JP7854792B2 - ビールテイスト飲料 - Google Patents

ビールテイスト飲料

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本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
近年の健康志向の上昇から、糖質含有量の低いビールテイスト飲料(例えば、糖質オフビールテイスト飲料)の需要が高まっている。そこで、糖質含有量の低いビールテイスト飲料の香味を改善する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、4-ビニルグアイヤコール(4VG)の量が濃度10~200ppb(w/v)であり、2-アセチル-1-ピロリン(2AP)の量が濃度1ppb(w/v)未満であり、糖質の量が濃度2.0g/100ml以下であり、アルコールの量が濃度4~10%(v/v)である、ビール様アルコール飲料が開示されている。特許文献2には、糖質含有量が、2.0g/100mL以下であり、かつ糖質含有量(g/100mL)に対するリナロール含有量(μg/L)の比率が0.1~25である、ビール様発泡性飲料が開示されている。
特開2018-86026号公報 国際公開第2017/026226号
糖質含有量が低く(例えば、1.1g/100mL以下)、かつ、麦芽の使用比率(麦芽比率)も低い(25質量%未満)ビールテイスト飲料は、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが充分に感じられない場合があった。本発明者らは、麦芽比率及び糖質含有量が低いビールテイスト飲料において、苦味価を特定の範囲内に調整すると、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが改善されることを見出した。しかし、麦芽比率及び糖質含有量が低いビールテイスト飲料において、苦味価を調整することによって、飲料としての香味バランスが損なわれる場合があった。
本発明は、飲料としての香味バランスが良好であるとともに、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが改善されたビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明は、麦芽比率が25質量%未満であり、苦味価が15.0以上35.0以下であり、糖質含有量が0.35g/100mL以上1.1g/100mL以下である、ビールテイスト飲料に関する。
本発明に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率、苦味価及び糖質含有量それぞれが特定の範囲内にあるため、飲料としての香味バランスが良好に感じられるとともに、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが改善されている。
上記ビールテイスト飲料の糖質含有量は、0.60g/100mL以上1.0g/100mL以下であってよい。この場合、本発明による効果がより一層顕著に奏されることとなる。
上記ビールテイスト飲料の苦味価が18.0以上35.0以下であってよい。この場合、本発明による効果がより一層顕著に奏されることとなる。
本発明はまた、麦芽比率を25質量%未満に調整すること、苦味価を15.0以上35.0以下に調整すること、及び、糖質含有量を0.35g/100mL以上1.1g/100mL以下に調整することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法に関する。
本発明に係る製造方法によれば、麦芽比率、苦味価及び糖質含有量をそれぞれ特定の範囲内に調整することを含むため、飲料としての香味バランスが良好であるとともに、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが改善されたビールテイスト飲料を製造することができる。
本発明によれば、飲料としての香味バランスが良好であるとともに、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが改善されたビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率が25質量%未満であり、苦味価が15.0以上35.0以下であり、糖質含有量が0.35g/100mL以上1.1g/100mL以下である。
本明細書において「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるビールテイストアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
ビールテイストアルコール飲料としては、これに限られるものではないが、例えば、酒税法(令和二年法律第八号)上の発泡酒、その他の醸造酒、リキュールに分類されるものが挙げられる。本実施形態に係るビールテイストアルコール飲料は、上記例示したものに限られない。
ビールテイストアルコール飲料のアルコール度数は、特に制限されず、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、4v/v%以上、又は5v/v%以上であってよい。また、ビールテイストアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6v/v%以下、5v/v%以下、4v/v%以下、又は3v/v%以下であってよい。
ノンアルコールビールテイスト飲料は、実質的にアルコールを含有しないビールテイスト飲料である。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール度数は、1v/v%未満であればよく、0.5v/v%以下であってよく、0.1v/v%以下であってよく、0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。
ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)「3清酒 3-4アルコール分」に記載されている振動式密度計法に基づいて測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよく、原料として麦原料を含有していなくてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。麦芽としては、麦芽を製造する際の焙燥や焙煎を比較的高い温度(例えば約120℃)で行い、焦がすことで製造した色麦芽(例えば、カラメル麦芽、クリスタル麦芽、黒麦芽、チョコレート麦芽、コーヒー麦芽等)を用いてもよい。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよく、原料としてホップを含有していなくてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が25質量%未満である。麦芽比率は、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下であってもよい。麦芽比率は、例えば、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、又は15質量%以上であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として糖類を含有していてもよい。糖類としては、例えば、液糖であってよく、粉状の糖であってもよい。糖類としては、スクロース、マルトース、フルクトース、ラクトース等を挙げることができる。糖類を使用する場合、糖類の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってよい。また、糖類の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、100質量%未満、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、又は60質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として水溶性食物繊維を含有していてもよい。水溶性食物繊維とは、水に可溶な食物繊維である。食物繊維とは、人の消化酵素で消化されない、食品中の難消化成分である。水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、難消化性グルカン、その他の難消化性多糖類等であってよい。水溶性食物繊維は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。水溶性食物繊維を使用する場合、水溶性食物繊維の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、又は5質量%以上であってよい。また、水溶性食物繊維の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、7質量%以下、又は6質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、イソα酸、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、0.35g/100mL以上1.1g/100mL以下である。本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量の下限は、本発明による効果がより一層優れたものとなる観点から、例えば、0.40g/100mL以上、0.45g/100mL以上、0.50g/100mL以上、0.55g/100mL以上、0.60g/100mL以上、0.65g/100mL以上、0.70g/100mL以上、又は0.75g/100mL以上であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量の上限は、本発明による効果がより一層優れたものとなる観点から、例えば、1.0g/100mL以下、0.90g/100mL以下、又は0.85g/100mL以下であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、本発明による効果がより一層優れたものとなる観点から、例えば、0.45g/100mL以上1.0g/100mL以下、0.60g/100mL以上0.90g/100mL以下、0.60g/100mL以上1.0g/100mL以下、又は0.75g/100mL以上0.85g/100mL以下であってよい。糖質含有量は、原料の種類及び使用量等によって調節することができる。
本明細書において糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分を除いたものをいう。ビールテイスト飲料中の糖質含有量は、当該ビールテイスト飲料の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を控除することにより算定される。タンパク質、脂質、灰分、水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。アルコール分の量は、水分量とともに測定することができる。具体的には、タンパク質の量は改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法又はプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法又は硫酸添加灰化法で測定し、水分及びアルコール分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、15.0以上35.0以下である。本実施形態に係るビールテイスト飲料のBUは、すっきりとしたキレ及び飲料としての香味バランスがより良好になる観点から、例えば、15.0以上、16.0以上、17.0以上、18.0以上、又は19.0以上であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のBUは、すっきりとしたキレ及び飲料としての香味バランスがより良好になる観点から、例えば、30.0以下、28.0以下、26.0以下、24.0以下、又は22.0以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。より具体的には、例えば、ビールテイスト飲料にイソα酸を含有させ、その含有量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、ビールテイスト飲料の麦芽比率を25質量%未満に調整すること、ビールテイスト飲料の苦味価を15.0以上35.0以下に調整すること、及び、ビールテイスト飲料中の糖質含有量を0.35g/100mL以上1.1g/100mL以下に調整することを含む製造方法により製造することができる。当該製造方法は、例えば、原料を混合してビールテイスト飲料を製造するものであってもよく(調合による方法)、酵母等による発酵を経てビールテイスト飲料を製造するものであってもよい(発酵法)。
一実施形態に係る製造方法(調合による方法)は、例えば、水と、苦味料(例えば、イソα酸)、糖類、必要に応じて、アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ及びウォッカ等の蒸留アルコール、醸造により得られた発酵液)及び/又は各種添加物と、その他麦汁等の原料とを原料タンクに配合する配合工程を含む。配合工程は、麦芽比率、苦味価、及び糖質含有量を上記範囲内に調整することの他は、常法に従って実施することができる。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、例えば、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一又は第二の殺菌工程は、非加熱の殺菌工程としてもよい。非加熱の殺菌工程としては、紫外線(UV)殺菌等が挙げられる。殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。
他の実施形態における製造方法(発酵法)は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、例えば、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る工程であってよい。仕込工程はまた、例えば、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含むものであってよい。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液にホップを添加してよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。
発酵工程は、発酵前液を酵母で発酵させる工程である。発酵工程により、発酵前液を酵母により発酵させた発酵後液が得られる。発酵工程では、酵母によりアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液を熟成、冷却する工程、及び発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)、各種添加物(例えば、苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類、水溶性食物繊維)の添加等を行ってもよい。
苦味価の調整は、例えば、苦味料(例えば、イソα酸)を原料液に添加することにより実施することができる。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。苦味価の調整はまた、例えば、苦味価が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法によって行ってもよい。
糖質含有量の調整は、例えば、糖類を原料液に添加することにより実施することができる。また、糖質含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法によって、糖質含有量の調整を行ってもよい。
上述したビールテイスト飲料の製造方法によれば、飲料としての香味バランス、刺激感及び炭酸感、並びにすっきりとしたキレが改善されたビールテイスト飲料が製造される。したがって、本発明は、ビールテイスト飲料の麦芽比率を25質量%未満に調整すること、ビールテイスト飲料の苦味価を15.0以上35.0以下に調整すること、及び、ビールテイスト飲料中の糖質含有量を0.35g/100mL以上1.1g/100mL以下に調整することを含む、飲料としての香味バランス、刺激感及び炭酸感、並びにすっきりとしたキレを向上させる方法と捉えることもできる。加えて、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレは、ビールテイスト飲料ののみごたえの指標であることから、本実施形態に係る方法は、飲料としての香味バランスを改善するとともに、のみごたえを付与する方法と捉えることもできる。当該方法における具体的な態様等として、上述した態様を制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験例1:ビールテイスト飲料の製造及び評価〕
(ビールテイスト飲料の製造)
市販のビールテイスト飲料350mlに、表1~2に示す量の100倍希釈イソα酸及びグラニュ糖(三井製糖株式会社製、スクロース含有量99.8%以上)を添加して、実施例及び比較例のビールテイスト飲料を得た。当該ビールテイスト飲料の麦芽比率は、25質量%未満であり、アルコール分は5v/v%である。100倍希釈イソα酸は、イソα酸標準液としてISOHOP(BarthHaas社製,イソα酸含有率30%±0.5)を使用して調整したものである。
ビールテイスト飲料中の糖質含有量は、以下の方法で測定した。まず、市販のビールテイスト飲料の水分、アルコール分、タンパク質、及び灰分の量をそれぞれ測定した。水分及びアルコール分の合計重量は、常圧加熱乾燥法により測定した。タンパク質量は、改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法により測定した。灰分量は、直接灰化法により測定した。市販のビールテイスト飲料の脂質量を0g/100mLとみなし、市販のビールテイスト飲料の重量から、水分、アルコール分、タンパク質量、灰分量及び食物繊維量を引いた値に添加した糖質(試験例1ではグラニュ糖)の重量を加えて測定サンプルの糖質含有量(g/100mL)として算定した。糖質含有量は、下記式により算出される値である。
「糖質g/100ml」=100-「乾燥減量g/100ml」-(「タンパク質g/100ml」+「脂質g/100ml」+「食物繊維g/100ml」+「灰分g/100ml」)
本実施例に用いたグラニュ糖はスクロースの純度が99.8%以上であり、含有量、香味への影響共に純粋なスクロースを添加した場合と遜色ないと考えられる。
ビールテイスト飲料の苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定した。
(官能評価)
得られたビールテイスト飲料に対して、「刺激感及び炭酸感」、「すっきりとしたキレ」及び「飲料としての香味バランス」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル3名により実施した。いずれの評価項目も評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。
「刺激感及び炭酸感」(舌上、及び喉通過時の刺激感とそれによって誘起される炭酸感)は、評点が高いほど刺激感及び炭酸感を強く感じることを示す。「すっきりとしたキレ」(後味がべたつかず、苦味及び甘味が後を引かない)は、評点が高いほどすっきりとしたキレを強く感じることを示す。「飲料としての香味バランス」(苦味や甘味などの各要素が他から突出して目立っていない)は、評点が高いほど飲料としての香味バランスが良好であることを示す。サンプル1及びサンプル6のビールテイスト飲料の「刺激感及び炭酸感」、「すっきりとしたキレ」及び「飲料としての香味バランス」の評点をそれぞれ、1点、1点及び2点として固定し、これを基準として、他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表1~2に示す。
表1~2に示すとおり、麦芽比率、苦味価及び糖質含有量が特定範囲内にあるビールテイスト飲料は、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが改善され、かつ、飲料としての香味バランスが良好であった。
〔試験例2:糖類の種類による影響について〕
市販のビールテイスト飲料350mlに添加する糖類としてマルトース(麦芽糖)、フルクトース(果糖)又はラクトース(乳糖)を用いたこと以外は、試験例1のサンプル3のビールテイスト飲料と同様にして、表3に示すサンプル11~15のビールテイスト飲料を製造し、試験例1と同様にして官能評価を実施した。サンプル11のビールテイスト飲料の「刺激感及び炭酸感」、「すっきりとしたキレ」及び「飲料としての香味バランス」の評点をそれぞれ、1点、1点及び2点として固定し、これを基準として、他のビールテイスト飲料を評価した。
マルトースの甘味度は0.32である。フルクトースの甘味度は1.73である。ラクトースの甘味度は0.16である。
甘味度の異なる糖を用いた場合でも、麦芽比率、苦味価及び糖質含有量が特定範囲内にあるビールテイスト飲料は、刺激感及び炭酸感並びにすっきりとしたキレが改善され、かつ、飲料としての香味バランスが良好であった。

Claims (3)

  1. 麦芽比率が25質量%未満であり、苦味価が15.0以上35.0以下であり、糖質含有量が0.60g/100mL以上1.0g/100mL以下である、発酵ビールテイスト飲料。
  2. 苦味価が18.0以上35.0以下である、請求項1に記載の発酵ビールテイスト飲料。
  3. 麦芽比率を25質量%未満に調整すること、苦味価を15.0以上35.0以下に調整すること、及び、糖質含有量を0.60g/100mL以上1.0g/100mL以下に調整することを含む、発酵ビールテイスト飲料の製造方法。

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