JP7843653B2 - 製紙用シームフェルト - Google Patents

製紙用シームフェルト

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Description

本発明は、両端部を互いに接合するための補助具が設けられた製紙用シームフェルトに関する。
製紙用フェルトは、製紙マシンのプレスパートで使用され、搾水される湿紙を運搬する。製紙用フェルトを製紙マシンに取り付ける際の作業性を向上させるため、フェルトの走行経路、いわゆるフェルトランに有端のフェルトを引き込んだ上でその両端部を互いに接合して無端とする、いわゆるシームフェルトが広く普及している。この種のシームフェルトでは、基布を構成する経糸の折り返しにより丈方向の端部に形成されたループを、互いのループ孔が整合するように交互にかみ合わせ、これにより形成された共通孔に芯線を通して両端部を接合する構成が一般的である。
このようなシームフェルトの接合は緻密な手作業となるため、フェルトの端部を安定させて作業を行うことが望まれる。また、ループのかみ合い状態や芯線の挿通状態を目視で確認し易くするため、フェルトの端部を山形状に突き合わせることが望まれる。そこで、スライド式のファスナーを備えた仮接合具を予めフェルトの端部に縫い付けておき、フェルトの引き込みが終了したところで、ファスナーを掛けることで、フェルトの両端部を仮止めするとともに、フェルトの両端が山形状に突き合わせた状態に保持されるようにすることが知られている(特許文献1~3)。また、特許文献4では、芯線の引き抜き作業を容易にするため、ループに液状樹脂を塗布することが記載されている。
特開昭62-250294号公報 特開2005-264402号公報 特開2010-275671号公報 特開2010-065343号公報
近年、製紙マシンの要求により、軽量化したシームフェルトの需要が増加している。軽量化したシームフェルトは、従来品に比べて剛性が低下している。特に丈方向の曲げ弾性率(曲げ剛性)が低いと、シームフェルトの端部を山形状に突き合わせた時に、山形状を形成する傾斜面が凹むように反ってしまい、ループがかみ合わせにくくなる。また、シームフェルトの幅方向の曲げ弾性率が低いと、芯線の挿通作業時に、山形状の頂部が折れ曲がったり、下方に凹んだりしてしまい、芯線の挿通が困難になる。ループをかみ合わせてリードワイヤーを通す作業は、比較的重く剛性の高いシームフェルトでは、1m当たり10分以内に行えるのに対して、比較的軽く剛性の低いシームフェルトでは、1m当たり30分以上かかることもあり、最悪の場合、芯線の挿通が完了せず、掛け外されることもあった。
本発明は、以上の背景に鑑み、軽量化した剛性の低いシームフェルトであっても、ループをかみ合わせて芯線をループ内に挿通する作業を容易に行うことができる製紙用シームフェルトを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のある態様に係る製紙用シームフェルト(1)は、基布(5)、及び前記基布に一体化されたバット繊維層(6)を含み、丈方向の両端部に互いにかみ合わされるべき複数のループ(7)が設けられ、前記丈方向において、前記両端部から前記丈方向の中央に向かって所定の範囲に画定された1対の突き合わせ部(9)と、1対の前記突き合わせ部の間に画定された中間部(10)とに区画されたフェルト本体(2)と、前記フェルト本体における1対の前記突き合わせ部と前記中間部との境界に取り外し可能に取り付けられており、互いに係合及び離脱が可能であり、互いに係合した状態において、1対の前記突き合わせ部が山形状をなすように前記両端部を互いに突き合わせた状態に保持する1対の仮接合具(3)と、を備え、1対の前記突き合わせ部の少なくとも一方は、前記ループの近傍における前記バット繊維層の少なくとも一方の表面に、水溶性樹脂(4)が塗布されており、塗布された前記水溶性樹脂の前記丈方向の長さは、前記突き合わせ部の前記丈方向の長さの1/2以上である。
この態様によれば、水溶性樹脂によって、突き合わせ部の丈方向の剛性が補強されるため、山形状に突き合わされた突き合わせ部の反り返りが抑制され、ループをかみ合わせて芯線をループ内に挿通する作業を容易に行うことができる。
上記の態様において、前記突き合わせ部(9)に塗布された前記水溶性樹脂(4)の前記丈方向の長さが、3cm以上かつ8cm以下であっても良い。
この態様によれば、水溶性樹脂(4)の塗布範囲の大きさがループのかみ合わせ作業を行いやすい大きさであるとともに、ループのかみ合わせ作業及び芯線の挿通作業時に突き合わせ部に加わる丈方向の曲げモーメントが過大にならず、水溶性樹脂による補強によって反り返りを抑制できる。
上記の態様において、前記水溶性樹脂が塗布される前の前記突き合わせ部は、前記丈方向において7.0MPa以下の曲げ弾性率を有しても良い。
この態様によれば、作業性を阻害するほど曲げ剛性が過大にならない。
上記の態様において、前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル若しくは加工でんぷん、又はこれらの組み合わせを含んでも良い。
この態様によれば、水溶性樹脂による剛性の補強効果と水回し運転による水溶性樹脂の除去性が良好である。
上記態様において、前記水溶性樹脂(4)は、ポリビニルアルコールを含み、前記突き合わせ部(9)に塗布された前記水溶性樹脂は、20g/m以上かつ40g/m以下の面密度を有しても良い。
この態様によれば、水溶性樹脂による剛性の補強効果と水回し運転による水溶性樹脂の除去性が更に良好となる。
以上の態様によれば、軽量化した剛性の低いシームフェルトであっても、ループをかみ合わせて芯線をループ孔に挿通する作業を容易に行うことができる製紙用シームフェルトを提供することができる。
実施形態に係る製紙用シームフェルトを示す斜視図 実施形態に係る製紙用シームフェルトのフェルト本体を示す斜視図 実施形態に係る製紙用シームフェルトの接合部周辺を示す縦断面図 実施形態に係る製紙用シームフェルトの接合部周辺を示す平面図 実施形態の変形例に係る製紙用シームフェルトの接合部周辺を示す平面図 曲げ弾性率に関する物性を測定するための試験装置を示す正面図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、実施形態に係る製紙用シームフェルト1の接合部を示す斜視図である。以下の説明において、「丈方向」という用語は、製紙用シームフェルト1の丈方向(経方向)を意味し、「幅方向」という用語は、製紙用シームフェルト1の幅方向(緯方向)を意味する。
図1に示すように、製紙用シームフェルト1は、抄紙機やパルプマシン等の製紙マシン(図示せず)に取り付けられて搾水される湿紙を運搬するフェルト本体2と、フェルト本体2の丈方向の両端部を接合するために用いられ、両端部の接合後に取り外される1対の仮接合具3とを備える。フェルト本体2の端部近傍には、水溶性樹脂4が塗布されている。
図2は、フェルト本体2の斜視図である。図2に示すように、フェルト本体2は、基布5と、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂の短繊維シートを基布5にニードリングして形成したバット繊維層6とを含む。基布5の丈方向の両端部には、それぞれ、複数のループ7が形成されている。フェルト本体2は、製紙マシンのプレスパートで使用され、両端部に設けられたループ7を互いにかみ合わせて、芯線8(図3参照)をループ7が画成する孔に挿通して両端部を接合することにより無端状にされ、その内側(走行面側)表面が製紙マシンのロール(図示せず)等に支持され、その外側(製紙面側)表面が湿紙を支持する。各々のループ7は、基布5における経糸が折り返されることにより形成される。ループ7は、バット繊維層6から突出している。以下の説明において、ループ7の「基端」とは、ループ7におけるバット繊維層6から突出し始める部分を意味する。
図3は、製紙用シームフェルト1の接合部周辺の縦断面図である。図1及び図3に示すように、フェルト本体2は、丈方向において、両端部から丈方向の中央に向かって所定の範囲に画定された1対の突き合わせ部9と、1対の突き合わせ部9の間に画定された中間部10とに区画される。1対の突き合わせ部9の丈方向の長さは、互いに等しくても良く、互いに異なっても良い。
1対の仮接合具3は、それぞれ、フェルト本体2の表面に固定される布地部11と、布地部11の一端縁に取り付けられたファスナーエレメント部12とを含む。また、1対のファスナーエレメント部12の何れか一方には、1対のファスナーエレメント部12を互いにかみ合わせるための、また、そのかみ合わせを解除するためのスライダー13がスライド可能に取り付けられている。すなわち、1対の仮接合具3は、線ファスナー(スライド式ファスナー)によって互いに接合される。
1対の仮接合具3は、それぞれ、布地部11におけるファスナーエレメント部12が取り付けられた端縁とは反対側の端縁の近傍において、互いのファスナーエレメント部12が向き合うことができるように、糸14によって、フェルト本体2によって縫い付けられている。ファスナーエレメント部12は、幅方向に平行に延在する。布地部11をフェルト本体2に縫い付けた糸14の縫製ラインは、幅方向に延在し、フェルト本体2における突き合わせ部9と中間部10との境界となる。この縫製ラインからファスナーエレメント部12までの距離は、この縫製ラインからループ7までの距離よりも短い。このため、1対の仮接合具3のファスナーエレメント部12を互いに係合させ、かつフェルト本体2の丈方向の両端部を互いに突き合わせると、突き合わせ部9は、突き合わさった両端部を頂点とする山形状をなす。仮接合具3をフェルト本体2に縫い付ける糸14の縫い方は、ミシンによる二重環縫いであることが好ましい。
フェルト本体2の丈方向の両端部の各々において、ループ7の先端から仮接合具3をフェルト本体2に縫い付ける糸14までの距離、すなわち、突き合わせ部9の丈方向の長さは、4cm以上かつ10cm以下であることが好ましく、6cm以上かつ8cm以下であることがより好ましい。本実施形態は、水溶性樹脂4を塗布する前において、7.0MPa以下、好ましくは5.0MPa以下、更に好ましくは3.0MPa以下の丈方向の曲げ弾性率を有する突き合わせ部9を備える製紙用シームフェルト1に適用されることが好ましい。
図4は、製紙用シームフェルト1の接合部周辺の平面図である。図4に示すように、突き合わせ部9におけるバット繊維層6の表面には、水溶性樹脂4が塗布されている。図示する例では、水溶性樹脂4は、フェルト本体2における仮接合具3(図3参照)が取り付けられた側とは反対側の表面に塗布されているが、反対側の表面に代えてフェルト本体2における仮接合具3が取り付けられた側と同じ側の表面に塗布されても良く、両方の表面に塗布されても良い。水溶性樹脂4は、幅方向の全体に渡って塗布されていることが好ましい。水溶性樹脂4は、突き合わせ部9内において、突き合わせ部9の丈方向の長さの1/2以上の丈方向長さを有することが好ましく、水溶性樹脂4のループ7側の端縁は、バット繊維層6の丈方向の端縁、又は平面視でループ7の基端に略重なる位置にあることが好ましい。なお、ここに記載した水溶性樹脂4の塗布範囲は塗布時のものであり、塗布された水溶性樹脂4は、乾燥するまでに、毛細管現象等によって周囲に染み込む場合もある。水溶性樹脂4として、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)若しくは加工でんぷん、又はこれらの組み合わせを使用することができるが、これら以外でも、同様の機能・効果を発揮させることができる樹脂を使用することができる。水溶性樹脂4の面密度は、20g/m以上かつ40g/m以下であることがより好ましく、30g/m以上かつ40g/m以下であることが更に好ましい。
図5は、製紙用シームフェルト1の変形例に係る接合部周辺の平面図である。図5に示すように、水溶性樹脂4のループ7側の端縁は、バット繊維層6の丈方向の端縁、又は平面視でループ7の基端に略重なる位置にあり、水溶性樹脂4における中間部10側の端縁は、突き合わせ部9と中間部10との境界又はその近傍に位置しても良い。水溶性樹脂4が突き合わせ部9と中間部10との境界を跨いで塗布されると、仮接合具3のフェルト本体2への縫い付け作業がやり難くなるため、水溶性樹脂4は、この境界を越えないように突き合わせ部9に塗布されることが好ましい。
図1及び図3を参照して、製紙用シームフェルト1の丈方向の両端部の接合方法について説明する。
製紙用シームフェルト1の製造工場にて、フェルト本体2の製造後、水溶性樹脂4が突き合わせ部9に塗布され、1対の仮接合具3がフェルト本体2に縫い付けられる。製紙用シームフェルト1は、製造工場から出荷されて製紙工場に運搬される。作業員は、製紙工場にて以下の作業を行う。
まず、製紙用シームフェルト1を製紙マシンの走行経路に引き込み、フェルト本体2の両端部を近接対向させる。
次に、1対の仮接合具3において、スライダー13を1対のファスナーエレメント部12上をスライド移動させて、ファスナーエレメント部12を互いにかみ合わせる。1対の仮接合具3は、フェルト本体2の両端部の近傍に取り付けられているため、フェルト本体2の両端部を付き合せた状態に保持できる。この時、1対の仮接合具3をフェルト本体2に縫い付けている糸14の縫製ラインからファスナーエレメント部12までの距離は、この縫製ラインからループ7までの距離よりも短いため、突き合わせ部9は、仮接合具3とは反対側に凸をなす山形状をなす。
次に、幅方向の一方の端部から他方の端部に向かって、丈方向の両端部のループ7が交互に配置されるようにループ7の孔を幅方向に整合させながら、ループ7の孔に、芯線8に連結したリードワイヤー(図示せず)を通す。リードワイヤーが幅方向の他方の端部に到達したら、リードワイヤーを引いて、ループ7の孔に芯線8を通す。
その後、スライダー13を逆方向にスライド移動させ、ファスナーエレメント部12のかみ合わせを解除する。更に、糸14を解いて、仮接合具3をフェルト本体2から取り外す。
紙の原料に代えて水を製紙マシンに投入して製紙マシンを作動させる水回し運転を行い、水溶性樹脂4をフェルト本体2から除去する。
上記実施形態の作用効果について説明する。
水溶性樹脂4によって、フェルト本体2のループ7の近傍部分の丈方向の曲げ弾性率が補強されるため、山形状に突き合わされた突き合わせ部9の反りが抑制され、リードワイヤー及び芯線8をループ7の孔に通す作業が容易になり、作業時間が短縮される。
また、水溶性樹脂4によって、フェルト本体2のループ7の近傍部分の幅方向の曲げ弾性率が補強されるため、リードワイヤーをループ7の孔に挿入する際に、ループ7の列が下方に凹んだり、折り曲がったりすることが抑制され、リードワイヤー及び芯線8をループ7の孔に通す作業が容易になり、作業時間が短縮される。
水溶性樹脂4は、水回し運転によって除去されるため、製紙マシンの性能に悪影響を与えない。また、水回し運転は、水溶性樹脂4の有無にかかわらずフェルト本体2を製紙マシンに馴染ませるために行われる作業であるため、水溶性樹脂4を除去するための新たな作業は実質的に発生しない。
水溶性樹脂4の面密度が20g/m未満だと、突き合わせ部9の剛性が十分に補強されず、水溶性樹脂4の面密度が40g/mより大きいと、突き合わせ部9の剛性は十分に補強されるが、水溶性樹脂4の除去のために水回し運転の時間を長くする必要がある。水溶性樹脂4の面密度が、20g/m以上かつ40g/m以下であるため、剛性の補強と水溶性樹脂4の除去効率とを両立できる。
水溶性樹脂4の面密度が大きすぎると、突き合わせ部9の剛性が高くなりすぎてしまい、丈方向の両端部のループ7を互いにかみ合わせる際に、筋を曲げること等のループ7の位置の細かい調整が難しくなる。水溶性樹脂4の面密度が、20g/m以上かつ40g/m以下であるため、芯線挿通作業性と水溶性樹脂4の除去効率とを両立できる。
水溶性樹脂4の丈方向の長さが、3cm以上かつ8cm以下であるため、ループ7のかみ合わせが行い易い。また、水溶性樹脂4の塗布範囲がこの程度の大きさであれば、ループのかみ合わせ作業及び芯線の挿通作業時に突き合わせ部9に加わる丈方向の曲げモーメントが過大にならないため、板状の補剛部材(図示せず)を取り付ける場合に比べて剛性の補強効果が小さい水溶性樹脂4であっても、突き合わせ部9の反り返りを抑制できる。
水溶性樹脂を塗布前の2つの試験片15について、丈方向曲げ弾性率を測定した。図6は、曲げ弾性率の測定を行った試験装置16(試験機:ストログラフ 形式E3-L(東洋精機製作所)、治具:3点曲げ治具 形式F-0(東洋精機製作所))を示す。試験装置16は、5mmの支持台半径(試験片15を支持する面の互いに対向する端部の丸み)を有し、支点間距離が40mmになるように配置された1対の支持台17と、5mmの圧子半径を有する圧子18とを備える。曲げ速度は5mm/分、試験片サイズは100mm×25mm、試験回数は各3回、室温19.5℃、湿度65%の恒温恒湿室内で、製紙面側が凹むように、試験片15を同室内に24時間以上放置してから、曲げ弾性率は測定された。また、各試験片15について、丈方向長さが8cmの突き合わせ部9が山形状になるように丈方向の端部を互いに突き合わせて、丈方向の両端部のループ7を互いかみ合わせて芯線8を挿通させる作業を行った。表1にその結果を示す。
曲げ弾性率が比較的高い第2試験片は、かみ合わせ作業及び芯線挿通作業とも問題なく作業することができた。曲げ弾性率が比較的低い第1試験片は、かみ合わせ作業及び芯線挿通作業ともやり難く、第2試験片に比べて作業に時間がかかった。
そのままではかみ合わせ作業及び芯線挿通作業がし難かった第1試験片について、ポリビニルアルコール樹脂製の水溶性樹脂4を、5、10、20、30、40、50、60g/mの面密度で塗布し、かみ合わせ作業及び芯線挿通作業を行った。突き合わせ部9の丈方向長さは8cmであり、水溶性樹脂4の丈方向の長さはループ7の基端から5cmであった。水溶性樹脂4の塗布は、スプレーガンにより行われた。結果を表2に示す。
水溶性樹脂4の塗布量が10g/m未満だと、あまり剛性が付与されずループ7のかみ合わせ作業や芯線挿通作業がやり難かった。水溶性樹脂4の塗布量が10g/m以上だと、ループ7のかみ合わせ作業性が改善され、特に20~40g/mだと、ループ7のかみ合わせ作業及び芯線挿通作業の両方がやり易く問題なく実施できた。50g/mと60g/mの水溶性樹脂4の塗布量については、ループ7のかみ合わせ作業性は改善されたが、芯線挿通作業がややし難かった。これは、樹脂量が多いことでループ7内まで樹脂が少し入り込むことで、樹脂が抵抗となり、芯線の挿通が阻害されるためである。
第1試験片の丈方向長さが6cmの場合について、ポリビニルアルコール樹脂製の水溶性樹脂4を、丈方向の長さ(ループ7の基端からの長さ)2、3、4、6cmで塗布し、かみ合わせ作業及び芯線挿通作業を行った。また、第1試験片の丈方向長さが8cmの場合について、ポリビニルアルコール樹脂製の水溶性樹脂4を、丈方向の長さ(ループ7の基端からの長さ)2、3、4、6、8cmで塗布し、かみ合わせ作業及び芯線挿通作業を行った。塗布した水溶性樹脂4の面密度は40g/mであった。結果を表3に示す。
水溶性樹脂4の丈方向長さが、突き合わせ部9の丈方向長さの1/2未満だと、水溶性樹脂4を塗布していない部分の反りが大きく、ループ7のかみ合わせ作業や芯線挿通作業がやり難かった。水溶性樹脂4の丈方向長さが、突き合わせ部9の丈方向長さの1/2以上だと、水溶性樹脂4を塗布していない部分が反ってもその影響が小さく、ループ7のかみ合わせ作業や芯線挿通作業がやり易かった。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。1対の仮接合具は、線ファスナーに代えて、複数のスナップボタン等が設けられた点ファスナーによって仮接合されても良く、面ファスナーによって仮接合されても良く、仮接合具本体の各々に複数の孔が設けられ、これらの孔に挿通される紐等によって仮接合されても良い。水溶性樹脂の塗布後に1対の仮接合具を縫い付けることに代えて、1対の仮接合具の縫い付け後に水溶性樹脂を塗布しても良い。
1 :製紙用シームフェルト
2 :フェルト本体
3 :仮接合具
4 :水溶性樹脂
6 :バット繊維層
7 :ループ
8 :芯線
9 :突き合わせ部
10 :中間部

Claims (5)

  1. 基布、及び前記基布に一体化されたバット繊維層を含み、丈方向の両端部に互いにかみ合わされるべき複数のループが設けられ、前記丈方向において、前記両端部から前記丈方向の中央に向かって所定の範囲に画定された1対の突き合わせ部と、1対の前記突き合わせ部の間に画定された中間部とに区画されたフェルト本体と、
    前記フェルト本体における1対の前記突き合わせ部と前記中間部との境界に取り外し可能に取り付けられており、互いに係合及び離脱が可能であり、互いに係合した状態において、1対の前記突き合わせ部が山形状をなすように前記両端部を互いに突き合わせた状態に保持する1対の仮接合具と、
    を備え、
    1対の前記突き合わせ部の少なくとも一方は、前記ループの近傍における前記バット繊維層の少なくとも一方の表面に、水溶性樹脂が塗布されており、
    塗布された前記水溶性樹脂の前記丈方向の長さは、前記突き合わせ部の前記丈方向の長さの1/2以上である、製紙用シームフェルト。
  2. 前記突き合わせ部に塗布された前記水溶性樹脂の前記丈方向の長さが、3cm以上かつ8cm以下である、請求項1に記載の製紙用シームフェルト。
  3. 前記水溶性樹脂が塗布される前の前記突き合わせ部は、前記丈方向において7.0MPa以下の曲げ弾性率を有する、請求項1に記載の製紙用シームフェルト。
  4. 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル若しくは加工でんぷん、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1~3の何れか1項に記載の製紙用シームフェルト。
  5. 前記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールを含み、
    前記突き合わせ部に塗布された前記水溶性樹脂は、20g/m以上かつ40g/m以下の面密度を有する、請求項4に記載の製紙用シームフェルト。
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