JP7842463B2 - スクライブツール、スクライブ装置およびジョイント - Google Patents

スクライブツール、スクライブ装置およびジョイント

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Description

本発明は、スクライブツール、スクライブ装置およびジョイントに関するものである。
電子機器などの製品の製造工程において、脆性材料基板の分断のためにブレイク工程が行われることがある。例えば、表示装置の製造工程において、通常、ガラス基板のブレイク工程が行われる。ブレイク工程に先立って、脆性材料基板にスクライブラインを形成するスクライブ工程が行われる。ブレイク工程においては、このスクライブラインに沿って脆性材料基板がブレイクされる。よってスクライブラインは、ブレイク工程のために脆性材料基板上に形成される溝である。スクライブラインを効率的に形成するためには、スクライブ装置が用いられる。
例えば、国際公開第2007/063979号(特許文献1)によれば、スクライブ装置は、脆性材料基板が設置される設置手段(例えば、テーブル、コンベア等)と、前記設置手段上の脆性材料基板に対向するように設けられるスクライブヘッドと、前記スクライブヘッドの先端に設けられるホルダジョイントと、一端が前記ホルダジョイントに着脱自在に取付けられ、他端に回転自在に取付けられたスクライブライン形成用のホイールチップとを備える。
国際公開第2007/063979号
第1に、上記スクライブ装置は、ホイールチップ、すなわちホイール刃先を用いている。ホイール刃先は、脆性基板上を摺動ではなく転動するので、摩擦を受けにくい。よってホイール刃先は一般に寿命が長い。一方で、スクライブされた箇所での強度信頼性の低下を避ける観点では、通常、固定刃先の方が好ましい。しかしながら、ジョイントおよびホルダの組み合わせの構成について、上記のように刃先がホイール刃先の場合は検討がなされているものの、刃先が固定刃先の場合については、これまで十分に検討がなされてきていない。具体的には、脆性材料基板への刃先の姿勢を最適化するのに適した、ジョイントおよびホルダの組み合わせの構成について、これまで十分に検討がなされてきていない。
第2に、ホイール刃先とは異なり固定刃先は、基板上を転動ではなく摺動するので、強い摩擦を受ける。したがって、固定刃先は摩耗が進みやすく、よってその寿命が短い。例えば、典型的な固定刃先として、単結晶ダイヤモンドからなるポイント刃先が用いられて、ガラス基板がスクライブされる場合、刃先の交換なしでは数十m程度のスクライブ距離しか確保できない場合がしばしばある。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その一の目的は、固定された刃先、ホルダおよびジョイントを有するスクライブツールであって、脆性材料基板への刃先の姿勢を最適化することができるスクライブツールを提供することである。また、さらなる目的は、摩耗に起因しての刃先の寿命を長くすることができるスクライブツールを提供することである。
本発明のスクライブツールは、ジョイントと、ホルダと、刃先とを有している。ジョイントは、第1軸の周りに回転可能に支持されている。ホルダは、第1軸から傾いた第2軸に沿ってジョイントに固定されている。刃先は、ホルダに固定されている。刃先は、第1軸上に位置するポイントである軸上ポイントを有する。刃先は、第2軸に沿った<100>方位を有するダイヤモンドからなる。
好ましくは、ジョイントに対して第2軸の周りでのホルダの姿勢角が変更可能であり、姿勢角の変更によって軸上ポイントとされ得る複数のポイントを刃先が有している。
本発明によれば、第1軸の周りに回転可能に支持されたジョイントに、第1軸から傾いた第2軸に沿ってホルダが固定されている。ホルダは刃先を固定しており、刃先は、第1軸上に軸上ポイントを有する。これにより、第1軸上に軸上ポイントを有する刃先を、第1軸から傾いた第2軸に沿ったホルダによって固定することができる。よって、第1軸の方向が、スクライブ装置の仕様上、ひとつに限られる場合においても、第1軸に対する第2軸の角度の設計を適宜調整することによって、脆性材料基板への刃先の姿勢を最適化することができる。
刃先は、第2軸の周りでのホルダの姿勢角の変更によって、軸上ポイントとされ得る複数のポイントを有していることが好ましい。この場合、スクライブのための軸上ポイントとして複数のポイントを切り替えて用いることができる。よって、摩耗に起因しての刃先の寿命を顕著に長くすることができる。
実施の形態におけるスクライブ装置の構成を概略的に示す斜視図である。 実施の形態におけるスクライブツールの構成を一の視点で概略的に示す図である。 実施の形態におけるスクライブツールの構成を他の視点で概略的に示す図である。 実施の形態におけるスクライブツールの構成をさらに他の視点で概略的に示す図である。 実施の形態におけるスクライブツールの構成をさらに他の視点で概略的に示す図である。 実施の形態におけるスクライブツールの構成を概略的に示す断面図である。 実施の形態における、ホルダおよびそれに固定された刃先の構成を概略的に示す断面図である。 図6のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図6のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図6のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図6のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図6のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す一部断面斜視図である。 図6のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す一部断面斜視図である。 図6のスクライブツールにおいてジョイントに代わって予備ジョイントが取り付けられた構成を概略的に示す図である。 図6のスクライブツールの変形例を示す断面図である。 図15のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図15のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図15のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図15のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図15のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す斜視図である。 図15のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す一部断面斜視図である。 図15のスクライブツールの組立方法の一工程を概略的に示す一部断面斜視図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、いくつかの図において、方向の理解を容易とするために、直交座標系を表すxyz軸が示されている。
<スクライブ装置の構成の例>
図1は、実施の形態におけるスクライブ装置1の構成の例を概略的に示す斜視図である。本例においては、z軸は重力に沿っての上方向であり、よってx軸およびy軸の各々は重力方向に垂直な水平方向であり、言い換えればxy面が水平面である。
まずスクライブ装置1の主な構成について、以下に説明する。スクライブ装置1は、脆性材料基板107(例えば、ガラス基板)を支持するテーブル106と、スクライブヘッド112と、それに取り付けられたスクライブツール1100とを有している。スクライブツール1100は、ジョイント210と、ホルダ310Uと、刃先900(図2を参照)とを有している。ジョイント210は、スクライブヘッド112の先端部(図1における下端部)に取り付けられている。ホルダ310Uは、ジョイント210に取り付けられており、これによりスクライブヘッド112にジョイント210を介して間接的に取り付けられている。ホルダ310Uの下端には、テーブル106に対向するように刃先が固定されている。スクライブ装置1は、脆性材料基板107上に刃先を押し付けつつテーブル106とスクライブヘッド112とをxy面内方向において相対的に移動させることによって、脆性材料基板107をスクライブする。
スクライブヘッド112は、刃先900の向きをxy面において調整する目的で、z軸周りにジョイント210が回転することができるようにジョイント210を保持している。この回転は、スクライブヘッド112に内蔵されたモータ(図示せず)によって行われてよい。ジョイント210がz軸周りに回転することによって、z軸周りにおける刃先900の向きを調整することができる。スクライブ動作中に刃先900の向きを調整することによって、曲線に沿ったスクライブを安定的に行うことができる。なお、直線的なスクライブ工程が行われる場合のように、刃先900の向きを調整する必要性が低い場合、スクライブヘッド112は、上記工程の間は上記モータが回転しないように上記モータを停止状態に維持することによって、z軸周りにおけるジョイント210の向きを一定に維持してよい。
次にスクライブ装置1の細部の例について、以下に説明する。スクライブ装置1は、移動台101が1対の案内レール102a、102bに沿って、y軸方向に移動自在に保持されている。ボールネジ103は移動台101と螺合している。ボールネジ103はモータ104の駆動により回転し、移動台101を案内レール102a,102bに沿ってy軸方向に移動させる。移動台101の上面にはモータ105が設けられている。モータ105はテーブル106をxy平面で回転させて所定角度に位置決めするものである。脆性材料基板107はテーブル106上に載置され、例えば、真空吸引手段(図示せず)により保持される。スクライブ装置1の上部には、脆性材料基板107のアライメントマークを撮像する2台のCCDカメラ108が設けられている。スクライブ装置1には、移動台101とその上部のテーブル106をまたぐようにブリッジ110がx軸方向に沿って支柱11la,11lbにより架設されている。スクライブヘッド112は、ブリッジ110に設けられたガイド113に沿ってx軸方向に移動可能とされている。モータ114はスクライブヘッド112をx軸方向に沿って移動させるものである。ここで、モータ104と、案内レール102a,102bと、ボールネジ103とは、テーブル106をy軸方向に移動させる移動部であり、ブリッジ110と、支柱11la,111bと、ガイド113とは、スクライブヘッド112をx軸方向に移動させる移動部であり、モータ105はテーブル106を回転させる移動部であり、これら移動部によってテーブル106とスクライブヘッド112とが相対的に移動可能とされている。
<スクライブツールの構成>
図2~図5は、スクライブツール1100の構成を様々な視点で概略的に示す図であり、図6は、スクライブツール1100の構成を概略的に示す断面図である。前述したように、スクライブツール1100は、ジョイント210と、ホルダ310Uと、刃先900とを有している。
ホルダ310Uは、複数の部品が組み立てられることによって構成されている。本実施の形態においては、これら複数の部品は、アウター部材310と、インナー部材410と、取付ネジ500とを含む。インナー部材410は、本体部411と、刃先900を把持する爪部412とを有している。インナー部材410は、アウター部材310の空洞部に挿入されている。この空洞部の一部は、取付ネジ500のためのネジ穴を構成している。ネジ穴に挿入されることによって取付ネジ500がアウター部材310に取り付けられている。取付ネジ500の一方端には、レンチを挿入するための凹部500hが設けられている。取付ネジ500をレンチによって回すことによって、止めネジの他方端がインナー部材410の本体部411に衝突する。これにより、インナー部材410がアウター部材310に固定される。
前述したように、スクライブヘッド112は、ジョイント210がz軸周りに回転することができるようにジョイント210を保持している。本実施の形態においては第1軸AX1はz軸に沿っており、よってジョイント210は、スクライブヘッド112によって、第1軸AX1の周りに回転可能に支持されている。ジョイント210は、図示されているように、軸部MAと、軸部MAに固定された本体部MMとを有していてよい。軸部MAと本体部MMとは、同一材料によって一体に形成されていてもよい。軸部MAがスクライブヘッド112に把持されることによって、ジョイント210がスクライブヘッド112に固定される。軸部MAは、第1軸AX1周りにおけるジョイント210の向きに対応した形状(図2においては、右上部の切欠き)を有していることが好ましい。軸部MAは、第1軸AX1に沿って延びていることが好ましく、図2に示された構成においては、(切欠き部を無視するものとして)第1軸AX1に沿って延びる円筒形状を有している。本体部MMは、第1軸AX1から傾いた第2軸AX2に沿って延びる空洞部210fを有している。
ホルダ310Uは、ジョイント210の空洞部210fに挿入されることによって、第2軸AX2に沿ってジョイント210に固定されている。第2軸AX2は第1軸AX1から傾いている。言い換えれば、第1軸AX1と第2軸AX2とがなす角度は、0°よりも大きく90°よりも小さい。第2軸AX2は第1軸AX1から50°以上55°以下傾いていることが好ましく、51°以上53°以下傾いていることがさらに好ましい。
刃先900は、ホルダ310Uに固定されている。言い換えれば、刃先900は、ホイール刃先ではなく固定刃先である。刃先900は、第1軸AX1上に位置するポイントである軸上ポイントPAXを有する。具体的には、刃先900は複数のポイントとして少なくともポイントPTa(第1ポイント)およびポイントPTb(第2ポイント)を有している。ジョイント210に対するホルダ310Uの、後述する姿勢角の変更によって、上記複数のポイントのいずれかが軸上ポイントPAXとされ得る。なお図5は、ポイントPTaが軸上ポイントPAXとして選択されている場合を示している。
刃先900は、ダイヤモンドからなることが好ましい。言い換えれば、刃先900はダイヤモンド片であることが好ましい。ダイヤモンドは、結晶学的に、第2軸AX2に沿った<100>方位を有することが好ましい。
ジョイント210に対しての第2軸AX2の周りでのホルダ310Uの姿勢角は、変更可能である。具体的には、当該姿勢角が離散的にのみ変更可能であるように、ジョイント210とホルダ310Uとの間での嵌合構造が、ジョイント210の本体部MMに設けられた空洞部210fによって構成されている。この嵌合構造において、ジョイント210の空洞部210f(図6)に、ホルダ310Uが部分的に挿入されている。この挿入時におけるホルダ310Uの向きが変更されることによって、ホルダ310Uの姿勢角が変更可能である。
ジョイント210に対してホルダ310Uは、姿勢角として少なくとも第1姿勢角および第2姿勢角を取ることができる。具体的には、ホルダ310Uの第1姿勢角は、図5に示された姿勢角であり、ホルダ310Uの第2姿勢角は、図5においてホルダ310Uがジョイント210内で180°回転された場合の姿勢角である。第1姿勢角および第2姿勢角のそれぞれに対応して、ポイントPTaおよびポイントPTbが軸上ポイントPAX(図6)となる。
刃先900のポイントPTaおよびポイントPTb(図5)は、第2軸AX2の周りでのホルダ310Uの姿勢角を変更するだけで軸上ポイントPAX(図6)とされ得るように、配置されている。言い換えれば、ポイントPTaおよびポイントPTbは、互いに異なる位置ではあるものの、第2軸AX2に沿った方向においては同じ位置に配置されており、かつ、第2軸AX2から同じ距離だけ離れている。このような寸法条件を満たすために、図7に示すように、ホルダ310Uの端面310pと、ポイントPTaおよびポイントPTbの各々との間の距離が、ホルダ310Uの延在方向(図7における縦方向)に沿って共通して距離LNとされる。このように寸法を管理するために、図7に示されたユニットが組み立てられた後に、刃先900が精密に研磨されることが好ましい。なお、当該ユニットがジョイント210の空洞部210f中に取り付けられた後は、距離LNの方向(ホルダ310Uの延在方向)が、第2軸AX2に沿った方向となる。
ホルダ310Uは第2軸AX2の周りに回転対称性を有している。具体的には、図5からわかるように、ホルダ310Uは、第2軸AX2周りの2回対称性を有している。なお本明細書において、ジョイント210へのホルダ310Uの固定に実質的に影響しない構造(例えば、部材の方位を表すための小さな穴または切欠き)は、ホルダ310Uの回転対称性を考慮する際に無視されるものとする。また本実施の形態においては、2回対称性を有するホルダ310Uが例示されているが、対称性の回数は2回に限定されるものではない。
スクライブツール1100は位置決めピン600(位置決め部材)を有していることが好ましい。位置決めピン600は、空洞部210fを部分的に塞ぐことによって、ジョイント210に対しての第2軸AX2に沿ってのホルダ310Uの位置を制限する。具体的には、ジョイント210に設けられた穴に挿入されることによって位置決めピン600がジョイント210に取り付けられている。位置決めピン600にホルダ310Uの端面310pが当たることによって、ホルダ310Uが第2軸AX2の方向において位置決めピン600を超えて上方に位置することが禁止される。
スクライブツール1100は止めネジ700を有していることが好ましい。止めネジ700は、位置決めピン600によって規定された位置でジョイント210に対してホルダ310Uを固定する。具体的には、ジョイント210に設けられたネジ穴に挿入されることによって止めネジ700がジョイント210に取り付けられている。止めネジ700の一方端には、レンチを挿入するための凹部700hが設けられている。止めネジ700をレンチによって回すことによって、止めネジの他方端がホルダ310Uの一方の側部に衝突する。止めネジ700をさらに回すことによって、ホルダ310Uの他方の側部が、ジョイント210の空洞部210f(図6)のV字状の凹部SV(図5)に押し付けられる。その結果、ホルダ310Uがジョイント210に強固に固定される。
<スクライブツールの組立方法>
図9~図13は、スクライブツール1100(図6)の組立方法の工程を、この順に概略的に示す図である。図8を参照して、ジョイント210の穴に位置決めピン600が挿入される。図9および図10を参照して、インナー部材410の爪部412に刃先900が取り付けられる。図11を参照して、刃先900が固定されたインナー部材410が、アウター部材310内に収められ、かつ、取付ネジ500によって取り付けられる。共に一部断面図である図12および図13を参照して、ジョイント210の空洞部210f内にホルダ310Uが部分的に挿入される。そしてホルダ310Uが止めネジ700によってジョイント210に固定される。以上によりスクライブツール1100が得られる。
<予備ジョイントの利用>
図14は、スクライブツール1100(図6)においてジョイント210に代わって予備ジョイント210Mが取り付けられた構成を概略的に示す図である。予備ジョイント210Mは、ジョイント210と交換されることによって第1軸AX1の周りに回転可能に支持されることになる。予備ジョイント210Mは、予備ジョイント210Mへホルダ310Uを第3軸AX3に沿って固定させるための嵌合構造を有している。第3軸AX3は第1軸AX1および第2軸AX2から傾いている。なお、予備ジョイント210Mの、上記以外の構成については、前述したジョイント210(図6)の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
<変形例のスクライブツールの構成>
図15は、スクライブツール1100(図6)の変形例であるスクライブツール1200Mの構成を示す断面図である。スクライブツール1200Mは、ジョイント210と、アウター部材310を含むホルダ310Uと(図6)に代わって、ジョイント220と、アウター部材320を含むホルダ320Uとを有している。
ホルダ320Uは少なくとも部分的に磁性体からなる。スクライブツール1200Mはマグネット800を有している。マグネット800は、位置決めピン600とホルダ320Uとが押し付け合うようにホルダ320Uへ作用する磁力を発生する。具体的には、ホルダ320Uの、刃先900が固定される一方端(図中、左下の端)とは反対の他方端(図中、右上の端)に間隔を空けて対向するように、マグネット800が配置されている。マグネット800は、ジョイント220の空洞部220f内に取り付けられている。またジョイント220に、マグネット800を覆うカバープレート880が設けられていてよい。
本変形例においては、位置決めピン600にホルダ320Uの側部傾斜面320pが当たることによって、ホルダ320Uが第2軸AX2の方向において位置決めピン600を超えて位置することが禁止される。側部傾斜面320pは、マグネット800とホルダ320Uとに挟まれた間隔から外れて配置されていることが好ましい。側部傾斜面320pは第2軸AX2に垂直な平面から傾いていてよい。
なお、ジョイント220と、アウター部材320を含むホルダ320Uと、の上記以外の構成については、前述した、ジョイント210と、アウター部材310を含むホルダ320Uと(図6)の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
<変形例のスクライブツールの組立方法>
図16~図21は、スクライブツール1200M(図15)の組立方法の工程を、この順に概略的に示す図である。図16を参照して、ジョイント210の穴に位置決めピン600が挿入される。また、ジョイント220の空洞部220f内に配置されるように、マグネット800がジョイント220に取り付けられる。またマグネット800を覆うカバープレート880がジョイント220に取り付けられる。図17および図18を参照して、インナー部材410の爪部412に刃先900が取り付けられる。図19および図20を参照して、刃先900が固定されたインナー部材410が、アウター部材320内に収められ、かつ、取付ネジ500によって取り付けられる。共に一部断面図である図21および図22を参照して、ジョイント220の空洞部220f内にホルダ320Uが部分的に挿入される。ホルダ320Uが磁力によってマグネット800の方へ引力を受けつつ、ホルダ320Uの側部傾斜面320pが位置決めピン600に当たることによって、ホルダ320Uの位置が固定される。以上によりスクライブツール1200Mが得られる。
<効果>
本実施の形態によれば、第1軸AX1の周りに回転可能に支持されたジョイント210に、第1軸AX1から傾いた第2軸AX2に沿ってホルダ310Uが固定されている。ホルダ310Uは刃先900を固定しており、刃先900は、第1軸AX1上に軸上ポイントPAXを有する。これにより、第1軸AX1上に軸上ポイントPAXを有する刃先900を、第1軸AX1から傾いた第2軸AX2に沿ったホルダ310Uによって固定することができる。よって、第1軸AX1の方向がスクライブ装置1(図1)の仕様上ひとつに限られる場合(典型的には、第1軸AX1が、脆性材料基板107を支持するテーブル106(図1)の支持面に垂直な方向のみに限られる場合)においても、第1軸AX1に対する第2軸AX2の角度の設計を適宜調整することによって、脆性材料基板107への刃先900の姿勢を最適化することができる。この最適化は、ジョイント210に対するホルダ310Uの姿勢の設計を調整することによって行われるので、ホルダ310Uに対する刃先900の姿勢は変更する必要がない。よって、ホルダ310Uに対する刃先900の姿勢として、ホルダ310Uに固定された刃先900を研磨しやすい姿勢を、脆性材料基板107への刃先900の姿勢にかかわらず、用いることができる。
なお上記本実施の形態においては、スクライブのための軸上ポイントPAX(図6)として複数のポイントPTa,PTb(図5)を切り替える場合について詳述したが、当該切替がなされない変形例においても、上述した効果は得られる。その場合、刃先は、軸上ポイントPAXとなり得るポイントとして、1つのポイントのみを有していてもよい。
一方、本実施の形態によれば、刃先900は、第2軸AX2の周りでのホルダ310Uの姿勢角の変更によって軸上ポイントPAX(図6)とされ得る複数のポイントPTa,PTb(図5)を有している。これにより、スクライブのための軸上ポイントPAXとして複数のポイントを切り替えて用いることができる。よって、摩耗に起因しての刃先900の寿命を顕著に長くすることができる。
上記姿勢角が離散的にのみ変更可能であるようにジョイント210とホルダ310Uとの間での嵌合構造が設けられている。これにより、これら離散的な姿勢角をホルダ310Uの最適な姿勢角としておくことで、最適な姿勢角からのずれの発生を防止することができる。具体的には、ホルダ310Uの第1姿勢角および第2姿勢角のそれぞれに対応して、刃先900のポイントPTaおよびポイントPTb(図5)が軸上ポイントPAX(図6)となる。これにより、脆性材料基板107への軸上ポイントPAXの姿勢のずれの発生を防止することができる。
刃先900の複数のポイントPTa,PTb(図5)は、第2軸AX2の周りでのホルダ310Uの姿勢角を変更するだけで軸上ポイントPAX(図6)とされ得るように配置されている。これにより、姿勢角を変更する際に、第2軸AX2に沿った方向における位置を変える必要がない。特に、ジョイント210に対しての第2軸AX2に沿ってのホルダ310Uの位置を制限する位置決めピン600が用いられる場合、このように制限された位置で、ホルダ310Uの姿勢角を変更することができる。止めネジ700(図6)(変形例(図15)においてはマグネット800)を用いることによって、当該位置からのずれを防止することができる。
ホルダ310Uは第2軸AX2の周りに回転対称性(具体的には2回対称性)を有している。これにより、回転対称性に対応してホルダ310Uの姿勢角を変更することができる。
刃先900は、結晶学的に、第2軸AX2に沿った<100>方位を有するダイヤモンドからなる。これにより、<100>方位から所定の角度傾いた面を刃先900に形成するための加工を、第2軸AX2に対応する方向を基準とすることによって、容易に行うことができる。具体的には、図7に示されたユニットが組み立てられた後、端面310pの法線方向(ホルダ310Uの延在方向)を基準として、刃先900に対して精密な加工を行うことによって、ポイントPTa,PTbの各々の結晶学的な特性を精密に管理することができる。その一方で、第1軸AX1から傾いた第2軸AX2に沿ってホルダ310Uがジョイント210に固定されることによって、刃先900の<100>方位を第1軸AX1から傾けることができる。この傾きを最適化することによって、刃先900の摩耗を抑制することができる。この傾き、すなわち第1軸AX1からの第2軸AX2の傾きは、50°以上55°以下が好ましく、51°以上53°以下がさらに好ましい。
また本実施の形態によれば、予備ジョイント210M(図14)は、予備ジョイント210Mへホルダ310Uを第3軸AX3に沿って固定させるための嵌合構造を有しており、第3軸AX3は第1軸AX1および第2軸AX2(図6)から傾いている。ジョイント210(図6)を使用している間に無視できない程度に刃先900の摩耗が進行してきた場合、ジョイント210に代わって予備ジョイント210Mを用いることで、刃先900の姿勢が調整される。その結果、刃先900と脆性材料基板107(図1)との接触角度が変化する。これにより、摩耗の影響を抑えつつスクライブをさらに継続することができるようになる。言い換えれば、ジョイント210(図6)に代わって予備ジョイント210M(図14)を取り付けることによって、刃先900の姿勢が調整され、その結果、刃先900が特に摩耗しやすい箇所も変化する。よって、スクライブツールの一部としてジョイント210および予備ジョイント210Mの組を保有しておくことによって、摩耗に起因しての刃先900の寿命を、より長くすることができる。
112 :スクライブヘッド
210,220 :ジョイント
210M :予備ジョイント
310,320 :アウター部材
310U,320U :ホルダ
410 :インナー部材
500 :取付ネジ
600 :位置決めピン
700 :止めネジ
800 :マグネット
900 :刃先
1100,1200M:スクライブツール
AX1~AX3 :第1~第3軸
PAX :軸上ポイント
PTa,PTb :第1,第2ポイント

Claims (12)

  1. 第1軸の周りに回転可能に支持されるジョイントと、
    前記第1軸から傾いた第2軸に沿って前記ジョイントに固定されたホルダと、
    前記ホルダに固定された刃先と、
    を備え、前記刃先は、前記第1軸上に位置するポイントである軸上ポイントを有し、
    前記刃先は、前記第2軸に沿った<100>方位を有するダイヤモンドからなる、スクライブツール。
  2. 前記ジョイントに対しての前記第2軸の周りでの前記ホルダの姿勢角が変更可能であり、
    前記刃先は、前記姿勢角の変更によって前記軸上ポイントとされ得る複数のポイントを有している、請求項1に記載のスクライブツール。
  3. 前記姿勢角が離散的にのみ変更可能であるように前記ジョイントと前記ホルダとの間での嵌合構造が設けられている、請求項2に記載のスクライブツール。
  4. 前記ジョイントに対して前記ホルダは前記姿勢角として少なくとも第1姿勢角および第2姿勢角を取ることができ、前記刃先は前記複数のポイントとして少なくとも第1ポイントおよび第2ポイントを有しており、前記第1姿勢角および前記第2姿勢角のそれぞれに対応して前記第1ポイントおよび前記第2ポイントが前記軸上ポイントとなる、請求項3に記載のスクライブツール。
  5. 前記刃先の前記複数のポイントは、前記第2軸の周りでの前記ホルダの前記姿勢角を変更するだけで前記軸上ポイントとされ得るように配置されている、請求項2から4のいずれか1項に記載のスクライブツール。
  6. 前記ジョイントに対しての前記第2軸に沿っての前記ホルダの位置を制限する位置決め部材をさらに備える、請求項5に記載のスクライブツール。
  7. 前記位置決め部材によって規定された位置で前記ジョイントに対して前記ホルダを固定する止めネジをさらに備える、請求項6に記載のスクライブツール。
  8. 前記ホルダは少なくとも部分的に磁性体からなり、前記位置決め部材と前記ホルダとが押し付け合うように前記ホルダへ作用する磁力を発生するマグネットをさらに備える、請求項6に記載のスクライブツール。
  9. 前記ホルダは、前記第2軸の周りに回転対称性を有している、請求項1から8のいずれか1項に記載のスクライブツール。
  10. 前記ジョイントと交換されることによって前記第1軸の周りに回転可能に支持されることになる予備ジョイントをさらに備え、
    前記予備ジョイントは、前記予備ジョイントへ前記ホルダを第3軸に沿って固定させるための嵌合構造を有しており、前記第3軸は前記第1軸および前記第2軸から傾いている、請求項1からのいずれか1項に記載のスクライブツール。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のスクライブツールと、
    前記スクライブツールの前記ジョイントを前記第1軸の周りに回転可能に保持するスクライブヘッドと、
    を備えるスクライブ装置。
  12. 刃先が固定されたホルダを保持するためのジョイントであって、
    第1軸に沿った軸部と、
    前記軸部に固定された本体部と、
    前記ホルダを挿入するために前記本体部に設けられ、前記第1軸から傾いた第2軸に沿って延び、前記第2軸の周りでの前記ホルダの姿勢角が離散的にのみ変更可能となるように嵌合構造を構成する空洞部と、
    前記空洞部を部分的に塞ぐことによって前記第2軸に沿っての前記ホルダの位置を制限するための位置決めピンと、
    を備えるジョイント。
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