JP7842816B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
本開示は、空気入りタイヤに関するものである。
タイヤの溝が路面に接地するとき、及び、溝が路面から離れるときに、エアーポンピング音等と呼ばれるノイズが発生することがある。エアーポンピング音は、トレッドパターンの溝と路面で挟まれた管状の空気がトレッドパターンの溝壁の変形、振動入力と共鳴して発生する。エアーポンピング音は、車両走行時の騒音のうちの1つであり、低減されることが望まれている。
エアーポンピング音を低減するために、サイプ内に空間を追加する技術が特許文献1に開示されている。
しかし、特許文献1の構成では、サイプが路面に接地した状態ではサイプ内部が密閉された状態となりやすく、サイプが路面に接地するとき、及び、離れるときにおける状態変化が大きいことから、エアーポンピング音が発生する場合があった。
本開示の課題は、従来よりもさらにエアーポンピング音を低減できる空気入りタイヤを提供することである。
本開示の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に沿って延在する複数の主溝と、タイヤ軸方向に延在する成分を有する幅方向溝とにより構成されたトレッドパターンを有する空気入りタイヤであって、前記幅方向溝は、いずれも溝幅が4mm未満であって、前記幅方向溝のうち少なくとも一部は、接地面からタイヤ径方向内側に延びる主部と、前記主部を構成する溝壁に設けられ空間を形成する副部とからなり、前記副部は、前記主部の対向する溝壁の一方に形成される第1副部と、他方に形成される第2副部とからなり、前記第1副部と前記第2副部とは、対向する溝壁にそれぞれ複数形成されており、前記第1副部と、前記第2副部とは、タイヤ径方向に延び、且つ、前記溝壁に直交する方向から見たとき、互いに交差するように形成された副部付き溝であって、前記主部は、前記主溝と連通している、
本開示によれば、従来よりもさらにエアーポンピング音を低減できる空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本開示を実施するための一形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本開示による空気入りタイヤであるタイヤ1を車幅方向外側から見た部分斜視図である。図2は、本開示による空気入りタイヤであるタイヤ1を車幅方向内側から見た部分斜視図である。図3は、本開示による空気入りタイヤであるタイヤ1のトレッド面を平面状に展開して示す部分展開図である。図4は、図3をさらに部分的に拡大した部分拡大展開図である。図5は、図4中の矢印A-Aの位置でタイヤ1を切断したタイヤ軸方向断面図である。実施形態に係るタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤである。なお、実施形態に係るタイヤ1の構成は、乗用車の他に、ライトトラック、トラック、バス等の各種車両用として採用することができる。
図1は、本開示による空気入りタイヤであるタイヤ1を車幅方向外側から見た部分斜視図である。図2は、本開示による空気入りタイヤであるタイヤ1を車幅方向内側から見た部分斜視図である。図3は、本開示による空気入りタイヤであるタイヤ1のトレッド面を平面状に展開して示す部分展開図である。図4は、図3をさらに部分的に拡大した部分拡大展開図である。図5は、図4中の矢印A-Aの位置でタイヤ1を切断したタイヤ軸方向断面図である。実施形態に係るタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤである。なお、実施形態に係るタイヤ1の構成は、乗用車の他に、ライトトラック、トラック、バス等の各種車両用として採用することができる。
図1、図2、図5に示した断面形状は、タイヤ1を図示しない正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷状態でのタイヤ軸方向断面図(タイヤ子午線断面図)である。正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRA、及びETRTOであれば”Measuring Rim”である。正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、トラックバス用タイヤ、ライトトラック用タイヤの場合は、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば”INFLATION PRESSURE”である。乗用車用タイヤの場合は通常180kPaとするが、タイヤに、Extra Load、又は、Reinforcedと記載されたタイヤの場合は220kPaとする。
図5において、符号S1はタイヤ赤道面である。タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸に直交する面であってタイヤ軸方向中央に位置する面である。タイヤ1の基本的な内部構造は、タイヤ軸方向断面において、タイヤ赤道面S1を対称面として左右対称である。なお、後述するように本実施形態のタイヤ1のトレッドパターンは、タイヤ軸方向で非対称であることから、タイヤ1の内部構造についても非対称としてもよい。
ここで、タイヤ軸方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図5の断面図における紙面左右方向である。図1、図2、図5においては、タイヤ軸方向Xとして図示している。そして、タイヤ軸方向内側とは、タイヤ赤道面S1に近づく方向であり、図5においては、紙面中央側である。タイヤ軸方向外側とは、タイヤ赤道面S1から離れる方向であり、図5においては、紙面左側及び右側である。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1における紙面上下方向である。図1、図2、図5においては、タイヤ径方向Yとして図示している。そして、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図5においては、紙面上側である。タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図5においては、紙面下側である。
図1から図5に示す実施形態のタイヤ1のトレッド面37に設けられたトレッドパターン38は、タイヤ軸方向で非対称であり、タイヤ1は、車両に装着する向きが指定されている。すなわち、タイヤ1は、車両に装着された状態でのタイヤ軸方向の両側のうち、車両の外側に配置される側と、車両の内側に配置される側とが指定されている。車両に装着する向きは、トレッドパターン38に基づく。図1から図5には、タイヤ1において車両の外側に配置される側を車幅方向外側として示し、車両の内側に配置される側を車幅方向内側として示している。
実施形態のタイヤ1は、タイヤ軸方向両側に設けられた一対のビード(不図示)と、一対のビードのそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール(不図示)と、一対のサイドウォールの間に配置されたトレッド30と、一対のサイドウォールのそれぞれからトレッド30に移行する部分である一対のショルダー40と、一対のビードの間に架け渡されて配置されたカーカスプライ(不図示)と、カーカスプライのタイヤ内腔側に配置されたインナーライナー(不図示)と、を備える。なお、ビード、サイドウォール、カーカスプライ、インナーライナー等のタイヤ内部の具体的な形態は、従来公知の構成を適宜用いることができるので、詳細な説明は省略する。また、ビード、サイドウォール、カーカスプライ、インナーライナー等の他に追加の構成を備えていてもよいし、これらの一部を省略してもよい。
トレッド30は、トレッドゴム36を有する。トレッドゴム36は、キャッププライ(不図示)のタイヤ径方向外側に配置されている。トレッドゴム36は、トレッド30の外表面であるトレッド面37を構成する。
ショルダー40は、タイヤ1が車両に装着された状態で、車幅方向内側に配置される内側ショルダー40Aと、タイヤ1が車両に装着された状態で車幅方向外側に配置される外側ショルダー40Bと、を含む。
次に、トレッドパターン38について説明する。図3及び図4には、タイヤ軸方向X、車幅方向外側、車幅方向内側の他に、タイヤ周方向C及びタイヤ赤道S2を示している。タイヤ赤道S2は、タイヤ軸方向中央をタイヤ周方向に沿って延びる仮想的な線である。
図1から図5に示すように、実施形態のトレッドパターン38は、トレッド面37に開口する複数の主溝100(110、120、130)と、複数の陸200(210、220、230、240)と、を含む。複数の陸200はタイヤ軸方向に区画され、主溝100のそれぞれは、陸200の間に配置されている。複数の主溝100及び複数の陸200は、いずれもタイヤ周方向に沿って環状に延びている。以下の説明で、主溝100及び陸200における幅方向とは、タイヤ軸方向と同じ方向であり、主溝100及び陸200における幅とは、タイヤ軸方向の寸法をいう。
実施形態の主溝100は、タイヤ軸方向において、車幅方向内側から車幅方向外側に向けて、内側主溝110と、中間主溝120と、外側主溝130との順で平行に並んでタイヤ周方向Cに沿って延在している。
内側主溝110は、タイヤ1が車両に装着された状態で、タイヤ赤道S2及び中間主溝120よりも車幅方向内側に配置される。
中間主溝120は、タイヤ1が車両に装着された状態で、タイヤ赤道S2よりもやや車幅方向内側に配置される。なお、中間主溝120は、タイヤ赤道S2と重なる位置に配置されてもよいし、タイヤ赤道S2よりもやや車幅方向外側に配置されてもよい。
外側主溝130は、タイヤ1が車両に装着された状態で、タイヤ赤道S2及び中間主溝120よりも車幅方向外側に配置される。
内側主溝110と、中間主溝120と、外側主溝130とは、概ね同じ幅を有し、その幅は、例えば5mm以上15mm以下程度であり、その深さは、6mm以上18mm以下程度であるが、これに限定されない。なお、各主溝100(110、120、130)の幅及び深さは全て異なっていてもよく、一部が同じであってもよい。
実施形態の陸200は、タイヤ軸方向において、車幅方向内側から車幅方向外側に向けて、内側ショルダー陸210と、第1の陸220と、第2の陸230と、外側ショルダー陸240との順で平行に並んでタイヤ周方向Cに沿って延在している。
内側ショルダー陸210は、内側主溝110と内側ショルダー40Aとの間に配置される。内側ショルダー陸210は、タイヤ1が車両に装着された状態で、車幅方向内側に配置される。内側ショルダー陸210の車幅方向内側の端は、内側ショルダー40Aになだらかに連続する。
第1の陸220は、中間主溝120と内側主溝110との間に配置されている。第2の陸230は、中間主溝120と外側主溝130との間に配置されている。第1の陸220及び第2の陸230は、いずれもタイヤ全周にわたるリブ状の部分である。タイヤ1が車両に装着された状態で、第1の陸220が第2の陸230よりも車幅方向内側に配置される。第1の陸220及び第2の陸230の幅は略同じであって、例えば15mm以上30mm以下程度であるがこれに限定されない。なお、第1の陸220と第2の陸230の幅は異なっていてもよい。
外側ショルダー陸240は、外側主溝130と外側ショルダー40Bとの間に配置される。外側ショルダー陸240は、タイヤ1が車両に装着された状態で、車幅方向外側に配置される。外側ショルダー陸240の車幅方向外側の端は、外側ショルダー40Bになだらかに連続する。
実施形態の内側ショルダー陸210及び外側ショルダー陸240の幅(それぞれの陸形状の意匠の端から主溝際までの距離)は、第1の陸220及び第2の陸230よりも大きく、内側ショルダー陸210の幅が外側ショルダー陸240の幅よりもやや小さい。内側ショルダー陸210の幅は、例えば30mm以上60mm以下程度であり、外側ショルダー陸240の幅は、例えば40mm以上70mm以下程度であるが、これに限定されない。なお、内側ショルダー陸210の幅が外側ショルダー陸240の幅より大きくてもよく、両者の幅が同じであってもよい。
また、実施形態のタイヤ1のトレッドパターン38には、上述した主溝の他に、副溝、複数のサイプ、斜面部等がさらに設けられている。以下、これらについて説明する。先ず、タイヤ周方向に沿って延在する斜面部について説明する。
内側主溝110の縁には、内側周方向斜面部111が設けられている。内側周方向斜面部111は、内側主溝110の車幅方向内側の溝壁の縁、すなわち、内側主溝110と内側ショルダー陸210との接続部分の縁に面取り状に設けられている。内側周方向斜面部111は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、タイヤ周方向Cに延在する。内側周方向斜面部111のタイヤ径方向の深さ(内側ショルダー陸210の表面からの深さ)は、例えば、0.5mm以上2.0mm以下とすることができる。また、内側周方向斜面部111のタイヤ軸方向の幅は、0.5mm以上2.0mm以下とすることができる。内側周方向斜面部111のタイヤ径方向の深さ及びタイヤ軸方向の幅は、場所によらずに一定である。なお、一定とは、厳密に同一の値であることではなく、製造誤差等による寸法ばらつきは許容するものである。
中間主溝120の縁には、中間第1周方向斜面部121が設けられている。中間第1周方向斜面部121は、中間主溝120の車幅方向内側の溝壁の縁、すなわち、中間主溝120と第1の陸220との接続部分の縁に面取り状に設けられている。中間第1周方向斜面部121は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、タイヤ周方向Cに延在する。中間第1周方向斜面部121のタイヤ径方向の深さ(第1の陸220の表面からの深さ)は、例えば、0.5mm以上2.0mm以下とすることができる。また、中間第1周方向斜面部121のタイヤ軸方向の幅は、0.5mm以上2.0mm以下とすることができる。中間第1周方向斜面部121のタイヤ径方向の深さ及びタイヤ軸方向の幅は、場所によらずに一定である。なお、一定とは、厳密に同一の値であることではなく、製造誤差等による寸法ばらつきは許容するものである。
外側主溝130の縁には、外側周方向斜面部450が設けられている。外側周方向斜面部450は、外側主溝130の車幅方向外側の溝壁の縁、すなわち、外側主溝130と外側ショルダー陸240との接続部分の縁に面取り状に設けられている。外側周方向斜面部450は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、タイヤ周方向Cに延在する。外側周方向斜面部450は、タイヤ周方向Cの位置によってタイヤ軸方向の幅とタイヤ径方向の深さとが変化する。
外側周方向斜面部450のタイヤ径方向の深さ(外側ショルダー陸240の表面からの深さ)は、例えば、深さが最小の部位で0.3mm以上1.0mm以下とすることができ、深さが最大の部位で3.5mm以上6.0mm以下とすることができる。外側周方向斜面部450の幅方向の幅は、例えば、幅が最小の部位で0.5mm以上1.5mm以下とすることができ、深さが最大の部位で2.5mm以上7.0mm以下とすることができる。
上記各主溝の縁に設けられた各斜面を設けることにより、排水性を高め、且つ、対応する箇所の陸(内側ショルダー陸210、第1の陸220、外側ショルダー陸240)の偏摩耗を抑制することができる。また、外側周方向斜面部450については、幅と深さが比較的大きな部位を設けることにより意匠性の向上と排水性を高め、且つ、幅と深さを徐々に小さく変化(以下、「徐変」とも記載)することにより、偏摩耗の抑制効果の維持と、設置面積が減少することを防止している。これにより、ドライ路面における操縦安定性とウェット路面における操縦安定性とを両立することが可能となる。
また、外側周方向斜面部450の最大深さに対して内側周方向斜面部111の深さの比率は、5%以上40%以下であることが望ましい。内側周方向斜面部111の深さと外側周方向斜面部450の最大深さとの比率を上記範囲とすることにより、車幅方向外側における排水性を高めることができる。
また、第2の陸230のタイヤ軸方向の略中央には、中間第2周方向斜面部430が設けられている。中間第2周方向斜面部430は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、タイヤ周方向Cに延在する。中間第2周方向斜面部430は、タイヤ周方向Cの位置によってタイヤ軸方向の幅とタイヤ径方向の深さとが変化する。中間第2周方向斜面部430の深さ及び幅は、外側周方向斜面部450と同様である。
中間第2周方向斜面部430は、外側周方向斜面部450をタイヤ展開状態においてトレッド面37の法線方向から見て180度回転させた形状となっている。すなわち、中間第2周方向斜面部430と外側周方向斜面部450とでは、幅及び深さが広い側から狭い側となる向きが逆になっている。図3の状態では、幅及び深さが広い側は、中間第2周方向斜面部430では紙面下側であるが、外側周方向斜面部450では、紙面上側である。上述したように、実施形態のタイヤ1のトレッドパターン38は左右非対称であり、車両への装着位置によって走行時の回転する向きが異なる。しかし、中間第2周方向斜面部430と外側周方向斜面部450とでは、幅及び深さが広い側から狭い側となる向きが逆になっているので、いずれの向きにタイヤ1が回転しても、排水特性に大きな変化が生じず、安定した排水性を得ることができる。
また、陸200、すなわち、内側ショルダー陸210と、第1の陸220と、第2の陸230と、外側ショルダー陸240とには、タイヤ軸方向に延在する成分を有する軸方向溝が設けられている。軸方向溝としては、いわゆるサイプとラグ溝と棚部、細溝等が従来から用いられている。ここで、サイプとは、溝幅が2.0mm以下であることが望ましく、より望ましくは1.5mm未満の溝であって、溝深さ(接地面(トレッド面37)からの深さ)が4.5mm以上且つ各主溝の溝深さより浅い溝であると定義する。また、溝幅はサイプと同等であるがサイプよりも溝深さが浅い部分を含む溝を棚部と定義する。また、ラグ溝とは、溝幅が4.0mm以上の溝であると定義する。また、溝幅が2.0mmを超え、4.0mm未満である細溝も用いられる場合もある。実施形態のタイヤ1のトレッドパターン38には、軸方向溝として上記定義におけるラグ溝を設けず、すなわち、溝幅が4.0mm未満である横方向溝であるサイプと斜面部、細溝、棚部等を組み合わせてトレッドパターン38を構成している。ラグ溝を設けていないことにより、パターンノイズを大幅に低減することができる。また、サイプと斜面部の構成を適切に行うことにより、ノイズ低減、排水性の確保、操縦安定性の向上等の優れた効果を実現している。これらサイプや斜面部等の構成について以下に説明する。
内側ショルダー陸210には、第1サイプ310と、第2サイプ320とが設けられている。
第1サイプ310は、図3、図4に示す展開図において、略タイヤ軸方向に延在しているが、僅かにタイヤ軸方向に対して傾斜して延在している。また、第1サイプ310は、僅かに湾曲した弧状に形成されている。第1サイプ310は、車幅方向内側の端部が内側ショルダー40Aの近傍にあり、車幅方向外側の端部が内側主溝110に連通している。第1サイプ310の溝幅は、1.5mm未満であればよいが、製造上の理由から、1.0mm以上であることが望ましい。また、第1サイプ310の溝深さは、例えば、4.5mm以上7.0mm以下を例示できる。
図6は、第1サイプ310の中央で溝に沿って切断した断面図であり、図4中の矢印D1-D1の向きから見た断面図である。図7は、第1サイプ310の中央で溝に沿って切断した断面図であり、図4中の矢印D2-D2の向きから見た断面図である。図8は、第1サイプ310を図6中の矢印E-Eの位置で切断した断面図である。第1サイプ310は、主部311と、副部312(第1副部312a、第2副部312b)とを備えた副部付き溝であって、溝幅が1.5mm未満であることから副部付きサイプとも呼ぶこととする。この副部付きサイプ(第1サイプ310)の幅は、副部312を含めて3mm以下である。副部付きサイプ(第1サイプ310)の幅を副部312を含めて3mm以下とすることにより、剛性を確保し偏摩耗の抑制に寄与し、また、操縦安定性を確保するという効果がある。
図6に示すように、第1サイプ310は、内側ショルダー陸210の表面(接地面)からタイヤ内径方向に延びる主部311と、この主部311を構成する各対向面から斜めに延びる副部312とで構成されている。第1サイプ310の主部311は、対向面(溝壁)の間隔(主部311の幅寸法)が2.0mm以下であることが望ましく、より望ましくは1.5mm以下であり、深さが4mm以上10mm以下の薄板状の空間である。
副部312は、主部311を構成する溝壁に設けられ空間を形成する。副部312は、タイヤ径方向に対して傾斜して並設されて複数で構成されており、対向面の間隔(副部312の幅寸法)が1.5mm以下であり、深さが0.8mm以上1.5mm以下である。ここでは、各副部312は、タイヤ径方向に対して45°傾斜している。また副部312は、主部311の対向面間で傾斜方向が相違する第1副部312aと第2副部312bとで構成されている。ここでは、第1副部312aと第2副部312bとは、タイヤ径方向に対して線対称となるように傾斜方向が逆向きとされている。すなわち、副部312は、主部311の対向する溝壁の一方に形成される第1副部312aと、他方に形成される第2副部312bとからなり、第1副部312aと第2副部312bとは、対向する溝壁にそれぞれ複数形成されている。そして、第1副部312aと、第2副部312bとは、タイヤ径方向に延び、且つ、溝壁に直交する方向から見たとき、互いに交差するように形成されている。
このように第1副部312aと第2副部312bとで傾斜方向を対向面間で相違させることにより、トレッド面37が接地した際の変形で主部311の隙間がなくなった場合であっても、第1副部312aと第2副部312bとが交差して互いに連通することになる。
また、第1サイプ310は、主部311が内側主溝110に連通している。一方、内側主溝110に最も近い位置に設けられた第1副部312a及び第2副部312bのいずれも、内側主溝110から離間して配置されている。すなわち、第1サイプ310は、第1副部312aと、第2副部312bの双方とも、直接には内側主溝110に連通していない。
上記構成の第1サイプ310を備えた空気入りタイヤで路面を走行する際、踏込時、トレッド面37が路面に当接して変形すると、第1サイプ310の主部311が圧縮により変形して対向面を密着させる。このとき、主部311が圧縮されて対向面同士が圧接した状態となる。この圧接状態では、副部312はその形状を維持可能であり、対向面にそれぞれ形成した第1副部312aと第2副部312bとが重なり合って互いに連通し、全体として1つの空間を形成する。したがって、主部311が圧縮されることにより少なくなった内容積分の空気は、互いに連通した第1副部312aと第2副部312bとで形成される空間へと広がる。また、第1サイプ310は、主部311が内側主溝110に連通していることから主部311で圧縮された空気の一部が内側主溝110へ移動することができる。さらに、第1サイプ310は、主部311が第1副部312aと、第2副部312bの双方と連通していることから、第1副部312a及び第2副部312bに広がった空気の一部が内側主溝110へ移動することができる。以上の作用によって、第1サイプ310内の空気が急激に圧縮されることがない。
また、蹴出時、トレッド面37が路面から離れて形状を復帰させることにより、主部311の内容積が増大する。この場合、第1副部312a及び第2副部312bとから空気が戻され、第1サイプ310内の空気が急激に膨張されることがない。また、第1サイプ310は、主部311が内側主溝110に連通していることから主部311へ内側主溝110から空気が移動することができる。さらに、第1サイプ310は、主部311が第1副部312aと、第2副部312bの双方と連通していることから、主部311へ第1副部312a及び第2副部312bを介して空気が移動することができる。
以上のように、踏込時及び蹴出時のいずれの場合であっても、第1サイプ310における急激な空気の移動が緩和され、ポンピングノイズをより一層低減、又は、実質的に発生させることを防止できる。また、実施形態の第1サイプ310は、第1副部312aと、第2副部312bの双方とも、直接には内側主溝110に連通していない。これにより内側ショルダー陸210の剛性低下を抑制できる。
第2サイプ320は、図3、図4に示す展開図においては、第2サイプ320に近い形状に見える。すなわち、第2サイプ320は、図3、図4に示す展開図において、略タイヤ軸方向に延在しているが、僅かにタイヤ軸方向に対して傾斜して延在している。また、第2サイプ320は、僅かに湾曲した弧状に形成されている。第2サイプ320は、第1サイプ310に設けられている副部に相当する構成を備えていない副部無しサイプである。
第2サイプ320は、車幅方向内側の端部が内側ショルダー40Aの近傍にあり、端部溝321を介してタイヤ軸方向外側端部に連通している。端部溝321は、第2サイプ320及びタイヤ軸方向外側端部に連通し、深さが1mm以下であってタイヤ軸方向外側に向かって幅が広く構成されている。
また、第2サイプ320は、車幅方向外側の端部が内側主溝110に到達してはいないが、端部溝322を介して内側主溝110に連通している。端部溝322は、第2サイプ320及び内側主溝110に連通し、深さが1mm以下であってタイヤ軸方向内側に向かって幅が広く構成されている。
第2サイプ320の溝幅は、1.5mm未満であればよいが、0.8mm以上であることが望ましい。また、第2サイプ320の溝深さは、例えば、4.0mm以上7.0mm以下を例示できる。
上述したように第2サイプ320の車幅方向内側が外部へ直接は連通しておらず、第2サイプ320の車幅方向外側も内側主溝110へ直接は連通していない。これにより、内側ショルダー陸210が必要以上に剛性が低くなることを防いでいる。その一方で、第2サイプ320は、端部溝321を介して車幅方向内側が外部へ連通し、且つ、端部溝322を介して内側主溝110に連通している。これにより、十分な排水性を確保でき、また、空気の通り道を確保することによりエアーポンピング音を抑制している。
また、図3及び図4に示すように、第1サイプ310と第2サイプ320とは、タイヤ周方向Cにおいて交互に配置されている。これにより、剛性を均一化できる。
第1の陸220には、第3サイプ330と、第3サイプ斜面部410、420が設けられている。
第3サイプ330は、図3、図4に示す展開図において、内側主溝110及び中間主溝120に対して角度をもって斜めに延在している。また、第3サイプ330は、僅かに湾曲した弧状に形成されている。第3サイプ330は、第1サイプ310に設けられている副部に相当する構成を備えていない副部無しサイプである。
第3サイプ330の溝幅は、1.5mm未満であればよいが、0.8mm以上であることが望ましい。また、第3サイプ330の溝深さは、例えば、4.0mm以上7.0mm以下を例示できる。
第3サイプ330の車幅方向内側の端部は、内側主溝110に連通している。一方、第3サイプ330の車幅方向外側の端部は、中間主溝120に連通していない。よって、第1の陸220は、タイヤ周方向Cにおいて全周で連続して繋がった構造を有している。これにより、中間主溝120が連通しないので、ワイピングによるブロックの倒れ込みを抑制し、周方向リブとしての剛性を確保できる。なお、ワイピングとは、路面との接地に伴うタイヤ幅方向中央に向かう面内収縮力が発生し、トレッドゴムがタイヤ幅方向に沿った変形をすることである。
第3サイプ斜面部410、420は、第3サイプ330の一方の縁、すなわち、第3サイプ330と第1の陸220との接続部分の縁に略面取り状に形成されている。第3サイプ斜面部410、420は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、第3サイプ330に沿って延在する。
第3サイプ斜面部410、420の車幅方向内側の端部は、内側主溝110に連通している。一方、第3サイプ斜面部410、420の車幅方向外側の端部は、中間主溝120に到達しておらず、連通していない。
第3サイプ斜面部410と、第3サイプ斜面部420とでは、延在する長さが異なっている。第3サイプ斜面部410の車幅方向外側の端部は、第1の陸220のタイヤ軸方向の中央付近にある。一方、第3サイプ斜面部420の車幅方向外側の端部は、第1の陸220のタイヤ軸方向の中央付近よりもさらに車幅方向外側、すなわち、第3サイプ斜面部410の車幅方向外側の端部よりも車幅方向外側にある。また、第3サイプ斜面部410と、第3サイプ斜面部420とは、タイヤ周方向Cにおいて交互に配置されている。
第3サイプ斜面部410、420のタイヤ径方向の深さ(第1の陸220の表面からの深さ)は、例えば、2.0mm以上3.5mm以下とすることができる。また、第3サイプ斜面部410、420の延在方向に直交する方向の幅は、1.5mm以上3.5mm以下とすることができる。第3サイプ斜面部410、420のタイヤ径方向の深さ及び延在方向に直交する方向の幅は、場所によらずに一定である。なお、一定とは、厳密に同一の値であることではなく、製造誤差等による寸法ばらつきは許容するものである。
第2の陸230には、先に説明した中間第2周方向斜面部430の他に、第4サイプ340と、第4サイプ斜面部440と、第5サイプ350とが設けられている。
第4サイプ340は、図3、図4に示す展開図において、中間主溝120に対して角度をもって斜めに直線状に延在している。第4サイプ340は、第1サイプ310に設けられている副部に相当する構成を備えていない副部無しサイプである。
第4サイプ340の溝幅は、1.5mm未満であればよいが、製造上の理由から、0.6mm以上であることが望ましい。また、第4サイプ340の溝深さは、例えば、4.0mm以上7.0mm以下を例示できる。
第4サイプ340の車幅方向内側の端部は、中間主溝120に連通していない。また、第4サイプ340の車幅方向外側の端部は、第5サイプ350にも外側主溝130にも連通していない。よって、第2の陸230は、タイヤ周方向Cにおいて全周で連続して繋がった構造を有している。これにより、中間主溝120が連通しないので、ワイピングによるブロックの倒れ込みを抑制し、周方向リブとしての剛性を確保できる。
第4サイプ斜面部440は、第4サイプ340の一方の縁、すなわち、第4サイプ340と第2の陸230との接続部分の縁に略面取り状に形成されている。第4サイプ斜面部440は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、第4サイプ340に沿って延在する。
第4サイプ斜面部440の車幅方向内側の端部は、中間主溝120に連通していない。また、第4サイプ斜面部440の車幅方向外側の端部は、中間第2周方向斜面部430と繋がっている。
第4サイプ斜面部440は、その延在方向の位置によって第4サイプ斜面部440の延在方向に直交する方向の幅とタイヤ径方向の深さとが変化する。第4サイプ斜面部440の深さは、例えば、深さが最小の部位で0.3mm以上1.0mm以下とすることができ、深さが最大の部位で3.5mm以上7.0mm以下とすることができる。第4サイプ斜面部440の延在方向に交差する方向の幅は、例えば、幅が最小の部位で0.5mm以上1.5mm以下とすることができ、深さが最大の部位で2.5mm以上7.0mm以下とすることができる。
第5サイプ350は、図3、図4に示す展開図において、中間主溝120に対して角度をもって斜めに直線状に延在している。第5サイプ350は、第1サイプ310に設けられている副部に相当する構成を備えていない副部無しサイプである。また、第5サイプ350は、第4サイプ340の車幅方向外側の端部をそのまま延長した延長線上に配置されている。
第5サイプ350の溝幅及び溝深さは、第4サイプ340と同様な範囲とすることができるが、本実施形態の第5サイプ350の溝幅は、第4サイプ340よりも狭く構成している。
第5サイプ350の車幅方向内側の端部は、第4サイプ340に連通していない。また、第5サイプ350の車幅方向外側の端部は、外側主溝130に連通している。
外側ショルダー陸240には、先に説明した外側周方向斜面部450の他に、棚部360と、棚斜面部460と、副溝150と、棚部370と、棚斜面部470と、第8サイプ380と、第9サイプ390とが設けられている。
棚部360は、図3、図4に示す展開図において、外側主溝130に対して角度をもって斜めに直線状に延在している。棚部360は、第1サイプ310に設けられている副部に相当する構成を備えていない副部無しサイプである。
棚部360の溝幅は、1.5mm未満であればよいが、0.8mm以上であることが望ましい。また、棚部360の溝深さは、例えば、3.5mm以上7.0mm以下を例示できる。ここで、「棚部」と「サイプ」との分類について説明する。先に説明したように、サイプとは、溝幅が2.0mm以下であることが望ましく、より望ましくは1.5mm未満の溝であって、溝深さが4.5mm以上且つ各主溝の溝深さより浅い溝である。これに対して、棚部とは、上述するように、サイプよりも溝深さが浅い部分を含む。なお、本実施形態では、棚部として、棚部360の他に、後述する棚部370も設けられている。
棚部360の車幅方向内側の端部は、外側主溝130に連通している。また、棚部360の車幅方向外側の端部は、副溝150に連通している。
棚斜面部(外側交差斜面)460は、外側周方向斜面部450に交差する方向に延在し、タイヤ径方向Cに対して傾斜した方向に延在する。棚斜面部460は、棚部360の一方の縁、すなわち、棚部360と外側ショルダー陸240との接続部分の縁に略面取り状に形成されている。棚斜面部460は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、棚部360に沿って延在する。
棚斜面部460の車幅方向内側の端部は、外側周方向斜面部450に繋がっている。また、棚斜面部460の車幅方向外側の端部は、副溝に連通している。
棚斜面部460は、その延在方向の位置によって棚斜面部460の延在方向に直交する方向の幅とタイヤ径方向の深さとが変化する。棚斜面部460の深さ及び幅は、第4サイプ斜面部440と同様である。
副溝150は、タイヤ周方向に沿って延在している。副溝150の深さは、例えば、主溝よりも浅くすることができる。また、副溝150のタイヤ軸方向の幅は、例えば、0.5mm以上3.0mm以下程度とすることができる。
棚部370は、図3、図4に示す展開図において、副溝150に対して角度をもって斜めに直線状に延在している。棚部370は、棚部360の延長線上に配置されている。棚部370は、第1サイプ310に設けられている副部に相当する構成を備えていない副部無しサイプである。
棚部370の溝幅は、4.0mm未満であればよいが、製造上の理由から、0.8mm以上であることが望ましい。また、棚部370の溝深さは、例えば、0.3mm以上1.0mm以下を例示できる。
棚部370の車幅方向内側の端部は、副溝150に連通している。また、棚部370の車幅方向外側の端部は、外側ショルダー陸240の中間位置にあって、外部に連通していない。
棚斜面部470は、棚部370の一方の縁、すなわち、棚部370と外側ショルダー陸240との接続部分の縁に略面取り状に形成されている。棚斜面部470は、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなるタイヤ径方向に対して傾斜した斜面であって、棚部370に沿って延在する。
棚斜面部470の車幅方向内側の端部は、副溝150に連通している。また、棚斜面部470の車幅方向外側の端部は、棚部370の車幅方向外側の端部と同様に、外側ショルダー陸240の中間位置にあって、外部に連通していない。
棚斜面部470は、その延在方向の位置によって棚斜面部470の延在方向に直交する方向の幅とタイヤ径方向の深さとが変化する。棚斜面部470の深さ及び幅は、第4サイプ斜面部440と同様である。
ここで、斜面部が設けられた各サイプ(第3サイプ330、第4サイプ340、棚部360、棚部370)と各斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440、棚斜面部460、棚斜面部470)との関係について説明する。
サイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440、棚斜面部460、棚斜面部470)を設けることにより、サイプ内のエアーが出入りするときの急激な容積変化が緩和されることから、エアーポンピング音を抑制できる。また、サイプ斜面部を設けることにより、排水性を高めることができ、偏摩耗の抑制効果も得られる。この効果を有効なものとするためには、以下の条件を満たすことが望ましい。
サイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440、棚斜面部460、棚斜面部470)のタイヤ径方向の深さをDsとし、サイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440、棚斜面部460、棚斜面部470)が設けられているサイプ(第3サイプ330、第4サイプ340、棚部360、棚部370)のタイヤ径方向の溝深さをDgとすると、0.3≦Ds/Dg≦0.6の関係を満たすことが望ましい。Ds/Dg<0.3であると、サイプ斜面部によって得られる排水性の向上効果、偏摩耗の抑制効果を十分に発揮しにくくなる。また、0.6<Ds/Dgであると、接地面積が減少しすぎるからである。
図9Aは、図4中の矢印F-Fの位置で第3サイプ330及び第3サイプ斜面部420を切断した断面図である。実施形態の第3サイプ斜面部420は、図9Aに示すように、タイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなる平坦な斜面である。また、その他のサイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、第4サイプ斜面部440)、及び、棚斜面部460、棚斜面部470も、第3サイプ斜面部420と同様にタイヤ径方向外側に向かって溝幅が広くなる平坦な斜面である。しかし、各サイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440)、及び、棚斜面部460、棚斜面部470の具体的な形状は、平坦な斜面に限らない。
図9Bは、サイプ斜面部の形状を変更した変形形態である第3サイプ斜面部420Bを示す断面図である。なお、図9B及び後述する図9C、図9Dは、図9Aと同様な断面として変形形態を示している。図9Bに示す第3サイプ斜面部420Bのように、サイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440)、及び、棚斜面部460、棚斜面部470は、タイヤ径方向外側へ向けて凸形状の曲面であってもよい。
図9Cは、サイプ斜面部の形状を変更した変形形態である第3サイプ斜面部420Cを示す断面図である。図9Cに示す第3サイプ斜面部420Cのように、サイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440)、及び、棚斜面部460、棚斜面部470は、タイヤ径方向内側へ向けて凹形状の曲面であってもよい。
図9Dは、サイプ斜面部の形状を変更した変形形態である第3サイプ斜面部420Dを示す断面図である。図9Dに示す第3サイプ斜面部420Dのように、サイプ斜面部(第3サイプ斜面部410、420、第4サイプ斜面部440)、及び、棚斜面部460、棚斜面部470は、サイプ溝の幅方向外側に向かうにつれてタイヤ径方向内側へ向かって傾斜する斜面として棚状になっていてもよい。
第8サイプ380は、図3、図4に示す展開図において、略タイヤ軸方向に延在しているが、僅かにタイヤ軸方向に対して傾斜して直線状に延在している。第8サイプ380は、車幅方向内側の端部が副溝150に連通しており、車幅方向外側の端部が端部溝381を介してタイヤ軸方向外側端部に連通している。端部溝381は、第8サイプ380及びタイヤ軸方向外側端部に連通し、深さが1mm以下であってタイヤ軸方向外側に向かって幅が広く構成されている。
第8サイプ380の溝幅は、1.5mm未満であればよいが、1.0mm以上であることが望ましい。また、第8サイプ380の溝深さは、例えば、4.5mm以上7.0mm以下を例示できる。
第9サイプ390は、図3、図4に示す展開図において、略タイヤ軸方向に延在しているが、僅かにタイヤ軸方向に対して傾斜して直線状に延在している。第9サイプ390は、車幅方向内側の端部が棚斜面部470の近傍に位置しており、車幅方向外側の端部が端部溝391を介してタイヤ軸方向外側端部に連通している。端部溝391は、第9サイプ390及びタイヤ軸方向外側端部に連通し、深さが1mm以下であってタイヤ軸方向外側に向かって幅が広く構成されている。
第9サイプ390の溝幅は、1.5mm未満であればよいが、1.0mm以上であることが望ましい。また、第9サイプ390の溝深さは、例えば、4.5mm以上7.0mm以下を例示できる。
上述した本実施形態に係るタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係るタイヤ1は、タイヤ周方向Cに沿って延在する複数の主溝100と、タイヤ軸方向Xに延在する成分を有する幅方向溝とにより構成されたトレッドパターン38を有する空気入りタイヤであって、前記幅方向溝は、いずれも溝幅が4mm未満であって、前記幅方向溝のうち少なくとも一部(第1サイプ310)は、接地面からタイヤ径方向内側に延びる主部311と、前記主部311を構成する溝壁に設けられ空間を形成する副部312とからなり、前記副部312は、前記主部の対向する溝壁の一方に形成される第1副部312aと、他方に形成される第2副部312bとからなり、前記第1副部312aと前記第2副部312bとは、対向する溝壁にそれぞれ複数形成されており、前記第1副部312aと、前記第2副部312bとは、タイヤ径方向に延び、且つ、前記溝壁に直交する方向から見たとき、互いに交差するように形成された副部付き溝であって、前記主部311は、前記主溝100と連通している。
これにより、主部311が主溝と一体として作用し、エアーポンピング音の発生をより効果的に抑制できる。
(2)(1)に記載の空気入りタイヤにおいて、前記副部付き溝(第1サイプ310)は、前記幅方向溝のうち深さが4.5mm以上のサイプの少なくとも一部に設けられて副部付きサイプ(第1サイプ310)を形成している。
これにより、従来から公知のサイプに副部を設けることができ、エアーポンピング音の発生を抑制可能なサイプを実現できる。
(3)(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤにおいて、前記主溝100に最も近い位置に設けられた前記第1副部及び前記第2副部のいずれも、前記主溝から離間して配置されている。
これにより、副部を設けたことによる陸部の剛性を低下させることなく、エアーポンピング音の発生を抑制できる。
(4)(1)~(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤにおいて、前記副部付き溝は、複数の前記主溝100のうち最も車幅方向内側に配置された内側主溝110よりも車幅方向内側に設けられている。
これにより、車幅方向外側の剛性を低下させることなく、エアーポンピング音の発生を抑制できる。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤにおいて、複数の前記主溝100のうち最も車幅方向外側に配置された外側主溝130の車幅方向外側に沿ってタイヤ周方向Cに延在し、タイヤ径方向Cに対して傾斜した外側周方向斜面部450を備える。
これにより、エアーポンピング音を抑制する効果と、排水性の向上効果と、偏摩耗の抑制効果を得ることができる。
(6)(5)に記載の空気入りタイヤにおいて、前記外側周方向斜面部450に交差する方向に延在し、タイヤ径方向Cに対して傾斜した方向に延在する外側交差斜面部(棚斜面部460)を備える。
これにより、エアーポンピング音を抑制する効果と、排水性の向上効果と、偏摩耗の抑制効果を得ることができる。
(7)(6)に記載の空気入りタイヤにおいて、前記外側周方向斜面部450及び前記外側交差斜面部(棚斜面部460)は、いずれも、前記外側周方向斜面部450及び前記外側交差斜面部(棚斜面部460)のそれぞれの延在方向における一端側から他端側へ向けて、タイヤ径方向から見た幅とタイヤ径方向の深さとの少なくとも一方が徐々に大きくなる。
これにより、エアーポンピング音を抑制する効果と、排水性の向上効果と、偏摩耗の抑制効果を得ることができる。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 タイヤ
30 トレッド
36 トレッドゴム
37 トレッド面
38 トレッドパターン
40 ショルダー
40A 内側ショルダー
40B 外側ショルダー
100 主溝
110 内側主溝
111 内側周方向斜面部
120 中間主溝
121 中間第1周方向斜面部
130 外側主溝
150 副溝
200 陸
210 内側ショルダー陸
220 第1の陸
230 第2の陸
240 外側ショルダー陸
310 第1サイプ
311 主部
312 副部
312a 第1副部
312b 第2副部
320 第2サイプ
321 端部溝
322 端部溝
330 第3サイプ
340 第4サイプ
350 第5サイプ
360 棚部
370 棚部
380 第8サイプ
381 端部溝
390 第9サイプ
391 端部溝
410 第3サイプ斜面部
420 第3サイプ斜面部
430 中間第2周方向斜面部
440 第4サイプ斜面部
450 外側周方向斜面部
460 棚斜面部
30 トレッド
36 トレッドゴム
37 トレッド面
38 トレッドパターン
40 ショルダー
40A 内側ショルダー
40B 外側ショルダー
100 主溝
110 内側主溝
111 内側周方向斜面部
120 中間主溝
121 中間第1周方向斜面部
130 外側主溝
150 副溝
200 陸
210 内側ショルダー陸
220 第1の陸
230 第2の陸
240 外側ショルダー陸
310 第1サイプ
311 主部
312 副部
312a 第1副部
312b 第2副部
320 第2サイプ
321 端部溝
322 端部溝
330 第3サイプ
340 第4サイプ
350 第5サイプ
360 棚部
370 棚部
380 第8サイプ
381 端部溝
390 第9サイプ
391 端部溝
410 第3サイプ斜面部
420 第3サイプ斜面部
430 中間第2周方向斜面部
440 第4サイプ斜面部
450 外側周方向斜面部
460 棚斜面部
Claims (7)
- タイヤ周方向に沿って延在する複数の主溝と、タイヤ軸方向に延在する成分を有する幅方向溝とにより構成されたトレッドパターンを有する空気入りタイヤであって、
前記幅方向溝は、いずれも溝幅が4mm未満であって、
前記幅方向溝のうち少なくとも一部は、接地面からタイヤ径方向内側に延びる主部と、前記主部を構成する溝壁に設けられ空間を形成する副部とからなり、
前記副部は、前記主部の対向する溝壁の一方に形成される第1副部と、他方に形成される第2副部とからなり、
前記第1副部と前記第2副部とは、対向する溝壁にそれぞれ複数形成されており、
前記第1副部と、前記第2副部とは、タイヤ径方向に延び、且つ、前記溝壁に直交する方向から見たとき、互いに交差するように形成された副部付き溝であって、
前記主部は、前記主溝と連通している、空気入りタイヤ。 - 請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記副部付き溝は、前記幅方向溝のうち深さが4.5mm以上のサイプの少なくとも一部に設けられて副部付きサイプを形成している、空気入りタイヤ。 - 請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記主溝に最も近い位置に設けられた前記第1副部及び前記第2副部のいずれも、前記主溝から離間して配置されている、空気入りタイヤ。 - 請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記副部付き溝は、複数の前記主溝のうち最も車幅方向内側に配置された内側主溝よりも車幅方向内側に設けられている、空気入りタイヤ。 - 請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、
複数の前記主溝のうち最も車幅方向外側に配置された外側主溝の車幅方向外側に沿ってタイヤ周方向に延在し、タイヤ径方向に対して傾斜した外側周方向斜面部を備える、空気入りタイヤ。 - 請求項5に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記外側周方向斜面部に交差する方向に延在し、タイヤ径方向に対して傾斜した方向に延在する外側交差斜面部を備える、空気入りタイヤ。 - 請求項6に記載の空気入りタイヤにおいて、
前記外側周方向斜面部及び前記外側交差斜面部は、いずれも、前記外側周方向斜面部及び前記外側交差斜面部のそれぞれの延在方向における一端側から他端側へ向けて、タイヤ径方向から見た幅とタイヤ径方向の深さとの少なくとも一方が徐々に大きくなる、空気入りタイヤ。
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