JP7834603B2 - ボイラ、及びプラント - Google Patents

ボイラ、及びプラント

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Description

本開示は、ボイラ、及びボイラを備えるプラントに関する。
近年、幾つかのボイラでは、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量削減を目的として、化石燃料から脱却する取り組み(脱炭素)が進められている。例えば、特許文献1には、バイオマス燃料のようなアルカリ成分含有の燃料を燃焼する流動床式ボイラが開示されている。
特許第5536063号公報
バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされているが、バイオマス燃料の燃焼時には二酸化炭素が排出される。
燃焼時に二酸化炭素を排出しない燃料として水素やアンモニアが挙げられる。しかしながら、水素やアンモニアを燃料として適用する場合、常温で気体である水素やアンモニアは、化石燃料やバイオマス燃料と比較して大きな貯蔵容量が必要となる。
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、二酸化炭素の排出、及び燃料の貯蔵容量の巨大化の両方を抑制可能なボイラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係るボイラは、火炉と、前記火炉に金属マグネシウムを燃料として投入するための燃料投入装置と、を備える。
本開示のボイラによれば、二酸化炭素の排出、及び燃料の貯蔵容量の巨大化の両方を抑制することができる。
第1実施形態に係るボイラを備えるプラントの構成を概略的に示す図である。 第1実施形態に係る燃料投入装置の構成を概略的に示す図である。 第2実施形態に係るボイラを備えるプラントの構成を概略的に示す図である。
以下、本開示の実施の形態によるボイラについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
<第1実施形態>
(構成)
第1実施形態に係るボイラ1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るボイラ1を備えるプラント100の構成を概略的に示す図である。図2は、第1実施形態に係る燃料投入装置4の構成を概略的に示す図である。図1に例示するように、プラント100は、ボイラ1を備えている。ボイラ1は、火炉2と、火炉2に金属マグネシウムFaを燃料として投入するための燃料投入装置4と、を含む。ボイラ1は、火炉2に投入された金属マグネシウムFaを燃焼することで高温の燃焼ガスGを生成し、この高温の燃焼ガスGから熱を回収することで過熱蒸気Sを生成する。
第1実施形態では、図2に例示するように、火炉2は、上下方向D1に沿って延びる筒形状を有しており、内部に金属マグネシウムFaを燃焼させるための燃焼空間3が形成されている。後述するように、燃焼空間3は流動層6を含んでいる。
第1実施形態では、図1に例示するように、ボイラ1は、流動層6に供給される流動砂Bを貯蔵する流動砂貯蔵槽10と、流動砂Bを火炉2に搬送する流動砂ライン12と、を含んでいる。火炉2は、流動砂貯蔵槽10に貯蔵されている流動砂Bが流動層6に開口する流動砂ライン12に投入されることで流動層6に流動砂Bが供給されるように構成されている。図2に例示するように、火炉2の炉底14には、流動層6から流動砂Bを抜き出すための抜き出し管15が接続されている。
第1実施形態では、図2に例示するように、火炉2の炉底14には、燃焼空間3に燃焼用空気Aを供給するためのエアノズル16が設けられている。流動層6は、燃焼空間3に吹き込まれる燃焼用空気Aによって燃焼空間3内の流動砂Bが流動化されることで形成される。火炉2に投入された金属マグネシウムFaは、流動層6において燃焼用空気Aと撹拌混合されて燃焼する。金属マグネシウムFaの燃焼によって生成された燃焼ガスGは、燃焼空間3における流動層6より上方の上方空間7(フリーボード)に移動する。そして、燃焼ガスGは、火炉2の炉壁18の上部に接続されている燃焼ガスライン21を介して、火炉2の外部に排出される。
第1実施形態では、図1に例示するように、ボイラ1は、流動層6に配置され、蒸気や給水と燃焼ガスGとの間で熱交換して過熱蒸気Sを生成する熱交換器20(過熱器)を含んでいる。図1に例示する形態では、プラント100は、熱交換器20によって生成された過熱蒸気Sによって回転駆動する蒸気タービン22と、蒸気タービン22の回転エネルギを電気エネルギに変換する発電機24と、を含んでいる。不図示であるが、幾つかの実施形態では、ボイラ1は、燃焼ガスライン21を流通する燃焼ガスGの熱を回収するための熱交換器(再熱器、節炭器)をさらに含んでいる。尚、本開示は、プラント100を発電プラントに限定するものではない。ボイラ1が生成する過熱蒸気Sは、発電以外の目的で利用されてもよい。
燃料投入装置4は、上述したように火炉2に金属マグネシウムFaを燃料として投入する。第1実施形態では、図1に例示するように、ボイラ1は、金属マグネシウムFaを貯蔵する金属マグネシウム貯蔵槽70をさらに含んでいる。金属マグネシウム貯蔵槽70から燃料投入装置4への金属マグネシウムFaの搬送方法は特に限定されない。
金属マグネシウムFaについて説明する。金属マグネシウムFaには、マグネシウムが重量比で50%以上含まれる。より具体的には、金属マグネシウムFaには、マグネシウムが重量比で90%以上含まれ、99%以上含まれることが好ましく、99.9%以上含まれることがさらに好ましい。金属マグネシウムFaは、マグネシウム単体、及びマグネシウム合金のうちの少なくとも一方を含んでいる。金属マグネシウムFaは、少なくとも1つの粒状、屑状、板状又はインゴット状の固形物を含んでいる。第1実施形態では、金属マグネシウムFaは、粒状の固形物を含んでおり、直径が2mm以上の粒体である。
幾つかの実施形態では、金属マグネシウムFaは屑状、板状、又はインゴット状の固形物を含んでおり、粒径が2mm以上である。このような固形物は、例えば、篩目が2mm以上の篩によってふるい分けした場合の非通過物である。
第1実施形態では、燃料投入装置4が火炉2に投入する燃料は、金属マグネシウムFaに加え、バイオマスFbをさらに含む。バイオマスFbは、生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃材木、流木、草類、廃棄物、汚泥などである。バイオマスFbも、金属マグネシウムFaと同様に流動層6で燃焼用空気Aと撹拌混合されて燃焼される。そして、バイオマスFbの燃焼によって燃焼ガスGが生成される。つまり、第1実施形態に係るプラント100では、金属マグネシウムFa及びバイオマスFbを燃料としてボイラ1で過熱蒸気Sを生成させ、この生成された過熱蒸気Sを利用して蒸気タービン22を回転駆動させ、発電機24で発電させている。尚、燃料投入装置4へのバイオマスFbの搬送方法は特に限定されず、例えば、バイオマスFbはクレーンによって燃料投入装置4まで搬送される。ボイラ1は、バイオマスFbを貯蔵するためのサイロやストックヤードを含んでいてもよい。
第1実施形態では、図2に例示するように、燃料投入装置4は、バイオマスFbを火炉2に供給するためのバイオマス供給管30と、金属マグネシウムFaを火炉2に供給するための金属マグネシウム供給管32と、を含む。
バイオマス供給管30は、バイオマスFbが投入される第1投入口34と火炉2とを接続する。図2に例示する形態では、ボイラ1は、ホッパ36をさらに含んでいる。バイオマス供給管30は、ホッパ36と火炉2とを接続している。より具体的には、バイオマス供給管30は、第1投入口34であるホッパ36の排出口と火炉2の炉壁18に形成される燃料口40とを接続している。ホッパ36を介してバイオマス供給管30に投入されたバイオマスFbは、バイオマス供給管30を火炉2に向かって流通し、燃料口40を通過して燃焼空間3に供給される。図2に例示する形態では、ホッパ36は、第1投入口34を開閉する第1開閉バルブ35を含んでいる。
金属マグネシウム供給管32は、金属マグネシウムFaが投入される第2投入口42とバイオマス供給管30とを接続する。図2に例示する形態では、ボイラ1は、ホッパ36とは別に設けられるMg用ホッパ44をさらに含んでいる。金属マグネシウム供給管32は、Mg用ホッパ44とバイオマス供給管30とを接続している。より具体的には、金属マグネシウム供給管32は、第2投入口42であるMg用ホッパ44の排出口とバイオマス供給管30に形成される合流口46とを接続している。合流口46は、バイオマス供給管30が延びる方向におけるバイオマス供給管30の両端の間に位置している。Mg用ホッパ44を介して金属マグネシウム供給管32に投入された金属マグネシウムFaは、金属マグネシウム供給管32とバイオマス供給管30の一部を火炉2に向かって流通し、燃料口40を通過して燃焼空間3に供給される。図2に例示する形態では、Mg用ホッパ44は、第2投入口42を開閉する第2開閉バルブ43を含んでいる。
第1実施形態では、図1及び図2に例示するように、ボイラ1は、制御装置50と、水素燃焼装置52と、水素濃度取得装置54と、をさらに含んでいる。
制御装置50は、電子制御装置などのコンピュータであって、図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。制御装置50は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、制御装置50が備える各機能部を実現する。図2に例示するように、制御装置50は、第1開閉バルブ35、第2開閉バルブ43、水素燃焼装置52、及び水素濃度取得装置54のそれぞれと電気的に接続されている。幾つかの実施形態では、制御装置50は、クラウド環境に設けられたクラウドサーバである。
水素燃焼装置52は、火炉2内の流動層6よりも上方に配置される。そして、水素燃焼装置52は、火炉2の上部に多量の水素が滞留しないように水素を燃焼させる。図2に例示する形態では、水素燃焼装置52は火炉2内の上方空間7に配置されており、燃料口40よりも上方に位置している。水素燃焼装置52は、制御装置50から駆動信号51が送信されると駆動するように構成されている。このような水素燃焼装置52は、例えば、バーナであり、バーナの火炎によって火炉2の上部に滞留する水素を燃焼させることができる。バーナに供給される燃料は特に限定されず、ガスや重油であってもよい。
水素濃度取得装置54は、火炉2内の流動層6よりも上方に配置される。そして、火炉2の上部に滞留する水素の濃度を取得する。図2に例示する形態では、水素濃度取得装置54は火炉2内の上方空間7に配置されており、燃料口40よりも上方に位置している。水素濃度取得装置54は、取得した水素濃度55を制御装置50に送信する。制御装置50は、水素濃度取得装置54から送信された水素濃度55が予め設定された設定濃度を超えると、水素燃焼装置52に駆動信号51を送信し、水素燃焼装置52を駆動させる。設定濃度は、例えば、燃焼空間3における水素の爆発限界の下限値の50%以下の値である。
第1実施形態では、図1に例示するように、ボイラ1は燃料供給停止装置59をさらに含んでいる。燃料供給停止装置59は、水素濃度取得装置54によって取得された水素濃度55が設定濃度を超えると、火炉2への燃料の供給を停止するように構成される。具体的には、図2に例示するように、燃料供給停止装置59は、第1開閉バルブ35と、第2開閉バルブ43とを含む。第1開閉バルブ35及び第2開閉バルブ43のそれぞれは、制御装置50から送信される開閉指示57に従って開閉する。制御装置50は、水素濃度取得装置54から送信された水素濃度55が設定濃度を超えると、第1開閉バルブ35及び第2開閉バルブ43のそれぞれに閉弁するように開閉指示57を送信し、第1開閉バルブ35及び第2開閉バルブ43の両方が閉弁する。
(作用・効果)
第1実施形態に係るボイラ1の作用・効果について説明する。金属マグネシウムFaは、燃焼する際に二酸化炭素を発生させない(2Mg+O2→2MgO)。また、金属マグネシウムFaは、常温で固体であるため、常温で気体である水素やアンモニアと比較して、金属マグネシウム貯蔵槽70に要求される燃料の貯蔵容量を小さくすることができる。このため、第1実施形態によれば、ボイラ1は火炉2に金属マグネシウムFaが燃料として投入されるように構成されているので、二酸化炭素の排出、及び金属マグネシウム貯蔵槽70の貯蔵容量の巨大化の両方を抑制することができる。
金属マグネシウムFaは他の実用金属と比較して比重が軽く、火炉2に吹き込まれる燃焼用空気Aによって流動化させることが容易である。第1実施形態によれば、火炉2に流動層6が形成されるボイラ1に金属マグネシウムFaを燃料として適用することができる。また、金属マグネシウムFaが粒状の固形物を含み、且つ直径が2mm以上の粒体であっても、金属マグネシウムFaの比重を流動砂Bの比重と同程度とすることができる。このため、燃焼用空気Aの流速を上げる必要がない。
金属マグネシウムFaは、水分と反応して燃焼する性質を有する(Mg+H2O→MgO+H2)。第1実施形態によれば、火炉2に金属マグネシウムFaとバイオマスFbとが燃料として投入されるので、金属マグネシウムFaがバイオマスFbに含まれる水分と反応して燃焼し、流動層6における燃焼を促進させることができる。特に、バイオマスFbに含まれる水分の割合(含水率)が高い場合、その燃焼性に大きな影響を及ぼす。このため、ボイラ1側で許容可能な含水率を超え、燃料として使用できない場合、プラント100に乾燥装置などを別途設置し、含水率を下げてから使用するなどの対応が必要となる。しかしながら、第1実施形態によれば、バイオマスFbが金属マグネシウムFaと共に燃料として投入されるので、金属マグネシウムFaが積極的にバイオマスFbから水分を奪って燃焼する。このため、バイオマスFbの含水率によらず高い燃焼性を確保することが可能となる。つまり、バイオマス資源の有効活用範囲を拡大することができる。
金属マグネシウムFaとバイオマスFbとを燃料として投入する場合、投入前の金属マグネシウムFaやバイオマスFbの燃焼を防止するため、金属マグネシウムFaの投入口とバイオマスFbの投入口とを別々に用意するほうが望ましい。第1実施形態によれば、金属マグネシウムFaは、バイオマスFbが投入される第1投入口34とは別の第2投入口42から投入される。このため、投入前の金属マグネシウムFaやバイオマスFbが燃焼してしまうことを防止できる。
尚、第1実施形態では、Mg用ホッパ44を介して、金属マグネシウム供給管32に金属マグネシウムFaが投入されていたが、本開示はこの形態に限定されない。金属マグネシウムFaは、Mg用ホッパ44以外の装置を介して、金属マグネシウム供給管32に投入されてもよい。金属マグネシウムFaは、金属マグネシウム供給管32に直接投入されてもよい。この場合、第2投入口42は、金属マグネシウム供給管32に設けられている。
尚、第1実施形態では、共通の燃料口40を介して、燃焼空間3に金属マグネシウムFa及びバイオマスFbのそれぞれが供給されていたが、本開示はこの形態に限定されない。不図示であるが、幾つかの実施形態では、火炉2の炉壁18には、金属マグネシウムFaが燃焼空間3に供給されるための第1燃料口と、この第1燃料口とは別にバイオマスFbが燃焼空間3に供給されるための第2燃料口と、が形成されている。この場合、金属マグネシウム供給管32は、Mg用ホッパ44(Mg用ホッパ44の排出口)と火炉2(第1燃料口)とを接続している。
尚、第1実施形態では、金属マグネシウムFaは第2投入口42から投入されていたが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、第1投入口34は、バイオマスFbとともに金属マグネシウムFaも投入可能に構成されている。そして、第1投入口34に投入される粒状の金属マグネシウムFaの粒径は、第2投入口42に投入される粒状の金属マグネシウムFaの粒径よりも大きい。例えば、不図示であるが、ボイラ1は、篩目が2mm以上の篩と、金属マグネシウムFaのうち篩によってふるい分けられた非通過物(大粒径の金属マグネシウムFa)を搬送しホッパ36に投入するMg投入装置と、をさらに含む。金属マグネシウムFaは、粒径が大きくなるとバイオマスFbに含まれる水分との反応が緩やかになり、着火性が低減する。このため、投入前のバイオマスFbに大粒径の金属マグネシウムFaを予め混合させておくことができる。
金属マグネシウムFaは、水分と反応して燃焼する際に水素を発生させる。特に、バイオマスFbには多量の水分が含まれているので、バイオマスFbとともに金属マグネシウムFaを燃焼する場合には、水素が上方空間7に滞留する恐れがある。第1実施形態によれば、ボイラ1は上方空間7に配置される水素燃焼装置52をさらに含んでいるので、金属マグネシウムFaの燃焼によって発生する水素が上方空間7に多量に長時間溜まることなく燃焼することができ、水素の濃度を低減させることができる。
第1実施形態によれば、ボイラ1は上方空間7に配置される水素濃度取得装置54をさらに含んでいるので、上方空間7に滞留する水素の濃度を監視することで、水素による意図せぬ不具合の発生を防止することができる。
第1実施形態によれば、水素濃度取得装置54が取得する水素濃度55が設定濃度を超えると、水素燃焼装置52が駆動する。このため、上方空間7における水素が燃焼されて水素の濃度を設定濃度未満に低減させ、水素による意図せぬ不具合の発生を防止することできる。
尚、第1実施形態では、水素燃焼装置52は、制御装置50から駆動信号51が送信されると駆動していたが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、水素燃焼装置52は、ボイラ1が運転している間、駆動し続ける。幾つかの実施形態では、水素燃焼装置52は、燃料投入装置4が火炉2に金属マグネシウムFaを投入している間に駆動し続ける。これら両方の場合において、制御装置50による駆動信号51の送信は不要である。
尚、第1実施形態では、水素燃焼装置52がバーナである場合を例にして説明したが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、水素燃焼装置52は、点火プラグである。点火プラグから火花放電することで上方空間7内の水素を着火燃焼させ、水素の濃度を低減させる。幾つかの実施形態では、水素燃焼装置52は、火炉2内を上昇する燃焼ガスGが通過するように構成され、通過する際に燃焼ガスGに残存する水素を燃焼させる触媒燃焼装置である。幾つかの実施形態では、水素燃焼装置52は、セラミックを含むセラミック体である。セラミック体を上方空間7に配置しておくことで、燃焼ガスGによってセラミック体の温度が上昇し、このセラミック体を水素の燃焼が可能な状態にすることができる。この場合、制御装置50による駆動信号51の送信は不要である。
第1実施形態によれば、水素濃度取得装置54が取得する水素濃度55が設定濃度を超えると、第1開閉バルブ35及び第2開閉バルブ43の両方が閉弁する。このため、燃焼空間3への金属マグネシウムFa及びバイオマスFbの両方の供給が停止されて、金属マグネシウムFa及びバイオマスFbの燃焼によって発生する水素の量を低減することができる。よって、上方空間7における水素の濃度の上昇が抑制されるので、水素による意図せぬ不具合の発生を防止することできる。
尚、第1実施形態では、燃焼空間3への金属マグネシウムFa及びバイオマスFbの両方の供給が停止されていたが、本開示は、この形態に限定されない。金属マグネシウムFa及びバイオマスFbのうちの何れか一方の供給が停止されてもよい。
尚、第1実施形態では、燃料供給停止装置59は、第1開閉バルブ35と、第2開閉バルブ43とを含んでいたが本開示はこの形態に限定されない。例えば、燃料供給停止装置59はバイオマスFbを燃料投入装置4にまで搬送するクレーンを含み、このクレーンを停止することでバイオマスFbの供給を停止してもよい。例えば、燃料供給停止装置59は金属マグネシウム供給管32に設けられるバルブを含み、このバルブを閉弁することで金属マグネシウムFaの供給を停止してもよい。
尚、第1実施形態では、水素濃度取得装置54が取得する水素濃度55が設定濃度を超えると、制御装置50が水素燃焼装置52を駆動させ、第1開閉バルブ35及び第2開閉バルブ43の両方を閉弁させていたが本開示はこの形態に限定されない。水素濃度取得装置54が取得する水素の濃度が設定濃度を超えると、作業員が水素燃焼装置52を駆動させてもよいし、作業員が第1開閉バルブ35及び第2開閉バルブ43の両方を閉弁してもよい。
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係るボイラ1について説明する。第2実施形態では、ボイラ1が発火検知装置72と乾燥砂供給装置74とをさらに備える点で第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
(構成)
図3は、第2実施形態に係るボイラ1を備えるプラント100の構成を概略的に示す図である。図3に例示するように、ボイラ1は、発火検知装置72、乾燥砂供給装置74と、をさらに含む。
発火検知装置72は、金属マグネシウム貯蔵槽70内の発火を検知する。発火検知装置72は、例えば、金属マグネシウム貯蔵槽70内の温度に基づいて発火を検知してもよいし、金属マグネシウム貯蔵槽70内の火炎の有無に基づいて発火を検知してもよい。発火検知装置72は、制御装置50と電気的に接続されており(p1)、発火を検知すると制御装置50に発火信号73を送信する。
乾燥砂供給装置74は、発火検知装置72が金属マグネシウム貯蔵槽70内の発火を検知すると、流動砂貯蔵槽10に貯蔵されている流動砂Bを金属マグネシウム貯蔵槽70内に供給するように構成される。具体的には、図3に例示するように、乾燥砂供給装置74は、流動砂貯蔵槽10と金属マグネシウム貯蔵槽70とを接続する消火ライン76と、消火ライン76に設けられる消火弁78と、を含む。消火弁78は、制御装置50と電気的に接続されている(p2)。制御装置50は、発火検知装置72から発火信号73が送信されると、消火弁78に開弁するように指示75を送信し、消火弁78を開弁させる。消火弁78が開弁すると、流動砂貯蔵槽10内に貯蔵されている流動砂Bが消火ライン76に流入する。流動砂Bは消火ライン76を金属マグネシウム貯蔵槽70に向かって流通し、金属マグネシウム貯蔵槽70内に供給される。
(作用・効果)
第2実施形態に係るボイラ1の作用・効果について説明する。第2実施形態によれば、金属マグネシウム貯蔵槽70内で発火が発生したとしても、流動砂Bによって金属マグネシウム貯蔵槽70内で発火した金属マグネシウムFaを覆うことで酸素を遮断し、速やかに窒息消火することができる。また、流動砂Bによって燃焼していない金属マグネシウムFaを覆い、この金属マグネシウムFaへの着火を抑制することができる。また、第2実施形態によれば、流動砂Bを消火のために利用することで、流動砂Bとは別に消火用の砂などを準備する必要がなくなる。このため、プラント100の運営コストを低減することができる。
尚、第2実施形態では、流動砂Bを消火のために利用していたが、本開示はこの形態に限定されない。不図示であるが、幾つかの実施形態では、プラント100は、流動砂Bとは別に乾燥砂を貯蔵する乾燥砂貯蔵槽をさらに含み、乾燥砂供給装置74は、発火検知装置72が金属マグネシウム貯蔵槽70内の発火を検知すると、金属マグネシウム貯蔵槽70内に乾燥砂貯蔵槽に貯蔵されている乾燥砂を供給する。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
[1]本開示に係るボイラ(1)は、
火炉(2)と、
前記火炉に金属マグネシウム(Fa)を燃料として投入するための燃料投入装置(4)と、を備える。
金属マグネシウムは、燃焼する際に二酸化炭素を発生させない(2Mg+O2→2MgO)。また、金属マグネシウムは、常温で固体であるため、常温で気体である水素やアンモニアと比較して、燃料の貯蔵容量を小さくすることができる。上記[1]に記載の構成によれば、火炉に金属マグネシウムが燃料として投入されるので、二酸化炭素の排出、及び燃料の貯蔵容量の巨大化の両方を抑制することができる。
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記燃料はバイオマス(Fb)をさらに含む。
金属マグネシウムは、水分と反応して燃焼する性質を有する(Mg+H2O→MgO+H2)。上記[2]に記載の構成によれば、金属マグネシウムがバイオマスに含まれる水分と反応して燃焼し、火炉内の燃焼を促進させることができる。特に、バイオマスは、含水率が高いため、単体で燃料として使用することが困難である場合が多い。しかしながら、バイオマスが金属マグネシウムと共に燃料として投入されるので、金属マグネシウムが積極的にバイオマスから水分を奪って燃焼する。このため、バイオマスの含水率によらず高い燃焼性を確保することができる。つまり、バイオマス資源の有効活用範囲を拡大することができる。
[3]幾つかの実施形態では、上記[2]に記載の構成において、
前記燃料投入装置は、
前記バイオマスを前記火炉に供給するためのバイオマス供給管であって、前記バイオマスが投入される第1投入口(34)と前記火炉とを接続するバイオマス供給管(30)と、
前記金属マグネシウムを前記火炉に供給するための金属マグネシウム供給管であって、前記金属マグネシウムが投入される第2投入口(42)と前記バイオマス供給管とを接続する金属マグネシウム供給管(32)と、を含む。
金属マグネシウムとバイオマスとを燃料として投入する場合、投入前の金属マグネシウムやバイオマスの燃焼を防止するため、金属マグネシウムの投入口とバイオマスの投入口とを別々に用意するほうが望ましい。上記[3]に記載の構成によれば、金属マグネシウムは、バイオマスが投入される第1投入口とは別の第2投入口から投入される。このため、投入前の金属マグネシウムやバイオマスが燃焼してしまうことを防止できる。
[4]幾つかの実施形態では、上記[3]に記載の構成において、
前記第1投入口は、前記バイオマスとともに前記金属マグネシウムも投入可能に構成され、
前記第1投入口に投入される粒状の前記金属マグネシウムの粒径は、前記第2投入口に投入される粒状の前記金属マグネシウムの粒径よりも大きい。
金属マグネシウムは、粒径が大きくなるとバイオマスに含まれる水分との反応が緩やかになり、着火性が低減する。上記[4]に記載の構成によれば、投入前のバイオマスに金属マグネシウムを予め混合させておくことができる。
[5]幾つかの実施形態では、上記[1]から[4]の何れか1つに記載の構成において、
前記火炉は、内部に流動層(6)が形成されている。
金属マグネシウムは比重が軽いので、火炉に吹き込まれる燃焼用空気によって流動化させることが容易である。上記[5]に記載の構成によれば、火炉に流動層が形成される流動ボイラに金属マグネシウムを燃料として適用することができる。
[6]幾つかの実施形態では、上記[1]から[5]の何れか1つに記載の構成において、
前記金属マグネシウムは、直径が2mm以上の粒体である。
上記[6]に記載の構成によれば、投入前の金属マグネシウムの着火を防止することができる。
[7]幾つかの実施形態では、上記[5]に記載の構成において、
前記火炉内の前記流動層よりも上方に配置され、前記火炉の上部に滞留する水素を燃焼させるための水素燃焼装置(52)をさらに備える。
上記[7]に記載の構成によれば、金属マグネシウムの燃焼によって発生する水素を火炉の上部で燃焼し、水素の濃度を低減させることができる。
[8]幾つかの実施形態では、上記[5]又は[7]に記載の構成において、
前記火炉内の前記流動層よりも上方に配置され、前記火炉の上部に滞留する水素の濃度を取得する水素濃度取得装置(54)をさらに備える。
上記[8]に記載の構成によれば、火炉の上部に滞留する水素の濃度を監視することで、水素による意図せぬ不具合の発生を防止することができる。
[9]幾つかの実施形態では、上記[8]に記載の構成において、
前記水素濃度取得装置によって取得された水素の濃度が予め設定された設定濃度を超えると、前記火炉への前記燃料の供給を停止するように構成される燃料供給停止装置(59)をさらに備える。
上記[9]に記載の構成によれば、水素の濃度が設定濃度を超えると燃料の供給が停止され、水素の濃度の上昇が抑制されるので、水素による意図せぬ不具合の発生を防止することできる。
[10]幾つかの実施形態では、上記[5]に記載の構成において、
前記火炉内の前記流動層よりも上方に配置され、前記火炉の上部に滞留する水素を燃焼させるための水素燃焼装置と、
前記火炉内の前記流動層よりも上方に配置され、前記火炉の上部に滞留する水素の濃度を取得する水素濃度取得装置と、をさらに備え、
前記水素燃焼装置は、前記水素濃度取得装置によって取得された水素の濃度が予め設定された設定濃度を超えると、駆動するように構成されている。
上記[10]に記載の構成によれば、水素の濃度が設定濃度を超えると水素の濃度が低減されるので、水素による意図せぬ不具合の発生を防止することできる。
[11]幾つかの実施形態では、上記[1]から[10]の何れか1つに記載の構成において、
前記金属マグネシウムを貯蔵する金属マグネシウム貯蔵槽(70)と、
前記金属マグネシウム貯蔵槽内の発火を検知する発火検知装置(72)と、
前記発火検知装置が前記金属マグネシウム貯蔵槽内の発火を検知すると、前記金属マグネシウム貯蔵槽内に乾燥砂(B)を供給するように構成される乾燥砂供給装置(74)と、をさらに備える。
上記[11]に記載の構成によれば、乾燥砂によって金属マグネシウムを速やかに消化することができる。また、乾燥砂によって燃焼していない金属マグネシウムへの着火を抑制することができる。
[12]幾つかの実施形態では、上記[11]に記載の構成において、
前記火炉は、内部に流動層が形成されており、
前記流動層に供給される流動砂(B)を貯蔵する流動砂貯蔵槽(10)をさらに備え、
前記乾燥砂供給装置は、前記流動砂貯蔵槽に貯蔵されている前記流動砂を前記乾燥砂として前記金属マグネシウム貯蔵槽内に供給するように構成される。
上記[12]に記載の構成によれば、流動砂を乾燥砂として利用することで、流動砂とは別に乾燥砂を準備する必要がなくなる。このため、プラントの運営コストを低減することができる。
[13]本開示に係るプラント(100)は、
上記[1]から[12]の何れか1つに記載のボイラと、
前記ボイラで生成した蒸気により回転する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの回転により発電する発電機と、を備える。
上記[13]に記載の構成によれば、二酸化炭素の排出、及び燃料の貯蔵容量の巨大化の両方が抑制されたボイラを備えるプラントを提供できる。
1 ボイラ
2 火炉
4 燃料投入装置
6 流動層
10 流動砂貯蔵槽
30 バイオマス供給管
32 金属マグネシウム供給管
34 第1投入口
42 第2投入口
50 制御装置
52 水素燃焼装置
54 水素濃度取得装置
59 燃料供給停止装置
70 金属マグネシウム貯蔵槽
72 発火検知装置
74 乾燥砂供給装置
100 プラント
B 流動砂
Fa 金属マグネシウム
Fb バイオマス

Claims (9)

  1. 火炉と、
    前記火炉に金属マグネシウムを燃料として投入するための燃料投入装置と、を備え、
    前記金属マグネシウムを貯蔵する金属マグネシウム貯蔵槽と、
    前記金属マグネシウム貯蔵槽内の発火を検知する発火検知装置と、
    前記発火検知装置が前記金属マグネシウム貯蔵槽内の発火を検知すると、前記金属マグネシウム貯蔵槽内に乾燥砂を供給するように構成される乾燥砂供給装置と、をさらに備え、
    前記火炉は、内部に流動層が形成されており、
    前記流動層に供給される流動砂を貯蔵する流動砂貯蔵槽をさらに備え、
    前記乾燥砂供給装置は、前記流動砂貯蔵槽に貯蔵されている前記流動砂を前記乾燥砂として前記金属マグネシウム貯蔵槽内に供給するように構成される
    ボイラ。
  2. 火炉と、
    前記火炉に金属マグネシウムを燃料として投入するための燃料投入装置と、を備え、
    前記火炉は、内部に流動層が形成されており、
    前記火炉内の前記流動層よりも上方に配置され、前記火炉の上部に滞留する水素の濃度を取得する水素濃度取得装置をさらに備える
    ボイラ。
  3. 前記水素濃度取得装置によって取得された水素の濃度が予め設定された設定濃度を超えると、前記火炉への前記燃料の供給を停止するように構成される燃料供給停止装置をさらに備える、
    請求項に記載のボイラ。
  4. 火炉と、
    前記火炉に金属マグネシウムを燃料として投入するための燃料投入装置と、を備え、
    前記火炉は、内部に流動層が形成されており、
    前記火炉内の前記流動層よりも上方に配置され、前記火炉の上部に滞留する水素を燃焼させるための水素燃焼装置をさらに備える
    ボイラ。
  5. 前記火炉内の前記流動層よりも上方に配置され、前記火炉の上部に滞留する水素の濃度を取得する水素濃度取得装置をさらに備え、
    前記水素燃焼装置は、前記水素濃度取得装置によって取得された水素の濃度が予め設定された設定濃度を超えると、駆動するように構成されている
    請求項に記載のボイラ。
  6. 火炉と、
    前記火炉に金属マグネシウムを燃料として投入するための燃料投入装置と、を備え、
    前記燃料はバイオマスをさらに含み、
    前記燃料投入装置は、
    前記バイオマスを前記火炉に供給するためのバイオマス供給管であって、前記バイオマスが投入される第1投入口と前記火炉とを接続するバイオマス供給管と、
    前記金属マグネシウムを前記火炉に供給するための金属マグネシウム供給管であって、前記金属マグネシウムが投入される第2投入口と前記バイオマス供給管とを接続する金属マグネシウム供給管と、を含み、
    前記第1投入口は、前記バイオマスとともに前記金属マグネシウムも投入可能に構成され、
    前記第1投入口に投入される粒状の前記金属マグネシウムの粒径は、前記第2投入口に投入される粒状の前記金属マグネシウムの粒径よりも大きい
    ボイラ。
  7. 前記火炉は、内部に流動層が形成されている、
    請求項に記載のボイラ。
  8. 前記金属マグネシウムは、直径が2mm以上の粒体である、
    請求項1から7の何れか一項に記載のボイラ。
  9. 請求項1からの何れか一項に記載のボイラと、
    前記ボイラで生成した蒸気により回転する蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンの回転により発電する発電機と、を備える、
    プラント。
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