JP7843856B2 - 自動分析装置及び自動分析システム - Google Patents

自動分析装置及び自動分析システム

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Description

本発明は、自動分析装置及び自動分析システムに関する。
自動分析装置は、血液や尿等の検体(試料)と試薬を反応させ、検体と試薬との間で生じた反応を光学的、電気的に検出する。このような自動分析装置では、検体の血清量が少ない場合や、血清に溶血等がある場合には、分析時にエラーが発生する可能性があるため、そのような検体は分析前に取り除く等の対処をすることが望ましい。例えば、特許文献1には、撮像手段で撮像した画像を解析することにより、分析装置に投入される前の検体容器の内部の状態として、例えば、血清の容量、遠心分離や溶血の有無、等を判定する分析装置が開示されている。
特開2012-159318号公報
特許文献1に記載の技術等を用いれば、作業者による目視での判断に頼らずに前処理段階での異常検体を機械的に特定することもできるが、根本的な問題の解決、すなわち、前処理工程での手技に起因するエラー自体の発生の抑制、には至らない。
本発明の目的は、前処理工程に起因するエラー検体を低減し、オペレータの作業負担を低減する自動分析装置及び自動分析システムを提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明の自動分析装置は、検体に対する前処理を実行した前処理実行元又は前処理日時を特定する前処理登録情報を、前記検体ごとに読取又は受信する前処理登録情報取得部と、前記前処理に起因するエラーの発生の有無を前記検体ごとに判定するエラー判定部と、前記前処理実行元又は前処理日時ごとのエラーの発生状況を統計的に出力する統計データ出力部と、を備えた。
あるいは、本発明の自動分析システムは、検体を分析する複数の自動分析装置と、複数の前記自動分析装置と通信回線を介して接続された解析用コンピュータと、を備えた自動分析システムであって、複数の前記自動分析装置は、前記検体を収容する検体容器に付される検体IDと紐づく分析結果を前記解析用コンピュータへ送信し、前記解析用コンピュータは、前記検体に対する前処理を実行した前処理実行元又は前処理日時ごとのエラーの発生状況を統計的に出力する。
本発明によれば、前処理工程に起因するエラー検体を低減し、オペレータの作業負担を低減する自動分析装置及び自動分析システムを提供することが可能となる。
実施例1に係る自動分析システムの全体構成図。 分析部の構成を示す斜視図。 実施例1に係る自動分析装置の制御コンピュータの構成を示すブロック図。 検体前処理関連情報データベースに記憶される検体前処理関連情報テーブルの一例。 検体が血液の場合における、正常検体とエラー検体の例を示す図。 エラー検体の集計結果の一例。 エラー率の推移を示すグラフの一例。 実施例2に係る自動分析システムの全体構成を示すブロック図。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
<自動分析システム>
図1は、実施例1に係る自動分析システムの全体構成図である。図1に示すように、実施例1の自動分析システムは、自動分析装置1と、LIS(Laboratory Information System:検査室情報システム)2と、HIS(Hospital Information System:病院情報システム)3と、第1の通信回線4と、で構成される。ここで、LISとは、自動分析装置の上位のシステムであり、自動分析装置の全体を制御する。また、HISとは、臨床側で利用しているシステムであり、LISの上位のシステムである。第1の通信回線4は、自動分析装置とLIS、LISとHIS、の間で相互通信を行う有線又は無線の回線である。
自動分析装置1は、投入部11と、収納部12と、搬送ライン13と、識別子読取部14と、カメラ15と、第2の通信回線16と、分析部17と、制御コンピュータ20と、を備える。投入部11は、検体が収容された検体容器を架設した検体ラックを自動分析装置1内に投入するための部分である。収納部12は、検体ラックを回収して収納する部分である。搬送ライン13は、検体ラックを投入部11から分析部17へ搬送したり、検体ラックを分析部17から収納部12へ搬送したりする。識別子読取部14は、投入部11から投入された検体ラックに付されたラック識別子、または、当該ラックに架設された検体容器に付された検体識別子を読み取るものである。識別子読取部14は、例えば、識別子がバーコードの場合はバーコードリーダであり、識別子がRFIDタグの場合はRFIDリーダである。なお、識別子の読み取りは分析前に行う必要があるので、識別子読取部14の設置場所は、搬送ライン13の上流近傍又は投入部11の近傍とするのが望ましい。カメラ15は、投入部11に投入された検体容器の内部を撮像するものであり、識別子読取部14と同様、例えば搬送ライン13の上流近傍又は投入部11の近傍に設置される。カメラ15が識別子読取部14の機能を兼ねても良い。第2の通信回線16は、自動分析装置1内の各部(機構)の相互通信を行う有線又は無線の回線である。識別子読取部14で読み取られた情報やカメラ15で撮像された画像は、第2の通信回線16を介して制御コンピュータ20に送信され、制御コンピュータ20のストレージ等に格納される。
<分析部>
分析部は、反応容器内で検体と試薬を反応させ、この反応させた反応液を測定することで、検体に含まれる生体成分の濃度を求める。図2は、分析部の構成を示す斜視図である。図2に示すように、分析部は、主要な構成として、試薬ディスク101、反応ディスク102、検体搬送機構103、検体分注機構104,105、試薬分注機構106~109、分光光度計110、攪拌機構111、洗浄槽112~115、を有している。なお、各機構は、後述の制御コンピュータ20に第2の通信回線16で接続され、制御コンピュータ20によりその動作が制御される。
試薬ディスク101は、試薬保冷庫(図示せず)の内部に配置され、その上面には、試薬を収容した試薬容器116が複数個円周状に載置可能となっている。
反応ディスク102上には、検体と試薬とを混合させた混合液を収容するための反応容器117が、円周状に複数配置されている。反応ディスク102の近くには、検体容器118を搭載した検体ラック119を搬送する検体搬送機構103が配置されている。
反応ディスク102と検体搬送機構103との間には、回転及び上下動可能な検体分注機構104,105が配置されており、各々検体分注プローブ104a,105aを備えている。図示は省略しているが、検体分注プローブ104a,105aには、分注流路を介して各々検体用シリンジが接続されている。検体用シリンジは、検体分注プローブ104a,105aを介して、検体容器118から検体を吸引したり、吸引した検体を反応容器117に吐出したりする。なお、分注流路の途中には、分注流路内の圧力を検出する圧力センサ(図示せず)も設けられている。
反応ディスク102と試薬ディスク101の間には、回転及び上下動が可能な試薬分注機構106~109が設置されており、それぞれ試薬分注プローブ106a~109aを備えている。試薬分注プローブ106a~109aは、試薬分注機構106~109により、上下及び水平移動が行われる。試薬分注プローブ106a~109aには各々試薬用シリンジ(図示せず)が接続されている。この試薬用シリンジにより、試薬分注プローブ106a~109aを介して試薬容器116ら吸引した試薬、洗剤、希釈液、前処理用試薬等を反応容器117に分注する。
反応ディスク102の周囲には、反応容器117内の混合液を通過した光の吸光度を測定するための分光光度計110、反応容器117へ分注した検体と試薬とを混合する攪拌機構111、反応容器117内部を洗浄する洗浄機構(図示せず)、等が配置されている。また、試薬分注機構106~109の動作範囲上に、試薬分注プローブ106a~109a用の洗浄槽112~115が、それぞれ配置されている。
次に、分析部による分析の流れについて概略を説明する。まず、検体搬送機構103によって反応ディスク102近くに搬送された検体ラック119の上に載置された検体容器118内の検体を、検体分注機構104,105の検体分注プローブ104a,105aにより反応ディスク102上の反応容器117へと分注する。次に、試薬分注機構106~109が、分析に使用する試薬を、試薬ディスク101上の試薬容器116から試薬分注プローブ106a~109aにより、先に検体を分注した反応容器117に対して分注する。続いて、攪拌機構111が、反応容器117内の検体と試薬との混合液の撹拌を行う。
その後、光源から発生させた光が混合液の入った反応容器117を透過し、透過光の光度が分光光度計110により測定される。分光光度計110により測定された光度は、A/Dコンバータ及び第2の通信回線16を介して制御コンピュータ20に送信される。そして、制御コンピュータ20は、演算を行って検体中の所定の成分の濃度を求め、結果を表示部(図3参照)等に表示させる。なお、本明細書では、分光光度計110を用いて所定の成分の濃度を求める自動分析装置を例として説明するが、本明細書で開示する技術は、他の光度計を用いて検体を測定する免疫自動分析装置や凝固自動分析装置に用いられても良い。
<制御コンピュータ>
図3は、実施例1に係る自動分析装置の制御コンピュータの構成を示すブロック図である。図3に示すとおり、制御コンピュータ20は、通信インターフェイス21と、表示部22と、入力部23と、プロセッサ24と、メモリ25と、ストレージ26と、を備える。
通信インターフェイス21は、LISから分析依頼内容(測定項目等)を第1の通信回線4により受信するとともに、LISへ検査結果を第1の通信回線4により送信する。表示部22は、分析依頼内容や分析結果等の情報を出力するものであり、例えばディスプレイである。入力部23は、表示部22に表示される画面の中の所定の部分を選択したり、所定の情報を入力したりするものであり、例えばキーボードやマウス等である。プロセッサ24は、メモリ25に格納された各プログラムを読み出すことにより各機能を実行したり、通信インターフェイス21を介して受信した情報をストレージ26に記憶させたりする。
メモリ25には、プロセッサ24が実行する各機能に対応するプログラムが、動作制御部25a、分析演算部25b、エラー判定部25c及び統計データ出力部25dとして格納されている。動作制御部25aは、投入部11、分析部17、収納部12、搬送ライン13等の各部の動作を制御する。分析演算部25bは、検体に含まれる生体成分の濃度を演算する。エラー判定部25cは、前処理に起因するエラーの有無を検体ごとに判定する。ここで、前処理とは、自動分析装置が分析を実行する前に行われる処理のことであり、例えば検体が血液の場合、看護師や臨床検査技師が行う、採血、採血管(検体容器)の転倒混和、遠心分離、等の処理も含まれる。統計データ出力部25dは、前処理を実行した前処理実行元(例えば診療科)又は前処理の実行日時ごとのエラーの発生状況を統計的に出力する。
なお、プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されたり、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録して提供されたり、配布されても良い。さらには、プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されたり、配布されたりしても良い。
ストレージ26は、分析依頼内容データベース26a、分析結果データベース26b、検体前処理関連情報データベース26c等を有する。分析依頼内容データベース26aには、検体IDごとに登録された、分析依頼元情報、測定項目、検体受付日時、被験者(患者)名又はそのID、採血管情報(採血管メーカ、ロット番号、有効期限)等が記憶される。ここで、分析依頼元情報とは、例えば、分析を依頼した診療科名又はそのID、外来か病棟(入院)か、採血者、採血日時等の情報である。分析結果データベース26bには、分析依頼内容に含まれる測定項目に対する測定結果の他、後述する、検体分注プローブの詰まりの有無等も記憶される。
図4は、検体前処理関連情報データベースに記憶される検体前処理関連情報テーブルの一例である。図4に示すように、検体前処理関連情報テーブルには、前処理実行元や前処理日時を特定する前処理登録情報の他、前処理に起因するエラーの有無が、検体IDと紐づく形で格納されている。ここで、前処理登録情報は、分析依頼内容データベース26aから抽出されたものである。例えば、前処理実行元は、分析依頼元としての診療科であっても良いし、前処理として採血を実際に行った採血者であっても良い。また、前処理日時は、分析依頼を受け付けた検体受付日時であっても良いし、採血日時であっても良い。前処理に起因するエラーの例としては、検体の界面平坦度、採血管壁面への血餅付着状況、採血管内のフィブリン析出状況、検体の溶血状況、検体の量、等の異常が挙げられる。なお、図4では示されていないが、検体前処理関連情報テーブルに、採血管情報や採血管内画像が含まれていても良い。
<エラー判定>
次に、エラー判定部25cが、前処理に起因するエラーの有無を判定する方法について説明する。図5は、検体が血清の場合における、正常検体とエラー検体の例を示す図である。正常検体の場合、血液を遠心分離すると、上から血清層、分離剤層、血餅層の3層に明瞭に分かれる。一方、前処理が適切に実行されなかったエラー検体の場合、管壁に血球成分が付着したり、フィブリンが析出したり、分離剤層内に血球成分が混入したり、各層の界面が平坦でなかったりする可能性がある。なお、前処理が不適切な例としては、採血管の転倒混和の不足、検体(血液)量の不足、放置時間の不足、遠心分離の不足(遠心分離条件の誤り)等が挙げられる。転倒混和の不足は、採血管内に塗布された凝固促進剤等の薬剤が均一に分散しないため均一に凝固せず、例えば、管壁への血餅付着、採血管内へのフィブリン析出等につながり、放置時間や遠心分離の不足は、例えば、検体の界面平坦度の低下につながり、血液量の不足は、例えば、採血管内の陰圧による溶血の発生につながる可能性がある。検体が血漿の場合においても同様に、採血管内の抗凝固剤を均一に分散させ遠心分離する必要がある。遠心分離後は、上から血漿層、血球層(血小板+白血球の層と赤血球の層)に分かれる。
ここで、エラー検体を判定する方法として、分析前にカメラ15を用いて行われる第1の判定方法と、分析時に行われる第2の判定方法と、の2つを例に挙げて説明する。
≪第1の判定方法≫
第1の判定方法は、カメラ15で撮像された画像に基づいて、検体の分析前にエラーの有無を判定する方法である。この方法でエラー検体が抽出された場合、臨床検査技師等のオペレータが、対象の検体自体を取り除いたり、検体中のフィブリン等を除去したり、再び遠心分離させたりできるので、分析効率が向上する。以下、具体的に説明する。
まず、カメラ15が、検体容器を含む画角内のRGBデータを取得する。次に、エラー判定部25cは、RGBの各色の信号量の変化、RGBの各色の信号量の比率の変化、等により界面を特定する。エラー判定部25cは、血清層と分離剤層との界面、又は、分離剤層と血餅層との界面、の平坦度が所定の条件を満たさない場合、界面にバラツキが存在し、放置時間や遠心分離の不足等の可能性があるとして、エラー有(NG)と判定する(図4参照)。また、エラー判定部25cは、血清層の上端の位置が所定の高さより低い場合、検体量不足として、エラー有(NG)と判定する(図4参照)。さらに、エラー判定部25cは、RGBの各色の信号量等により、管壁の血球成分、フィブリン等の異物を特定した場合も、転倒混和不足等の可能性があるとして、エラー有(NG)と判定する(図4参照)。そして、エラー判定部25cは、Rの信号量が所定の閾値を超えた場合、溶血の可能性があるため、エラー有(NG)と判定する(図4参照)。
なお、エラー判定部25cは、RGBの色空間での信号量に基づいて処理する以外に、L*a*b*等の他の色空間での信号量に基づいて処理しても良い。また、エラー判定部25cは、カメラ15で撮像された画像データを、予め作成された学習モデルに対して入力することで、エラーの有無を出力するようにしても良い。さらに、図4に示す検体前処理関連情報テーブルには、画像IDも格納されており、所定の画像IDが選択されると、そのエラー判定の根拠となった撮像画像を実際に確認することも可能である。
≪第2の判定方法≫
第2の判定方法は、分析部へ搬送された検体に対して分析が行われた結果に基づいて、エラー検体か否かを判定する方法である。この方法では、検体容器内を撮像するカメラ15等がなくても、エラー検体を抽出できる。以下、具体的に説明する。
エラー判定部25cは、検体分注プローブが検体容器から検体を吸引する際の圧力センサの検出結果に基づき、検体分注プローブの詰まりの有無を判定する(図4参照)。ただし、詰まりの要因は、検体分注プローブの長期使用等の場合もあるので、エラー判定部25cは、前処理に起因する詰まりと確定できた段階でエラー有(NG)と判定しても良い。
また、エラー判定部25cは、分析結果に含まれるLD(lactate dehydrogenase、乳酸脱水素酵素)が所定の閾値より高いか否かも判定する(図4参照)。ただし、LDが高い値となる要因は、肝細胞等の異常の場合もあるので、エラー判定部25cは、前処理に起因する偽高値と確定できた段階でエラー有(NG)と見做しても良い。なお、偽高値か否かは、当該検体を再度遠心分離したり、当該検体の被験者に対して再度検体を採取したりして、再検査がされた結果、LDに異常があるか否か、当該患者の前回値等との比較により複合的に判定される。LDが偽高値となる要因としては、適切でない遠心分離条件、放置時間不足、転倒混和不足等が考えられる。
なお、溶血があった場合、LDの他、AST(aspartate aminotransferase、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)等も偽高値となる可能性がある。また、分析結果に溶血率が含まれている場合には、溶血率に基づいてエラーの有無が判定されても良い。さらに、エラー判定部25cは、分析結果に含まれるHBs抗原が偽陽性であった場合にも、当該検体の不適切な前処理の可能性があるため、エラー有(NG)と見做すこともできる。
<統計処理>
次に、統計データ出力部25dの統計処理について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、エラー検体の集計結果の一例である。
まず、ユーザであるオペレータが、表示部22及び入力部23を用いて、出力したいデータの期間、出力したい分析依頼元、等の条件を入力する。図6の例では、期間として2021年9月1日6時から2021年12月31日20時までが指定され、分析依頼元としてA科、B科及びC棟3階D科が指定されている。なお、データの日時は、前処理日時でカウントされることが想定されるが、検体受付日時など他の日時でカウントしても良い。また、図6の例では、指定された分析依頼元ごとのエラー数及びエラー率が出力されているが、出力の態様はこれに限定されない。例えば、エラーの種類が指定された場合、エラーの種類ごとにエラー数やエラー率が出力される態様であっても良い。
統計データ出力部25dは、検体前処理関連情報データベース26cを参照し、指定された条件に該当する検体の情報を抽出し、分析依頼元ごとにエラーの数を集計する。図6の例では、エラーの種類として、前述の第1の判定方法(画像解析)によって判定されたエラーが示されているが、前述の第2の判定方法によって判定されたエラーが示されても良い。また、図6の例では、B科の指定期間における界面平坦度のエラー数が150と多く、前処理工程において、採血管の放置時間や遠心分離が不足している可能性のあることが分かる。
ここで、1つの検体が複数種類のエラーを有する場合、エラー検体数としては1つとカウントされる。エラー率は、分析依頼元ごとのエラー検体数を、分析依頼元ごとの全体の検体数で除算し、%で表示したものである。指定期間が複数月である場合、統計データ出力部25dがエラー率を月ごとの推移として出力することで、分析依頼元における人員変動等のエラーの要因となり得る変化と関連付け易くなる。なお、エラー率の代わりに、1か月あたりのエラー検体数等、エラーの発生頻度を示す他の指標が用いられても構わない。
図7は、エラー率の推移を示すグラフの一例である。図7の例では、A科におけるエラー率が、2021年の9月から10月になる時期で急激に増加しているため、この時期に新たに前処理をするようになった採血者等がいれば、その採血者等による手技に問題があると推測することも可能である。また、特定の曜日のエラー率だけが高い傾向にある場合には、その曜日に担当する採血者等による手技に問題があると推測することも可能である。このように出力された客観的な統計データが分析依頼元に提供され、採血者等の手技が改善されれば、前処理工程に起因するエラー検体の数の低減、すなわち、オペレータの作業負担の低減が実現できる。さらに、再検率の低減に寄与する可能性もあり、近年多くの検査室で求められる検査結果報告までの時間短縮にもつながり得る。
また、エラー率が一定以上まで増加した場合、任意のタイミング(月末の装置立ち上げ時等)に通知が出されるようにしても良い。ただし、通知を出すか否かの閾値は、分析依頼元ごとに異なっていても良い。エラー検体は、前処理工程に起因するもの以外に、患者に投与された薬剤に起因するものもあり、エラー率がもともと高くなり易い分析依頼元(診療科)も存在するためである。分析依頼元を問わず、検体分注プローブの詰まりによるエラーの発生頻度が増加した場合は、前処理工程に起因する詰まりではなく、検体分注プローブの長期使用による詰まりの可能性があるため、検体分注プローブのメンテナンスを促す通知が出されても良い。
なお、実施例1では、分析依頼内容は、自動分析装置がLISから第1の通信回線4により受信することを想定して説明したが、分析依頼内容の少なくとも一部は、自動分析装置が識別子から読み取っても良い。特に、検体容器等に付される識別子がRFIDタグ等であって多くの情報の対応付けが可能な場合、検体IDだけでなく、前処理実行元や前処理日時を特定する前処理登録情報もRFIDリーダ等で読み取ることもできる。すなわち、前処理登録情報取得部は、通信インターフェイス21に限らず、識別子読取部14であっても良い。
さらに、統計データ出力部25dは、エラー率の推移を分析依頼元ごとに出力するとともに、検体前処理関連情報データベース26cから採血管情報を抽出し、採血管のメーカやロット番号等に変更があった時期を分析依頼元ごとに出力しても良い。エラー検体は、前処理工程だけでなく、採血管の変更(メーカー、種類、ロット)に起因する可能性もあるためである。
図8は、実施例2に係る自動分析システムの全体構成を示すブロック図である。図8に示すように、実施例2の自動分析システムは、自動分析装置1、LIS、HIS及び第1の通信回線4に加えて、解析用コンピュータ30を備える。ここで、解析用コンピュータ30は、複数の自動分析装置1と第1の通信回線4を介して接続され、LISとも第1の通信回線4を介して接続される。なお、図8の自動分析装置1において、制御コンピュータ20以外の構成は、図示が省略されているが、実施例1と同じである。
まず、実施例2の自動分析装置における制御コンピュータ20の構成について説明する。実施例2の制御コンピュータ20は、通信インターフェイス21と、表示部22と、入力部23と、プロセッサ24と、メモリ25と、を備える。すなわち、実施例2の制御コンピュータ20は、実施例1と異なり、検体前処理関連情報データベース等を記憶するストレージを備えていない。また、実施例2の制御コンピュータ20のメモリ25には、実施例1と異なり、エラー判定部と統計データ出力部が格納されていない。
次に、実施例2の解析用コンピュータ30の構成について説明する。解析用コンピュータ30は、通信インターフェイス31と、プロセッサ32と、メモリ33と、ストレージ34と、を備える。解析用コンピュータ30の通信インターフェイス31は、LISから分析依頼内容を第1の通信回線4により受信するとともに、受信した分析依頼内容を自動分析装置の制御コンピュータ20へ第1の通信回線4により送信する。また、解析用コンピュータ30の通信インターフェイス31は、自動分析装置の制御コンピュータ20から分析結果を第1の通信回線4により受信するとともに、受信した分析結果をLISに送信する。なお、解析用コンピュータ30のプロセッサ32は、メモリ33に格納された各プログラムを読み出すことにより各機能を実行したり、通信インターフェイス31を介して受信した情報をストレージ34に記憶させたりする。
解析用コンピュータ30のメモリ33には、プロセッサ32が実行する各機能に対応するプログラムが、エラー判定部33a及び統計データ出力部33bとして格納されている。また、解析用コンピュータ30のストレージ34は、分析依頼内容データベース34a、分析結果データベース34b及び検体前処理関連情報データベース34c等を有する。
すなわち、実施例2では、解析用コンピュータ30が、各自動分析装置へ分析依頼された検体がエラー検体か否かを判定するとともに、エラーの発生状況の統計処理を行う。
ここで、実施例2におけるエラー検体の判定方法について説明する。第1の判定方法は、各自動分析装置が、カメラ15で分析前に撮像した検体容器内の画像を解析用コンピュータ30へ送信し、解析用コンピュータ30のエラー判定部33aが、受信した画像に基づいて、前処理に起因するエラーの有無を検体ごとに判定するものである。この場合のエラー判定部33aによる判定方法は、実施例1における第1の判定方法と同様である。第2の判定方法は、各自動分析装置が、検体分注プローブの詰まり状況を含む分析結果を解析用コンピュータ30へ送信し、解析用コンピュータ30のエラー判定部33aが、受信した分析結果に基づいて、前処理に起因するエラーの有無を検体ごとに判定するものである。この場合のエラー判定部33aによる判定方法は、実施例1における第2の判定方法と同様である。
次に、実施例2におけるエラー統計の処理方法について説明する。解析用コンピュータ30の統計データ出力部33bは、ストレージ34に格納された検体前処理関連情報データベース34cを参照し、指定された条件に該当する検体の情報を抽出し、分析依頼元ごとにエラーの数を集計する。統計データ出力部33bによる処理方法は、実施例1と同様である。
なお、実施例2では、エラー判定も統計処理も解析用コンピュータ30で行ったが、エラー判定の一部又は全ては自動分析装置の制御コンピュータ20で行っても良い。その場合、自動分析装置の制御コンピュータ20で行われたエラー判定の結果は、解析用コンピュータ30へ送信され、解析用コンピュータ30の統計データ出力部33bによる統計処理に用いられる。
なお、本発明は、前述の各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述の各実施例では、制御コンピュータ又は解析用コンピュータがエラー判定を行ったが、オペレータがエラー判定を行い、オペレータが入力した判定結果に基づいて制御コンピュータ又は解析用コンピュータが統計処理を行っても良い。また、実施例2で述べた解析用コンピュータの機能は、LISのコンピュータが兼ねても良い。さらに、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1…自動分析装置、2…LIS、3…HIS、4…第1の通信回線、11…投入部、12…収納部、13…搬送ライン、14…識別子読取部、15…カメラ、16…第2の通信回線、17…分析部、20…制御コンピュータ、21…通信インターフェイス(制御コンピュータ)、22…表示部、23…入力部、24…プロセッサ(制御コンピュータ)、25…メモリ(制御コンピュータ)、25a…動作制御部、25b…分析演算部、25c…エラー判定部、25d…統計データ出力部、26…ストレージ、26a…分析依頼内容データベース、26b…分析結果データベース、26c…検体前処理関連情報データベース、30…解析用コンピュータ、31…通信インターフェイス(解析用コンピュータ)、32…プロセッサ(解析用コンピュータ)、33…メモリ(解析用コンピュータ)、33a…エラー判定部、33b…統計データ出力部、34…ストレージ(解析用コンピュータ)、34a…分析依頼内容データベース、34b…分析結果データベース、34c…検体前処理関連情報データベース、101…試薬ディスク、102…反応ディスク、103…検体搬送機構、104,105…検体分注機構、104a,105a…検体分注プローブ、106~109…試薬分注機構、106a~109a…試薬分注プローブ、110…分光光度計、111…攪拌機構、112~115…洗浄槽、116…試薬容器、117…反応容器、118…検体容器、119…検体ラック。

Claims (12)

  1. 検体を分析する自動分析装置であって、
    前記検体に対する前処理を実行した前処理実行元又は前処理日時を特定する前処理登録情報を、前記検体ごとに読取又は受信する前処理登録情報取得部と、
    前記前処理に起因するエラーの発生の有無を前記検体ごとに判定するエラー判定部と、
    前記前処理実行元又は前処理日時ごとのエラーの発生状況を統計的に出力する統計データ出力部と、
    を備えた自動分析装置。
  2. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記検体を収容する検体容器が投入される投入部と、
    前記投入部に投入された前記検体容器内を撮像するカメラと、を備え、
    前記エラー判定部は、前記カメラで撮像された画像に基づいて、前記検体の分析前にエラーの有無を判定することを特徴とする自動分析装置。
  3. 請求項2に記載の自動分析装置において、
    前記エラー判定部は、前記検体の界面平坦度、検体容器壁面への血餅付着状況、検体容器内のフィブリン析出状況、前記検体の溶血状況、前記検体の量、の少なくとも1つを前記画像により特定し、エラーの有無を判定することを特徴とする自動分析装置。
  4. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記検体を分注する検体分注プローブと、
    前記検体分注プローブの詰まりを検知する詰まり検知部と、をさらに備え、
    前記エラー判定部は、前記詰まり検知部で検出された詰まり状況に基づいて、エラーの有無を判定することを特徴とする自動分析装置。
  5. 請求項4に記載の自動分析装置において、
    前記前処理実行元を問わず、前記検体分注プローブの詰まりによるエラーの発生頻度が増加した場合に、メンテナンスを促す通知が出されることを特徴とする自動分析装置。
  6. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    所定の前処理実行元のエラーの発生頻度が、一定以上に増加した場合に、通知が出されることを特徴とする自動分析装置。
  7. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記エラー判定部は、所定の項目の分析結果が偽高値又は偽陽性であった場合に、エラーが発生したと見做すことを特徴とする自動分析装置。
  8. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記検体を収容する検体容器に付される検体IDを読み取る読取部をさらに備え、
    前記前処理登録情報取得部は、前記検体IDに紐づく前記前処理登録情報を、通信回線を介して受信する通信インターフェイスであることを特徴とする自動分析装置。
  9. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記前処理登録情報は、前記検体を収容する検体容器に、検体IDとともに識別子として付され、
    前記前処理登録情報取得部は、前記識別子の読取を行うことを特徴とする自動分析装置。
  10. 検体を分析する複数の自動分析装置と、複数の前記自動分析装置と通信回線を介して接続された解析用コンピュータと、を備えた自動分析システムであって、
    複数の前記自動分析装置は、前記検体を収容する検体容器に付される検体IDと紐づく分析結果を前記解析用コンピュータへ送信し、
    前記解析用コンピュータは、前記検体に対する前処理を実行した前処理実行元又は前処理日時ごとのエラーの発生状況を統計的に出力する自動分析システム。
  11. 請求項10に記載の自動分析システムにおいて、
    複数の前記自動分析装置は、前記前処理に起因するエラーの発生の有無を前記検体ごとに判定するとともに、判定した結果を前記解析用コンピュータへ送信することを特徴とする自動分析システム。
  12. 請求項10に記載の自動分析システムにおいて、
    複数の前記自動分析装置は、カメラで撮像した前記検体容器内の画像を前記解析用コンピュータへ送信し、
    前記解析用コンピュータは、前記画像に基づいて、前記前処理に起因するエラーの有無を前記検体ごとに判定することを特徴とする自動分析システム。
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