JP7843916B2 - 回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法 - Google Patents

回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法

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Description

本願は、回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法に関するものである。
一般に、回転電機の回転子の回転子鉄心には、軸方向に延びるスロットと呼ばれる溝が周方向に複数設けられている。このスロットには、回転子コイルが収容されており、回転子コイルの径方向外側には、クサビが挿入されている。このクサビにより、回転子の回転時に、回転子コイルが径方向外側に飛び出すことを防止している。
このクサビは、回転子の低速回転時の振動抑制のため、およびコイルの摩耗粉の発生を防止するために、回転子コイルを径方向内側に押さえる押圧力を、予め定められた範囲内に管理して挿入する必要がある。クサビは、各々のスロット内に複数挿入されるため、各々のクサビをスロット内に押圧して挿入するためにはハンマリングもしくは、挿入装置を用いて挿入する必要がある。
このような回転子のクサビを挿入する装置として、例えば、特許文献1のアーム式のクサビ挿入機が知られている。
特開平04-229038号公報
特許文献1に開示された回転電機の回転子のクサビの挿入機は、アームを動かすことで所定の距離だけクサビを挿入するものであり、作業者の手動によるアーム操作が必要となるために、大きなクサビ挿入力が必要とされる場合には対応できないという問題点があった。さらに、アームで1度にクサビを挿入することができる長さが、例えば2インチ程度と短く、クサビを長い距離にわたって挿入するためには、装置の固定を外し、移動させて再度固定し直すといった手間がかかり、作業期間が長いという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、大きなクサビ挿入力を有し、作業時間を短縮できる回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法を提供することを目的とする。
本願に開示される回転子のクサビ挿入機は、
回転子鉄心のスロット内に収納されたコイルを回転子の径方向の内側に押圧するクサビを挿入する回転子のクサビ挿入機であって、
前記スロットは、前記コイルよりも径方向の外側の周方向の両側面に、それぞれ周方向に凹み、軸方向に延びるスロット溝部を有し、
前記クサビは、前記スロット溝部に挿入する、周方向に突出し軸方向に延在するクサビ凸部を有し、
前記クサビ挿入機は、
前記スロットの径方向の外側に配置され、前記回転子の軸方向に移動可能な押圧部を有する押圧装置と、
前記スロットの径方向の外側に配置され、前記押圧装置によって軸方向に移動させられて、前記クサビを軸方向に押圧して、前記スロット内に嵌合させる挿入治具と、
前記押圧部が、前記挿入治具を介して前記クサビを軸方向に押圧する押圧力を計測する圧力センサと、
前記押圧装置が前記挿入治具を介して前記クサビを押圧する反力を受け止める反力受けとを有するものである。
本願に開示される回転子のクサビ挿入方法は、
前記回転子のクサビ挿入機を用いる回転子のクサビ挿入方法であって、
前記スロット内に前記クサビを仮挿入する工程と、
前記クサビ挿入機をスロットの開口部に配置する工程と、
前記押圧装置の前記押圧部の押圧力を圧力センサによって測定しながら前記挿入治具を軸方向に押圧する工程とを有するものである。
本願に開示される回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法によれば、大きなクサビ挿入力を有し、作業時間を短縮できる回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法を提供できる。
実施の形態1による回転電機の回転子の斜視図である。 実施の形態1による回転子鉄心の要部拡大図である。 実施の形態1による回転子の回転子鉄心を軸方向に沿って見た1つ分のスロット近傍の拡大図である。 図3のA-A線断面図である。 実施の形態1によるクサビの斜視図である。 実施の形態1による回転子のクサビ挿入機をスロットの開口部に取り付けた状態を示す斜視図である。 図6のB-B線断面図である。 実施の形態1による反力受け用クサビの斜視図である。 実施の形態1による回転電機の回転子クサビ挿入方法の手順を示すフローチャートである。 実施の形態1による回転子鉄心のスロットにコイルを挿入した状態の断面図である。 実施の形態1による回転子鉄心のスロット内に配置した絶縁物と仮挿入したクサビの状態を示す断面図である。 実施の形態1による仮挿入したクサビに、挿入治具を取り付けて、クサビ挿入機10を転子鉄心に取り付けた状態を示す断面図である。 実施の形態1によるクサビを予め定められた位置に挿入完了した状態を示す断面図である。 実施の形態2による回転子のクサビ挿入機をスロットの開口部に取り付けた状態を示す斜視図である。 図14のC-C線断面図である。 実施の形態3による回転子のクサビ挿入機をスロットの開口部に取り付けた状態を示す斜視図である。 図16のD-D線断面図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1による回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法を図を用いて説明する。
本明細書で、特に断り無く「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内側」、「外側」、「外周面」というときは、それぞれ、回転子の「軸方向」、「周方向」、「径方向」、「内側」、「外側」、「外周面」をいうものとする。また、この明細書で、特に断り無く「上」、「下」というときは、言及する場所において、軸方向に垂直な面を想定し、その面を境界として回転子の中心点が含まれる側を「下」、その反対を「上」とする。
まず、回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法を好適に適用し得る回転電機の回転子について、図を用いて説明する。
図1は、回転電機の回転子100の斜視図である。
図2は、回転子鉄心20の要部拡大図である。
図3は、回転子100の回転子鉄心を軸方向Zに沿って見た図であり。1つ分のスロット21近傍の拡大図である。
図4は、図3のA-A線断面図であり、クサビ7、絶縁物8、コイル9の構成を示している。
図5は、クサビ7の斜視図である。
回転子鉄心20の外周面22には、回転子鉄心20の径方向Xの内側に向かって設けられ、回転子鉄心20の軸方向Zに延びるスロット21が設けられている。スロット21は、外周面22の周方向Yに複数個形成されている。
各々のスロット21内には、コイル9が収容され、コイル9の径方向Xの外側(図4の上側)には絶縁物8が配置されている。そして絶縁物8の径方向Xのさらに外側には、コイル9が径方向Xの外側に飛び出さないように、径方向Xの内側に押し付けるためのクサビ7が挿入されて、スロット21内に嵌合されている。
各々のスロット21は、その中に収容されたコイル9および絶縁物8よりも径方向Xの外側の周方向Yの両側面21Sに、周方向Yに凹んで形成されたスロット溝部21Mを有する。スロット溝部21Mは、スロット21の軸方向Zに延びて軸方向Zの全域に渡って形成されている。そして、クサビ7の周方向Yの両側面には、上述のスロット溝部21Mに挿入する、周方向Yに突出し、軸方向Zに延在するクサビ凸部7Tを備える。
この2つのスロット溝部21Mの中に、スロット21の開口部を閉塞するように、上述のクサビ7のクサビ凸部7Tが軸方向Zに挿入される。
また、クサビ7は、径方向Xに延びる2つのクサビ穴7Hを備える。クサビ7は、絶縁物8の径方向Xの外側に挿入して嵌合するが、絶縁物8が配置されていない部分では、スロット21のスロット溝部21Mに沿って軸方向Zに移動可能な程度の嵌め合い形状となっている。
絶縁物8は、板状であり、スロット21の両側面21Sに沿って、軸方向Zに延在する。なお、絶縁物8は、コイル9と一体に形成してもよい。
図6は、回転子100のクサビ挿入機10(以下、単にクサビ挿入機10という)を、スロット21の開口部に取り付けた状態を示す斜視図である。
図7は、図6のB-B線断面図である。
図8は、反力受け用クサビ52の斜視図である。
次に、クサビ挿入機10について説明する。クサビ挿入機10は、回転子鉄心20のスロット21内に収納されたコイル9を回転子100の径方向Xの内側に押圧するクサビ7を、スロット21内の予め定められた位置に挿入するために用いる。
図6、図7に示すように、回転子のクサビ挿入機10は、押圧装置11と、圧力センサ13と、挿入治具14と、反力受け50とを備える。クサビ挿入機10の各部品は、軸方向Zの一端から、反力受け50、押圧装置11、圧力センサ13、挿入治具14の順に、スロット21の開口部上に、軸方向Zに並んで配置される。
押圧装置11は、軸方向Zに伸縮する押圧部11Aを有する。押圧部11Aは、圧力センサ13を介して、クサビ7を回転子鉄心20に軸方向Zに挿入する挿入治具14を押圧する。押圧部11Aとしては、軸方向Zに移動するシリンダ機構等を利用する。押圧装置11は、スロット21の径方向Xの外側に配置される。圧力センサ13は、クサビ7が回転子鉄心20のスロット21内に挿入される力を測定するセンサである。挿入治具14は、押圧装置11の押圧力を、クサビ7に伝達する治具である。挿入治具14は、スロット21の径方向Xの外側に配置される。挿入治具14は、径方向Xに貫通する2つの貫通孔14Hを有する。
挿入治具14とクサビ7とは、挿入治具14に設けられた貫通孔14Hと、クサビ7に設けられたクサビ穴7Hとに、ピンP2を挿入することで、一体化される。なお、クサビ穴7Hは、回転子100の冷却ガスの風路となる穴を兼ねてもよい。
反力受け50は、押圧装置11が挿入治具14を介してクサビ7を押圧する反力を受け止める役割を担う。反力受け50は、押圧装置11の押圧部11Aが存在する側とは軸方向Zの反対側に配置される。
反力受け50は、キー51と反力受け用クサビ52と、反力受け用治具53とを備える。 反力受け用治具53は、クサビ7を絶縁物8の径方向Xの外側に挿入し、スロット21内に嵌合させる際の押圧力の反力を直接受け止める部材であり、スロット21の径方向Xの外側に配置される。
反力受け用治具53の軸方向Zの内側の面が、押圧装置11の押圧部11Aとは反対側の軸方向Zの面に当接するようにスロット21の径方向Xの外側に配置され、押圧装置11からの反力を直接受ける。
反力受け用クサビ52は、反力受け用治具53と一体化されて、押圧装置11からの反力を受ける部材である。反力受け用クサビ52は、周方向Yに突出し、軸方向Zに延在する反力受け用クサビ凸部52Tを備える。そして、クサビ7と同様に、反力受け用クサビ52は、反力受け用クサビ凸部52Tが、スロット溝部21Mに沿うように軸方向Zからスロット21内に挿入される。
反力受け用クサビ52の軸方向Zの両端面の形状は、クサビ7の軸方向Zの端面の形状と同形状であり、外観としてはクサビ7と同形状である。しかし、反力受け用クサビ52は、径方向Xの外側表面に、周方向Yに延び、径方向Xの内側に凹むように設けられたキー溝52M(第2キー溝)を備える。
反力受け用治具53と反力受け用クサビ52とは、反力受け用治具53に径方向Xに設けられた貫通孔53Hと、反力受け用クサビ52に径方向Xに設けられた穴52Hとに、ピンP1を挿入することで、一体化される。図7に示すように反力受け用クサビ52の径方向Xの内側において、コイル9との間に空洞が存在する場合は、ピンP1はボルトとするか、径方向Xの内側に抜け落ちない形状とする。反力受け用治具53と反力受け用クサビ52とは上述のように一体化されているので、押圧装置11からの反力は、反力受け用クサビ52に伝わる。
キー51は、回転子鉄心20の軸方向Zの端部近傍の外周面において、回転子鉄心20の周方向Yに設けられ、径方向Xに凹んだキー溝20M(第1キー溝)と反力受け用クサビ52の上述のキー溝52Mとに、周方向Yに渡して挿入される。反力受け用クサビ52は、キー51によって、軸方向Zに移動しないように、スロット21の開口部に固定される。なお、キー溝20Mとしては、図1に示す回転子100の保持環25用の溝を利用してもよい。
このように、反力受け用治具53は、これと一体化された反力受け用クサビ52に伝わり、キー51を介して、回転子鉄心20によって受け止められる。
次に、クサビ7の挿入動作について、図9から図13を用いて説明する。
図9は、回転電機の回転子のクサビ挿入方法の手順を示すフローチャートである。
図10は、回転子鉄心20のスロット21にコイル9を挿入した状態の断面図である。
図11は、回転子鉄心20スロット21内に配置した絶縁物8と仮挿入したクサビ7の状態を示す断面図である。
図12は、仮挿入したクサビ7に、挿入治具14を取り付けて、クサビ挿入機10を回転子鉄心20に取り付けた状態を示す断面図である。
図13は、クサビ7を予め定められた位置に挿入完了した状態を示す断面図である。
まず、クサビ挿入機10を準備する(ステップS11)。
次に、コイル9を挿入したスロット21内に、径方向Xの厚みを調整した絶縁物8を(ステップS12)予め定められた位置に配置する。そして、回転子鉄心20のスロット21内に軸方向Zの端部から、クサビ7の周方向Yの両側に突出するクサビ凸部7Tが、スロット溝部21Mに沿うように、クサビ7を挿入する。このとき、クサビ7は、絶縁物8上に、手で押し込んで入る所まで仮挿入される。(ステップ13)。
次に、図12に示すように、挿入治具14をクサビ7上に配置し、ピンP2を、挿入治具14の貫通孔14Hとクサビ7のクサビ穴7Hとに位置を合わせて挿入する。続いて、圧力センサ13を挿入治具14に接するように配置する。次に、反力受け用クサビ52をクサビ7と同様に、スロット21内に軸方向Zから挿入し、反力受け用治具53を予め定められた位置に配置する。そして、反力受け用治具53の貫通孔53Hと、反力受け用クサビ52の穴52Hのそれぞれの位置を合わせて、ピンP1を挿入する。
その後、キー51を回転子鉄心20に設けられたキー溝20Mと反力受け用クサビ52のキー溝52Mとに挿入し、反力受け用クサビ52と反力受け用治具53の軸方向Zの位置を固定する。最後に押圧部11Aを含む押圧装置11をスロット21の開口部に配置し、押圧装置11の接続部11INに作動流体を流すための管を接続する(ステップS14)。なお、作動流体は、例えば油を使用することが好適である。
ステップS14の後、押圧部11A内に作動流体を供給する。押圧装置11および押圧部11A内の作動流体によって、押圧部11Aが圧力センサ13側に移動する。押圧部11Aが圧力センサ13に接触した後、作動流体の圧力によって作用する力が圧力センサ13と挿入治具14を介してクサビ7を、軸方向Zに所定の位置まで移動させ、押圧してスロット21内に嵌合させる。
次に、押圧装置11を駆動して、クサビ7を予め定められた位置まで軸方向Zに押圧して挿入する(ステップS15)。この作業中に圧力センサ13で測定したクサビ7の押圧力が、予め定められた値の範囲内であるかどうか確認する。測定値が範囲内(ステップS16-YES)の状態で、挿入を完了した場合は、作動流体を接続部11INを介して排出し、押圧部11Aの軸方向Zの長さを元の長さに戻す。
その後、クサビ挿入機10を取り外す。この手順を繰り返し行うことにより、各スロット21に所定数のクサビ7を挿入し、クサビ7の挿入作業が終了する。
クサビ7の挿入力の測定値が予め定められた範囲内ではない場合は(ステップS16-NO)、作動流体を接続部11INを介して排出し、押圧部11Aの軸方向Zの長さを元の長さに戻す。その後、仮挿入したクサビ7と配置した絶縁物8を抜き取り、クサビ挿入力が範囲内になるように厚みを調整した絶縁物8に取り換える。以降、ステップS12から同じ手順に従って作業を実施して繰り返す。全てのクサビ7をスロット21に挿入して嵌合したらクサビ挿入機10を取り外して終了する(ステップS17)。
なお、押圧部11Aの軸方向Zへの移動可能な長さには限りがあるため、挿入するクサビ7の位置と、回転子鉄心20に設けられたキー溝20Mによって決まる反力受け用治具53の位置とが離れている場合は、押圧部11Aと圧力センサ13との間にスペーサ15を挟むことで、対応可能なクサビ7の設置範囲を調整することができる。
または、圧力センサ13と挿入治具14との間、もしくは、押圧装置11と反力受け用治具53との間に、スペーサ15を挟んでもよい。
実施の形態1による回転子のクサビ挿入機10および回転子のクサビ挿入方法によれば、
回転子のクサビ挿入機は、
回転子鉄心のスロット内に収納されたコイルを回転子の径方向の内側に押圧するクサビを挿入する回転子のクサビ挿入機であって、
前記スロットは、前記コイルよりも径方向の外側の周方向の両側面に、それぞれ周方向に凹み、軸方向に延びるスロット溝部を有し、
前記クサビは、前記スロット溝部に挿入する、周方向に突出し軸方向に延在するクサビ凸部を有し、
前記クサビ挿入機は、
前記スロットの径方向の外側に配置され、前記回転子の軸方向に移動可能な押圧部を有する押圧装置と、
前記スロットの径方向の外側に配置され、前記押圧装置によって軸方向に移動させられて、前記クサビを軸方向に押圧して、前記スロット内に嵌合させる挿入治具と、
前記押圧部が、前記挿入治具を介して前記クサビを軸方向に押圧する押圧力を計測する圧力センサと、
前記押圧装置が前記挿入治具を介して前記クサビを押圧する反力を受け止める反力受けとを有するので、
大きなクサビ挿入力を有し、作業時間を短縮できる回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法を提供できる。
また、クサビ挿入機10を、回転子スロットの開口部に直接設置できるので機材の設置スペースを小さくできる。
また、必要とされるクサビの挿入力を発生させることと、その挿入力の大きさを圧力センサ13によって正確に測定することができるので製品の品質を一定に保てる。
また、回転子鉄心20によって、クサビ7の挿入時の反力を受けられるように構成したので、クサビ7を押圧挿入する時の挿入力を測定し、これを予め定められた範囲内に管理することができる。
したがって、例えば1tonを超えるような大きなクサビ挿入力が必要とされる場合にも対応でき、クサビを押圧、挿入する際の挿入力を予め定められた範囲内に管理することができる。また、例えば300mmを超えるような長い距離にわたってクサビを挿入する場合であってもクサビ挿入機の配置替えの頻度を少なくし、作業期間を短縮できる。
また、回転子のクサビ挿入機は、
前記回転子鉄心は、軸方向の端部の外周面に、周方向に設けられ、径方向に凹んだ第1キー溝を有し、
前記反力受けは、前記押圧装置の前記押圧部が存在する側とは軸方向の反対側に配置され、
前記反力受けは、
前記クサビを軸方向に押圧し、前記クサビが嵌合させる際の押圧力の反力を受け止める反力受け用治具と、
前記スロット内に配置されて前記反力受け用治具と結合され、径方向の外側表面に、周方向に延び、径方向の内側に凹むように設けられた第2キー溝および、前記スロット溝部に挿入する、周方向に突出し軸方向に延在する反力受け用クサビ凸部を有する反力受け用クサビと、
前記第1キー溝と前記第2キー溝とに周方向に渡して挿入される棒状のキーとを備えるので、回転子鉄心によって、クサビ7を押圧する反力を確実に受け止めることができる。これにより、圧力センサ13によって正確な押圧力を計測できる。
また、回転子のクサビ挿入機は、
前記挿入治具は、前記スロットの径方向の外側に配置され、
前記クサビは、径方向に設けられたクサビ穴を有し、
前記挿入治具は、径方向に貫通する貫通孔を有し、
前記挿入治具と前記クサビとは、前記挿入治具の貫通孔と前記クサビ穴にピンを通して一体化されるので、クサビ7を予め挿入位置に移動させた後でクサビ7とクサビ挿入機を結合でき、クサビの挿入作業の生産性を向上できる。
また、回転子のクサビ挿入方法は、
前記回転子のクサビ挿入機を用いる回転子のクサビ挿入方法であって、
前記スロット内に前記クサビを仮挿入する工程と、
前記クサビ挿入機をスロットの開口部に配置する工程と、
前記押圧装置の前記押圧部の押圧力を圧力センサによって測定しながら前記挿入治具を軸方向に押圧する工程とを有するので、クサビ7を仮挿入してからスロットの開口部にクサビ挿入機10を配置でき、作業性を向上できる。
また、回転子のクサビ挿入方法は、
前記圧力センサの測定値に応じて前記コイルの径方向の外側に配置する絶縁物の径方向の厚みを調整する工程を有するので、クサビ7に製造上のバラツキがあったとしても、それぞれのクサビ7に適切な挿入力を付与できる。
また、回転子のクサビ挿入方法は、
前記回転子のクサビ挿入機を用いる回転子のクサビ挿入方法であって、
複数の回転子のクサビ挿入機を同時に用いるので、クサビ7をスロット21に対して挿入する作業を同時に並行して実施できるので、回転子100の製造時、保守時の作業期間を短縮できる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2による回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法を、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図14は、回転子のクサビ挿入機210(以下、単にクサビ挿入機210という)をスロット21の開口部に取り付けた状態を示す斜視図である。
図15は、図14のC-C線断面図である。
本実施の形態2によるクサビ挿入機210と実施の形態1で説明したクサビ挿入機10との構成は、反力受け250の構成が異なり、他の構成は実施の形態1と同一である。なお、図14、図15において、実施の形態1で説明した図1乃至図13と同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図14、図15に示すように、クサビ挿入機210の反力受け250は、スロット溝部21Mとの摩擦力によってクサビ7の挿入時の反力を受ける反力受け用治具253と反力受け用クサビ252とを備えている。
反力受け用治具253には雌ねじの切られた貫通孔253Hが径方向Xに設けれており、反力受け用クサビ252にも雌ねじの切られた貫通孔252Hが径方向Xに設けられており、双方にボルトB1を通して締め付けることができる。反力受け用治具253の貫通孔253Hと、反力受け用クサビ252の貫通孔252HにボルトB1通して締めると、ボルトB1の先端B1Sが、コイル9の径方向Xの外周面上に配置した敷板74に付き当たる。さらにボルトB1を締めると、反力受け用クサビ252が径方向Xの外側に向かって移動し。反力受け用クサビ252の反力受け用クサビ凸部252Tが、スロット溝部21Mの径方向Xの外側の面に押し付けられて摩擦力によってスロット21内に固定される。反力受け用クサビ凸部252Tの形状は、実施の形態1で説明した反力受け用クサビ凸部52Tの形状と同じである。
この結果、回転子鉄心20との間の摩擦力により、反力受け用クサビ252が軸方向Zの力に耐えることができ、反力受け用治具253と、反力受け用クサビ252とからなる反力受け250が、クサビ挿入機210の反力受けとして機能する。
実施の形態2による回転子のクサビ挿入機210および回転子のクサビ挿入方法によれば、
前記反力受けは、前記押圧装置の前記押圧部が存在する側とは軸方向の反対側に配置され、
前記反力受けは、前記クサビを軸方向に押圧し、前記クサビが嵌合させる際の押圧力の反力を受け止める反力受け用治具と、
前記スロット内に配置されて前記反力受け用治具と結合され、前記スロット溝部に挿入する、周方向に突出し軸方向に延在する反力受け用クサビ凸部を有する反力受け用クサビとを備え、
前記反力受け用治具と、前記反力受け用クサビとは、それぞれネジの切られた径方向に連通する貫通孔を有し、前記反力受け用クサビは、それぞれの前記貫通孔に通したボルトによって前記スロット内に固定可能であるので、
回転子鉄心にキー溝20Mを設けなくても、或いは、キー溝20Mから離れた位置でのクサビ7の挿入を実施する場合であっても、クサビ挿入機210を利用できる。
なお、実施の形態2においては、反力受け用治具253と、反力受け用クサビ252は、実施の形態1で説明したキー溝20Mにキー51が挿入された構成と、併用することも可能である。
実施の形態3.
以下、実施の形態3による回転子のクサビ挿入機および回転子のクサビ挿入方法を、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。
図16は、回転子のクサビ挿入機310(以下、単にクサビ挿入機310という)をスロット21の開口部に取り付けた状態を示す斜視図である。
図17は、図16のD-D線断面図である。
本実施の形態3によるクサビ挿入機310と実施の形態1、2で説明したクサビ挿入機10、210との構成は、挿入治具314の構成が異なり、他の構成は実施の形態1または実施の形態2と同一である。なお、図16、図17において、実施の形態1、2で説明した図1乃至図15と同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図17に示すように、クサビ挿入機310の挿入治具314は、本体部がスロット21の径方向Xの外側に配置され、クサビ7の挿入方向であるZ方向の後端部に、径方向Xに、スロット21内に突出し、クサビ7を軸方向Zに押圧する突起部314Tを備えている。
実施の形態3による回転子のクサビ挿入機210および回転子のクサビ挿入方法によれば、
前記挿入治具は、前記スロットの径方向の外側に配置され、前記スロット内に突出して前記挿入治具を押圧する突起部を有するので、
クサビ穴7Hを設けていないクサビ307であっても、挿入治具314によって、クサビ307は軸方向Zに押圧され、絶縁物8上に挿入できる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
100 回転子、10,210,310 クサビ挿入機、11 押圧装置、11A 押圧部、11IN 接続部、13 圧力センサ、14,314 挿入治具、15 スペーサ、14H,53H,252H,253H 貫通孔、314T 突起部、20 回転子鉄心、20M,52M キー溝、21 スロット、21M スロット溝部、21S 側面、22 外周面、25 保持環、50,250 反力受け、51 キー、52,252 反力受け用クサビ、52H 穴、53,253 反力受け用治具、7,307 クサビ、7H クサビ穴、8 絶縁物、9 コイル、7T クサビ凸部、52T、252T 反力受け用クサビ凸部、B1 ボルト、B1S 先端、74 敷板、X 径方向、Y 周方向、Z 軸方向。

Claims (9)

  1. 回転子鉄心のスロット内に収納されたコイルを回転子の径方向の内側に押圧するクサビを挿入する回転子のクサビ挿入機であって、
    前記スロットは、前記コイルよりも径方向の外側の周方向の両側面に、それぞれ周方向に凹み、軸方向に延びるスロット溝部を有し、
    前記クサビは、前記スロット溝部に挿入する、周方向に突出し軸方向に延在するクサビ凸部を有し、
    前記クサビ挿入機は、
    前記スロットの径方向の外側に配置され、前記回転子の軸方向に移動可能な押圧部を有する押圧装置と、
    前記スロットの径方向の外側に配置され、前記押圧装置によって軸方向に移動させられて、前記クサビを軸方向に押圧して、前記スロット内に嵌合させる挿入治具と、
    前記押圧部が、前記挿入治具を介して前記クサビを軸方向に押圧する押圧力を計測する圧力センサと、
    前記押圧装置が前記挿入治具を介して前記クサビを押圧する反力を受け止める反力受けとを有する回転子のクサビ挿入機。
  2. 前記回転子鉄心は、軸方向の端部の外周面に、周方向に設けられ、径方向に凹んだ第1キー溝を有し、
    前記反力受けは、前記押圧装置の前記押圧部が存在する側とは軸方向の反対側に配置され、
    前記反力受けは、
    前記クサビを軸方向に押圧し、前記クサビが嵌合させる際の押圧力の反力を受け止める反力受け用治具と、
    前記スロット内に配置されて前記反力受け用治具と結合され、径方向の外側表面に、周方向に延び、径方向に凹むように設けられた第2キー溝および、前記スロット溝部に挿入する、周方向に突出し軸方向に延在する反力受け用クサビ凸部を有する反力受け用クサビと、
    前記第1キー溝と前記第2キー溝とに周方向に渡して挿入される棒状のキーとを備える請求項1に記載の回転子のクサビ挿入機。
  3. 前記反力受けは、前記押圧装置の前記押圧部が存在する側とは軸方向の反対側に配置され、
    前記反力受けは、前記クサビを軸方向に押圧し、前記クサビが嵌合させる際の押圧力の反力を受け止める反力受け用治具と、
    前記スロット内に配置されて前記反力受け用治具と結合され、前記スロット溝部に挿入する、周方向に突出し軸方向に延在する反力受け用クサビ凸部を有する反力受け用クサビとを備え、
    前記反力受け用治具と、前記反力受け用クサビとは、それぞれネジの切られた径方向に連通する貫通孔を有し、前記反力受け用クサビは、それぞれの前記貫通孔に通したボルトによって前記スロット内に固定可能である請求項1に記載の回転子のクサビ挿入機。
  4. 前記挿入治具は、前記スロットの径方向の外側に配置され、
    前記クサビは、径方向に設けられたクサビ穴を有し、
    前記挿入治具は、径方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記挿入治具と前記クサビとは、前記挿入治具の貫通孔と前記クサビ穴にピンを通して一体化される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転子のクサビ挿入機。
  5. 前記挿入治具は、前記スロットの径方向の外側に配置され、前記スロット内に突出して前記クサビを押圧する突起部を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転子のクサビ挿入機。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転子のクサビ挿入機を用いる回転子のクサビ挿入方法であって、
    前記スロット内に前記クサビを仮挿入する工程と、
    前記クサビ挿入機をスロットの開口部に配置する工程と、
    前記押圧装置の前記押圧部の押圧力を圧力センサによって測定しながら前記挿入治具を軸方向に押圧する工程とを有する回転子のクサビ挿入方法。
  7. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複数の回転子のクサビ挿入機を同時に用いる回転子のクサビ挿入方法であって、
    前記スロット内に前記クサビを仮挿入する工程と、
    前記クサビ挿入機をスロットの開口部に配置する工程と、
    前記押圧装置の前記押圧部の押圧力を圧力センサによって測定しながら前記挿入治具を軸方向に押圧する工程とを有する回転子のクサビ挿入方法。
  8. 前記圧力センサの測定値に応じて前記コイルの径方向の外側に配置する絶縁物の径方向の厚みを調整する工程を有する請求項6に記載の回転子のクサビ挿入方法。
  9. 前記圧力センサの測定値に応じて前記コイルの径方向の外側に配置する絶縁物の径方向の厚みを調整する工程を有する請求項7に記載の回転子のクサビ挿入方法。
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