JP7843788B2 - キャンドポンプ及びこれを備える冷却装置 - Google Patents

キャンドポンプ及びこれを備える冷却装置

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Description

本発明は、コイルケースを有するキャンドポンプ及びこれを備える冷却装置に関する。
特許文献1には、図13に示すように、キャンドポンプ1300(以下、「従来のキャンドポンプ」という)であって、軸線L周りを回転可能なロータマグネット1322を備える羽根車部材1321が、本体ケース1330内に収容される回転子ユニット1310と、固定子1360、及び、固定子1360に接続される基板1370を有する固定子ユニット1350と、を備え、回転子ユニット1310及び固定子ユニット1350が互いに着脱可能であるものが記載されている。ここで、固定子1360は、ステータコア1361の一部を覆うボビンケース1362にコイル1363が巻回されるものである。
従来のキャンドポンプ1300では、回転子ユニット1310が固定子ユニット1350から取り外された状態において、コイル1363への物理的な接触や、埃などの異物の付着を防ぐために、コイルカバー1380及びコイルケース1390が、コイル1363を覆うように、ボビンケース1362の一側(図中の上側)及び他側(図中の下側)にそれぞれ固定される。
ここで、特許文献1においては図示や説明が省略されているが、従来のキャンドポンプ1300では、図14(a)及び図14(b)に示されるように、固定子ユニット1350の組み付ける際に、まず、コイルケース底部1390a及びコイルケース側部1390bの各隅部に設けられるボビンケース受け部1390cに、固定子1360の各隅部に設けられる支持部1362bのコイルケース当接部1362bb(図13参照)を載置する。その後、この固定子1360及びボビンケース1362の一端側を覆うように、コイルカバー1380を載置する。
次に、図13に示すように、回転子ユニット1310を固定子ユニット1350に組み付ける際に、本体ケース1330のロータマグネット収容部1332cを、本体ケース当接部となる、L字断面形状を有するボビンケース1362の他端部1362a(図13及び図14(b)中の格子模様参照)に直接当接させる。その後、回転子ユニット1310を固定子ユニット1350に対して、軸線Lを中心に回転させることにより、連結手段1305を介して、軸線L方向の他側に向かう荷重F13を生じさせ、本体ケース1330の羽根収容部1332bを、コイルカバー1380に接続するものである。
したがって、従来のキャンドポンプ1300では、ボビンケース1362の他端部1362a(図13及び図14(b)中の格子模様参照)が基板1370と直接当接しているため、回転子ユニット1310及び固定子ユニット1350の組み付け状態において、軸線L方向の他側に向かう荷重F13が基板1370に直接負荷されることとなる。また、荷重F13の腕の長さ(ボビンケース1362の他端部1362aからボビンケース受け部1390cまでの半径方向長さ)L13が比較的大きいため、ボビンケース1362、つまり、基板1370に対して、比較的大きな曲げモーメントが作用していた。
これにより、従来のキャンドポンプ1300では、基板1370自体の破損や、基板1370をボビンケース1362に固定するピン1364のはんだ割れなどが生じるおそれがあった(以下、「従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)」という)。
また、従来のキャンドポンプ1300では、ボビンケース1362は、荷重F13により、本体ケース1330とコイルケース1390との間に、本体ケース当接部1362a及びコイルケース当接部1362bbを介して、軸線L方向に挟持されるものである。しかしながら、ボビンケース1362において、荷重F13が負荷される方向(軸線L方向の一側から他側)とは逆の方向に、本体ケース当接部1362a、コイルケース当接部1362bbの順に配置されている。よって、この荷重F13が直接、コイルケース当接部1362bbに働くことはなく、好ましくない他の形態の力(曲げ力や引張力など)に変換されたのち、コイルケース当接部1362bbに働くことなる。
これにより、従来のキャンドポンプ1300では、荷重F13の散逸により、ボビンケース1362を、本体ケース1330とコイルケース1390との間に、軸線L方向に安定して挟持することができないおそれがあった(以下、「従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)」という)。
なお、ボビンケース1362は、最終的には、本体ケース1330とコイルケース1390との間に、締結部材1308を介して、締結固定されるものであるが、ボビンケース1362に働いている、好ましくない他の形態の力に対抗するために、締結部材1308に対して、本来であれば不要な、過度に大きな締結力を必要とするおそれがあった。したがって、締結部材1308により、回転子ユニット1310及び固定子ユニット1350を互いに締結固定した状態においても、従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)及び従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)を根本的に解消することはできなかった。
特開2017-125488号公報
本発明の目的は、本体ケース当接部、コイルケース当接部、及び、基板の配置を工夫することにより、基板に対して不要な荷重が負荷されることを抑制するとともに、本体ケース当接部を介した荷重により、ボビンケースを安定して挟持し得るキャンドポンプ及びこれを備える冷却装置を提供することである。
上記課題を解決するために、羽根車部材にロータマグネットを設け、軸線を中心に回転する回転子、及び、前記回転子を収容する本体ケースを有する回転子ユニットと、ステータコアにボビンケースを介してコイルが巻回される固定子、前記ボビンケースの他側に固定される基板、及び、前記基板の他側に配置され、前記コイルを保護するコイルケースを有する固定子ユニットと、軸線方向に着脱可能である前記回転子ユニット及び前記固定子ユニットが、前記固定子の半径方向内側に、前記ロータマグネットが配置される組み付け状態において、軸線L方向に沿う荷重による前記基板の変形を抑制する基板変形抑制手段と、を備えるキャンドポンプであって、前記ボビンケースは、前記本体ケースが挿入される本体挿通孔、及び、前記本体ケースと軸線方向に直接当接する本体ケース当接部をそれぞれ設けるボビンケース本体と、前記コイルケースに支持されるコイルケース当接部を設ける支持部と、を有し、前記本体ケース当接部及び前記コイルケース当接部を介して、前記本体ケースと前記コイルケースとの間に軸線方向に挟持されるものであり、前記基板変形抑制手段は、前記本体ケース当接部が、前記本体挿通孔の半径方向外側における、前記ボビンケース本体の一側面にあるとともに、軸線方向の一側から他側に向かって、前記本体ケース当接部、前記コイルケース当接部、前記基板の順に配置される。
また、上記キャンドポンプであって、前記ボビンケース本体は、前記本体挿通孔を画定する第1壁部と、前記コイルを外周側より囲う第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを接続し、前記コイルが巻回される胴体部と、を有し、前記基板変形抑制手段は、前記本体ケース当接部が、軸線を中心とする二重の同心円を形成する、前記第1壁部及び前記第2壁部の少なくとも一方で構成されるのとしてもよい。
また、上記キャンドポンプあって、前記基板変形抑制手段は、前記回転子ユニット及び前記固定子ユニットの組み付け状態において、荷重が負荷される、前記本体ケース当接部から他側に向かう作用力線上に、前記ボビンケース本体に内包される前記ステータコアが介在するものとしてもよい。
また、上記キャンドポンプであって、前記基板の他側面には、前記基板への給電端子用のコネクタが接続され、前記コイルケースは、前記基板の他側面の少なくとも一部を覆う、コイルケースの他側部を備え、前記コイルケースの他側部には、コネクタ挿通孔が形成されており、前記基板変形抑制手段は、前記コネクタが、前記コネクタ挿通孔に挿設された状態において、前記コネクタの他端部が、前記コイルケースの他側部より外部に突出することのないものとしてもよい。
また、上記キャンドポンプであって、前記基板を通気により冷却する基板冷却手段をさらに備え、前記基板は、前記ボビンケースの他側に吊設されており、前記コイルケースは、前記基板の他側面の少なくとも一部を覆う、コイルケースの他側部と、前記コイルケースの他側部の周縁から立設される、コイルケースの側部と、を有し、前記第1壁部、前記第2壁部、前記基板及び前記コイルにより画定されるコイル他側空間と、前記基板及び前記コイルケースにより画定される基板収容空間と、を有し、前記基板冷却手段は、前記コイルケースの他側部及び前記コイルケースの側部の少なくとも一方に、前記基板収容空間と連通する通気口を設けるとともに、前記第1壁部及び前記第2壁部のそれぞれの他側と、前記基板との間に、半径方向に連通する通気手段を設け、前記コイル他側空間と前記基板収容空間を常時連通させるものとしてもよい。
また、上記キャンドポンプであって、前記通気手段は、前記第1壁部及び前記第2壁部の他端部において、半径方向に貫通する複数の壁部スリットを有するものとしてもよい。
また、上記キャンドポンプであって、前記通気手段は、前記第1壁部及び前記第2壁部のいずれか一方の他側面が、前記基板から離間して形成される離間スリットを有するものとしてもよい。
また、上記キャンドポンプであって、前記ボビンケース本体は、前記第2壁部の半径方向外側に設けられ、他側面が、前記基板と軸線方向に直接当接する複数の突設部を備え、前記通気手段は、前記突設部の他端部において、半径方向に貫通する複数の壁部スリットを有するとともに、前記第1壁部及び前記第2壁部の他側面が、それぞれ前記基板から離間して形成される離間スリットを有するものとしてもよい。
また、冷却装置であって、上記キャンドポンプを備えるものとしてもよい。
本発明によれば、本体ケース当接部、コイルケース当接部、及び、基板の配置を工夫することにより、基板に対して不要な荷重が負荷されることを抑制するとともに、本体ケース当接部を介した荷重により、ボビンケースを安定して挟持し得るキャンドポンプ及びこれを備える冷却装置を提供することができる。
本実施形態に係るキャンドポンプを示す一の縦断面図(図3に示されるI-I断面図)を表す。 本実施形態に係るキャンドポンプを示す他の縦断面図(図3に示されるII-II断面図)を表す。 図1及び図2に示されるキャンドポンプの上面図を表す。 図3に示されるキャンドポンプの上方分解斜視図を表す。 図3に示されるキャンドポンプの下方分解斜視図を表す。 本実施形態におけるコイルカバーの上面図を表す。 本実施形態の固定子を示す説明図であり、(a)は、上面図、(b)は、(a)に示されるVIIb-VIIb断面図を、それぞれ表す。 図4及び図5に示される組み付け後の固定子ユニットの上方斜視図を表す。 本実施形態における回転子ユニット及び固定子ユニットの組み付け工程の説明図であり、(a)は、回転子ユニット及び固定子ユニットの断面図((b)に示されるIXa-IXa断面図に対応)、(b)は、(a)に示される固定子ユニットの上面図を、それぞれ表す。 回転子ユニット及び固定子ユニットの組み付け後のボビンケースに負荷される荷重を説明する模式図であり、(a)は、図9に対応する図、(b)は、本実施形態に含まれる本体ケース当接部の一例を、それぞれ表す。 通気手段が取り得る様態を示す説明図(図10に対応)であり、(a)は、通気手段変形例(1)、(b)は、通気手段変形例(2)を、それぞれ表す。 通気手段が取り得るさらなる様態を示す説明図であり、(a)は、通気手段変形例(3)(図10に対応)、(b)は、(a)に示される固定子の下面図を、それぞれ表す。 従来技術に係るキャンドポンプを示す断面図を表す。 図13に示される固定子ユニットを構成する部材の上面図であり、(a)は、コイルケース、(b)は、固定子を、それぞれ表す。
本発明の実施形態について、図1から図12を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。以下のキャンドポンプでは、遠心式の羽根車を採用するものについて説明するが、この羽根車の形式は一例にすぎず、例えば、カスケード式の羽根車など、他の羽根車の形式を採用することができる。
<用語について>
本明細書および特許請求の範囲の記載において、「左」、「右」、「上」、「下」とは、図1から図2、図7(b)、図9(a)、図10から図11、図12(a)に示される方向を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「一端」及び「他端」とは、図面における「上端」及び「下端」を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「一側」及び「他側」とは、図面における「上側」及び「下側」を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「本体ケース当接部」は、ボビンケースにおける、第1壁部、第2壁部に限られず、例えば、本体挿通孔の半径方向外側における、ボビンケース本体の一側面にあればよい。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「基板当接部」は、ボビンケースにおける、第1壁部、第2壁部に限られず、例えば、第2壁部の半径方向外側における、軸線方向の他側に延在する突設部としてもよい。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「荷重の腕の長さ」とは、「軸線方向からみた、ボビンケース受け部の内端から本体ケース当接部の内端までの半径方向長さ」を示す。
(本実施形態)
<キャンドポンプの構成について>
図1から図7を用いて、本実施形態に係るキャンドポンプ100について説明する。キャンドポンプ100は、図9に示すように、主に、回転子ユニット10、固定子ユニット50、及び、ブラケット5から構成される。ここで、回転子ユニット10及び固定子ユニット50は、軸線L方向に着脱可能である。以下、キャンドポンプ100のそれぞれの構成を順に説明する。
<回転子ユニットについて>
まず、回転子ユニット10は、図1から図5に示すように、回転子20、本体ケース30、軸固定部材41、固定軸42、及び、羽根ケース43から主に構成される。以下、回転子ユニット10のそれぞれの構成を順に説明する。
ここで、詳細は後述するが、本実施形態のキャンドポンプ100-1では、図10(b)に示すように、基板変形抑制手段を採用するものであり、本体ケース当接部62a1aに負荷される荷重F10の腕の長さL1を比較的小さくするとともに、荷重F10を、基板70を介することなく、また、好ましくない他の形態の力(曲げ力や引張力など)にも極力変換されずに、ボビンケース62-1における、本体ケース当接部62a1aからコイルケース当接部62bbへと確実に伝達され得るものである。これにより、従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)及び従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)を同時に解消し、信頼性を向上させることができるものである。また、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段をさらに、確実なものとするために、基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)、基板変形抑制手段(2)(作用力線上にステータコア)、基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)を採用することにより、懸念事項1(当接面積小による影響)、懸念事項2(作用力線上の低剛性)、懸念事項3(コネクタによる基板の変形)を解消できるものである。さらに、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)を採用することにより、懸念事項4(基板の冷却不十分)を解消できるものである。
<回転子について>
回転子20は、図1に示すように、羽根車部材21と、ロータマグネット22と、を備える。
羽根車部材21は、円管状の軸受け部21aと、軸受け部21aの他側を構成する基端部分21bと、軸受け部21aの中央を構成し、基端部分21bから外周方向に延設される拡径部21cと、軸受け部21aの一側を構成し、一側方向に延設される吸込羽根部21dと、この吸込羽根部21dに連続して外周方向に延設された外側羽根部21eと、を備える。
なお、本実施形態における羽根車部材21の枚数は、8枚であるが、これに限らず、キャンドポンプ100の用途、必要とするポンプ能力に応じて選択することができる。
ロータマグネット22は、環状の永久磁石からなり、羽根車部材21における拡径部21cの他側面及び基端部分21bの外周面に、抜け止め部材7(例えば、Cリングなど)を介して固定される。これにより、羽根車部材21は、ロータマグネット22とともに、軸線L周りを回転し得るように構成される。
<本体ケースについて>
本体ケース30は、例えば、ステンレスなどの金属材料からなり、図1に示すように、回転子20を収容するものであり、一側本体ケース31と、他側本体ケース32と、を備える。なお、本実施形態における本体ケース30は、ステンレスなどの金属材料からなるが、これに限らず、例えば、樹脂材料からなるものであってもよい。
この一側本体ケース31は、軸線L方向からみて、円形形状を有しており、頂壁31aと、頂壁31aの外周縁から他側に延設された円筒形状からなる側周壁31bと、を備える。一側本体ケース31の側周壁31bには、一の開口部31c(図2参照)と、軸線L方向からみて、一の開口部31cから反時計回りに270°の位置(図3参照)に、他の開口部(不図示)が形成されており、一の開口部31c及び他の開口部に、それぞれ、吸込側継手部材1及び吐出側継手部材2が、密封状態で固定される。また、一側本体ケース31は、軸線L方向からみて、吸込側継手部材1の固定位置から軸線Lの中心位置までの半径方向に沿って、一側に隆起する隆起部31e(図3参照)が形成される。
他側本体ケース32は、軸線L方向からみて、円形形状を有しており、他側に垂設される外周フランジ32aと、外周フランジ32aの一端側から、内周側に水平に延びた羽根収容部32bと、この羽根収容部32bの内周他側に設けられる、円筒形状のロータマグネット収容部32cと、このロータマグネット収容部32cの内周他側に設けられる、有底筒形状の軸固定部材収容部32dと、を備える。
ここで、一側本体ケース31の側周壁31bの他端内壁31dに、他側本体ケース32の外周フランジ32aが、密封状態で固着される。これにより、本体ケース30内に、一側本体ケース31及び他側本体ケース32により囲まれるとともに、吸込側継手部材1及び吐出側継手部材2と流体連通する内部空間が形成される。
<軸固定部材及び固定軸について>
軸固定部材41は、例えば、圧入などにより、軸固定部材収容部32dに嵌着される。この軸固定部材41は、軸線Lを中心とする軸穴41aを有し、軸穴41aには、固定軸42の下端部が、圧入などにより固定される。この片持ち支持される固定軸42に、羽根車部材21の軸受け部21aが、動摩擦を緩和するスラストワッシャ6を介して、回転可能に挿入される。
<羽根ケースについて>
羽根ケース43は、軸線L方向からみて、円形形状を有する。この羽根ケース43は、軸線Lを中心とする開口部43aaを有するとともに、吸込側継手部材1の取り付け位置から吐出側継手部材2の取り付け位置までの周方向の流れに沿って、外径が漸増する一側面43aと、一側面43aの外周側に設けられる脚部43bと、一側面43aの外周縁及び脚部43bの内周縁にそれぞれ接続される側周壁43cと、を備える。なお、羽根ケース43の側周壁43cの外径は、一側本体ケース31の側周壁31bの内径より小さく形成されるとともに、羽根ケース43の側周壁43cの高さは、一側本体ケース31の側周壁31bの高さより小さく形成される。
羽根ケース43の脚部43bは、吸込側継手部材1側において、図2に示すように、他側本体ケース32の一側面に当接した状態で、一側本体ケース31の側周壁31bに、密封状態で固着される。また、不図示であるが、羽根ケース43の側周壁43cは、吐出側継手部材2側において、一側本体ケース31の側周壁31bに対応する形状、つまり、一側本体ケース31の他の開口部に対応する位置に開口部(不図示)を有しており、羽根ケース43の側周壁43cが、一側本体ケース31の側周壁31bに当接した状態で、開口部を介して、吐出側継手部材2とともに、密封状態で固着される。
この羽根ケース43は、図1及び図2に示すように、一側本体ケース31との間に、流体経路を形成する一方、他側本体ケース32の羽根収容部32bとの間に、吸込羽根部21d及び外側羽根部21eを収容する。この流体経路は、一側本体ケース31の隆起部31eと羽根ケース43との間に形成される半径方向流体経路S1と、羽根ケース43の開口部43aaを介して、半径方向流体経路S1と連通する羽根車収容空間S2と、を有し、半径方向流体経路S1及び羽根車収容空間S2はそれぞれ、吸込側継手部材1及び吐出側継手部材2に流体連通する。
<キャンドポンプを備える冷却装置の流体経路について>
キャンドポンプ100を備える冷却装置の流体経路については、図示は省略するが、冷却循環経路を介して、キャンドポンプ100、被冷却物体が付設される熱交換器、ラジエータ(例えば、ファンなどによる空冷、水冷など)の順に接続され、再び、キャンドポンプ100に循環される閉回路から構成される。よって、被冷却物体は、キャンドポンプ100を介して、熱交換器とラジエータとの間で循環される作動流体(例えば、水など)により冷却される。このキャンドポンプ100を備える冷却装置では、流体の循環を利用して、発熱部品、機器などの冷却を行うため、耐久性、作動性、及び、静音性に優れたものとなる。
次に、図1及び2を用いて、キャンドポンプ100の動作状態における流体経路について説明する。まず、固定子ユニット50のコイル63に電流を流すことにより、コイル63が励磁される。このコイル63の励磁が、ロータマグネット22に作用することにより、このロータマグネット22に固定された羽根車部材21が、軸固定部材41に挿通された固定軸42の周りを回転する。
図2に示すように、羽根車部材21の回転により、吸込羽根部21dが、羽根ケース43の開口部43aa近傍に負圧を生じさせる。この負圧により、作動流体が、ラジエータに流体接続される吸込側継手部材1から、羽根ケース43と一側本体ケース31の隆起部31e(図3参照)とにより画定される半径方向流体経路S1を介して、羽根ケース43の開口部43aaへと吸い込まれる。
そして、羽根ケース43の開口部43aaへと吸い込まれた流体が、外側羽根部21eの遠心力の作用により、羽根車収容空間S2の半径方向外側、かつ、羽根ケース43の側周壁43cの内周側に沿って、らせん状に移動し、最終的に、吐出側継手部材2を介して熱交換器へと吐出される。
<固定子ユニットについて>
ここから、図1及び図2を用いた、本実施形態における固定子ユニット50の説明に戻る。固定子ユニット50は、図1に示すように、固定子60と、基板70と、コイルカバー80と、コイルケース90と、を備える。
<固定子について>
固定子60は、図4及び図5に示すように、磁性材料からなる薄い磁性板が積層されて形成されるステータコア61と、樹脂などの絶縁性材料からなり、ステータコア61の一部を覆うボビンケース62と、このボビンケース62を介して、ステータコア61に巻回される複数のコイル63と、を備える。このボビンケース62は、矩形形状の外形を有しており、各隅部に設けられる支持部62bと、この支持部62bに設けられ、締結部材8が挿通される切り欠き部62baと、支持部62bの内周側に配置され、コイル63の端部が電気的に接続される複数の端子ピン64(図5参照)と、を有する。
<基板について>
基板70は、図4及び図5に示すように、略矩形形状を有し、コイル63への駆動信号を制御するものであり、軸線Lを中心とする開口部70aと、軸線L方向からみて、各隅部に設けられ、締結部材8が挿通される切り欠き部70bと、この切り欠き部70bの内周側に配置される複数のピン孔70hと、を有する。また、図5に示すように、基板70の他側面には、基板70への給電端子用のケーブル70dを有するコネクタ70cが接続される。
<コイルカバーについて>
コイルカバー80は、図4に示すように、コイル63への物理的な接触や、埃などの異物の付着を防ぐために、コイル63の一側面の少なくとも一部を覆い、保護するものであり、樹脂材料からなる。このように、コイルカバー80が、コイル63の一側と着脱可能な形態とすることにより、コイル63の一側を樹脂モールドすることに比べ、低コスト化を図ることができる。
具体的には、コイルカバー80は、図6に示すように、略矩形形状を有し、軸線Lを中心とする開口部80aaを有する被覆部80aと、被覆部80aの半径方向外側に設けられる載置部80bと、被覆部80aと載置部80bとを接続する複数の連結部80cと、各隅部に設けられ、締結部材8が挿通される締結穴80eと、を有する。複数の連結部80cは、被覆部80aの外周縁から他側に延在し、載置部80bは、連結部80cの他端部から半径方向外側へと延在する。これにより、詳細は後述するが、図1に示すように、回転子ユニット10及び固定子ユニット50の組み付け状態において、本体ケース30の外周側他端部、つまり、側周壁31b及び外周フランジ32aの他端部を、載置部80bの一側に対向配置させることにより、軸線L方向に省スペース化することができる。ここで、コイルカバー80には、被覆部80a、隣設する一対の連結部80c、及び、載置部80bのそれぞれにより、被覆部外周開口部80dが画定される。詳細は後述するが、コイルカバー80において、開口部80aaには、図8に示すように、ボビンケース62の第1壁部62a1が挿通されるとともに、被覆部外周開口部80dには、対応する形状を有する、ボビンケース62の第2壁部62a2が挿通される。また、コイルカバー80は、図5に示すように、載置部80bの一辺から垂設される垂下壁80fを有する。
なお、本実施形態においては、コイルカバー80を採用するものであるが、このコイルカバー80は必須の構成ではなく、例えば、ボビンケース62一側面の一部が本体ケース当接部として露出するように、固定子60の一側を樹脂モールドするものや、コイルカバー80自体を省略するものであってもよい。
<コイルケースについて>
コイルケース90は、図5に示すように、コイル63への物理的な接触や、埃などの異物の付着を防ぐために、コイル63の他側面を覆い、保護するものであり、樹脂材料からなる。このコイルケース90は、図4に示すように、略矩形形状を有しており、コイルケース底部90a(コイルケースの他側部)と、コイルケース底部90aの周縁から立設されるコイルケース側部90b(コイルケースの側部)と、コイルケース底部90a及びコイルケース側部90bの各隅部に設けられるボビンケース受け部90cと、ボビンケース受け部90cに形成され、締結部材8のねじ部8a(図9参照)と螺合される締結穴90caと、を有する。このコイルケース底部90aには、軸線Lを中心とする開口部90aa(通気口)及びコネクタ挿通孔90ab(通気口)が形成される。また、コイルケース90のコイルケース側部90bには、コイルカバー80の垂下壁80f(図5参照)との間に、ケーブル70d(図2参照)を挿通可能なケーブル用切り欠き部90ba(図4参照)が形成される。
<ブラケットについて>
ブラケット5は、図4に示すように、略矩形形状の外形を有し、軸線L方向からみて、一側本体ケース31の隆起部31eの形状に対応するU字形状の凹部5aを有する天板5bと、この天板5bの各隅部より、他側及び半径方向外側に向かって張り出す張出し部5cと、この張出し部5cに形成され、締結部材8が挿通される締結穴5caと、を有する。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、回転子ユニット10及び固定子ユニット50を、軸線L方向及び周方向に互いに固定する手段として、ブラケット5及び締結部材8を採用するものであるが、これに限らず、例えば、4つのL字形状のクリップ及び締結部材や、その他の係止部材を採用するものであってもよい。
<固定子の詳細構造について>
ここから、図7を用いて、本実施形態における固定子60の詳細構造(ステータコア61、ボビンケース62及びコイル63)を説明する。
ステータコア61は、磁性材料からなる薄い磁性板が積層されて形成されており、軸線L方向からみて、環状に形成される外周環部(不図示)と、外周環部から半径方向内側に向かって、周方向に等角度ピッチで、T字形状に突出する複数(例えば、9つ)の突極部(不図示)と、を備える。外周環部は、軸線L方向からみて、同一円上に配置される。
ボビンケース62は、図7(b)に示すように、ステータコア61にコイル63を巻回する際に、ステータコア61とコイル63との間の絶縁性を確保するために、樹脂などの絶縁性材料で形成されたものであり、ステータコア61とコイル63との間に設けられる。このボビンケース62は、軸線Lを中心に本体ケース30が挿入される本体挿通孔62a1hが形成されるとともに、軸線L方向にステータコア61を内包するボビンケース本体62aと、図1に示すように、このボビンケース本体62aの外縁側に設けられ、コイルケース90に支持されるコイルケース当接部62bbを設ける支持部62bと、からなる。
具体的には、ボビンケース62は、本体ケース30が挿入される本体挿通孔62a1hを形成する複数の第1壁部62a1と、コイル63を外周側より囲う複数の第2壁部62a2と、第1壁部62a1と第2壁部62a2とを接続し、コイル63が巻回される複数の胴体部62ab(図7(b)参照)と、を有する。
第1壁部62a1は、ステータコア61の各突極部における先端位置に対応して形成されており、一側及び他側にそれぞれ延在する。また、第1壁部62a1の内周面は、図7(a)に示すように、軸線L方向からみて、本体挿通孔62a1hを画定する同一仮想円(図中の破線参照)上に配置される。
第2壁部62a2は、図4及び図5に示すように、一側及び他側にそれぞれ延在する。また、第2壁部62a2の内周面62a2iは、図7(a)に示すように、軸線L方向からみて、同一円上に配置される。ここで、一側に延在する第2壁部62a2は、図4及び図7(a)に示すように、周方向に沿って複数(例えば、4つ)配置される。この第2壁部62a2の周方向隙間は、この周方向隙間の半径方向内側に、胴体部62abが配置されない位置に形成されており、固定子ユニット50を組み付ける際に、この周方向隙間にコイルカバー80の連結部80cが挿設される。なお、他側に延在する第2壁部62a2は、図5に示すように、周方向に沿って均等に複数配置される。
なお、本実施形態における第2壁部62a2は、軸線L方向からみて、同一円上に配置されるものとして説明したが、これに限らず、例えば、軸線L方向からみて、多角形の辺を構成するように配置されてもよい。
胴体部62abは、図7(b)に示すように、軸線Lと直交する方向からみて、ステータコア61の外周環部と、各突極部における先端位置とを連結する連結部(不図示)を取り囲むように形成されており、この胴体部62abには、コイル63が巻回される。これにより、複数のコイル63が、周方向に一定間隔で離間して設けられる。また、前述したように、胴体部62abの外周側には、第2壁部62a2が形成されているため、巻回されたコイル63の外周縁が、第2壁部62a2により、確実に、第2壁部の内周面62a2i内に誘導される。これにより、固定子ユニット50を組み付ける際に、第2壁部62a2の周方向隙間に挿設されるコイルカバー80の連結部80cが、コイル63と接触することにより、コイル63を破損させることを防ぐことができる。
図7(b)に示すように、第1壁部62a1及び第2壁部62a2の他端部には、基板70と軸線L方向に直接当接する、第1壁部の基板当接部62a1b(基板当接部)及び第2壁部の基板当接部62a2b(基板当接部)が形成される。この第1壁部の基板当接部62a1b及び第2壁部の基板当接部62a2bは、軸線Lと直交する方向からみて、同一平面上にある。
<固定子ユニットの組み付け工程について>
図4から図8を用いて、固定子ユニット50の組み付け工程を説明する。まず、固定子60と基板70との組み付け工程については、固定子60の複数の端子ピン64(図5参照)を、対応する位置に設けられる基板70の複数のピン孔70hに挿入し、第1壁部の基板当接部62a1b及び第2壁部の基板当接部62a2b(図7(b)参照)を基板70に当接させた状態で、端子ピン64を基板70に半田付けにより固定する。
次に、互いに固定された固定子60及び基板70を、コイルケース90に組み付ける工程については、図5に示すように、基板70の他側面に設けられるコネクタ70cを、コネクタ挿通孔90abに挿通させるとともに、図4に示すように、ボビンケース62の四隅に設けられる支持部62bのコイルケース当接部62bbを、コイルケース90のボビンケース受け部90cに載置する。
最後に、コイルケース90に載置された固定子60とコイルカバー80との組付け工程については、複数の第1壁部62a1(図7(a)参照)を、コイルカバー80の開口部80aaにそれぞれ挿入するとともに、ボビンケース62の第2壁部62a2(図7(a)参照)を、対応する形状を有するコイルカバー80の被覆部外周開口部80dにそれぞれ挿入する。この際、コイルカバー80の載置部80bの他側面が、ボビンケース62の支持部62bの一側面に載置されるとともに、コイルカバー80の連結部80cが、対応する位置に設けられるボビンケース62の第2壁部62a2における周方向隙間にそれぞれ挿設される。また、これと同時に、ボビンケース62の垂下壁80f(図5参照)が、コイルケース90のケーブル用切り欠き部90ba(図4参照)の一側に係合されることにより、図2に示される、ケーブル挿通孔9(通気口)が形成され、このケーブル挿通孔9を介して、外部にケーブル70dが引き出される。
<回転子ユニット及び固定子ユニットの組み付け工程について>
図9を用いて、回転子ユニット10及び固定子ユニット50の組み付け工程を説明する。まず、回転子ユニット10及び固定子ユニット50の互いの軸線Lを一致させた状態で、固定子ユニット50に対して、回転子ユニット10を軸線Lの他側へと近接移動させる。
そして、回転子ユニット10のロータマグネット収容部32cを、固定子60の本体挿通孔62a1hに挿通させるとともに、回転子ユニット10の軸固定部材収容部32dを、基板70の開口部70a及びコイルケース90の開口部90aaに挿通させる。
さらに、回転子ユニット10の羽根収容部32bを、第1壁部の本体ケース当接部62a1a(図9(a),(b)中のドット模様参照)(本体ケース当接部)及び第2壁部の本体ケース当接部62a2a(図9(a),(b)中の格子模様参照)(本体ケース当接部)に直接当接させることにより、ロータマグネット22を、固定子60の内周側に対向配置させる。この際、図1に示すように、本体ケース30の外周側他端部、つまり、側周壁31b及び外周フランジ32aの他端部は、載置部80bの一端面と、非接触状態となっているため、第1壁部の本体ケース当接部62a1a(図1中のドット模様参照)及び第2壁部の本体ケース当接部62a2a(図1中の格子模様参照)のみを、本体ケース30に直接当接させることができる。また、回転子ユニット10及び固定子ユニット50を相対的に回転させることにより、吸込側継手部材1、吐出側継手部材2、及び、ケーブル70dの引き出し方向を自由に選択できる。なお、本実施形態では、図1に示すように、基板70が、ロータマグネット収容部32cの他端面と干渉しないように、基板70の内周側一端面が、ロータマグネット収容部32cの他端面と、軸線L方向に離間した状態で、対向配置されるものであるが、これに限らない。例えば、基板70の開口部70aにおける内径を大きし、この開口部70a内に、ロータマグネット収容部32cを非接触状態で収容配置させるものであってもよい。
最後に、ブラケット5の凹部5aを回転子ユニット10の隆起部31eに係合させることにより、回転子ユニット10の回転止めを行うとともに、締結部材8のねじ部8aを、ブラケット5の締結穴5ca、コイルカバー80の締結穴80e、固定子60の切り欠き部62baのそれぞれを介して、コイルケース90の締結穴90caに螺合させ、軸線L方向に固定する。これにより、ボビンケース62は、本体ケース当接部62a1a,62a2a及びコイルケース当接部62bbを介して、本体ケース30の羽根収容部32bと、コイルケース90のボビンケース受け部90cとの間に、軸線L方向に挟持される。なお、コイルケース90に開口部90aaを形成することにより、回転子ユニット10及び固定子ユニット50の組み付け状態において、本来であれば、回転子ユニット10の軸固定部材収容部32d(本体ケースの他端部)が、コイルケース底部90aと干渉してしまう位置まで低背化することができる。なお、本実施形態において、ブラケット5及び締結部材8を介した、回転子ユニット10及び固定子ユニット50の組み付けは、本体ケース30を変形させない程度の締結力に設定される。
以上より、回転子ユニット10及び固定子ユニット50は、ブラケット5及び締結部材8を介して、互いに軸線L方向に着脱可能な構成となっている。
<従来の問題点1及び2(曲げモーメント大による基板破損、荷重散逸による挟持不安定)について>
前述したように、図13及び図14に示される、従来のキャンドポンプ1300では、荷重F13が負荷されるボビンケース1362の他端部1362aが、基板1370と直接当接するとともに、荷重F13の腕の長さL13が比較的大きいため、従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)を有していた。さらに、従来のキャンドポンプ1300では、ボビンケース1362において、荷重F13が負荷される方向(軸線L方向の一側から他側)とは逆の方向に、本体ケース当接部1362a、コイルケース当接部1362bbの順に配置されていた。これにより、荷重F13が、好ましくない他の形態の力(曲げ力や引張力など)に変換されたのち、コイルケース当接部1362bbに働くことなるため、従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)を有していた。
これに対し、本実施形態のキャンドポンプ100-1(図10(b)参照)では、基板変形抑制手段を採用することにより、基板70に対して不要な荷重が負荷されることを抑制するとともに、荷重F10を、コイルケース当接部62bbへと確実に伝達することができるため、従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)及び従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)を同時に解消し、信頼性を向上させることができる。
<基板変形抑制手段について>
図10(a)は、図9に示される回転子ユニット10及び固定子ユニット50の組み付け後のボビンケース62に負荷される荷重を説明する模式図である。ここまでの説明では、本体ケース当接部を、第1壁部の本体ケース当接部62a1a及び第2壁部の本体ケース当接部62a2aとするものである。しかしながら、本実施形態の本体ケース当接部は、本体挿通孔62a1hの半径方向外側における、ボビンケース本体62aの一側面にあれば、いかなる形態でもよい。よって、ここでは、本実施形態の本体ケース当接部が取り得るより広い形態を示すために、ひとまず、図10(b)に示される、本実施形態のキャンドポンプ100-1を用いて説明する。
本実施形態のキャンドポンプ100-1における固定子60-1は、図10(b)に示すように、本体ケース30の羽根収容部32b対して、第2壁部62a2’の一端部は当接せずに、第1壁部の本体ケース当接部62a1a(図中のドット模様参照)のみが当接するボビンケース本体62aを備え、この第1壁部の本体ケース当接部62a1aに負荷される荷重F10が、この荷重F10の腕の長さL1を有するものである。
基板変形抑制手段は、図10(b)に示すように、本体ケース当接部62a1aが、本体挿通孔62a1hの半径方向外側における、ボビンケース本体62aの一側面にあるとともに、軸線L方向の一側(上側)から他側(下側)に向かって、本体ケース当接部62a1a、コイルケース当接部62bb、基板70の順に配置されるものである。これにより、回転子ユニット10及び固定子ユニット50の組み付け工程において、本体ケース当接部62a1aに負荷される荷重F10の腕の長さL1を、従来のキャンドポンプ1300における荷重F13の腕の長さL13(図13参照)と比べ、小さくできるため、ボビンケース本体62aに作用する曲げモーメントも同様に小さくすることができる。また、この荷重F10は、基板70を介することなく、また、好ましくない他の形態の力(曲げ力や引張力など)にも極力変換されずに、ボビンケース62-1における、本体ケース当接部62a1aからコイルケース当接部62bbへと確実に伝達され得るものである。さらに、本実施形態の基板変形抑制手段では、本体ケース当接部62a1aを形成する際に、第1壁部62a1を利用できるため、低コスト化を図ることができる。このように、本実施形態のキャンドポンプ100-1では、図10(b)に示される、基板変形抑制手段を採用することにより、基板70に対して不要な荷重が負荷されることを抑制できるため、従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)及び従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)を同時に解消し、信頼性を向上させることができ、さらに、低コスト化を図ることができる。
なお、図10(b)では、本体ケース当接部を第1壁部の本体ケース当接部62a1aとするものであるが、これに限らず、本体挿通孔62a1hの半径方向外側における、ボビンケース本体62aの一側面にあれば、いかなる形態でもよい。
前述したように、本実施形態のキャンドポンプ100-1では、基板変形抑制手段を採用することにより、従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)及び従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)を同時に解消し、信頼性を向上させることができるものである。ここからは、より一層、基板70に対して不要な荷重が負荷されることを抑制するために、本実施形態のキャンドポンプ100-1(図10(b)参照)や従来のキャンドポンプ1300(図13及び図14参照)に内在される懸念事項1から懸念事項3をそれぞれ示したのち、これらの懸念事項を解消するために、本実施形態のキャンドポンプ100において採用される基板変形抑制手段(1)から基板変形抑制手段(3)をそれぞれ説明する。加えて、基板70への熱的問題を解消するために、従来のキャンドポンプ1300(図13及び図14参照)に内在される懸念事項4を示したのち、この懸念事項4を解消するために、本実施形態のキャンドポンプ100において採用される基板冷却手段を説明する。
<懸念事項1(当接面積小による影響)について>
本実施形態の基板変形抑制手段では、図10(b)に示すように、本体ケース当接部を第1壁部の本体ケース当接部62a1aのみとしているため、回転子ユニット10に対するボビンケース本体62aの一側面の当接面積が比較的小さくなっている。よって、本実施形態の基板変形抑制手段では、回転子ユニット10及び固定子ユニット50の組み付け状態において、本体ケース30の羽根収容部32bが、水平面に対して傾きを有し、回転子ユニット10を安定的に支持できない懸念があった。また、本実施形態の基板変形抑制手段では、本体ケース当接部62a1aに負荷される荷重F10の腕の長さL1を、従来のキャンドポンプ1300における荷重F13の腕の長さL13(図13参照)と比べ、小さくできるものである。しかしながら、本実施形態の基板変形抑制手段では、依然として、比較的大きな荷重F10が局所的に負荷されているため、ボビンケース本体62aに作用する曲げモーメントの低減効果を十分に発揮できない懸念があった(以下、「懸念事項1(当接面積小による影響)」という)。
これに対し、図10(a)に示すように、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)を採用することにより、懸念事項1(当接面積小による影響)を解消し、回転子ユニット10を安定的に支持するとともに、ボビンケース本体62aに作用する曲げモーメントの低減効果を十分に発揮させることができる。
<基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)について>
基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)は、図10(a)に示すように、本体ケース当接部を、第1壁部の本体ケース当接部62a1a(図中のドット模様参照)及び第2壁部の本体ケース当接部62a2a(図中の格子模様参照)とするものである。これにより、本実施形態の基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)では、回転子ユニット10に対する本体ケース当接部62a1a,62a2aの当接面積を比較的大きくするとともに、この当接面の形状を、軸線Lを中心とする二重の同心円に形成することができる。また、本実施形態の基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)では、図10(b)で示した、基板変形抑制手段における荷重F10を、第1壁部の本体ケース当接部62a1aに負荷される荷重F1、及び、第2壁部の本体ケース当接部62a2aに負荷される荷重F2へと小さく分散させるとともに、荷重F2の腕の長さL2を荷重F1の腕の長さL1より小さくすることができるため、合計の曲げモーメントを小さくすることができる。さらに、本実施形態の基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)では、本体ケース当接部62a1a,62a2aを形成する際に、第1壁部62a1及び第2壁部62a2を利用できるため、低コスト化を図ることができる。これにより、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)を採用することにより、懸念事項1(当接面積小による影響)を解消し、回転子ユニット10を安定的に支持するとともに、ボビンケース本体62aに作用する曲げモーメントの低減効果を十分に発揮させ、さらに低コスト化を図ることができる。
<懸念事項2(作用力線上の低剛性)について>
図13に示される、従来のキャンドポンプ1300では、荷重F13が負荷されるボビンケース1362の他端部1362aから他側に向かう作用力線上には、比較的剛性が大きい部材が介在していないため、ボビンケース1362及び基板1370における軸線L方向の変形量が極めて大きくなるという懸念があった(以下、「懸念事項2(作用力線上の低剛性)」という)。
これに対し、図10(a)に示すように、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(2)(作用力線上にステータコア)を採用することにより、懸念事項2(作用力線上の低剛性)を解消し、ボビンケース62及び基板70における軸線L方向の変形量を極めて小さくすることができる。
<基板変形抑制手段(2)(作用力線上にステータコア)について>
基板変形抑制手段(2)(作用力線上にステータコア)は、図10(a)に示すように、第1壁部の本体ケース当接部62a1a及び第2壁部の本体ケース当接部62a2aのそれぞれに、荷重F1及び荷重F2が負荷され、作用点となる際に、各本体ケース当接部62a1a,62a2aから他側に向かう作用力線上には、比較的剛性が大きいステータコア61が配置されている。これにより、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(2)(作用力線上にステータコア)を採用することにより、懸念事項2(作用力線上の低剛性)を解消し、ボビンケース62及び基板70における軸線L方向の変形量を極めて小さくすることができる。さらに、本実施形態のキャンドポンプ100では、荷重F1及び荷重F2が、好ましくない他の形態の力(曲げ力や引張力など)に極力変換されずに、ボビンケース62における、本体ケース当接部62a1a,62a2aからコイルケース当接部62bbへと確実に伝達することができる。
<懸念事項3(コネクタによる基板の変形)について>
図13に示される、従来のキャンドポンプ1300では、固定子ユニット1350の他側である、基板1370の他側面に、基板1370への給電端子用のコネクタ1370cが設けられる。この際、コネクタ1370cがコイルケース底部1390aと干渉することにより、基板1370が、軸線Lの一側方向へと変形するという懸念があった(以下、「懸念事項3(コネクタによる基板の変形)」という)。
これに対し、図2に示すように、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)を採用することにより、懸念事項3(コネクタによる基板の変形)を解消し、信頼性を向上させることができる。
<基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)について>
基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)は、図2に示すように、コネクタ70cが、コイルケース底部90aと干渉しないように、コイルケース底部90aにコネクタ挿通孔90abを形成し、このコネクタ挿通孔90abにコネクタ70cを挿通させるものである。さらに、基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)は、コネクタ70cが、コネクタ挿通孔90abに挿設された状態において、コネクタ70cの他端部が、コイルケース底部90a(コイルケースの他側部)より外部に突出することのないように設けるものである。これにより、コネクタ70cは、コイルケース底部90aと、軸線L方向に干渉することがなく、また、キャンドポンプ100が床などに直接載置される場合には、床などと干渉することもない。これにより、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)を採用することにより、懸念事項3(コネクタによる基板の変形)を解消し、信頼性を向上させることができる。
<懸念事項4(基板の冷却不十分)について>
図13に示される、従来のキャンドポンプ1300では、第1壁部1362a1の他端部及び第2壁部1362a2の他端部が、それぞれ基板当接部となる。ここで、第1壁部の基板当接部1362a1bは、壁部スリットSL13(図14(b)参照)を介して、周方向に沿って複数配置されるとともに、第2壁部の基板当接部1362a2bは、不図示であるが、周方向に連続して形成される。また、図13に示すように、コイルケース1390内には、第1壁部1362a1、第2壁部1362a2、基板1370及びコイル1363により画定されるコイル他側空間A1、及び、基板1370及びコイルケース1390により画定される基板収容空間A2がそれぞれ形成される。
よって、従来のキャンドポンプ1300において、基板収容空間A2は、比較的開口面積が大きい、コイルケース底部1390aの開口部1390aaを介して、外部環境と連通しているため、基板収容空間A2には対流による通気経路が形成され、流入された雰囲気空気により、基板1370の他端面の冷却を行うことができる。一方、コイル他側空間A1は、壁部スリットSL13のみを介して、基板収容空間A2と連通している。よって、コイル他側空間A1への雰囲気空気の流入及び流出を、同じ壁部スリットSL13を介して行う必要があるため、壁部スリットSL13近傍における通気経路の流れが滞留することにより、コイル他側空間A1に対する冷却効率が極めて低くなっている。これにより、熱源であるコイル1363からの受熱や自己発熱を生じる基板1370の一端面における、十分な冷却を行うことができないという懸念があった(以下、「懸念事項4(基板の冷却不十分)」という)。加えて、従来のキャンドポンプ1300では、コイルケース底部1390aが、床などに直接載置される場合には、コイルケース底部1390aの開口部1390aaが、完全に閉鎖されてしまうため、基板1370の一端面のみならず、基板1370の他端面に対しても、懸念事項4(基板の冷却不十分)を有していた。
なお、基板1370とコイル1363との間に形成されるコイル他側空間A1は、軸線L方向の一側のコイル1363の上部まで延在する軸線L方向の空間(図14(b)における隣接するコイル1363に囲まれる空間)と連通するものであるが、この軸線L方向の空間は、熱源であるコイル1363に囲まれているため、コイル他側空間A1に対する冷却効果は極めて低いものとなっている。
これに対し、図2、図5及び図10(a)に示すように、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)を採用することにより、懸念事項4(基板の冷却不十分)を解消し、信頼性を向上させることができる。
<基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)について>
基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)では、図10(a)に示すように、コイルケース90内において、基板70が、第1壁部の基板当接部62a1b(図中のドット模様参照)及び第2壁部の基板当接部62a2b(図中の格子模様参照)(ボビンケースの他側)に吊設されており、第1壁部62a1、第2壁部62a2、基板70及びコイル63により画定されるコイル他側空間A1と、基板70及びコイルケース90により画定される基板収容空間A2とがそれぞれ形成される。さらに、基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)では、図5に示すように、他側に延在し、周方向に沿ってそれぞれ複数配置される第1壁部62a1同士の隙間及び第2壁部62a2同士の隙間に、半径方向に貫通する壁部スリットSL1,SL2(図5参照)がそれぞれ形成される。
よって、本実施形態のキャンドポンプ100において、基板収容空間A2は、比較的開口面積が大きい、コイルケース底部90aの開口部90aaを介して、外部環境と連通しているため、基板収容空間A2と外部環境とを繋ぐように対流による通気経路が形成され、流入された雰囲気空気により、基板70の他端面の冷却を行うことができる。加えて、冷却対象である、コイル他側空間A1は、通気手段である、壁部スリットSL1,SL2(図5参照)を介して、半径方向内側及び外側で、基板収容空間A2とそれぞれ常時連通するため、コイル他側空間A1を半径方向に通過する通気経路が形成される。これにより、コイル他側空間A1と外部環境との間には、基板収容空間A2を介して、定常的な対流による安定した通気経路が形成され、流入された雰囲気空気により、基板70の一端面の冷却を効果的に行うことができる。
また、本実施形態のキャンドポンプ100は、コイルケース底部90aに設けられる、開口部90aa及びコネクタ挿通孔90abと、コイルケース側部90bに設けられるケーブル挿通孔9とを備える。よって、キャンドポンプ100が床などに直接載置される場合には、コイルケース底部90aに設けられる開口部90aa及びコネクタ挿通孔90abが閉鎖される一方、コイルケース側部90bに設けられるケーブル挿通孔9は、依然として、外部環境と連通することができる。これにより、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)を採用することにより、懸念事項4(基板の冷却不十分)を解消し、信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態のキャンドポンプ100における通気口は、図2に示される、開口部90aa、コネクタ挿通孔90ab及びケーブル挿通孔9の全てを採用するものであるが、これに限らない。例えば、キャンドポンプ100は、コイルケース底部90aが床などから離間した状態で載置されることがあるため、コイルケース底部90a及びコイルケース側部90bの少なくとも一方に通気口が形成されるものであればよい。
<通気手段について>
本実施形態のキャンドポンプ100における通気手段は、図5に示されるように、他側の複数の第1壁部62a1同士の間隙を半径方向に貫通する壁部スリットSL1、及び、他側の複数の第2壁部62a2同士の間隙を半径方向に貫通する壁部スリットSL2である。なお、通気手段は、コイル他側空間A1における半径方向内側及び外側を、基板収容空間A2に連通させ、半径方向に通過する通気経路を形成するものであればよいため、様々な様態を取り得るものである。
ここからは、図11及び図12を用いて、通気手段変形例(1)から通気手段変形例(3)を説明する。まず、通気手段変形例(1)及び(2)は、固定子60’,60’’のボビンケース62’,62’’において、第1壁部62a1の他端部、及び、第2壁部62a2の他端部のいずれか一方のみが、基板当接部となる点で、本実施形態と相違するが、その他の基本構成は、本実施形態と同一である。また、通気手段変形例(3)は、固定子60’’’のボビンケース62’’’において、他側に延在する突設部62a3を設けるとともに、この突設部62a3の他端部のみが、基板当接部となる点で、本実施形態と相違するが、その他の基本構成は、本実施形態と同一である。
<通気手段変形例(1)について>
図11(a)を用いて、本実施形態の通気手段変形例(1)における、第1壁部62a1の他端部、及び、第2壁部62a2’の他端部について説明する。この通気手段変形例(1)では、ボビンケース本体62a’において、第1壁部62a1の他端部のみが、基板当接部62a1b(図中のドット模様参照)となるため、第2壁部62a2’の他端部と基板70との間には、離間スリットSL3がドーナッツ形状に形成される。これにより、通気手段変形例(1)における通気手段は、壁部スリットSL1,SL2に加え、離間スリットSL3からなるものである。
よって、通気手段変形例(1)のキャンドポンプ100’においては、通気手段である、壁部スリットSL1,SL2(図5参照)、離間スリットSL3を介して、コイル他側空間A1における半径方向内側及び外側で、基板収容空間A2とそれぞれ常時連通し、コイル他側空間A1を半径方向に通過する通気経路を形成するものである。これにより、通気手段変形例(1)のキャンドポンプ100’では、本実施形態のキャンドポンプ100と比べ、コイル他側空間A1への通気量を大きくすることができるため、懸念事項4(基板の冷却不十分)をより確実に解消し、信頼性をさらに向上させることができる。
<通気手段変形例(2)について>
図11(b)を用いて、本実施形態の通気手段変形例(2)における、第1壁部62a1’の他端部、及び、第2壁部62a2の他端部について説明する。この通気手段変形例(2)では、ボビンケース本体62a’’において、第2壁部62a2の他端部のみが、基板当接部62a2b(図中の格子模様参照)となるため、第1壁部62a1’の他端部と基板70との間には、離間スリットSL4がドーナッツ形状に形成される。これにより、通気手段変形例(2)における通気手段は、壁部スリットSL1,SL2に加え、離間スリットSL4からなるものである。
よって、通気手段変形例(2)のキャンドポンプ100’’においては、通気手段である、壁部スリットSL1,SL2(図5参照)、離間スリットSL4を介して、コイル他側空間A1における半径方向内側及び外側で、基板収容空間A2とそれぞれ常時連通し、コイル他側空間A1を半径方向に通過する通気経路を形成するものである。これにより、通気手段変形例(2)のキャンドポンプ100’’では、通気手段変形例(1)と同様に、本実施形態のキャンドポンプ100と比べ、コイル他側空間A1への通気量を大きくすることができるため、懸念事項4(基板の冷却不十分)をより確実に解消し、信頼性をさらに向上させることができる。
<通気手段変形例(3)について>
図12を用いて、本実施形態の通気手段変形例(3)における、突設部62a3の他端部について説明する。通気手段変形例(3)では、図12(a)に示すように、ボビンケース本体62a’’’において、第1壁部62a1’及び第2壁部62a2’に加え、第2壁部62a2’の半径方向外側に、軸線L方向の他側に延在する突設部62a3をさらに設けるものである。この通気手段変形例(3)では、突設部62a3の他端部のみが、基板当接部62a3b(図中の縦線模様参照)となるため、第1壁部62a1’の他端部と基板70との間には、離間スリットSL4が形成されるとともに、第2壁部62a2’の他端部と基板70との間には、離間スリットSL3が形成される。また、この通気手段変形例(3)では、図12(b)に示すように、周方向に沿ってそれぞれ複数配置される突設部62a3同士の隙間に壁部スリットSL5が形成される。これにより、通気手段変形例(3)における通気手段は、壁部スリットSL1,SL2に加え、離間スリットSL3,SL4、及び、壁部スリットSL5からなるものである。ここで、壁部スリットSL5は、壁部スリットSL1、及び、壁部スリットSL2と比べ、開口面積が極めて大きくなっている。
よって、通気手段変形例(3)のキャンドポンプ100’’’においては、通気手段である、壁部スリットSL1,SL2,SL5、離間スリットSL3,SL4を介して、コイル他側空間A1における半径方向内側及び外側で、基板収容空間A2とそれぞれ常時連通し、コイル他側空間A1を半径方向に通過する通気経路を形成するものである。これにより、通気手段変形例(3)のキャンドポンプ100’’’では、通気手段変形例(1)及び(2)のキャンドポンプ100’,100’’と比べ、コイル他側空間A1への通気量を大きくすることができるため、懸念事項4(基板の冷却不十分)をより一層確実に解消し、信頼性をさらに向上させることができる。
以上のように、本実施形態のキャンドポンプ100-1では、基板変形抑制手段を採用することにより、本体ケース当接部62a1aに負荷される荷重F10の腕の長さL1を比較的小さくするとともに、荷重F10を、基板70を介さずに、コイルケース当接部62bbへと確実に伝達することができる。この結果、従来の問題点1(曲げモーメント大による基板破損)及び従来の問題点2(荷重散逸による挟持不安定)を同時に解消し、信頼性を向上させることができるものである。
なお、本実施形態のキャンドポンプ100では、図10(a)に示すように、本体ケース当接部を、第1壁部の本体ケース当接部62a1a及び第2壁部の本体ケース当接部62a2aとするものであり、また、本実施形態のキャンドポンプ100-1では、図10(b)に示すように、本体ケース当接部を、第1壁部の本体ケース当接部62a1aのみとするものである。しかしながら、本実施形態の本体ケース当接部は、本体挿通孔62a1hの半径方向外側における、ボビンケース本体62aの一側面にあれば、いかなる形態でもよいことから、例えば、ボビンケース本体62aの一側面、つまり、第1壁部62a1及び第2壁部62a2以外の一側に延在する突設部を本体ケース当接部としてもよい。
また、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)を採用することにより、懸念事項1(当接面積小による影響)を解消し、回転子ユニット10を安定的に支持するとともに、ボビンケース本体62aに作用する曲げモーメントの低減効果を十分に発揮させ、低コスト化を図ることができる。さらに、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(2)(作用力線上にステータコア)を採用することにより、懸念事項2(作用力線上の低剛性)を解消し、ボビンケース62及び基板70における軸線L方向の変形量を極めて小さくすることができる。加えて、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)を採用することにより、懸念事項3(コネクタによる基板の変形)を解消し、信頼性を向上させることができる。そして、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)を採用することにより、懸念事項4(基板の冷却不十分)を解消し、信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態のキャンドポンプ100では、基板変形抑制手段に加え、基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)から基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)及び基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)の全てを採用するものであるが、これに限らない。例えば、本実施形態では、基板変形抑制手段のみを採用するもの、または、基板変形抑制手段を採用するとともに、基板変形抑制手段(1)(二重同心円の本体ケース当接部)から基板変形抑制手段(3)(コネクタ他端部の干渉防止)及び基板冷却手段(冷却対象を半径方向に通過する安定した通気経路)の少なくとも1つを採用するものであってもよい。
さらに、本実施形態のキャンドポンプ100における通気手段は、コイル他側空間A1における半径方向内側及び外側を、基板収容空間A2に連通させ、半径方向に通過する通気経路を形成するために、壁部スリットSL1,SL2を採用するものである。しかしながら、本実施形態における通気手段は、コイル他側空間A1における半径方向内側及び外側を、基板収容空間A2に連通させ、半径方向に通過する通気経路を形成するものであれば、壁部スリットSL1,SL2のみならず、通気手段変形例(1)、通気手段変形例(2)、通気手段変形例(3)で示した、離間スリットSL3,SL4、及び、壁部スリットSL5のいかなる組み合わせを採用するものであってもよい。このように、通気手段変形例(1)、通気手段変形例(2)、通気手段変形例(3)では、コイル他側空間A1への通気量を大きくすることができるため、懸念事項4(基板の冷却不十分)をより一層確実に解消し、信頼性をさらに向上させることができる。
<その他>
本実施形態のキャンドポンプ100,100-1,100’,100’’,100’’’は、冷凍装置を含む、あらゆる流体装置及び流体回路に適用可能であることは言うまでもない。さらに、本発明は、上述した各実施形態に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
100,100-1,100’,100’’,100’’’ キャンドポンプ
1 吸込側継手部材
2 吐出側継手部材
5 ブラケット
5a 凹部
5b 天板
5c 張出し部
5ca 締結穴
6 スラストワッシャ
7 抜け止め部材
8 締結部材
8a ねじ部
9 ケーブル挿通孔(通気口)
10 回転子ユニット
20 回転子
21 羽根車部材
21a 軸受け部
21b 基端部分
21c 拡径部
21d 吸込羽根部
21e 外側羽根部
22 ロータマグネット
30 本体ケース
31 一側本体ケース
31a 頂壁
31b 側周壁
31c 一の開口部
31d 他端内壁
31e 隆起部
32 他側本体ケース
32a 外周フランジ
32b 羽根収容部
32c ロータマグネット収容部
32d 軸固定部材収容部
41 軸固定部材
41a 軸穴
42 固定軸
43 羽根ケース
43a 一側面
43aa 開口部
43b 脚部
43c 側周壁
50 固定子ユニット
60,60-1,60’,60’’,60’’’ 固定子
61 ステータコア
62,62-1,62’,62’’,62’’’ ボビンケース
62a,62a’,62a’’,62a’’’ ボビンケース本体
62ab 胴体部
62a1,62a1’ 第1壁部
62a1a 第1壁部の本体ケース当接部(本体ケース当接部)
62a1b 第1壁部の基板当接部(基板当接部)
62a1h 本体挿通孔
62a2,62a2’ 第2壁部
62a2a 第2壁部の本体ケース当接部(本体ケース当接部)
62a2b 第2壁部の基板当接部(基板当接部)
62a2i 内周面
62a3 突設部
62a3b 突設部の基板当接部(基板当接部)
62b 支持部
62ba 切り欠き部
62bb コイルケース当接部
63 コイル
64 端子ピン
70 基板
70a 開口部
70b 切り欠き部
70c コネクタ
70d ケーブル
70h ピン孔
80 コイルカバー
80a 被覆部
80aa 開口部
80b 載置部
80c 連結部
80d 被覆部外周開口部
80e 締結穴
80f 垂下壁
90 コイルケース
90a コイルケース底部(コイルケースの他側部)
90aa 開口部(通気口)
90ab コネクタ挿通孔(通気口)
90b コイルケース側部(コイルケースの側部)
90ba ケーブル用切り欠き部
90c ボビンケース受け部
90ca 締結穴

A1 コイル他側空間
A2 基板収容空間
F1,F2,F10 荷重
L 軸線
L1,L2 腕の長さ
S1 半径方向流体経路
S2 羽根車収容空間
SL1,SL2,SL5 壁部スリット(通気手段)
SL3,SL4 離間スリット(通気手段)

Claims (9)

  1. 羽根車部材にロータマグネットを設け、軸線を中心に回転する回転子、及び、前記回転子を収容する本体ケースを有する回転子ユニットと、
    ステータコアにボビンケースを介してコイルが巻回される固定子、前記ボビンケースの他側に固定される基板、及び、前記基板の他側に配置され、前記コイルを保護するコイルケースを有する固定子ユニットと、
    軸線方向に着脱可能である前記回転子ユニット及び前記固定子ユニットが、前記固定子の半径方向内側に、前記ロータマグネットが配置される組み付け状態において、軸線L方向に沿う荷重による前記基板の変形を抑制する基板変形抑制手段と、を備え、
    前記ボビンケースは、前記本体ケースが挿入される本体挿通孔、及び、前記本体ケースと軸線方向に直接当接する本体ケース当接部をそれぞれ設けるボビンケース本体と、前記コイルケースに支持されるコイルケース当接部を設ける支持部と、を有し、前記本体ケース当接部及び前記コイルケース当接部を介して、前記本体ケースと前記コイルケースとの間に軸線方向に挟持されるものであり、
    前記基板変形抑制手段は、
    前記本体ケース当接部が、前記本体挿通孔の半径方向外側における、前記ボビンケース本体の一側面にあるとともに、軸線方向の一側から他側に向かって、前記本体ケース当接部、前記コイルケース当接部、前記基板の順に配置されることを特徴とするキャンドポンプ。
  2. 前記ボビンケース本体は、
    前記本体挿通孔を画定する第1壁部と、
    前記コイルを外周側より囲う第2壁部と、
    前記第1壁部と前記第2壁部とを接続し、前記コイルが巻回される胴体部と、を有し、
    前記基板変形抑制手段は、
    前記本体ケース当接部が、軸線を中心とする二重の同心円を形成する、前記第1壁部及び前記第2壁部の少なくとも一方で構成されることを特徴とする請求項1に記載のキャンドポンプ。
  3. 前記基板変形抑制手段は、
    前記回転子ユニット及び前記固定子ユニットの組み付け状態において、荷重が負荷される、前記本体ケース当接部から他側に向かう作用力線上に、前記ボビンケース本体に内包される前記ステータコアが介在することを特徴とする請求項1に記載のキャンドポンプ。
  4. 前記基板の他側面には、前記基板への給電端子用のコネクタが接続され、
    前記コイルケースは、前記基板の他側面の少なくとも一部を覆う、コイルケースの他側部を備え、
    前記コイルケースの他側部には、コネクタ挿通孔が形成されており、
    前記基板変形抑制手段は、
    前記コネクタが、前記コネクタ挿通孔に挿設された状態において、前記コネクタの他端部が、前記コイルケースの他側部より外部に突出することのないことを特徴とする請求項1に記載のキャンドポンプ。
  5. 前記基板を通気により冷却する基板冷却手段をさらに備え、
    前記基板は、前記ボビンケースの他側に吊設されており、
    前記コイルケースは、前記基板の他側面の少なくとも一部を覆う、コイルケースの他側部と、前記コイルケースの他側部の周縁から立設される、コイルケースの側部と、を有し、
    前記第1壁部、前記第2壁部、前記基板及び前記コイルにより画定されるコイル他側空間と、前記基板及び前記コイルケースにより画定される基板収容空間と、を有し、
    前記基板冷却手段は、前記コイルケースの他側部及び前記コイルケースの側部の少なくとも一方に、前記基板収容空間と連通する通気口を設けるとともに、前記第1壁部及び前記第2壁部のそれぞれの他側と前記基板との間に、半径方向に連通する通気手段を設け、前記コイル他側空間と前記基板収容空間を常時連通させることを特徴とする請求項2に記載のキャンドポンプ。
  6. 前記通気手段は、前記第1壁部及び前記第2壁部の他端部において、半径方向に貫通する複数の壁部スリットを有することを特徴とする請求項5に記載のキャンドポンプ。
  7. 前記通気手段は、前記第1壁部及び前記第2壁部のいずれか一方の他側面が、前記基板から離間して形成される離間スリットを有することを特徴とする請求項6に記載のキャンドポンプ。
  8. 前記ボビンケース本体は、前記第2壁部の半径方向外側に設けられ、他側面が、前記基板と軸線方向に直接当接する複数の突設部を備え、
    前記通気手段は、前記突設部の他端部において、半径方向に貫通する複数の壁部スリットを有するとともに、前記第1壁部及び前記第2壁部の他側面が、それぞれ前記基板から離間して形成される離間スリットを有することを特徴とする請求項5に記載のキャンドポンプ。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のキャンドポンプを備える冷却装置。
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