分解酵素(例えば、ペプシンやパパインなど)で処理することにより製造できる。本発明において抗C3抗体の機能性断片としては、上述のようにC3dに対応する部分を含む断片であればよい。本発明において、特に断らない限りは、抗C3抗体には機能性断片も含むものとする。
本発明に用いられるC3に対する抗体は、抗C3b抗体、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体及び抗C3d抗体からなる群のいずれか1種を用いればよく、また、これらから選ばれるいずれか2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本明細書において、抗体が抗原と「反応する」、抗体が抗原を「認識する」は、同義で用いられるが、これらの例示に限定されることはなく、最も広義に解釈する必要がある。抗体が抗原(化合物)と「反応する」か否かの確認は、抗原固相化ELISA法、競合ELISA法、サンドイッチELISA法などにより行うことができるほか、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance)の原理を利用した方法(SPR法)などにより行うことができる。SPR法は、Biacore(登録商標)の名称で市販されている、装置、センサー、試薬類を使用して行うことができる。
本発明に用いられるC3に対する抗体は、抗原(免疫原)として市販のヒト由来C3d蛋白質などのC3をリン酸緩衝生理食塩水などの溶媒に溶解し、この溶液を動物に投与して免疫することにより製造できる。必要に応じて前記溶液に適宜のアジュバントを添加した後、エマルジョンを用いて免疫を行ってもよい。アジュバントとしては、油中水型乳剤、水中油中水型乳剤、水中油型乳剤、リポソーム、水酸化アルミニウムゲルなどの汎用されるアジュバントのほか、生体成分由来のタンパク質やペプチド性物質などを用いてもよい。例えば、フロイントの不完全アジュバント又はフロイントの完全アジュバントなどを好適に用いることができる。アジュバントの投与経路、投与量、投与時期は特に限定されないが、抗原を免疫する動物において所望の免疫応答を増強できるように適宜選択することが望ましい。
免疫に用いる動物の種類も特に限定されないが、哺乳動物が好ましく、例えばマウス、ラット、ウシ、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、アルパカなどを用いることができ、より好ましくはマウス又はラットを用いることができる。動物の免疫は、一般的な手法に従って行えばよく、例えば、抗原の溶液、好ましくはアジュバントとの混合物を動物の皮下、皮内、静脈、又は腹腔内に注射することにより免疫を行うことができる。免疫応答は、一般的に免疫される動物の種類及び系統によって異なるので、免疫スケジュールは使用される動物に応じて適宜設定することが望ましい。抗原投与は最初の免疫後に何回か繰り返し行うことが好ましい。
モノクローナル抗体を得るために、引き続き以下の操作が行われるがそれに限定されることはなく、モノクローナル抗体それ自体の製造方法については当業界で周知されており、かつ汎用されているので当業者は前記の抗原を用いることによって本発明の免疫学的分析方法において使用される抗体を容易に製造することが可能である(例えばAntibodies,A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1988) 第6章などを参照のこと)。
最終免疫後、免疫した動物から抗体産生細胞である脾臓細胞あるいはリンパ節細胞を摘出し、高い増殖能を有する骨髄腫由来の細胞株と細胞融合することによりハイブリドーマを作製することができる。細胞融合には抗体産生能(質・量)が高い細胞を用いることが好ましく、また骨髄腫由来の細胞株は融合する抗体産生細胞の由来する動物と適合性があることが好ましい。細胞融合は、当該分野で公知の方法に従って行うことができるが、例えば、ポリエチレングリコール法、センダイウイルスを用いた方法、電流を利用する方法などを採用することができる。得られたハイブリドーマは当業界で汎用の条件に従って増殖させることができ、産生される抗体の性質を確認しつつ所望のハイブリドーマを選択することができる。ハイブリドーマのクローニングは、例えば限界希釈法や軟寒天法などの周知の方法により行うことが可能である。
ハイブリドーマの選択は、産生される抗体が実際の測定に用いられる条件を考慮し、選択の段階で効率的に行うこともできる。例えば、動物に免疫して得られた抗体を、交差反応性を確認したい化合物の存在下、固相に固定化したC3と反応させ、交差反応性を確認したい化合物の非存在下での反応性と比較することにより所望の抗体を産生するハイブリドーマをより効率よく選抜することができる。また、動物に免疫して得られた抗体を、生物試料由来成分の存在下、固相に固定化したC3と反応させ、生物試料由来成分の非存在下での反応性と比較することにより所望の抗体を産生するハイブリドーマをより効率よく選択することもできる。
クローニング工程後、産生される抗体とC3との結合能をELISA法、RIA法、蛍光抗体法などの方法を用いてアッセイすることにより、選択されたハイブリドーマが所望の性質を有するモノクローナル抗体を産生するか否かを確認することができる。
前記のようにして選別されたハイブリドーマを大量培養することにより、所望の特性を有するモノクローナル抗体を製造することができる。大量培養の方法は特に限定されないが、例えば、ハイブリドーマを適宜の培地中で培養してモノクローナル抗体を培地中に産生させる方法や、哺乳動物の腹腔内にハイブリドーマを注射して増殖させ、腹水中に抗体を産生させる方法などを挙げることができる。モノクローナル抗体の精製は、先述した抗血清からの抗体の精製法、例えばDEAE陰イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法などを適宜組み合わせて行うことができる。
前記のようにして選別されたハイブリドーマを大量培養することにより、所望の特性を有するモノクローナル抗体を製造することができる。大量培養の方法は特に限定されないが、例えば、ハイブリドーマを適宜の培地中で培養してモノクローナル抗体を培地中に産生させる方法や、哺乳動物の腹腔内にハイブリドーマを注射して増殖させ、腹水中に抗体を産生させる方法などを挙げることができる。モノクローナル抗体の精製は、先述した抗血清からの抗体の精製法、例えばDEAE陰イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法などを適宜組み合わせて行うことができる。
抗C3抗体を免疫反応系内に存在させる方法としては、免疫測定試薬の試薬構成の1つとして用いる方法、試料の希釈液や前処理液等に添加する方法が挙げられる。
免疫反応系内とは、例えば免疫測定試薬が液状試薬の場合は、試料と液状免疫測定試薬が混合され免疫反応が行われる液相をいう。
例えば、LTIA法の場合、試料を抗C3抗体を含むLTIA測定試薬に混合してもよいし、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後に免疫測定試薬と混合しても良い。
また、ELISA法の場合、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後にマイクロプレートに滴下しても良いし、試料を抗C3抗体と検出用抗体を含む溶液と混合した後にマイクロプレートに滴下しても良い。
また、化学発光法試薬の場合も、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後に免疫測定試薬と混合しても良いし、免疫測定試薬(例えば、検出用抗体もしくは抗原、磁性粒子を含む溶液)に抗C3抗体が含まれていてもよい。
さらにまた、イムノクロマトグラフィー法などの固相で免疫反応が行われる場合は、免疫反応系内とは、液状試料と結合性パートナーの免疫反応が行われる固相をいう。この場合、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後にイムノクロマト試験片に滴下してもよいし、抗C3抗体をサンプルパッド上に乾燥保持しておき、試料を滴下した際に抗C3抗体が溶解されて固相を展開することで反応系に存在する状態になっても良い。
免疫反応系内とは、例えば免疫測定試薬が液状試薬の場合は、試料と液状免疫測定試薬が混合され免疫反応が行われる液相をいう。
例えば、LTIA法の場合、試料を抗C3抗体を含むLTIA測定試薬に混合してもよいし、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後に免疫測定試薬と混合しても良い。
また、ELISA法の場合、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後にマイクロプレートに滴下しても良いし、試料を抗C3抗体と検出用抗体を含む溶液と混合した後にマイクロプレートに滴下しても良い。
また、化学発光法試薬の場合も、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後に免疫測定試薬と混合しても良いし、免疫測定試薬(例えば、検出用抗体もしくは抗原、磁性粒子を含む溶液)に抗C3抗体が含まれていてもよい。
さらにまた、イムノクロマトグラフィー法などの固相で免疫反応が行われる場合は、免疫反応系内とは、液状試料と結合性パートナーの免疫反応が行われる固相をいう。この場合、試料を抗C3抗体を含む前処理液とあらかじめ混合した後にイムノクロマト試験片に滴下してもよいし、抗C3抗体をサンプルパッド上に乾燥保持しておき、試料を滴下した際に抗C3抗体が溶解されて固相を展開することで反応系に存在する状態になっても良い。
本発明において、抗C3抗体の濃度は、測定対象物質と特異的結合パートナーとの免疫反応に強い影響を及ぼさず、所望の非特異反応抑制効果を発揮できる濃度であればよく、測定対象物質や検体の種類に応じて適宜当業者が設定できる。免疫反応系内における抗C3抗体の濃度としては、免疫反応系の試薬構成によっても異なるが、検体10μLに対する抗C3抗体の重量として、0.1~1000μg、好ましくは1.0~750μg、より好ましくは2.0~500μg、さらに好ましくは3.0~250μg、最も好ましくは5.0~150μgであるが、この濃度に限ることはない。例えば、5.0~120μg、5.0~110μg、5.0~100μg、5.0~80μg、5.0~60μg、5.0~50μgが好ましい場合もある。また、上記範囲の下限としては10.0μg以上、15.0μg以上、20.0μg以上が好ましい場合もある。
抗C3抗体は単独で用いてもよいし、複数の抗C3抗体の混合物でもよく、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体を併用してもよいし、不溶性担体に結合された抗C3抗体を使用してもよい。また、複数種の抗C3抗体を併用する場合には、両者を併せた濃度が上記の濃度範囲であればよい。
本発明の測定試薬中にあらかじめ抗C3抗体を含有させる場合には、上記の反応系内における濃度になるようにあらかじめ測定試薬中に含有させればよい。
抗C3抗体は単独で用いてもよいし、複数の抗C3抗体の混合物でもよく、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体を併用してもよいし、不溶性担体に結合された抗C3抗体を使用してもよい。また、複数種の抗C3抗体を併用する場合には、両者を併せた濃度が上記の濃度範囲であればよい。
本発明の測定試薬中にあらかじめ抗C3抗体を含有させる場合には、上記の反応系内における濃度になるようにあらかじめ測定試薬中に含有させればよい。
(ラテックス免疫凝集法(LTIA法))
本発明の免疫学的測定方法の1つであるLTIA法について説明する。LTIA法により測定対象物質を測定する方法は、大きく二つに大別することができる。
一つ目は、測定対象物質に対する特異的結合パートナーを固定化したラテックス粒子と、測定対象物質とを反応させ、サンドイッチ型の免疫複合体を形成させ、免疫複合体形成に伴う当該ラテックス粒子の凝集の程度から測定対象物質を測定する方法である。
二つ目は、試薬中に複数の測定対象物質又はその類縁体(これらの断片を含む)を固定化した蛋白質等を添加しておき、これらと試料中の測定対象物質とを競合させて、試薬中に含まれる測定対象物質と測定対象物質に対する特異的結合パートナーを固定化したラテックス粒子との免疫複合体の形成を阻害し、免疫複合体の形成阻害に伴う当該ラテックス粒子の凝集阻害の程度から測定対象物質(抗原)を測定する方法である。
測定対象物質と測定対象物質に対する特異的結合パートナーは、目的に応じて任意の物質を選択することができる。例えば、測定対象物質が抗原であれば、測定対象物質に対する特異的結合パートナーとしてポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(組換え型抗体および各抗体の機能性断片を含む)などの抗体を選択することができる。測定対象物質が抗体であれば、測定対象物質に対する特異的結合パートナーとして天然型および組換え型抗原などの抗原を選択することができる。本願発明は上記いずれの方法にも用いることができ、具体的には、以下の工程が例示される。
(1)試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程
(2)(1)工程の後に、前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程
(3)(2)の工程の後に、溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程
ここで、(3)の工程は、「(2)の工程の途中、あるいは(2)の工程の後に、洗浄・分離工程を経ることなく当該測定対象物質と当該ラテックス粒子の凝集反応を測定する工程」であることを意味する。
本発明の免疫学的測定方法の1つであるLTIA法について説明する。LTIA法により測定対象物質を測定する方法は、大きく二つに大別することができる。
一つ目は、測定対象物質に対する特異的結合パートナーを固定化したラテックス粒子と、測定対象物質とを反応させ、サンドイッチ型の免疫複合体を形成させ、免疫複合体形成に伴う当該ラテックス粒子の凝集の程度から測定対象物質を測定する方法である。
二つ目は、試薬中に複数の測定対象物質又はその類縁体(これらの断片を含む)を固定化した蛋白質等を添加しておき、これらと試料中の測定対象物質とを競合させて、試薬中に含まれる測定対象物質と測定対象物質に対する特異的結合パートナーを固定化したラテックス粒子との免疫複合体の形成を阻害し、免疫複合体の形成阻害に伴う当該ラテックス粒子の凝集阻害の程度から測定対象物質(抗原)を測定する方法である。
測定対象物質と測定対象物質に対する特異的結合パートナーは、目的に応じて任意の物質を選択することができる。例えば、測定対象物質が抗原であれば、測定対象物質に対する特異的結合パートナーとしてポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(組換え型抗体および各抗体の機能性断片を含む)などの抗体を選択することができる。測定対象物質が抗体であれば、測定対象物質に対する特異的結合パートナーとして天然型および組換え型抗原などの抗原を選択することができる。本願発明は上記いずれの方法にも用いることができ、具体的には、以下の工程が例示される。
(1)試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程
(2)(1)工程の後に、前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程
(3)(2)の工程の後に、溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程
ここで、(3)の工程は、「(2)の工程の途中、あるいは(2)の工程の後に、洗浄・分離工程を経ることなく当該測定対象物質と当該ラテックス粒子の凝集反応を測定する工程」であることを意味する。
LTIA法としては、生じた凝集の程度を光学的あるいは電気化学的に観察することにより被検物質を測定できる。光学的に観察する方法としては、散乱光強度、吸光度、又は透過光強度を光学機器で測定する方法(エンドポイント法、レート法等)が挙げられる。 試料を測定して得た吸光度等の測定値を、標準物質(測定対象物質の濃度が既知の試料)を測定して得た吸光度等の測定値と比較して、試料中に含まれていた測定対象物質の濃度(定量値)を算出する。なお、透過光又は散乱光などの吸光度等の測定は、1波長測定であっても、又は2波長測定(2つの波長による差又は比)であってもよい。測定波長は、500nmから900nmの中から選ばれるのが一般的である。
本発明の試料中の測定対象物質の測定は、用手法により行ってもよいし、又は測定装置等の装置を用いて行ってもよい。測定装置は、汎用自動分析装置であっても、専用の測定装置(専用機)であってもよい。また、この測定は、2ステップ法(2試薬法)等の複数の操作ステップにより行う方法によって実施することが好ましい。
(特異的結合パートナーを担持したラテックス粒子)
測定対象物質に対する特異的結合パートナーは、物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法によりラテックス粒子に固定化して担持させることができる。
物理的吸着法による場合は、公知の方法に従い、測定対象物質に対する特異的結合パートナーと、ラテックス粒子とを、緩衝液等の溶液中で混合し接触させたり、又は緩衝液等に溶解した測定対象物質に対する特異的結合パートナーを、担体に接触させたりすること等により行うことができる。
また、化学的結合法により行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ-技術と応用-」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、測定対象物質に対する特異的結合パートナーと、担体とを、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、測定対象物質に対する特異的結合パートナーと、担体の、それぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と前記の二価性の架橋試薬とを反応させること等により行うことができる。
測定対象物質に対する特異的結合パートナーは、物理的吸着法、化学的結合法又はこれらの併用等の公知の方法によりラテックス粒子に固定化して担持させることができる。
物理的吸着法による場合は、公知の方法に従い、測定対象物質に対する特異的結合パートナーと、ラテックス粒子とを、緩衝液等の溶液中で混合し接触させたり、又は緩衝液等に溶解した測定対象物質に対する特異的結合パートナーを、担体に接触させたりすること等により行うことができる。
また、化学的結合法により行う場合は、日本臨床病理学会編「臨床病理臨時増刊特集第53号 臨床検査のためのイムノアッセイ-技術と応用-」,臨床病理刊行会,1983年発行;日本生化学会編「新生化学実験講座1 タンパク質IV」,東京化学同人,1991年発行等に記載の公知の方法に従い、測定対象物質に対する特異的結合パートナーと、担体とを、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、イミドエステル又はマレイミド等の二価性の架橋試薬と混合、接触させ、測定対象物質に対する特異的結合パートナーと、担体の、それぞれのアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基又は水酸基等と前記の二価性の架橋試薬とを反応させること等により行うことができる。
本発明のラテックス粒子を構成する合成高分子としては特に限定はないが、例えば、ポリスチレン、スチレン-スチレンスルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、イタコン酸重合体、スチレン-親水性カルボキシモノマー共重合体:例えば、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-イタコン酸共重合体等が挙げられる。その中で、好ましくはスチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-イタコン酸共重合体、スチレンおよびスチレン-スチレンスルホン酸塩共重合体である。特に好ましくは、スチレン及びスチレン-(メタ)アクリル酸共重合体である。
ラテックス粒子が担持する特定物質に対する特異的結合パートナーは、サンドイッチを形成するために複数種類であることが好ましい。特定物質に抗体認識部位が複数存在する場合は、特異的結合パートナーは一種類でも良い。例えば、特異的結合パートナーがモノクローナル抗体の場合には、認識部位の異なる複数のモノクローナル抗体を用いる。また、例えば、特異的結合パートナーがポリクローナル抗体の場合には、1種の抗血清由来のポリクローナル抗体でもよいし、複数種の抗血清由来のものでもよい。また、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体を組み合わせて用いてもよい。
なお、ラテックス粒子の自然凝集や、非特異的反応等を抑制するために処理を行う必要があれば、ラテックス粒子の表面に、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、ゼラチン、卵白アルブミン若しくはその塩などのタンパク質、界面活性剤又は脱脂粉乳等を接触させ被覆させること等の公知の方法により処理して、担体のブロッキング処理(マスキング処理)を行ってもよい。
(免疫学的測定用試薬)
本発明の免疫学的測定方法の免疫反応は、免疫学的測定用試薬を用いて行われ、当該試薬には、反応主成分の他に、前述の抗C3抗体を含むことを特徴とする。反応の主成分としては、測定対象物質に特異的な結合パートナー(抗C3抗体以外)が含まれ、他に免疫測定用粒子、イムノクロマト試験片、マイクロプレートなどの不溶性担体等が挙げられる。
本発明の免疫学的測定用試薬中には、その非特異的反応抑制効果を妨げない範囲でバッファー、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸、脂質、リン脂質、糖類、無機塩、高分子化合物、界面活性剤、その他の非特異的反応抑制剤、防腐剤等を含有させてもよい。試料のpH、イオン強度、浸透圧などを緩衝、調整する成分として、例えば、酢酸、クエン酸、リン酸、トリス、グリシン、ホウ酸、炭酸、フタル酸、コハク酸、マレイン酸、イミダゾールなどの緩衝液、及びグッドの緩衝液や、それらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などを含んでも良い。また凝集形成を増強する成分としてポリビニルピロリドン、リン脂質ポリマーなどの高分子を含んでも良い。
抗C3抗体の各構成試薬中における濃度は、測定時である、試薬と試料の混合状態において前記免疫反応系内の濃度に調整しうるような形態で含まれていればよく、各試薬型により異なる。
本発明の免疫学的測定方法の免疫反応は、免疫学的測定用試薬を用いて行われ、当該試薬には、反応主成分の他に、前述の抗C3抗体を含むことを特徴とする。反応の主成分としては、測定対象物質に特異的な結合パートナー(抗C3抗体以外)が含まれ、他に免疫測定用粒子、イムノクロマト試験片、マイクロプレートなどの不溶性担体等が挙げられる。
本発明の免疫学的測定用試薬中には、その非特異的反応抑制効果を妨げない範囲でバッファー、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸、脂質、リン脂質、糖類、無機塩、高分子化合物、界面活性剤、その他の非特異的反応抑制剤、防腐剤等を含有させてもよい。試料のpH、イオン強度、浸透圧などを緩衝、調整する成分として、例えば、酢酸、クエン酸、リン酸、トリス、グリシン、ホウ酸、炭酸、フタル酸、コハク酸、マレイン酸、イミダゾールなどの緩衝液、及びグッドの緩衝液や、それらのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などを含んでも良い。また凝集形成を増強する成分としてポリビニルピロリドン、リン脂質ポリマーなどの高分子を含んでも良い。
抗C3抗体の各構成試薬中における濃度は、測定時である、試薬と試料の混合状態において前記免疫反応系内の濃度に調整しうるような形態で含まれていればよく、各試薬型により異なる。
(試薬キット)
本発明の試薬キットは、キット構成に少なくとも抗C3抗体を含むことを特徴とする。キット構成としては、免疫測定に関わる試薬のほか、試料希釈液、試料抽出液などが挙げられるが、本発明において抗C3抗体はこれらのいずれか1つ、あるいは2つ以上に加えることができる。キットの構成は、上記のほかに、使用説明書、試料採取用具(採取ピペット、シリンジ、綿棒、ろ過フィルターなど)が挙げられる。
以下、各免疫測定方法を採用する試薬構成についてそれぞれ説明する。
本発明の試薬キットは、キット構成に少なくとも抗C3抗体を含むことを特徴とする。キット構成としては、免疫測定に関わる試薬のほか、試料希釈液、試料抽出液などが挙げられるが、本発明において抗C3抗体はこれらのいずれか1つ、あるいは2つ以上に加えることができる。キットの構成は、上記のほかに、使用説明書、試料採取用具(採取ピペット、シリンジ、綿棒、ろ過フィルターなど)が挙げられる。
以下、各免疫測定方法を採用する試薬構成についてそれぞれ説明する。
<ラテックス免疫凝集測定法>
免疫学的測定法がラテックス免疫凝集測定法である場合の試薬(LTIA試薬)を例示する。
(1)抗C3抗体を含む第1試薬
(2)測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を含む第2試薬
第1試薬は典型的には緩衝液を含み、抗C3抗体の緩衝液中における濃度は、測定時である、試薬と試料の混合状態において前記好ましい抗C3抗体濃度に調整しうるような形態で含まれていればよく、各試薬型により異なる。抗C3抗体は第1試薬のほかに第2試薬に含まれていてもよい。
免疫学的測定法がラテックス免疫凝集測定法である場合の試薬(LTIA試薬)を例示する。
(1)抗C3抗体を含む第1試薬
(2)測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を含む第2試薬
第1試薬は典型的には緩衝液を含み、抗C3抗体の緩衝液中における濃度は、測定時である、試薬と試料の混合状態において前記好ましい抗C3抗体濃度に調整しうるような形態で含まれていればよく、各試薬型により異なる。抗C3抗体は第1試薬のほかに第2試薬に含まれていてもよい。
LTIA試薬において、一般的な第1試薬に含まれる抗C3抗体の濃度としては、1~2000μg/mL、好ましくは5~1500μg/mL、より好ましくは10~1000μg/mL、さらに好ましくは15~500μg/mL、最も好ましくは25~500μg/mLであるが、この濃度に限ることはない。
また、LTIA法に供する前に、検体に検体希釈液や前処理液等を添加する場合、抗C3抗体は前処理液に含まれていても良く、前処理液中の抗C3抗体濃度は1~2000μg/mL、好ましくは5~1500μg/mL、より好ましくは10~1000μg/mL、さらに好ましくは15~500μg/mL、最も好ましくは25~500μg/mLであるが、この濃度に限ることはない。
抗C3b抗体、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体及び抗C3d抗体についても上記抗C3抗体と同様の濃度範囲で用いることができる。
また、LTIA法に供する前に、検体に検体希釈液や前処理液等を添加する場合、抗C3抗体は前処理液に含まれていても良く、前処理液中の抗C3抗体濃度は1~2000μg/mL、好ましくは5~1500μg/mL、より好ましくは10~1000μg/mL、さらに好ましくは15~500μg/mL、最も好ましくは25~500μg/mLであるが、この濃度に限ることはない。
抗C3b抗体、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体及び抗C3d抗体についても上記抗C3抗体と同様の濃度範囲で用いることができる。
本発明に用いられる免疫測定用粒子は、上記のラテックス粒子以外にも測定対象物質に対して特異的な結合パートナーを担持できるものであれば公知の粒子を使用できる。例えば、金属コロイド、シリカ、カーボン等の無機物粒子も、本発明の免疫測定用粒子として用いることができる。
免疫測定用粒子のサイズは、使用する光学的測定法(例えば、透過光を測定する比濁法、散乱光を測定する比朧法など)を考慮し、所望の測定感度、測定範囲などが得られるよう、0.05~1μmの範囲から適宜選択することができる。なお、自動分析装置における光学的測定においては平均粒子径0.1~0.4μmが汎用されているが、これに限定されない。
免疫測定用粒子のサイズは、使用する光学的測定法(例えば、透過光を測定する比濁法、散乱光を測定する比朧法など)を考慮し、所望の測定感度、測定範囲などが得られるよう、0.05~1μmの範囲から適宜選択することができる。なお、自動分析装置における光学的測定においては平均粒子径0.1~0.4μmが汎用されているが、これに限定されない。
<ELISA法>
ELISA法とは、種々の抗原抗体反応の組合せを利用し、最終的には酵素標識した抗原あるいは抗体を反応系に組込んで、酵素活性を検出する方法である。酵素活性の検出には、反応によって吸光スペクトルが変化する基質が用いられ、抗原抗体反応の組合せによって直接法、間接法、サンドイッチ法、競合法などが挙げられる。
本発明の免疫学的測定法がサンドイッチELISA法である場合の試薬を例示する。
(a)測定対象物質と反応する抗体を固定化した不溶性担体
(b)標識物質で標識され、測定対象物質と反応する抗体
(a)の不溶性担体としては、プレートが好ましく、標識物質は、適宜選択して使用できる。不溶性担体に固定化された抗体は、試料を含む溶液中の測定対象物質を捕捉し、不溶性担体上で複合体を形成する。標識物質で標識された抗体は、前記捕捉された測定対象物質に結合して前述の複合体とサンドイッチを形成する。標識物質に応じた方法により標識物質の量を測定することにより、試料中の測定対象物質を測定することができる。抗体の不溶性担体への固定化の方法、抗体と標識物質との結合方法など、具体的な方法は、当業者に周知の方法を特に制限なく使用することができる。
本ELISA法において、本発明に用いられる抗C3抗体は、例えば、試料希釈液や前処理液等に添加したり、抗原抗体反応を行う溶液中に添加することで、免疫反応系に存在させることができる。
ELISA法とは、種々の抗原抗体反応の組合せを利用し、最終的には酵素標識した抗原あるいは抗体を反応系に組込んで、酵素活性を検出する方法である。酵素活性の検出には、反応によって吸光スペクトルが変化する基質が用いられ、抗原抗体反応の組合せによって直接法、間接法、サンドイッチ法、競合法などが挙げられる。
本発明の免疫学的測定法がサンドイッチELISA法である場合の試薬を例示する。
(a)測定対象物質と反応する抗体を固定化した不溶性担体
(b)標識物質で標識され、測定対象物質と反応する抗体
(a)の不溶性担体としては、プレートが好ましく、標識物質は、適宜選択して使用できる。不溶性担体に固定化された抗体は、試料を含む溶液中の測定対象物質を捕捉し、不溶性担体上で複合体を形成する。標識物質で標識された抗体は、前記捕捉された測定対象物質に結合して前述の複合体とサンドイッチを形成する。標識物質に応じた方法により標識物質の量を測定することにより、試料中の測定対象物質を測定することができる。抗体の不溶性担体への固定化の方法、抗体と標識物質との結合方法など、具体的な方法は、当業者に周知の方法を特に制限なく使用することができる。
本ELISA法において、本発明に用いられる抗C3抗体は、例えば、試料希釈液や前処理液等に添加したり、抗原抗体反応を行う溶液中に添加することで、免疫反応系に存在させることができる。
<イムノクロマトグラフィー法>
本発明の免疫学的測定法がイムノクロマトグラフィー法である場合の試薬構成(試験片構成)について説明する。
イムノクロマト試験片;
特異的結合パートナーとして抗体を用いた場合、多孔性メンブレンなどのシート状の不溶性担体上に、試料を含む溶液の展開方向に順に「1.試料供給部位」、「2.標識抗体を保持する部位(標識抗体保持部位)」、「3.標識抗体と測定対象物質に対する抗体により形成された複合体を捕捉するための抗体を固定化する部位(捕捉抗体部位)」を具備した試験片である。
イムノクロマトグラフィー法では、上記のような試験片を少なくとも含み、測定対象物質を含む試料を試料供給部位に所定量添加すると、試料は毛細管現象により標識保持部位に侵入し、測定対象物質と標識抗体とが結合して複合体を形成する。該複合体は、メンブレンを展開し、捕捉抗体部位に侵入すると、メンブレンに固定化された抗体(捕捉抗体)に捕捉され、捕捉抗体-測定対象物質-標識抗体の複合体が形成される。そして標識を任意の方法(例えば、金コロイドなど可視化可能な標識の場合にはその凝集像、酵素の場合には、基質を添加することによる発色反応)で検出することで、測定対象物質を検出することができる。
本イムノクロマトグラフィー法において、本発明に用いられる抗C3抗体は、例えば、試料希釈液や前処理液等に添加したり、試料供給部位や標識保持部位に含有させて乾燥保持させておくことで、反応系内に存在させることができる。
本発明の免疫学的測定法がイムノクロマトグラフィー法である場合の試薬構成(試験片構成)について説明する。
イムノクロマト試験片;
特異的結合パートナーとして抗体を用いた場合、多孔性メンブレンなどのシート状の不溶性担体上に、試料を含む溶液の展開方向に順に「1.試料供給部位」、「2.標識抗体を保持する部位(標識抗体保持部位)」、「3.標識抗体と測定対象物質に対する抗体により形成された複合体を捕捉するための抗体を固定化する部位(捕捉抗体部位)」を具備した試験片である。
イムノクロマトグラフィー法では、上記のような試験片を少なくとも含み、測定対象物質を含む試料を試料供給部位に所定量添加すると、試料は毛細管現象により標識保持部位に侵入し、測定対象物質と標識抗体とが結合して複合体を形成する。該複合体は、メンブレンを展開し、捕捉抗体部位に侵入すると、メンブレンに固定化された抗体(捕捉抗体)に捕捉され、捕捉抗体-測定対象物質-標識抗体の複合体が形成される。そして標識を任意の方法(例えば、金コロイドなど可視化可能な標識の場合にはその凝集像、酵素の場合には、基質を添加することによる発色反応)で検出することで、測定対象物質を検出することができる。
本イムノクロマトグラフィー法において、本発明に用いられる抗C3抗体は、例えば、試料希釈液や前処理液等に添加したり、試料供給部位や標識保持部位に含有させて乾燥保持させておくことで、反応系内に存在させることができる。
<化学発光法>
抗原又は抗体を結合した磁性粒子と測定対象物質を反応させ複合体を形成した後、磁気により未反応物質を除去する。さらに標識抗体を含む試薬を添加し、磁気により未反応物質を除去した後、発光試薬を添加し発光量を測定する方法である。標識に酵素を用いた場合を化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法:Chemiluminescent enzyme immunoassay)という。また、標識にルテニウムピリジン錯体等の金属錯体を用いて電気化学反応により発光強度を測定する場合を電気化学発光免疫測定法(ECLIA法:Electro chemiluminescence immunoassay)という。また、標識に化学発光性物質を用いた場合を化学発光免疫測定法(CLIA法:Chemiluminescent immunoassay)という。
本発明の免疫学的測定法がCLEIA法である場合の試薬を例示する。
(a)測定対象物質と反応する抗体(又は抗原)を固定化した磁性粒子
(b)酵素標識され、測定対象物質と反応する抗体(又は抗原)
(c)発光試薬
磁性粒子に固定化された抗体は、試料を含む溶液中の測定対象物質を捕捉し、複合体を形成する。酵素標識物質で標識された抗体は、前記捕捉された測定対象物質に結合して前述の複合体とサンドイッチを形成する。酵素標識物質と発光試薬を反応させて発光量を測定することにより、試料中の測定対象物質を測定することができる。
本CLEIA法において、本発明に用いられる抗C3抗体は、例えば、試料希釈液や前処理液等に添加したり、抗原抗体反応を行う溶液中に添加することで、免疫反応系に存在させることができる。
抗原又は抗体を結合した磁性粒子と測定対象物質を反応させ複合体を形成した後、磁気により未反応物質を除去する。さらに標識抗体を含む試薬を添加し、磁気により未反応物質を除去した後、発光試薬を添加し発光量を測定する方法である。標識に酵素を用いた場合を化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法:Chemiluminescent enzyme immunoassay)という。また、標識にルテニウムピリジン錯体等の金属錯体を用いて電気化学反応により発光強度を測定する場合を電気化学発光免疫測定法(ECLIA法:Electro chemiluminescence immunoassay)という。また、標識に化学発光性物質を用いた場合を化学発光免疫測定法(CLIA法:Chemiluminescent immunoassay)という。
本発明の免疫学的測定法がCLEIA法である場合の試薬を例示する。
(a)測定対象物質と反応する抗体(又は抗原)を固定化した磁性粒子
(b)酵素標識され、測定対象物質と反応する抗体(又は抗原)
(c)発光試薬
磁性粒子に固定化された抗体は、試料を含む溶液中の測定対象物質を捕捉し、複合体を形成する。酵素標識物質で標識された抗体は、前記捕捉された測定対象物質に結合して前述の複合体とサンドイッチを形成する。酵素標識物質と発光試薬を反応させて発光量を測定することにより、試料中の測定対象物質を測定することができる。
本CLEIA法において、本発明に用いられる抗C3抗体は、例えば、試料希釈液や前処理液等に添加したり、抗原抗体反応を行う溶液中に添加することで、免疫反応系に存在させることができる。
(特異的結合パートナー)
本発明において、測定対象物質に対する特異的結合パートナーとしては、抗C3抗体以外のタンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖質、核酸、ハプテンなどが挙げられ、分子量の高低および天然、合成といった由来に特に制限はないが、免疫反応を利用する免疫学的測定法に使用され得る抗体または抗原が挙げられる。
前記抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。より好ましくは、モノクローナル抗体である。
本発明において抗体としては、抗体分子全体のほかに抗原抗体反応活性を有する抗体の機能性断片を使用することも可能である。一般的な動物(マウス、ヤギ、ヒツジなど)への免疫工程を経て得られたもののほか、遺伝子組換え技術等により免疫原(測定対象物質)を免疫する動物とは異なる動物種のアミノ酸配列に変化させた抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト化抗体等)であってもよい。抗体の機能性断片としては抗原抗体反応活性を有する断片であるF(ab')2、Fab'や一本鎖抗体(scFv)、VHH(variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)抗体、IgNAR(new antigen receptor)抗体などが挙げられる。これらの抗体の機能性断片は前記のようにして得られた抗体をタンパク質分解酵素(例えば、ペプシンやパパインなど)で処理することにより製造できる。
本発明において、測定対象物質に対する特異的結合パートナーとしては、抗C3抗体以外のタンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖質、核酸、ハプテンなどが挙げられ、分子量の高低および天然、合成といった由来に特に制限はないが、免疫反応を利用する免疫学的測定法に使用され得る抗体または抗原が挙げられる。
前記抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。より好ましくは、モノクローナル抗体である。
本発明において抗体としては、抗体分子全体のほかに抗原抗体反応活性を有する抗体の機能性断片を使用することも可能である。一般的な動物(マウス、ヤギ、ヒツジなど)への免疫工程を経て得られたもののほか、遺伝子組換え技術等により免疫原(測定対象物質)を免疫する動物とは異なる動物種のアミノ酸配列に変化させた抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体、又は完全ヒト化抗体等)であってもよい。抗体の機能性断片としては抗原抗体反応活性を有する断片であるF(ab')2、Fab'や一本鎖抗体(scFv)、VHH(variable domain of heavy chain of heavy chain antibody)抗体、IgNAR(new antigen receptor)抗体などが挙げられる。これらの抗体の機能性断片は前記のようにして得られた抗体をタンパク質分解酵素(例えば、ペプシンやパパインなど)で処理することにより製造できる。
(試料)
本発明の測定対象物質を含む試料としては、例えばヒト又は動物の血液、血清、血漿、培養上清、尿、髄液、唾液、汗、腹水、又は細胞あるいは組織の抽出液等が挙げられる。
また、本発明における試料は、生体から得られた試料そのもののほかに、希釈、精製などの前処理を行った試料も含まれる。
本発明の測定対象物質を含む試料としては、例えばヒト又は動物の血液、血清、血漿、培養上清、尿、髄液、唾液、汗、腹水、又は細胞あるいは組織の抽出液等が挙げられる。
また、本発明における試料は、生体から得られた試料そのもののほかに、希釈、精製などの前処理を行った試料も含まれる。
(測定対象物質)
本発明の免疫測定試薬は、前記試料に含有される種々の物質を測定対象物質とすることができる。測定対象物質としては、非特異抑制のために用いられる抗C3抗体と反応しない物質であればよく、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖質、核酸、ハプテンなどが挙げられるが、理論的に測定可能な物質であれば特に制限はない。例えばCRP(C反応性タンパク質)、Lp(a)、MMP3(マトリクスメタロプロテイナーゼ3)、抗リン脂質抗体、IV型コラーゲン、PSA、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、インスリン、アルブミン、シスタチンC、RF(リウマチ因子)、KL-6、プロカルシトニン、FDP、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、TAT(トロンビン-アンチトロンビンIII複合体)、PAI-1や、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、バルプロ酸、テオフィリン、TARC(Thymus and activation-regulated chemokine), sIL-2R(可溶性インターロイキン-2受容体)などが挙げられる。
本発明の免疫測定試薬は、前記試料に含有される種々の物質を測定対象物質とすることができる。測定対象物質としては、非特異抑制のために用いられる抗C3抗体と反応しない物質であればよく、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、糖質、核酸、ハプテンなどが挙げられるが、理論的に測定可能な物質であれば特に制限はない。例えばCRP(C反応性タンパク質)、Lp(a)、MMP3(マトリクスメタロプロテイナーゼ3)、抗リン脂質抗体、IV型コラーゲン、PSA、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、インスリン、アルブミン、シスタチンC、RF(リウマチ因子)、KL-6、プロカルシトニン、FDP、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、TAT(トロンビン-アンチトロンビンIII複合体)、PAI-1や、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、バルプロ酸、テオフィリン、TARC(Thymus and activation-regulated chemokine), sIL-2R(可溶性インターロイキン-2受容体)などが挙げられる。
(非特異反応の抑制方法)
生体試料中に含まれる何らかの成分により、測定対象物質に対する特異的結合パートナーを固定化した免疫測定用粒子に生じるべきでない凝集が生じたり(正の測定誤差)、あるいは生じるべき凝集が生じなかったり(負の測定誤差)することがしばしば発生する。これらは非特異的反応と呼ばれ、様々な測定誤差の原因となることが知られている。
本発明において、非特異反応を抑制するとは、生体試料中の上記の非特異反応を生じさせる因子(非特異因子)に働きかけ、免疫反応以外の反応による測定への影響を抑制することをいう。本発明は抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことにより、非特異反応を抑制することができる。
生体試料中に含まれる何らかの成分により、測定対象物質に対する特異的結合パートナーを固定化した免疫測定用粒子に生じるべきでない凝集が生じたり(正の測定誤差)、あるいは生じるべき凝集が生じなかったり(負の測定誤差)することがしばしば発生する。これらは非特異的反応と呼ばれ、様々な測定誤差の原因となることが知られている。
本発明において、非特異反応を抑制するとは、生体試料中の上記の非特異反応を生じさせる因子(非特異因子)に働きかけ、免疫反応以外の反応による測定への影響を抑制することをいう。本発明は抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことにより、非特異反応を抑制することができる。
(非特異反応抑制剤)
本発明の非特異反応抑制剤は、免疫学的測定法における試料に由来する非特異反応を抑制可能な物質を含んでいればよく、少なくとも抗C3抗体を有効成分として含む。本発明の非特異反応抑制剤は、上記試薬構成中の抗C3抗体を含む構成をそのまま使用することができる。本発明の非特異反応抑制剤には、その非特異的反応抑制効果を妨げない範囲でバッファー、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸、脂質、リン脂質、糖類、無機塩、高分子化合物、界面活性剤、その他の非特異的反応抑制剤、防腐剤等を含有させてもよい。
本発明の非特異反応抑制剤は、免疫学的測定法における試料に由来する非特異反応を抑制可能な物質を含んでいればよく、少なくとも抗C3抗体を有効成分として含む。本発明の非特異反応抑制剤は、上記試薬構成中の抗C3抗体を含む構成をそのまま使用することができる。本発明の非特異反応抑制剤には、その非特異的反応抑制効果を妨げない範囲でバッファー、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、核酸、脂質、リン脂質、糖類、無機塩、高分子化合物、界面活性剤、その他の非特異的反応抑制剤、防腐剤等を含有させてもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例I:LTIA法における非特異反応抑制:TARCの測定]
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のTARC濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例1)と近い値を示す試料(対照検体:検体1~3)と、非特異反応を呈し比較例1の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体4~10)を用いた。
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のTARC濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例1)と近い値を示す試料(対照検体:検体1~3)と、非特異反応を呈し比較例1の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体4~10)を用いた。
[比較例1](CLEIA法による測定)
1.測定方法
1-1.測定試薬
HISCL(登録商標)TARC(シスメックス株式会社)
1-2.試料
生理食塩液(大塚生食注)、検体(血清)1-10
1-3.測定手順
HISCL(登録商標) -5000(シスメックス株式会社)にて、前記試薬の添付文書に従い測定を行った。
1.測定方法
1-1.測定試薬
HISCL(登録商標)TARC(シスメックス株式会社)
1-2.試料
生理食塩液(大塚生食注)、検体(血清)1-10
1-3.測定手順
HISCL(登録商標) -5000(シスメックス株式会社)にて、前記試薬の添付文書に従い測定を行った。
2.測定結果
測定結果を表1に示した。
本比較例1で示すCLEIA法は、B/F分離操作を実施し、洗浄工程を有する。このため、試料に由来する非特異反応の影響を受けにくい測定方法であることから、比較例として用いた。
測定結果を表1に示した。
本比較例1で示すCLEIA法は、B/F分離操作を実施し、洗浄工程を有する。このため、試料に由来する非特異反応の影響を受けにくい測定方法であることから、比較例として用いた。
[比較例2](LTIA法による測定:非特異反応抑制剤の添加なし)
1.測定方法
1-1.測定試薬
以下に示す、第1試薬、第2試薬からなる、LTIA測定試薬を調製した。
(1)第1試薬
100mM MOPS-NaOH(pH7.5)
500mM NaCl
0.5% BSA
(2)第2試薬
抗ヒトTARCモノクローナル抗体感作ラテックス(2種類)
5mM MOPS-NaOH(pH7.0)
なお、抗ヒトTARCモノクローナル抗体は、市販のTARC抗原を使用し、当業者周知の方法にて取得した。市販のTARC抗原としては、CCL17, thymus and activation regulated chemokine(Shenandoah Biotechnology,Inc.)、CCL17/TARC, Human(LifeSpan Biosscience,Inc.)、Human TARC (CCL17)(Abeomics,Inc.)が挙げられる。さらに、TARC抗原に対してサンドイッチ測定が可能であるモノクローナル抗体の組み合わせを、当業者周知の方法にて選定した。抗ヒトTARCモノクローナル抗体感作ラテックスは、特開2017-181377記載の方法を参考に調製した。
1-2.試料
比較例1の試料に同じ
1-3.測定手順
第1試薬と第2試薬を組み合わせ、日立自動分析装置3500を用いて、試料中のTARC濃度を測定した。具体的には、試料2.4μLに第1試薬120μLを加えて37℃で5分間保温した後、第2試薬40μLを加えて攪拌した。凝集形成に伴う吸光度変化を、その後5分間にわたり、主波長570nm、副波長800nmで測定し、その吸光度変化量を濃度既知の標準物質を測定して得られる検量線にあてはめ、測定値を算出した。
1.測定方法
1-1.測定試薬
以下に示す、第1試薬、第2試薬からなる、LTIA測定試薬を調製した。
(1)第1試薬
100mM MOPS-NaOH(pH7.5)
500mM NaCl
0.5% BSA
(2)第2試薬
抗ヒトTARCモノクローナル抗体感作ラテックス(2種類)
5mM MOPS-NaOH(pH7.0)
なお、抗ヒトTARCモノクローナル抗体は、市販のTARC抗原を使用し、当業者周知の方法にて取得した。市販のTARC抗原としては、CCL17, thymus and activation regulated chemokine(Shenandoah Biotechnology,Inc.)、CCL17/TARC, Human(LifeSpan Biosscience,Inc.)、Human TARC (CCL17)(Abeomics,Inc.)が挙げられる。さらに、TARC抗原に対してサンドイッチ測定が可能であるモノクローナル抗体の組み合わせを、当業者周知の方法にて選定した。抗ヒトTARCモノクローナル抗体感作ラテックスは、特開2017-181377記載の方法を参考に調製した。
1-2.試料
比較例1の試料に同じ
1-3.測定手順
第1試薬と第2試薬を組み合わせ、日立自動分析装置3500を用いて、試料中のTARC濃度を測定した。具体的には、試料2.4μLに第1試薬120μLを加えて37℃で5分間保温した後、第2試薬40μLを加えて攪拌した。凝集形成に伴う吸光度変化を、その後5分間にわたり、主波長570nm、副波長800nmで測定し、その吸光度変化量を濃度既知の標準物質を測定して得られる検量線にあてはめ、測定値を算出した。
2.測定結果
測定結果を表1に示した。また、比較例1の測定値に対する本比較例2の測定値の相関を図1に示した。
測定結果を表1に示した。また、比較例1の測定値に対する本比較例2の測定値の相関を図1に示した。
[比較例3](LTIA法による測定:HBR-1添加)
比較例2で示した第1試薬に、市販の非特異抑制剤であるHBR-1(SCANTIBODIES LABORATORY,INC.)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例2と同一の方法で測定を行った。測定結果を表1に示した。また、比較例1の測定値に対する本比較例3の測定値の相関を図2に示した。
比較例2で示した第1試薬に、市販の非特異抑制剤であるHBR-1(SCANTIBODIES LABORATORY,INC.)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例2と同一の方法で測定を行った。測定結果を表1に示した。また、比較例1の測定値に対する本比較例3の測定値の相関を図2に示した。
[実施例1](LTIA法による測定:抗C3dポリクロ―ナル抗体添加)
比較例2で示した第1試薬に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例2と同一の方法で測定を行った。測定結果を表1に示した。また、比較例1の測定値に対する本実施例1の測定値の相関を図3に示した。
比較例2で示した第1試薬に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例2と同一の方法で測定を行った。測定結果を表1に示した。また、比較例1の測定値に対する本実施例1の測定値の相関を図3に示した。
(結果と考察)
比較例1~3、実施例1及び参考例1の結果から本願発明の効果について考察を行った
(1)対照検体(検体番号1~3)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例1)と、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例2)は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例1)も、比較例1、2と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。なお、比較例3では、検体3において、比較例1に対して測定値が乖離した。HBR-1を添加することにより、望まない反応が生じると考えられた。
(2)乖離検体(検体番号4~10)の測定結果について検証を行った。
検体番号4では、CLEIA法の測定値(比較例1)が205pg/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例2)は669pg/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したLTIA法の測定値(比較例3)は634pg/mLであり、比較例1に対して大きく乖離した。一方、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例1)は271pg/mLとなり、比較例1に近づく傾向を示した。検体5~10においても同様の結果が得られた。
以上より、免疫測定方法において、本願発明の抗C3d抗体を免疫反応系内に存在させることにより、試料に由来する非特異反応を抑制することができた。本発明によって、市販の非特異反応抑制剤であるHBR-1によっても抑制できないような非特異反応を抑制できたことは予想外の結果であった。
なお、本試験に用いた乖離検体はRFが広範囲の濃度で含まれる検体であったが、RFの多寡と測定値の乖離度に関連性は見られなかった(データ示さず)。したがって、本願発明の抗C3d抗体による非特異抑制効果は、RFの多寡によって影響を受けない可能性が示唆された。
比較例1~3、実施例1及び参考例1の結果から本願発明の効果について考察を行った
(1)対照検体(検体番号1~3)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例1)と、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例2)は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例1)も、比較例1、2と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。なお、比較例3では、検体3において、比較例1に対して測定値が乖離した。HBR-1を添加することにより、望まない反応が生じると考えられた。
(2)乖離検体(検体番号4~10)の測定結果について検証を行った。
検体番号4では、CLEIA法の測定値(比較例1)が205pg/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例2)は669pg/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したLTIA法の測定値(比較例3)は634pg/mLであり、比較例1に対して大きく乖離した。一方、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例1)は271pg/mLとなり、比較例1に近づく傾向を示した。検体5~10においても同様の結果が得られた。
以上より、免疫測定方法において、本願発明の抗C3d抗体を免疫反応系内に存在させることにより、試料に由来する非特異反応を抑制することができた。本発明によって、市販の非特異反応抑制剤であるHBR-1によっても抑制できないような非特異反応を抑制できたことは予想外の結果であった。
なお、本試験に用いた乖離検体はRFが広範囲の濃度で含まれる検体であったが、RFの多寡と測定値の乖離度に関連性は見られなかった(データ示さず)。したがって、本願発明の抗C3d抗体による非特異抑制効果は、RFの多寡によって影響を受けない可能性が示唆された。
[実施例II:LTIA法における非特異反応抑制:sIL-2Rの測定]
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例4)と近い値を示す試料(対照検体:検体11~15)と、非特異反応を呈し比較例4の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体16、17)を用いた。
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例4)と近い値を示す試料(対照検体:検体11~15)と、非特異反応を呈し比較例4の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体16、17)を用いた。
[比較例4](CLEIA法による測定)
1.測定方法
1-1.測定試薬
ルミパルスプレスト(登録商標)IL-2R(富士レビオ株式会社)
1-2.試料
検体(血清)11-17
1-3.測定手順
ルミパルス(登録商標) -L2400(富士レビオ株式会社)にて、前記試薬の添付文書に従い測定を行った。
1.測定方法
1-1.測定試薬
ルミパルスプレスト(登録商標)IL-2R(富士レビオ株式会社)
1-2.試料
検体(血清)11-17
1-3.測定手順
ルミパルス(登録商標) -L2400(富士レビオ株式会社)にて、前記試薬の添付文書に従い測定を行った。
2.測定結果
測定結果を表2に示した。
本比較例4で示すCLEIA法は、B/F分離操作を実施し、洗浄工程を有する。このため、試料に由来する非特異反応の影響を受けにくい測定方法であることから、比較例として用いた。
測定結果を表2に示した。
本比較例4で示すCLEIA法は、B/F分離操作を実施し、洗浄工程を有する。このため、試料に由来する非特異反応の影響を受けにくい測定方法であることから、比較例として用いた。
[比較例5](LTIA法による測定:非特異反応抑制剤の添加なし)
1.測定方法
1-1.測定試薬
特開2017-181377記載の方法に従い、第1試薬と第2試薬を調製した。
1-2.試料
比較例4の試料に同じ
1-3.測定手順
第1試薬と第2試薬を組み合わせ、日立7180形自動分析装置を用いて、試料中のsIL-2R濃度を測定した。具体的には、試料5.6μLに第1試薬120μLを加えて37℃で5分間保温した後、第2試薬40μLを加えて攪拌した。凝集形成に伴う吸光度変化を、その後5分間にわたり、主波長570nm、副波長800nmで測定し、その吸光度変化量を濃度既知の標準物質を測定して得られる検量線にあてはめ、測定値を算出した。
1.測定方法
1-1.測定試薬
特開2017-181377記載の方法に従い、第1試薬と第2試薬を調製した。
1-2.試料
比較例4の試料に同じ
1-3.測定手順
第1試薬と第2試薬を組み合わせ、日立7180形自動分析装置を用いて、試料中のsIL-2R濃度を測定した。具体的には、試料5.6μLに第1試薬120μLを加えて37℃で5分間保温した後、第2試薬40μLを加えて攪拌した。凝集形成に伴う吸光度変化を、その後5分間にわたり、主波長570nm、副波長800nmで測定し、その吸光度変化量を濃度既知の標準物質を測定して得られる検量線にあてはめ、測定値を算出した。
2.測定結果
測定結果を表2に示した。
測定結果を表2に示した。
[比較例6](LTIA法による測定:HBR-1添加)
比較例5で示した第1試薬に、HBR-1(SCANTIBODIES LABORATORY,INC.)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。測定結果を表2に示した。
比較例5で示した第1試薬に、HBR-1(SCANTIBODIES LABORATORY,INC.)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。測定結果を表2に示した。
[実施例2](LTIA法による測定:抗C3dポリクロ―ナル抗体添加)
比較例5で示した第1試薬に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。測定結果を表2に示した。
比較例5で示した第1試薬に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。測定結果を表2に示した。
(結果と考察)
比較例4~6、実施例2の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号11~15)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例4)と、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例5)は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例2)も、比較例4、5と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号16、17)の測定結果について検証を行った。
検体番号16では、CLEIA法の測定値(比較例4)が346U/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例5)は1401U/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したLTIA法の測定値(比較例5)は1216U/mLであり、比較例4に対して大きく乖離した。
一方、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例2)は409U/mLとなり、比較例4に近づく傾向を示した。検体17においても同様の結果が得られた。
以上より、免疫測定方法において、本願発明の抗C3d抗体を免疫反応系内に存在させることにより、試料に由来する非特異反応を抑制することができた。本発明によって、市販の非特異反応抑制剤であるHBR-1によっても抑制できないような非特異反応を抑制できたことから、本発明の抗C3d抗体による非特異抑制効果は予想外の結果であった。
比較例4~6、実施例2の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号11~15)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例4)と、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例5)は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例2)も、比較例4、5と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号16、17)の測定結果について検証を行った。
検体番号16では、CLEIA法の測定値(比較例4)が346U/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例5)は1401U/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したLTIA法の測定値(比較例5)は1216U/mLであり、比較例4に対して大きく乖離した。
一方、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例2)は409U/mLとなり、比較例4に近づく傾向を示した。検体17においても同様の結果が得られた。
以上より、免疫測定方法において、本願発明の抗C3d抗体を免疫反応系内に存在させることにより、試料に由来する非特異反応を抑制することができた。本発明によって、市販の非特異反応抑制剤であるHBR-1によっても抑制できないような非特異反応を抑制できたことから、本発明の抗C3d抗体による非特異抑制効果は予想外の結果であった。
[実施例III:ELISA法における非特異反応抑制:sIL-2Rの測定]
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したELISA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例7)と近い値を示す試料(対照検体:検体18~22)と、非特異反応を呈し比較例7の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体23)を用いた。
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したELISA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例7)と近い値を示す試料(対照検体:検体18~22)と、非特異反応を呈し比較例7の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体23)を用いた。
[比較例7](CLEIA法による測定)
1.測定方法
1-1.測定試薬
ルミパルスプレスト(登録商標) IL-2R(富士レビオ株式会社)
1-2.試料
血清検体18-23
1-3.測定手順
ルミパルス(登録商標) L2400(富士レビオ株式会社)にて、前記測定試薬の添付文書に従い測定を行った。
1.測定方法
1-1.測定試薬
ルミパルスプレスト(登録商標) IL-2R(富士レビオ株式会社)
1-2.試料
血清検体18-23
1-3.測定手順
ルミパルス(登録商標) L2400(富士レビオ株式会社)にて、前記測定試薬の添付文書に従い測定を行った。
2.測定結果
測定結果を表3に示した。
測定結果を表3に示した。
[比較例8](ELISAによる測定:非特異反応抑制剤の添加なし)
1.測定方法
1-1.試料
比較例7の試料に同じ
1-2.測定手順
比較例5で使用した抗体と同一の抗体を用いた。
抗sIL-2Rモノクローナル抗体を10μg/mLになるよう、150mM塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.2;以下、PBSという)に溶解し、該溶解液100μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、4℃で1晩静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)400μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)200μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。これをELISA用プレートとした。
前記ELISA用プレートの各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、検体希釈液(BSA-PBST)で40倍に希釈した試料100μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.50μg/mLに希釈したビオチン標識抗sIL-2Rモノクローナル抗体を、100μLを前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.20μg/mLに希釈したHRP標識ストレプトアビジン(ThermoFishier Scientific社) を100μL前記各ウェルに分注し、室温で30分間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、4.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。
キャリブレーターとして濃度既知の標準物質を使用し、被検試料中のsIL-2R値を算出した。測定結果を表2に示した。
1.測定方法
1-1.試料
比較例7の試料に同じ
1-2.測定手順
比較例5で使用した抗体と同一の抗体を用いた。
抗sIL-2Rモノクローナル抗体を10μg/mLになるよう、150mM塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.2;以下、PBSという)に溶解し、該溶解液100μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、4℃で1晩静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)400μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)200μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。これをELISA用プレートとした。
前記ELISA用プレートの各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、検体希釈液(BSA-PBST)で40倍に希釈した試料100μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.50μg/mLに希釈したビオチン標識抗sIL-2Rモノクローナル抗体を、100μLを前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.20μg/mLに希釈したHRP標識ストレプトアビジン(ThermoFishier Scientific社) を100μL前記各ウェルに分注し、室温で30分間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、4.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。
キャリブレーターとして濃度既知の標準物質を使用し、被検試料中のsIL-2R値を算出した。測定結果を表2に示した。
[比較例9] (ELISAによる測定:HBR-1添加)
比較例8で示した検体希釈液(BSA-PBST)に、HBR-1(SCANTIBODIES LABORATORY,INC.)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例8と同一の方法で測定を行った。測定結果を表2に示した。
比較例8で示した検体希釈液(BSA-PBST)に、HBR-1(SCANTIBODIES LABORATORY,INC.)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例8と同一の方法で測定を行った。測定結果を表2に示した。
[実施例3] (ELISAによる測定:抗C3dポリクロ―ナル抗体添加)
比較例8で示した検体希釈液(BSA-PBST)に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例8と同一の方法で測定を行った。測定結果を表3に示した。
比較例8で示した検体希釈液(BSA-PBST)に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例8と同一の方法で測定を行った。測定結果を表3に示した。
(結果と考察)
比較例7~9、実施例3の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号18~22)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例7)と、非特異反応抑制剤を添加していないELISA法の測定値(比較例8)は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例3)も、比較例7,8と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号23)の測定結果について検証を行った。
検体番号23では、CLEIA法の測定値(比較例7)が1534U/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないELISA法の測定値(比較例8)は2132U/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したELISA法の測定値(比較例9)は2155U/mLであり、比較例7に対して大きく乖離した。
これに対し、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したELISA法の測定値(実施例3)は1338U/mLとなり、比較例4に近づく傾向を示した。このことから、比較例8、9で生じていた何らかの非特異反応を抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加することにより抑制できることがわかった。
以上より、免疫測定方法において、本願発明の抗C3d抗体を免疫反応系内に存在させることにより、非特異反応を抑制することができた。本発明によって、市販の非特異反応抑制剤であるHBR-1によっても抑制できないような非特異反応を抑制できたことから、本発明の抗C3d抗体による非特異抑制効果は予想外の結果であった。そして、このような非特異反応抑制効果は、実施例I、IIのホモジーニアスな測定系に限らず、実施例IIIのヘテロジーニアスな測定系でも効果を示すことがわかった。
比較例7~9、実施例3の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号18~22)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例7)と、非特異反応抑制剤を添加していないELISA法の測定値(比較例8)は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例3)も、比較例7,8と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号23)の測定結果について検証を行った。
検体番号23では、CLEIA法の測定値(比較例7)が1534U/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないELISA法の測定値(比較例8)は2132U/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したELISA法の測定値(比較例9)は2155U/mLであり、比較例7に対して大きく乖離した。
これに対し、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したELISA法の測定値(実施例3)は1338U/mLとなり、比較例4に近づく傾向を示した。このことから、比較例8、9で生じていた何らかの非特異反応を抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加することにより抑制できることがわかった。
以上より、免疫測定方法において、本願発明の抗C3d抗体を免疫反応系内に存在させることにより、非特異反応を抑制することができた。本発明によって、市販の非特異反応抑制剤であるHBR-1によっても抑制できないような非特異反応を抑制できたことから、本発明の抗C3d抗体による非特異抑制効果は予想外の結果であった。そして、このような非特異反応抑制効果は、実施例I、IIのホモジーニアスな測定系に限らず、実施例IIIのヘテロジーニアスな測定系でも効果を示すことがわかった。
[実施例IV:LTIA法における非特異反応抑制:sIL-2Rの測定]
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例10)と近い値を示す試料(対照検体:検体12、24、25)と、非特異反応を呈し比較例10の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体16、17)を用いた。
以下に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体及びその他の非特異反応抑制剤を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。なお、試料としては化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)による測定値(比較例10)と近い値を示す試料(対照検体:検体12、24、25)と、非特異反応を呈し比較例10の測定値から大きく乖離する試料(乖離検体:検体16、17)を用いた。
[比較例10](CLEIA法による測定)
1.測定方法
1-1.測定試薬
ルミパルスプレスト(登録商標)IL-2R(富士レビオ株式会社)
1-2.試料
検体(血清)12、16、17、24、25
1-3.測定手順
ルミパルス(登録商標) -L2400(富士レビオ株式会社)にて、前記試薬の添付文書に従い測定を行った。
1.測定方法
1-1.測定試薬
ルミパルスプレスト(登録商標)IL-2R(富士レビオ株式会社)
1-2.試料
検体(血清)12、16、17、24、25
1-3.測定手順
ルミパルス(登録商標) -L2400(富士レビオ株式会社)にて、前記試薬の添付文書に従い測定を行った。
2.測定結果
測定結果を表4に示した。
測定結果を表4に示した。
[比較例11](LTIA法による測定:非特異反応抑制剤の添加なし)
1.測定方法
1-1.測定試薬
比較例5で調製した第1試薬と第2試薬を使用した。
1-2.試料
比較例10の試料に同じ
1-3.測定手順
比較例5と同一の方法で測定を行った。
1.測定方法
1-1.測定試薬
比較例5で調製した第1試薬と第2試薬を使用した。
1-2.試料
比較例10の試料に同じ
1-3.測定手順
比較例5と同一の方法で測定を行った。
2.測定結果
測定結果を表4に示した。
測定結果を表4に示した。
[比較例12](LTIA法による測定:HBR-1添加)
比較例6と同一の試薬を使用した。測定結果を表4に示した。
比較例6と同一の試薬を使用した。測定結果を表4に示した。
[実施例4](LTIA法による測定:抗C3dポリクロ―ナル抗体添加)
比較例5で示した第1試薬に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を25μg/mL(実施例4-1)、50μg/mL(実施例4-2)、100μg/mL(実施例4-3)、200μg/mL(実施例4-4)、500μg/mL(実施例4-5)となるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。測定結果を表4に示した。
比較例5で示した第1試薬に、抗C3dポリクロ―ナル抗体(Bio-Rad社)を25μg/mL(実施例4-1)、50μg/mL(実施例4-2)、100μg/mL(実施例4-3)、200μg/mL(実施例4-4)、500μg/mL(実施例4-5)となるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。測定結果を表4に示した。
(結果と考察)
比較例10~12、実施例4-1~4-5の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号12、24、25)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例10)と、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例11)、は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例4-1~4-5)も、比較例10、11と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号16、17)の測定結果について検証を行った。
検体番号16では、CLEIA法の測定値(比較例10)が346U/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例11)は1419U/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したLTIA法の測定値(比較例12)は1216U/mLであり、比較例10に対して大きく乖離した。一方、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を25μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例4-1)は352U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。同様に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を50及び500μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例4-2及び4-5)では、測定値は395及び374U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。さらに、検体17においても同様の結果が得られた。本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体は、少なくとも25~500μg/mLの範囲で、非特異反応を抑制する効果を示した。
比較例10~12、実施例4-1~4-5の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号12、24、25)の測定結果について検証を行った。
対照検体では、CLEIA法の測定値(比較例10)と、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例11)、は概ね同等であった。また、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例4-1~4-5)も、比較例10、11と概ね同等であった。従って、抗C3dポリクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号16、17)の測定結果について検証を行った。
検体番号16では、CLEIA法の測定値(比較例10)が346U/mLであったのに対して、非特異反応抑制剤を添加していないLTIA法の測定値(比較例11)は1419U/mLとなり、測定値が大きく乖離した。さらにHBR-1を添加したLTIA法の測定値(比較例12)は1216U/mLであり、比較例10に対して大きく乖離した。一方、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を25μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例4-1)は352U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。同様に、本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体を50及び500μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例4-2及び4-5)では、測定値は395及び374U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。さらに、検体17においても同様の結果が得られた。本願発明の抗C3dポリクロ―ナル抗体は、少なくとも25~500μg/mLの範囲で、非特異反応を抑制する効果を示した。
[参考例1](Complement C3d特異的なモノクローナル抗体の製造)
1.材料
(1)フロイント完全アジュバント:富士フィルム和光純薬製, 014―09541
(2)フロイント不完全アジュバント:富士フィルム和光純薬製,011―09551
(3)ミエローマ細胞(SP2/O)
(4)RPMI1640, GlutaMAX:GIBCO社製,61870-036
(5)Fetal Bovine Serum (FBS):BIOLOGICAL INDUSTRIES社製,04-001-1A
(6)HAT 培地:コスモバイオ社製,16213004
(7)96穴プレート:NUNC,167008
(8)HRP標識ヤギ抗マウスIgG(H & L):Southern Biotech社 製,1031-05
(9)Complement C3d, human:Sigma-Aldrich社製,204870
(10)Complement C3d Goat anti-Human Polyclonal Antibody:LifeSpan BioSciences社製, LS―C147220
(11)Biotin Labeling Kit―NH2:Dojindo Molecular Technologies社製,LK03
(12)C3d,Human,clone 3:Hycult Biotech社製, HM2198
1.材料
(1)フロイント完全アジュバント:富士フィルム和光純薬製, 014―09541
(2)フロイント不完全アジュバント:富士フィルム和光純薬製,011―09551
(3)ミエローマ細胞(SP2/O)
(4)RPMI1640, GlutaMAX:GIBCO社製,61870-036
(5)Fetal Bovine Serum (FBS):BIOLOGICAL INDUSTRIES社製,04-001-1A
(6)HAT 培地:コスモバイオ社製,16213004
(7)96穴プレート:NUNC,167008
(8)HRP標識ヤギ抗マウスIgG(H & L):Southern Biotech社 製,1031-05
(9)Complement C3d, human:Sigma-Aldrich社製,204870
(10)Complement C3d Goat anti-Human Polyclonal Antibody:LifeSpan BioSciences社製, LS―C147220
(11)Biotin Labeling Kit―NH2:Dojindo Molecular Technologies社製,LK03
(12)C3d,Human,clone 3:Hycult Biotech社製, HM2198
2.ヒト由来Complement C3dに対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製
(2-1)動物への免疫
免疫原として、市販のヒト由来Complement C3d(Sigma-Aldrich社製)を用いた。150mM塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.2;以下、PBSという)で希釈した免疫原とフロイント完全アジュバントを等量ずつ混合して調製したエマルジョンを用い、Balb/cAJclマウスに1匹あたり20μgを注射した。さらに、2回目以降はフロイント不完全アジュバントを用い、1匹あたり10μgの注射を、2週間の間隔で4回(初回免疫合わせて計5回)繰り返した。尾部静脈より採血して得た抗血清中の抗体価を、後述する抗原固相化ELISA法にて測定した。
(2-1)動物への免疫
免疫原として、市販のヒト由来Complement C3d(Sigma-Aldrich社製)を用いた。150mM塩化ナトリウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.2;以下、PBSという)で希釈した免疫原とフロイント完全アジュバントを等量ずつ混合して調製したエマルジョンを用い、Balb/cAJclマウスに1匹あたり20μgを注射した。さらに、2回目以降はフロイント不完全アジュバントを用い、1匹あたり10μgの注射を、2週間の間隔で4回(初回免疫合わせて計5回)繰り返した。尾部静脈より採血して得た抗血清中の抗体価を、後述する抗原固相化ELISA法にて測定した。
(2-2)免疫動物血清中抗体価の評価(抗原固相化ELISA法)
前記免疫動物血清中のComplement C3dに対する抗体の存在を、免疫原を固相化したELISA法(抗原固相化ELISA法)で確認した。抗原固相化ELISA法の詳細は以下である。
(2-2-1)抗原固相化ELISA用プレートの作製
免疫原であるComplement C3dを0.5μg/mLになるよう、PBSに溶解し、該溶解液50μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、室温で2時間静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)400μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)100μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。これをELISA用プレートとした。
(2-2-2)抗原固相化ELISA法
前記ELISA用プレートの各ウェルからBSA-PBSTを除去した後、BSA-PBSTで段階希釈した免疫動物抗血清及び非免疫動物血清50μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで9500倍希釈したHRP標識抗マウスIgG(H&L)を50μL前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、1.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。測定の結果、抗体価の上昇を確認したマウスから、脾臓及びリンパ節を摘出して、脾臓及びリンパ節由来細胞を調製し、細胞融合に用いた。
前記免疫動物血清中のComplement C3dに対する抗体の存在を、免疫原を固相化したELISA法(抗原固相化ELISA法)で確認した。抗原固相化ELISA法の詳細は以下である。
(2-2-1)抗原固相化ELISA用プレートの作製
免疫原であるComplement C3dを0.5μg/mLになるよう、PBSに溶解し、該溶解液50μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、室温で2時間静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)400μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)100μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。これをELISA用プレートとした。
(2-2-2)抗原固相化ELISA法
前記ELISA用プレートの各ウェルからBSA-PBSTを除去した後、BSA-PBSTで段階希釈した免疫動物抗血清及び非免疫動物血清50μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで9500倍希釈したHRP標識抗マウスIgG(H&L)を50μL前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、1.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。測定の結果、抗体価の上昇を確認したマウスから、脾臓及びリンパ節を摘出して、脾臓及びリンパ節由来細胞を調製し、細胞融合に用いた。
(2-3)細胞融合
前記脾臓由来細胞もしくはリンパ節由来細胞のいずれかとミエローマ細胞を細胞数で1対1の割合で混合し、電気パルス法により細胞融合した。該融合させた細胞をHAT培地に懸濁し、CO2インキュベータ内で37℃、5%CO2にて8日間培養して、融合細胞(ハイブリドーマ)を得た。
前記脾臓由来細胞もしくはリンパ節由来細胞のいずれかとミエローマ細胞を細胞数で1対1の割合で混合し、電気パルス法により細胞融合した。該融合させた細胞をHAT培地に懸濁し、CO2インキュベータ内で37℃、5%CO2にて8日間培養して、融合細胞(ハイブリドーマ)を得た。
(2-4)ハイブリドーマの選別(サンドウィッチELISA法)
抗Complement C3dポリクローナル抗体を用いたサンドウィッチELISAにより、ハイブリドーマを選別した。サンドウィッチELISA法の詳細は以下である。
(2-4-1)サンドウィッチELISA用プレートの作製
抗マウスIgG抗体を5μg/mLになるよう、PBSに溶解し、該溶解液50μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、室温で2時間静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)400μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)100μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。これをELISA用プレートとした。
(2-4-2)サンドウィッチELISA法
前記ELISA用プレートの各ウェルからBSA-PBSTを除去した後、ハイブリドーマ培養上清を各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで50ng/mLに希釈したComplement C3dを50μL各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.8μg/mLに希釈した、ビオチン標識化キット(Dojindo Molecular Technologies社製)を用いてビオチン標識した抗Complemen C3dポリクローナル抗体(LifeSpan BioSciences社製)を50μL各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.2μg/mLに希釈したHRP標識ストレプトアビジンを50μL前記各ウェルに分注し、室温で30分静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、1.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。測定の結果、吸光度の高いウェルを抗Complement C3d抗体産生ハイブリドーマの存在するウェル(陽性ウェル)として選択した。なお、ポジティブコントロールとして、ハイブリドーマ培養上清のかわりに市販のマウス由来抗C3dモノクローナル抗体(Hycult Biotech社製)を1μg/mLの濃度で使用した。
抗Complement C3dポリクローナル抗体を用いたサンドウィッチELISAにより、ハイブリドーマを選別した。サンドウィッチELISA法の詳細は以下である。
(2-4-1)サンドウィッチELISA用プレートの作製
抗マウスIgG抗体を5μg/mLになるよう、PBSに溶解し、該溶解液50μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、室温で2時間静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)400μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)100μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。これをELISA用プレートとした。
(2-4-2)サンドウィッチELISA法
前記ELISA用プレートの各ウェルからBSA-PBSTを除去した後、ハイブリドーマ培養上清を各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで50ng/mLに希釈したComplement C3dを50μL各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.8μg/mLに希釈した、ビオチン標識化キット(Dojindo Molecular Technologies社製)を用いてビオチン標識した抗Complemen C3dポリクローナル抗体(LifeSpan BioSciences社製)を50μL各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA-PBSTで0.2μg/mLに希釈したHRP標識ストレプトアビジンを50μL前記各ウェルに分注し、室温で30分静置した。前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、1.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。測定の結果、吸光度の高いウェルを抗Complement C3d抗体産生ハイブリドーマの存在するウェル(陽性ウェル)として選択した。なお、ポジティブコントロールとして、ハイブリドーマ培養上清のかわりに市販のマウス由来抗C3dモノクローナル抗体(Hycult Biotech社製)を1μg/mLの濃度で使用した。
(2-5)クローニング
(2-4)で選択された抗Complement C3d抗体産生株ハイブリドーマを用いて、ハイブリドーマの単クローン化とモノクローナル抗体の精製を行った。クローン化は定法(限界希釈法)で行い、上述のサンドウィッチELISA法と同様の方法で陽性ウェルを選別し、最終的に5種のモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。当該ハイブリドーマS3520X(X=1~5)が産生するモノクローナル抗体を、それぞれS3520X抗体と称した。
(2-4)で選択された抗Complement C3d抗体産生株ハイブリドーマを用いて、ハイブリドーマの単クローン化とモノクローナル抗体の精製を行った。クローン化は定法(限界希釈法)で行い、上述のサンドウィッチELISA法と同様の方法で陽性ウェルを選別し、最終的に5種のモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。当該ハイブリドーマS3520X(X=1~5)が産生するモノクローナル抗体を、それぞれS3520X抗体と称した。
[実施例V:LTIA法における非特異反応抑制:sIL-2Rの測定]
以下に、参考例1で作製した本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。試料は、実施例IVと同一試料を用いた。
以下に、参考例1で作製した本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体を添加したLTIA法による試薬を用いて、試料中のsIL-2R濃度測定を行った試験について示す。試料は、実施例IVと同一試料を用いた。
[実施例5](LTIA法による測定:抗C3dモノクロ―ナル抗体添加)
比較例5で示した第1試薬に、参考例1で作製した5種類の抗C3dモノクロ―ナル抗体をそれぞれ100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。添加したクローンNo.は以下の通りである。実施例5-1:クローンNo.S35201、実施例5-2:クローンNo.S35202、実施例5-3:クローンNo.S35203、実施例5-4クローンNo.S35204、実施例5-5:クローンNo.S35205。測定結果を表5に示した。
比較例5で示した第1試薬に、参考例1で作製した5種類の抗C3dモノクロ―ナル抗体をそれぞれ100μg/mLとなるよう添加したほかは比較例5と同一の方法で測定を行った。添加したクローンNo.は以下の通りである。実施例5-1:クローンNo.S35201、実施例5-2:クローンNo.S35202、実施例5-3:クローンNo.S35203、実施例5-4クローンNo.S35204、実施例5-5:クローンNo.S35205。測定結果を表5に示した。
(結果と考察)
比較例10~12、実施例5-1~5-5の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号12、24、25)の測定結果について検証を行った。
比較例10,11の測定結果については実施例IVの考察で述べたとおりである。また、本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例5-1~5-5)も、比較例10、11と概ね同等であった。従って、抗C3dモノクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号16、17)の測定結果について検証を行った。
比較例10、11、12の測定結果については実施例IVの考察で述べたとおりである。一方、本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体クローンNo.S35201を100μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例5-1)は377U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。同様に、本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体、クローンNo.S35202~S35205を100μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例5-2~5-5)では、測定値は339~368U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。さらに、検体17においても同様の結果が得られた。本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体は非特異反応を抑制する効果を示した。
以上より、本願発明の抗C3d抗体が試料に由来する非特異反応を抑制する効果は、ポリクロ―ナル抗体、モノクローナル抗体のいずれでも得ることができた。免疫学的測定方法において正確な測定をおこなうことは極めて重要であるが、市販の非特異反応抑制剤によってもなお抑制できなかった非特異反応を本発明により抑制することが可能となった意義は大きい。
比較例10~12、実施例5-1~5-5の結果から本願発明の効果について考察を行った。
(1)対照検体(検体番号12、24、25)の測定結果について検証を行った。
比較例10,11の測定結果については実施例IVの考察で述べたとおりである。また、本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体を添加したLTIA法の測定値(実施例5-1~5-5)も、比較例10、11と概ね同等であった。従って、抗C3dモノクロ―ナル抗体の添加は、非特異反応を呈しない検体の測定値に対して影響を与えないことがわかった。
(2)乖離検体(検体番号16、17)の測定結果について検証を行った。
比較例10、11、12の測定結果については実施例IVの考察で述べたとおりである。一方、本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体クローンNo.S35201を100μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例5-1)は377U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。同様に、本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体、クローンNo.S35202~S35205を100μg/mL添加したLTIA法の測定値(実施例5-2~5-5)では、測定値は339~368U/mLとなり、比較例10に近づく傾向を示した。さらに、検体17においても同様の結果が得られた。本願発明の抗C3dモノクロ―ナル抗体は非特異反応を抑制する効果を示した。
以上より、本願発明の抗C3d抗体が試料に由来する非特異反応を抑制する効果は、ポリクロ―ナル抗体、モノクローナル抗体のいずれでも得ることができた。免疫学的測定方法において正確な測定をおこなうことは極めて重要であるが、市販の非特異反応抑制剤によってもなお抑制できなかった非特異反応を本発明により抑制することが可能となった意義は大きい。
本発明により、抗C3抗体存在下で免疫反応を行うことにより試料中に非特異因子が含まれている場合でも正確な免疫測定方法を実現することが可能となった。
Claims (15)
- 試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法において、非特異反応抑制剤としての抗C3抗体存在下で免疫反応を行い、
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上であり、
前記試料中の測定対象物質を抗C3抗体以外の特異的結合パートナーを用いて測定することを特徴とする免疫学的測定方法。 - 免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である請求項1に記載の免疫学的測定方法。
- ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集測定方法である請求項1又は2に記載の免疫学的測定方法。
- 試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程と、
前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程と、
溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程と、
を含む、請求項3に記載の免疫学的測定方法。 - 試料中の測定対象物質を免疫学的に測定する方法における非特異反応抑制方法であって、
非特異反応抑制剤としての抗C3抗体存在下で免疫反応を行い、
抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上であり、
前記試料中の測定対象物質を抗C3抗体以外の特異的結合パートナーを用いて測定することを特徴とする非特異反応抑制方法。 - 免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である請求項5に記載の非特異反応抑制方法。
- ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集測法である請求項5又は6に記載の非特異反応抑制方法。
- 試料中の測定対象物質と抗C3抗体とを溶液中で接触させる工程と、
前記溶液中に測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を添加する工程と、
溶液中におけるラテックス粒子の凝集度合いを光学的に検出する工程と、
を含む、請求項7に記載の非特異反応抑制方法。 - 非特異反応抑制剤としての抗C3抗体を含む免疫学的測定用試薬であって、 前記抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上であり、抗C3抗体以外の測定対象物質に対する特異的結合パートナーを含む、前記免疫学的測定用試薬。
- 免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である請求項9に記載の免疫学的測定用試薬。
- ホモジーニアス法に基づく方法が、ラテックス免疫凝集法である請求項10に記載の免疫学的測定用試薬。
- 非特異反応抑制剤としての抗C3抗体を含む免疫学的測定用試薬キットであって、前記抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上であり、抗C3抗体以外の測定対象物質に対する特異的結合パートナーを含む、前記免疫学的測定用試薬キット。
- 免疫学的測定方法が、ホモジーニアス法またはヘテロジーニアス法に基づく方法である請求項12に記載の免疫学的測定用試薬キット。
- ホモジーニアス法にもとづく方法が、ラテックス免疫凝集法であって、以下を含む請求項13に記載の免疫学的測定用試薬キット。
(1)抗C3抗体を含む第1試薬
(2)測定対象物質に対する特異的結合パートナーを担持するラテックス粒子を含む第2試薬 - 抗C3抗体を有効成分として含む、免疫学的測定方法における非特異反応抑制剤であって、前記抗C3抗体が、抗iC3b抗体、抗C3dg抗体、抗C3d抗体及び抗C3b抗体からなる群から選ばれるいずれか1以上であり、前記免疫学的測定方法が抗C3抗体以外の測定対象物質に対する特異的結合パートナーを用いて行う方法である、前記非特異反応抑制剤。
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021010184 | 2021-01-26 | ||
| JP2021010184 | 2021-01-26 | ||
| PCT/JP2022/002518 WO2022163605A1 (ja) | 2021-01-26 | 2022-01-25 | 免疫学的測定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPWO2022163605A1 JPWO2022163605A1 (ja) | 2022-08-04 |
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| WO2009025364A1 (ja) | 2007-08-23 | 2009-02-26 | Mitsubishi Kagaku Iatron, Inc. | 非特異反応抑制剤 |
| US20100196927A1 (en) | 2007-09-05 | 2010-08-05 | Immunobond Aps | Method of determining functional deficiencies in the complement system |
| JP2014502347A (ja) | 2010-11-02 | 2014-01-30 | カイファ, インコーポレイテッド | 補体活性化についての側方流動イムノアッセイおよび補体関連障害のポイント・オブ・ケア評価のための使用法 |
| JP2018028450A (ja) | 2016-08-16 | 2018-02-22 | 国立大学法人旭川医科大学 | 補体系を検査する方法及びそのためのキット |
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