JP7807635B2 - 窒化物蛍光体及びその製造方法 - Google Patents

窒化物蛍光体及びその製造方法

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Description

本開示は、窒化物蛍光体及びその製造方法に関する。
例えば、光源装置から射出された光をマイクロミラー表示素子等によって、スクリーン上に投影してカラー画像を表示させる画像投影装置(プロジェクター)においては、光源装置の高出力化が求められている。これに伴い、光源装置に使用される蛍光体には、高い出力特性が求められている。
例えば、特許文献1には、Li、Ca、Si、Al、O、N及びCeを含み、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする蛍光体が記載されている。
国際公開第2010/110457号
本開示の一態様は、高い発光強度が得られる窒化物蛍光体及びその製造方法を提供することを目的とする。
第一態様は、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第1族元素と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第2族元素と、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第13族元素と、ケイ素、ゲルマニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも1種を含む第14族元素と、窒素と、セリウムと、を組成に含む窒化物蛍光体である。窒化物蛍光体は、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする。また窒化物蛍光体は、450nm励起における内部量子効率が87%以上である。
第二態様は、第一態様の窒化物蛍光体と、350nm以上480nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する励起光源と、を含む発光装置である。
第三態様は、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第1族元素源と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第2族元素源と、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第13族元素源と、ケイ素、ゲルマニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも1種を含む第14族元素源と、セリウム源と、を含む混合物を準備することと、前記混合物をタングステン製の密閉容器中で熱処理して熱処理物を得ること、を含む窒化物蛍光体の製造方法である。窒化物蛍光体の製造方法においては、前記混合物を構成する前記第1族元素源、前記第2族元素源、前記第13族元素源及び前記第14族元素源の少なくとも1種が窒素を含む。
本開示の一態様によれば、高い発光強度が得られる窒化物蛍光体及びその製造方法を提供することができる。
波長変換部材を主面側から見た概略平面図である。 波長変換部材を側面側から見た概略側面図及びその部分拡大図である。 発光装置の構成の一例を示す概略構成図である。 発光装置の構成の一例を示す概略構成図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに本明細書に記載される数値範囲の上限及び下限は、数値範囲として例示された数値をそれぞれ任意に選択して組み合わせることが可能である。本明細書において、蛍光体の組成を表す式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これらの複数の元素のうち少なくとも1種の元素を組成中に含有することを意味する。また、蛍光体の組成を表す式中、コロン(:)の前は母体結晶を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。本明細書において、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。蛍光体の半値幅は、蛍光体の発光スペクトルにおいて、最大発光強度に対して発光強度が50%となる発光スペクトルの波長幅(半値全幅;FWHM)を意味する。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、窒化物蛍光体及びその製造方法を例示するものであって、本発明は、以下に示す窒化物蛍光体及びその製造方法に限定されない。
窒化物蛍光体
窒化物蛍光体は、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第1族元素と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第2族元素と、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第13族元素と、ケイ素、ゲルマニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも1種を含む第14族元素と、窒素と、セリウムと、を組成に含む。窒化物蛍光体は、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする。また窒化物蛍光体は、波長450nm励起における内部量子効率が87%以上である。
特定の元素から構成され、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする窒化物蛍光体は、後述する製造方法によって製造されることにより、高い発光強度を示すことができる。これは例えば、後述する製造方法によって得られる窒化物蛍光体においては、原料混合物からの構成元素の飛散による組成ずれが少なく、より理論組成に近い状態であるからと考えることができる。
窒化物蛍光体の組成は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1族元素を含む。第1族元素は少なくともリチウムを含み、ナトリウムをさらに含んでいてよい。窒化物蛍光体の組成における第1族元素のモル含有量は、後述する第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0より大きく1未満であってよい。第1族元素のモル含有量は、好ましくは0.1以上、又は0.15以上であってよく、また好ましくは0.8以下、0.7以下、又は0.5以下であってよい。窒化物蛍光体の組成における第1族元素がナトリウムを含む場合、ナトリウムのモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0より大きく0.03以下であってよい。ナトリウムのモル含有量は、好ましくは0.0001以上、又は0.00015以上であってよく、また好ましくは0.01以下、0.005以下、0.001以下、0.0008以下、0.0005以下、又は0.0003以下であってよい。
窒化物蛍光体の組成は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第2族元素を含む。第2族元素は少なくともカルシウムを含み、ストロンチウムをさらに含んでいてよい。窒化物蛍光体の組成における第2族元素のモル含有量は、後述する第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0.3以上1.0以下であってよい。第2族元素のモル含有量は、好ましくは0.35以上、0.4以上、又は0.5以上であってよく、また好ましくは0.8以下、又は0.7以下であってよい。第2族元素がカルシウムを含む場合、カルシウムのモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0より大きく1未満であってよい。カルシウムのモル含有量は、好ましくは0.3以上、0.35以上、0.4以上、又は0.5以上であってよく、また好ましくは0.8以下、0.75以下、又は0.7以下であってよい。第2族元素がストロンチウムを含む場合、ストロンチウムのモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0以上1未満であってよい。ストロンチウムのモル含有量は、好ましくは0.01以上、又は0.05以上であってよく、また好ましくは0.4以下、0.3以下又は0.25以下であってよい。
窒化物蛍光体の組成は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第13族元素を含む。第13族元素は少なくともアルミニウムを含んでいてよい。窒化物蛍光体の組成における第13族元素のモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0より大きく1未満であってよい。第13族元素のモル含有量は、好ましくは0.4以上、0.45以上、又は0.5以上であってよく、また好ましくは0.7以下、0.65以下、0.62以下、又は0.61以下であってよい。
窒化物蛍光体の組成は、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくとも1種を含む第14族元素を含む。第14族元素は少なくともケイ素を含んでいてよい。窒化物蛍光体の組成における第14族元素のモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、1より大きく2未満であってよい。第14族元素のモル含有量は、好ましくは1.3以上、1.35以上、又は1.37以上であってよく、また好ましくは1.6以下、1.55以下、又は1.5以下であってよい。
窒化物蛍光体の組成は、窒素(N)を含む。窒化物蛍光体の組成における窒素のモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、2.7以上3.3以下であってよい。窒素のモル含有量は、好ましくは2.8以上、又は2.9以上であってよく、また好ましくは3.2以下、又は3.1以下であってよい。
窒化物蛍光体の組成は、セリウム(Ce)を含む。窒化物蛍光体の組成におけるセリウムのモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0より大きく0.1以下であってよい。セリウムのモル含有量は、好ましくは0.001以上、又は0.005以上であってよく、また好ましくは0.05以下、又は0.03以下であってよい。
窒化物蛍光体の組成は、酸素(O)を含んでいてもよい。窒化物蛍光体の組成における酸素のモル含有量は、第13族元素と第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、0より大きく0.3以下であってよい。酸素のモル含有量は、好ましくは0.001以上、又は0.005以上であってよく、また好ましくは0.07以下、又は0.05以下であってよい。
窒化物蛍光体は、下記式(I)で表される組成を有していてもよい。
(LiNaCaSr)AlSi:Ce (I)
式中、s、t、u、v、w、x、y、z及びkは、0<s<1、0≦t≦0.03、0<u<1、0≦v<1、0<w<1、1<x<2、2.7≦y≦3.3、0<z≦0.1、0≦k≦0.3を満たしてよい。好ましくは0.15≦s≦0.5、0.00015≦t≦0.0003、0.5≦u≦0.7、0.05≦v≦0.3、0.5≦w≦0.61、1.37≦x≦1.5、2.9≦y≦3.1、0.005≦z≦0.03、0≦k≦0.05を満たしていてよい。また、0<s+t+u+v+z≦1、又は0.75≦s+t+u+v+z≦1を満たしていてよく、1.9≦w+x≦2.1を満たしていてもよい。
窒化物蛍光体は、Li、Si及びNを含み、Naを含んでもよい組成を有し、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする第一窒化物と、Ca及びSrの少なくとも一方の元素、Al、Si及びNを含み、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする第二窒化物と、の固溶体であってもよい。また、窒化物蛍光体の組成においては、Li、Ca及びSrの一部がCeに置換されていてもよい。第一窒化物は、例えば、(Li,Na)Siで表される組成を有していてもよい。また、第二窒化物は、例えば、(Ca,Sr)AlSiNで表される組成を有していてもよい。すなわち、窒化物蛍光体は、下記式(II)で表される組成を有していてもよい。
((Li,Na)Si・((Ca,Sr)AlSiN:Ce (II)
式(II)中、p及びqは、0<p<1、0<q<1、0<r≦0.1、p+q=1を満たす。好ましくは、0.1≦p≦0.6、又は0.15≦p≦0.5であってよく、0.1≦q≦0.8、又は0.15≦q≦0.7であってよく、0<r≦0.1、0.001≦r≦0.02、又は0.004≦r≦0.01であってよい。
また、窒化物蛍光体は、Li、Si及びNを含み、Naを含んでもよい組成を有し、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする第一窒化物と、Ca及びSrの少なくとも一方の元素、Al、Si及びNを含み、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とする第二窒化物と、Si、N及びOを含み、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する第三窒化物と、の固溶体であってもよい。また、窒化物蛍光体の組成においては、Li、Ca及びSrの一部がCeに置換されていてもよい。第一窒化物は、例えば、(Li,Na)Siで表される組成を有していてもよい。また、第二窒化物は、例えば、(Ca,Sr)AlSiNで表される組成を有していてもよい。さらに第三窒化物は、例えば、SiOで表される組成を有していてもよい。すなわち、窒化物蛍光体は、下記式(IIa)で表される組成を有していてもよい。
((Li,Na)Si・((Ca,Sr)AlSiN・(SiO)(1-p-q):Ce (IIa)
式(IIa)中、p及びqは、0<p<1、0<q<1、0<r≦0.1、p+q<1を満たす。好ましくは、0.1≦p≦0.6、又は0.15≦p≦0.5であってよく、0.1≦q≦0.8、又は0.15≦q≦0.7であってよく、0<r≦0.1、0.001≦r≦0.02、又は0.004≦r≦0.01であってよく、0.7≦p+q<1、又は0.95≦p+q≦0.995であってよい。
窒化物蛍光体の内部量子効率は、例えば87%以上である。窒化物蛍光体の内部量子効率は、好ましくは88%以上、又は89%以上であってよい。なお、内部量子効率は、例えば量子効率測定システム(大塚電子製、商品名QE-2100)を用いて、室温(25℃)で測定される。
窒化物蛍光体は、波長730nmにおける反射率が89%以上であってよい。窒化物蛍光体の波長730nmにおける反射率は、好ましくは90%以上、又は91%以上であってよい。窒化物蛍光体の波長730nmにおける反射率の上限は、例えば99%以下であってよい。窒化物蛍光体の反射率は、例えば分光蛍光光度計(日立ハイテクサイエンス製、商品名F-4500)によって測定される。
窒化物蛍光体は、中心粒径が20μm以上50μm以下であってよい。窒化物蛍光体の中心粒径は、好ましくは23μm以上、又は25μm以上であってよく、また好ましくは45μm以下、又は40μm以下であってよい。窒化物蛍光体の中心粒径は、体積基準の粒度分布において、小径側からの体積累積50%に対応する粒径として測定される。なお、体積基準の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(Malvern Panalytical製、Mastersizer 3000)によって測定される。
窒化物蛍光体の発光ピーク波長は、例えば550nm以上であってよく、好ましくは560nm以上、又は570nm以上であってもよい。窒化物蛍光体の発光ピーク波長の上限は、例えば620nm以下であってよく、好ましくは610nm以下、又は600nm以下であってよい。窒化物蛍光体の発光スペクトルにおける半値幅は、例えば110nm以上であってよく、好ましくは120nm以上、又は125nm以上である。また半値幅の上限は、例えば150nm以下であってよく、好ましくは140nm以下、又は135nm以下である。窒化物蛍光体は、最大励起波長を、例えば320nm以上500nm以下の波長範囲に有していてよく、好ましくは420nm以上480nm以下の波長範囲に有していてよい。
発光装置
発光装置は、前記窒化物蛍光体と、350nm以上480nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する励起光源と、を含む。発光装置は、波長変換部材を備え、前記窒化物蛍光体を波長変換部材に含んでいてよい。励起光源の発光ピーク波長は、好ましくは380nm以上470nm以下の波長範囲内、又は400nm以上460nm以下の波長範囲内にあってよい。この波長範囲内に発光ピーク波長を有する励起光源として用いることにより、励起光源からの光と蛍光体からの蛍光との混色光を発する発光装置を構成することが可能となる。さらに、励起光源から放射される光の一部を発光装置から外部に放射される光の一部として有効に利用することができるため、高い発光効率を有する発光装置を得ることができる。
励起光源の発光スペクトルの半値幅は例えば、30nm以下であってよい。励起光源として、例えば、窒化物系半導体を用いた半導体発光素子を用いることが好ましい。励起光源として半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティーが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。半導体発光素子は、発光ダイオード(LED)であってもよく、レーザーダイオード(LD)であってもよい。また、半導体発光素子は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
波長変換部材
波長変換部材は、支持体と、その支持体の上に配置され、蛍光体を含む蛍光体層と、を備える。波長変換部材は発光素子と組み合わせて発光装置を構成することができる。蛍光体として既述の窒化物蛍光体を含むことで、発光素子の出力に比例して出力光の発光強度も大きくなり、リニアリティーに優れる発光特性を示すことができ、発光特性に優れる。
波長変換部材の一例を模式的に図1A及び図1Bに示す。図1Aは、波長変換部材50を主面側から見た概略平面図である。図1Bは、波長変換部材50を側面側から見た概略側面図及びその部分拡大図である。図1Aに示すように波長変換層52は、円盤状の支持体54の円周に沿って配置される。また、図1Bに示すように、支持体54の主面の一方に、蛍光体70を含む蛍光体層80と樹脂76を含む光透過層82とがこの順に積層されて波長変換層52が配置される。
発光素子の出力は、例えば、波長変換部材に入射される光パワー密度として、0.5W/mm以上であってよく、好ましくは5W/mm以上、又は10W/mm以上である。発光素子の出力の上限は、例えば、1000W/mm以下であってよく、好ましくは500W/mm以下、又は150W/mm以下である。発光素子の出力が前記範囲であると、波長変換部材は、発光素子の出力に応じた出力の光を発する。
ここで発光装置の構成例を、図面を参照して説明する。図2は、発光装置の構成の一例を示す概略構成図である。発光装置100は、発光素子10と、入射光学系20と、波長変換部材50と、を備える。波長変換部材50は、支持体54と、波長変換層52と、を備える。波長変換層52は、支持体54上に配置され、蛍光体70を含む蛍光体層80と樹脂76を含む光透過層82とを含む。発光素子10から出射された光は、入射光学系20を通過して、波長変換部材50の支持体54側から入射し、蛍光体70を含む蛍光体層80を通過し、入射光の少なくとも一部が蛍光体70によって波長変換される。あるいは、波長変換された光と、波長変換されなかった入射光の残部が、ともに波長変換部材50から出射される。この場合、発光装置100が出射する光は、発光素子10からの光と、波長変換された光の混色光となる。
図3は、発光装置の構成の一例を示す概略構成図である。発光装置110は、発光素子10と、入射光学系20と、波長変換部材50と、を備える。波長変換部材50は、支持体54と、支持体54上に配置され、蛍光体70を含む蛍光体層80と樹脂76を含む光透過層82とがこの順に積層された波長変換層52とを備える。発光素子10から出射した光は、入射光学系20を通過して、波長変換部材50の波長変換層52側から入射し、波長変換層52により波長変換されて、反射された光が波長変換層52から出射される。ここで、支持体54は、波長変換層52が配置される部材であるとともに、その波長変換層52が配置された主面によって蛍光体層80側からの光の少なくとも一部を反射させる部材としても機能する。波長変換層52を通過する光の少なくとも一部は、蛍光体70によって波長変換される。あるいは、波長変換された光と、波長変換されなかった入射光の残部と、がともに波長変換部材50から出射される。この場合、発光装置110が出射する光は、発光素子10からの光と、波長変換された光の混色光となる。
プロジェクター用光源装置
プロジェクター用光源装置は、上記発光装置を含んで構成される。高出力における発光特性に優れる発光装置を含むことで、高出力のプロジェクターを構成することができる。
本開示における波長変換部材を備える発光装置は、プロジェクター用光源装置としてだけではなく、例えば、シーリングライト等の一般照明装置、スポットライト、スタジアム用照明、スタジオ用照明等の特殊照明装置、ヘッドランプ等の車両用照明装置、ヘッドアップディスプレイ等の投影装置、内視鏡用ライト、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォンなどの撮像装置、パーソナルコンピュータ(PC)用モニター、ノート型パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯情報端末(PDX)、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話などの液晶ディスプレイ装置等における光源に備えられる発光装置として用いることができる。
発光装置を構成する波長変換部材は、蛍光体として既述の窒化物蛍光体の少なくとも1種を第一蛍光体として含む。波長変換部材は、既述の窒化物蛍光体に加えて、既述の窒化物蛍光体とは構成の異なる第二蛍光体をさらに含んでいてもよい。第二蛍光体として具体的には、例えば、YAl12:Ce、(La,Y)Si11:Ce、(Ca,Sr)AlSiN:Ceなどが挙げられる。
窒化物蛍光体の製造方法
窒化物蛍光体の製造方法は、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第1族元素源と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第2族元素源と、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第13族元素源と、ケイ素、ゲルマニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも1種を含む第14族元素源と、セリウム源と、を含む混合物を準備する準備工程と、前記混合物をタングステン製の密閉容器中で熱処理して熱処理物を得る熱処理工程と、を含む。混合物を構成する第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源及び第14族元素源の少なくとも1種は窒素を含んでいてよい。
窒化物蛍光体を構成する元素源を含む混合物をタングステン製の密閉容器中で熱処理することで、高い発光強度を示すことができる窒化物蛍光体を効率的に製造することができる。これは、例えばタングステン製の密閉容器は、窒化ホウ素等の密閉容器に比べて、密閉性が高く、仕込み組成に近い組成の窒化物蛍光体が得られるためと考えることができる。また、タングステン製の密閉容器を用いることで、混合物から構成元素が飛散して失われることなく、より高温での熱処理が可能になり、高い発光強度を示す窒化物蛍光体が得られると考えられる。
混合物に含まれる第1族元素源における第1族元素は、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む。第1族元素源は少なくともリチウム源を含み、ナトリウム源をさらに含んでいてよい。
第1族元素源としては、第1族元素を含む金属化合物、第1族元素の金属単体、第1族元素を含む合金等が挙げられる。第1族元素を含む金属化合物としては、第1族元素を含む水素化物、酸化物、水酸化物、窒化物、酸窒化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物)、アミド化合物、イミド化合物、アジ化物等を挙げることができ、窒化物、ハロゲン化物、アミド化合物、イミド化合物、アジ化物等が好ましい。第1族元素を含む金属化合物、第1族元素の金属単体、第1族元素を含む合金等は、購入して準備してもよく、所望の第1族元素を含む金属化合物、第1族元素の金属単体、第1族元素を含む合金等を製造して用いてもよい。第1族元素源は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1族元素源(例えば、第1族元素を含む金属化合物)の純度は、例えば95質量%以上であり、99.5質量%以上が好ましい。純度を所定値以上とすることにより、不純物の影響を少なくして窒化物蛍光体の発光強度をより向上することができる。
混合物における第1族元素源に含まれる第1族元素の含有量は、混合物に含まれる第13族元素及び第14族元素の含有量の合計を2モルとする場合に、0モルより大きく1モル以下であってよい。第1族元素の含有量は、好ましくは0.1モル以上、0.15モル以上、0.2モル以上、又は0.3モル以上であってよく、また好ましくは0.8モル以下、又は0.7モル以下であってよい。
混合物は、第1族元素源として少なくともリチウム源を含むことが好ましく、リチウム源に加えてナトリウム源を含んでいてもよい。混合物における第1族元素源がリチウム源を含む場合、第1族元素源におけるリチウム源の含有率は、例えば25モル%以上100モル%以下であってよい。リチウム源の含有率は、好ましくは30モル%以上、又は40モル%以上であってよく、また好ましくは70モル%以下、又は60モル%以下であってよい。
また混合物がナトリウム源を含む場合、混合物におけるナトリウム源の含有率は、例えば0.1質量%以上10質量%以下であってよい。ナトリウム源の含有率は、好ましくは4質量%以上、又は5質量%以上であってよく、また好ましくは8質量%以下、又は7質量%以下であってよい。混合物が含むナトリウム源は、ナトリウムアミド、フッ化ナトリウム、アジ化ナトリウム及び窒化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。
混合物に含まれる第2族元素源における第2族元素は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む。第2族元素源は少なくともカルシウム源を含み、ストロンチウム源をさらに含んでいてよい。
第2族元素源としては、第2族元素を含む金属化合物、第2族元素の金属単体、第2族元素を含む合金等が挙げられる。第2族元素を含む金属化合物としては、第2族元素を含む水素化物、酸化物、水酸化物、窒化物、酸窒化物、ハロゲン化物、アミド化合物、イミド化合物、アジ化物、熱処理で窒化物を生成し得る化合物等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。第2族元素を含む金属化合物は、好ましくは窒化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物)、水素化物、アミド化合物、イミド化合物等からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。第2族元素を含む金属化合物、第2族元素の金属単体、第2族元素を含む合金等は、購入して準備してもよく、所望の第2族元素を含む金属化合物、第2族元素の金属単体、第2族元素を含む合金等を製造して用いてもよい。第2族元素源は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2族元素源(例えば、第2族元素を含む金属化合物)の純度は、例えば95質量%以上であり、99.5質量%以上が好ましい。純度を所定値以上とすることにより、不純物の影響を少なくして窒化物蛍光体の発光強度をより向上することができる。
混合物における第2族元素源に含まれる第2族元素の含有量は、混合物に含まれる第13族元素及び第14族元素の含有量の合計を2モルとする場合に、0.3モルより大きく1.0モル以下であってよい。第2族元素のモル含有量は、好ましくは0.35モル以上、又は0.4モル以上であってよく、また好ましくは0.8モル以下、又は0.7モル以下であってよい。
混合物は、第2族元素源として少なくともカルシウム源を含むことが好ましく、カルシウム源に加えてストロンチウム源を含んでいてもよい。混合物における第2族元素源がカルシウム源及びストロンチウム源を含む場合、第2族元素源におけるカルシウム源の含有率は、例えば50モル%以上100モル%未満であってよい。カルシウム源の含有率は、好ましくは60モル%以上、又は70モル%以上であってよく、また好ましくは90モル%以下、又は85モル%以下であってよい。また第2族元素源におけるストロンチウム源の含有率は、例えば0モル%を超えて50モル%以下であってよい。ストロンチウム源の含有率は、好ましくは10モル%以上、又は15モル%以上であってよく、また好ましくは40モル%以下、又は30モル%以下であってよい。
混合物に含まれる第13族元素源における第13族元素は、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む。第13族元素源は少なくともアルミニウム源を含んでいてよい。
第13族元素源としては、第13族元素を含む金属化合物、第13族元素の金属単体、第13族元素を含む合金等が挙げられる。第13族元素を含む金属化合物としては、第13族元素を含む水素化物、酸化物、水酸化物、窒化物、酸窒化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物)、アミド化合物、イミド化合物、アジ化物、熱処理で窒化物を生成し得る化合物等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。第13族元素を含む金属化合物は、好ましくは窒化物、ハロゲン化物、水素化物、アミド化合物、イミド化合物等からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。第13族元素を含む金属化合物、第13族元素の金属単体、第13族元素を含む合金等は、購入して準備してもよく、所望の第13族元素を含む金属化合物、第13族元素の金属単体、第13族元素を含む合金等を製造して用いてもよい。第13族元素源は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第13族元素源(例えば、第13族元素を含む金属化合物)の純度は、例えば95質量%以上であり、99.5質量%以上が好ましい。純度を所定値以上とすることにより、不純物の影響を少なくして窒化物蛍光体の発光強度をより向上することができる。
混合物における第13族元素源に含まれる第13族元素の含有量は、混合物に含まれる第13族元素及び第14族元素の含有量の合計を2モルとする場合に、0モルより大きく1モル未満であってよい。第13族元素の含有量は、好ましくは0.4モルより大きく、0.45モル以上、又は0.5モル以上であってよく、また好ましくは0.7モル以下、0.65モル以下、0.62モル以下、又は0.61モル以下であってよい。
混合物は、第13族元素源として少なくともアルミニウム源を含む場合、アルミニウム源におけるアルミニウムの一部が、ガリウム、インジウム、バナジウム、クロム、コバルト等の他の金属に置換されていてもよい。アルミニウム源が他の金属を含む場合、その含有率は、アルミニウムに対して、例えば10モル%以下であってよく、好ましくは5モル%以下であり、含有率の下限は、例えば1モル%以上である。
混合物に含まれる第14族元素源における第14族元素は、ケイ素、ゲルマニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも1種を含む。第14族元素源は少なくともケイ素源を含んでいてよい。
第14族元素源としては、第14族元素を含む化合物、第14族元素の単体、第14族元素を含む合金等が挙げられる。第14族元素を含む化合物としては、第14族元素を含む水素化物、酸化物、水酸化物、窒化物、酸窒化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物)、アミド化合物、イミド化合物、アジ化物、熱処理で窒化物を生成し得る化合物等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。第14族元素を含む金属化合物は、好ましくは窒化物、ハロゲン化物、水素化物、アミド化合物、イミド化合物等からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。第14族元素を含む化合物、第14族元素の単体、第14族元素を含む合金等は、購入して準備してもよく、所望の第14族元素を含む化合物、第14族元素の単体、第14族元素を含む合金等を製造して用いてもよい。第14族元素源は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第14族元素源(例えば、第14族元素を含む化合物)の純度は、例えば95質量%以上であり、99.5質量%以上が好ましい。純度を所定値以上とすることにより、不純物の影響を少なくして窒化物蛍光体の発光強度をより向上することができる。
混合物における第14族元素源に含まれる第14族元素の含有量は、混合物に含まれる第13族元素及び第14族元素の含有量の合計を2モルとする場合に、1モルより大きく2モル未満であってよい。第14族元素の含有量は、好ましくは1.3モル以上、1.35モル以上、又は1.37モル以上であってよく、また好ましくは1.6モル以下、1.55モル以下、又は1.5モル以下であってよい。
混合物は、第14族元素源として少なくともケイ素源を含む場合、ケイ素源におけるケイ素の一部が、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の他の第IV族金属に置換されていてもよい。ケイ素源が他の第IV族金属を含む場合、その含有率は、ケイ素に対して、例えば10モル%以下であってよく、好ましくは5モル%以下であり、含有率の下限は、例えば1モル%以上である。
混合物に含まれるセリウム源としては、例えば、セリウムを含む化合物、セリウム単体、セリウムを含む合金等であってよく、これらからなる群から選択される少なくとも1種であってよい。セリウムを含む化合物としては、酸化物、ハロゲン化物(例えば、フッ化物、塩化物等)、窒化物、水素化物、アミド化合物、イミド化合物、熱処理で窒化セリウム等を生成し得る化合物、合金等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよい。セリウム化合物として具体的には、酸化セリウム、窒化セリウム、フッ化セリウム、水素化セリウム、セリウムアミド等を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよく、好ましくは酸化セリウム、窒化セリウム及びフッ化セリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてよく、より好ましくは少なくとも酸化セリウム又はフッ化セリウムを含んでいてよい。セリウム源は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
セリウム源の純度は、例えば95質量%以上であってよく、好ましくは99.5質量%以上である。純度を所定値以上とすることにより、不純物の影響を少なくして蛍光体の発光強度をより向上することができる。
混合物におけるセリウム源に含まれるセリウムの含有量は、混合物に含まれる第13族元素及び第14族元素の含有量の合計を2モルとする場合に、0モルより大きく0.1モル以下であってよい。セリウムの含有量は、好ましくは0.001モル以上、又は0.005モル以上であってよく、また好ましくは0.05モル以下、又は0.03モル以下であってよい。
混合物は、セリウム源におけるセリウムの一部が、ユウロピウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム,イッテルビウム、ルテチウム等の希土類金属に置換されていてもよい。セリウム源が他の希土類金属を含む場合、その含有率は、セリウムに対して、例えば10モル%以下であってよく、好ましくは5モル%以下であり、含有率の下限は、例えば1モル%以上である。
混合物を構成する第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源及び第14族元素源のうち、少なくとも1種は窒素を含んでいてよく、第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源及び第14族元素源のすべてが窒素を含んでいてもよく、少なくとも第1族元素源、第2族元素源及び第13族元素源が窒素を含んでいてもよい。すなわち、第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源及び第14族元素源のうち少なくとも1種は窒素源を兼ねていてよく、第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源及び第14族元素源のすべてが窒素源を兼ねていてもよく、少なくとも第1族元素源、第2族元素源及び第13族元素源が窒素源を兼ねていてもよい。窒素源としては、窒化物、酸窒化物、アミド化合物、イミド化合物、アジ化物等を挙げることができる。
混合物は、金属フッ化物の少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。金属フッ化物としては、第2族元素のフッ化物、アルカリ金属フッ化物等を挙げることができる。金属フッ化物は、少なくとも第2族元素を含んでいてよく、第2族元素に加えて、リチウム、ナトリウム、カリウム、ホウ素、アルミニウム等をさらに含んでいてもよい。第2族元素のフッ化物に含まれる第2族元素は、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種であり、少なくともCaと、Mg、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種とを含むことが好ましく、Ca及びSrの少なくとも一方を含むことがより好ましい。また、金属フッ化物は、第1族元素源(例えば、リチウム源)、第2族元素源(例えば、カルシウム源、ストロンチウム源)等の少なくとも一部を兼ねていてもよい。混合物における金属フッ化物の含有量は、第13族元素源及び第14族元素源に含まれる第13族元素及び第14族元素のモル数の合計に対するフッ素原子のモル数の比(モル含有比)が、例えば0.02以上0.3以下となる量であってよく、モル含有比は0.02以上0.3未満が好ましく、0.02以上0.27以下がより好ましく、0.03以上0.18以下が更に好ましく、0.04以上0.13以下が更に好ましい。モル含有比を上記下限値以上とすることにより、フラックスとしての効果を十分に得ることができる。また、上記上限値以下することにより、フラックスを必要以上に含ませることなくフラックスの効果を得ることができる。
金属フッ化物の純度は、例えば95質量%以上であり、99質量%以上が好ましい。純度を所定値以上とすることにより、不純物の影響を少なくして蛍光体の発光強度をより向上することができる。金属フッ化物は、購入したものを用いてもよく、所望の金属フッ化物を製造して用いてもよい。
混合物は、金属フッ化物に加えて、それ以外のハロゲン化物等のフラックスを更に含んでいてもよい。ハロゲン化物としては、希土類、アルカリ金属等の塩化物等が挙げられる。原料混合物がハロゲン化物のフラックスを含む場合、その含有量は金属フッ化物に対して、例えば20質量%以下であり、好ましくは10質量%以下、5質量%以下、又は1質量%であってよい。
混合物は、酸素源を含んでいてもよい。酸素源としては、例えば酸化物、水酸化物、酸窒化物、炭酸塩等が挙げられる。また、酸素源は、第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源、第14族元素源及びセリウム源からなる群から選択される少なくとも1種を兼ねるものであってよく、好ましくは第14族元素源及びセリウム源からなる群から選択される少なくとも1種を兼ねるものであってよい。
混合物が酸素源を含む場合、混合物における酸素源に含まれる酸素原子の含有量は、混合物に含まれる第13族元素及び第14族元素の含有量の合計を2モルとする場合に、0モルより大きく0.1モル以下であってよい。酸素原子の含有量は、好ましくは0.003モル以上、又は0.005モル以上であってよく、また好ましくは0.05モル以下、又は0.04モル以下であってよい。
窒化物蛍光体の調製に用いられる混合物は、第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源、第14族元素源及びセリウム源を所定の量比で混合することにより調製できる。混合物における第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源、第14族元素源及びセリウム源の含有比は、目的とする窒化物蛍光体の組成に応じて適宜選択すればよい。例えば、混合物における第1族元素源、第2族元素源、第13族元素源、第14族元素源及びセリウム源の含有比は、窒化物蛍光体の組成とほぼ同一であってもよく、揮発する元素源を考慮して異なっていてもよい。
混合物は、混合物を構成する各成分を所望の配合比になるように計量した後、ボールミルなどを用いる混合方法、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダ―などの混合機を用いる混合方法、乳鉢と乳棒を用いる混合方法などにより各成分を混合することで得ることができる。混合は、乾式混合で行うこともできるし、溶媒等を加えて湿式混合で行うこともできる。
熱処理工程では、準備した混合物をタングステン製の密閉容器中で熱処理して熱処理物を得る。混合物をタングステン製の密閉容器中で熱処理することで、より高い発光強度を示すことができる窒化物蛍光体を効率的に製造することができる。混合物の熱処理を行う密閉容器は、実質的にタングステンで形成されていてよい。ここで実質的にとは、不可避的に混入する不純物を排除しないことを意味する。
ここで密閉容器とは、通常の取扱い、運搬又は保存状態において、固形の異物が混入することを防ぐことができる容器をいう(例えば、日本薬局方通則第37条)。密閉容器は、例えば、開口部を有する容器本体と容器本体の開口部を密閉する蓋とから構成され、熱処理条件下で固体の出入りを防ぐことができる。また、密閉容器では、熱処理条件下で気体の出入りが抑制されていればよく、完全には防止されていなくてもよい。密閉容器の容器本体の形状は、例えば、底部と底部を包囲する壁部とを有し、底部に対向する上部は開口部となっていてよい。容器本体の形状は、例えば円筒状、多角柱状、角型等であってよい。タングステン製の密閉容器は、少なくとも原料混合物が接触する部分が実質的にタングステンから形成されていればよく、好ましくは密閉容器全体が実質的にタングステンから形成されていてよい。
密閉容器に収容される混合物の量は、密閉容器の容量に対して、例えば60体積%以上100体積%以下であってよく、好ましくは75体積%以上99体積%以下であってよい。
窒化物蛍光体の製造方法においては、タングステン製の密閉容器を用いることで、混合物に含まれる第1族元素源(特に、リチウム)等が熱処理中に飛散すること、及び、熱処理容器と反応することが抑制されてよい。例えば、混合物に含まれるリチウムの含有量(モル数)に対する得られる熱処理物に含まれる含有量(モル数)の比率であるリチウム残存率は、例えば75%以上であってよく、好ましくは80%以上、又は85%以上であってよい。リチウム残存率が所定値以上であると得られる窒化物蛍光体の発光強度がより向上する傾向がある。なお、リチウム残存率の上限は100%以下、又は98%以下であってよい。
熱処理の温度は、例えば1300℃以上2100℃以下であってよく、好ましくは1800℃以上、又は1900℃以上であってよい。また熱処理の温度は、好ましくは2080℃以下、2060℃以下、又は2000℃以下であってよい。上記下限値以上の温度で熱処理することで、セリウムが結晶中に入り込み易く、所望の窒化物蛍光体が効率よく形成される。また熱処理温度が上記上限値以下であると形成される窒化物蛍光体の分解が抑制される傾向がある。原料混合物の熱処理は、例えばガス加圧電気炉を用いて行うことができる。
混合物の熱処理における雰囲気は、窒素ガスを含む雰囲気が好ましく、実質的に窒素ガス雰囲気であることがより好ましい。窒素ガスを含む雰囲気とすることにより、原料に含まれるケイ素を窒化させることもできる。また、窒化物である原料及び蛍光体の分解を抑制することができる。混合物の熱処理の雰囲気が窒素ガスを含む場合、窒素ガスに加えて、水素、アルゴン等の希ガス、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、アンモニアなどの他のガスを含んでいてもよい。また混合物の熱処理の雰囲気における窒素ガスの含有率は、例えば90体積%以上であり、95体積%以上が好ましい。窒素以外の元素を含むガスの含有率を所定値以下とすることにより、それらのガス成分が不純物を形成することによる蛍光体の発光強度の低下が抑制される。
原料混合物の熱処理における圧力は、例えば、常圧から200MPaとすることができる。生成する窒化物蛍光体の分解を抑制する観点から、圧力は高い方が好ましく、ゲージ圧として0.1MPa以上200MPa以下が好ましく、0.5MPa以上20MPa以下がより好ましく、0.6MPa以上1.2MPa以下が工業的な設備の制約も少ないので、さらに好ましい。
混合物の熱処理では、例えば室温から所定の温度に昇温して熱処理する。昇温時間は、例えば1時間以上48時間以下であってよい。昇温時間は、好ましくは2時間以上、又は5時間以上であってよく、また好ましくは30時間以下、又は20時間以下であってよい。昇温時間が上記下限値以上であると、窒化物蛍光体の粒子成長が充分に進行する傾向があり、またセリウムが窒化物蛍光体の結晶中に入り込み易くなる傾向がある。
混合物の熱処理においては所定温度での保持時間を設けてもよい。保持時間は、例えば0.5時間以上48時間以下であってよい。保持時間は、好ましくは1時間以上、又は2時間以上であってよく、また好ましくは20時間以下、又は10時間以下であってよい。保持時間を上記下限値以上とすることにより均一な粒子成長をより促進することができる。また、保持時間を上記上限値以下とすることにより蛍光体の分解をより抑制することができる。
混合物の熱処理における所定温度から室温までの降温時間は、例えば0.1時間以上20時間以下であってよい。降温時間は、好ましくは1時間以上、又は3時間以上であってよく、また好ましくは15時間以下、又は12時間以下であってよい。
熱処理工程後には、熱処理工程で得られる窒化物蛍光体を含む熱処理物に解砕、粉砕、洗浄、分級処理等の処理を組合せて行う整粒工程を含んでいてもよい。整粒工程により所望の粒径の粉末を得ることができる。具体的には、窒化物蛍光体を粗粉砕した後に、ボールミル、ジェットミル、振動ミルなどの一般的な粉砕機を用いて所定の粒径に粉砕することができる。洗浄は、例えば脱イオン水、酸性水溶液等の水を含む液媒体を用いて行ってよい。
熱処理工程で得られる熱処理物に含まれる窒化物蛍光体は、内部量子効率が、例えば87%以上であってよい。窒化物蛍光体の内部量子効率は、好ましくは88%以上、又は90%以上であってよい。また、窒化物蛍光体の組成の詳細については、既述の通りである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
Ca、CaF、LiNH、Si、AlN及びCeOを原料化合物として用いた。仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Li:Ce:Si:Alが、0.594:0.400:0.006:1.4:0.6となるように窒素ガス雰囲気のグローブボックス内で各原料化合物を計量し、混合して混合物を得た。この時、Caのモル比0.594のうち、約97モル%に相当する0.576をCaで、約3モル%に相当する0.018をCaFから得られるように計量した。原料混合物をタングステン(W)材質のルツボに充填し、蓋をして密閉した。窒素ガス(Nガスが100体積%)雰囲気で、ゲージ圧0.92MPa、1850℃で熱処理を行った。1850℃を保持した熱処理時間は、3時間であった。熱処理後は温度調節をすることなく、室温まで自然冷却させて熱処理物を得た。得られた熱処理物を、粉砕し、脱イオン水に分散させて洗浄した後、さらに塩酸による酸洗浄を行い、分級処理を行って、実施例1の窒化物蛍光体を得た。
実施例2
Ca、LiN、Si、AlN及びCeFを原料化合物として用いた。仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Li:Ce:Si:Alが、0.591:0.400:0.009:1.4:0.6となるように窒素ガス雰囲気のグローブボックス内で各原料化合物を計量し、混合して原料の混合物を得た。原料混合物をタングステン(W)材質のルツボに充填し、蓋をして密閉した。窒素ガス(Nガスが100体積%)雰囲気で、ゲージ圧0.92MPa、1950℃で熱処理を行った。1950℃を保持した熱処理時間は、3時間であった。熱処理後は温度調節をすることなく、室温まで自然冷却させて熱処理物を得た。得られた熱処理物を、粉砕し、脱イオン水に分散させて洗浄した後、さらに塩酸による酸洗浄を行い、分級処理を行って、実施例2の窒化物蛍光体を得た。
比較例1
原料混合物をタングステン(W)材質ではなく窒化ホウ素(BN)材質のルツボに充填したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の窒化物蛍光体を得た。
評価
発光特性
窒化物蛍光体の発光特性は、量子効率測定装置:QE-2000(大塚電子株式会社製)で励起光の波長を450nmとして測定した。実施例1及び実施例2の窒化物蛍光体については、比較例1の窒化物蛍光体の発光強度を100%として、相対発光強度(%)を求めた。結果を表1に示す。なお、表1には、熱処理温度、混合物におけるSiとAlの合計を2モルとした場合のセリウムのモル比を併せて示す。
反射率
窒化物蛍光体の反射率は、分光蛍光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、商品名F-4500)によって測定した。
中心粒径(Dm)
窒化物蛍光体の中心粒径は、体積基準の粒度分布において、小径側からの体積累積50%に対応する粒径として測定した。なお、体積基準の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(Malvern Panalytical社製、Mastersizer 3000)によって測定した。
組成分析
上記で得られた窒化物蛍光体について、ICP-AES装置(Perkin Elmer社製)、イオンクロマトグラフィーシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製/(旧)日本ダイオネクス株式会社製)により組成分析を行った。組成に含まれるAlとSiの合計を2モルとした場合の各元素のモル含有比を算出した。また、原料化合物の混合物に含まれるリチウムのモル量で窒化物蛍光体に含まれるリチウムのモル量を除してリチウム残存率(%)を算出した。結果を表2に示す。
表1に示されるように、ルツボ材質がタングステンである実施例1および2のほうが、ルツボ材質が窒化ホウ素である比較例1よりも発光強度が高く、内部量子効率も高いことが分かる。表2に示されるように、リチウムのモル含有比について実施例1のほうが比較例1よりも仕込み組成比に近くなっており、ルツボ材質がタングステンである実施例1のほうが、ルツボ材質が窒化ホウ素である比較例1よりも、熱処理におけるリチウムの飛散が抑制され、理論値に近い組成を有する窒化物蛍光体が得られたことが分かる。
比較例2
Ca、LiN、Si、AlN及びCeFを原料化合物として用いた。仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Li:Ce:Si:Alが、0.585:0.400:0.015:1.4:0.6となるように窒素ガス雰囲気のグローブボックス内で各原料化合物を計量し、混合して原料の混合物を得た。原料混合物をタングステン(W)材質のルツボに充填し、蓋をして密閉した。窒素ガス(Nガスが100体積%)雰囲気で、ゲージ圧0.92MPa、1950℃で熱処理を行った。1950℃を保持した熱処理時間は、3時間であった。熱処理後は温度調節をすることなく、室温まで自然冷却させて熱処理物を得た。得られた熱処理物を粉砕して、比較例2の窒化物蛍光体を得た。
比較例3
Ca、LiN、NaNH、Si、AlN及びCeFを原料化合物として用いた。仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Li:Na:Ce:Si:Alが、0.585:0.300:0.100:0.015:1.4:0.6となるようにしたこと以外は、比較例2と同様にして、比較例3の窒化物蛍光体を得た。
実施例3
仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Li:Na:Ce:Si:Alが、0.585:0.200:0.200:0.015:1.4:0.6となるようにしたこと以外は、比較例3と同様にして、実施例3の窒化物蛍光体を得た。
比較例4
仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Li:Na:Ce:Si:Alが、0.585:0.100:0.300:0.015:1.4:0.6となるようにしたこと以外は、比較例3と同様にして、比較例4の窒化物蛍光体を得た。
比較例5
仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Li:Na:Ce:Si:Alが、0.585:0.200:0.200:0.015:1.4:0.6となるようにし、原料混合物をタングステン(W)材質ではなく窒化ホウ素(BN)材質のルツボに充填したこと以外は、比較例2と同様にして、比較例5の窒化物蛍光体を得た。
評価
実施例3及び比較例2から5で得られた窒化物蛍光体について、上記と同様にして発光特性及び反射率を評価した。結果を表3に示す。なお、表3には、混合物におけるSiとAlの合計を2モルとした場合のリチウム及びナトリウムのモル比を併せて示す。また、表4に上記と同様にして得られた組成分析の結果を示す。
表3に示されるように、リチウムモル比が0.2かつナトリウムモル比が0.2である実施例3の方が、それ以外のリチウムモル比およびナトリウムモル比である比較例2から4よりも発光強度が高く、内部量子効率も高いことが分かる。さらに、ルツボ材質がタングステンである実施例3および比較例2から4は、ルツボ材質が窒化ホウ素である比較例5よりも発光強度、内部量子効率が大幅に高いことが分かる。
表4に示されるように、リチウムのモル含有比について、ルツボ材質がタングステンである実施例3および比較例2から4は、各原料化合物を混合して得られた、熱処理前の混合物でのリチウムのモル比の82%から91%が残存している。それに対し、ルツボ材質が窒化ホウ素である比較例5は約27%しか残存していない。このことから、ルツボ材質がタングステンである方が熱処理におけるリチウムの飛散が抑制され、仕込み組成比に近い組成を有し、発光特性の高い窒化物蛍光体が得られることが分かる。さらに、実施例3および比較例2から4は、いずれもナトリウムの残存がわずかである。ナトリウムは極めて飛散しやすいことが分かっており、ナトリウムが飛散した分は窒化物蛍光体中の欠陥となって結晶構造を構成していることが示唆される。しかし、実施例3に係る窒化物蛍光体では、窒化物蛍光体のリチウム量および欠陥の量が適切に調整されることにより、発光強度および内部量子効率が高くなったと考えられる。
実施例4
Ca、Sr、LiN、Si、SiO、AlN及びCeFを原料化合物として用いた。仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Sr:Li:Ce:Si:Al:N:Oが、0.495:0.100:0.400:0.005:1.4:0.6:2.993:0.005となるように窒素ガス雰囲気のグローブボックス内で各原料化合物を計量し、混合して原料の混合物を得た。原料混合物をタングステン(W)材質のルツボに充填し、蓋をして密閉した。窒素ガス(Nガスが100体積%)雰囲気で、ゲージ圧0.92MPa、1950℃で熱処理を行った。1950℃を保持した熱処理時間は、3時間であった。熱処理後は温度調節をすることなく、室温まで自然冷却させて熱処理物を得た。得られた熱処理物を粉砕して、実施例4の窒化物蛍光体を得た。
実施例5
仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Sr:Li:Ce:Si:Al:N:Oが、0.490:0.100:0.400:0.010:1.4:0.6:2.987:0.010となるようにしたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例5の窒化物蛍光体を得た。
実施例6
仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Sr:Li:Ce:Si:Al:N:Oが、0.485:0.100:0.400:0.015:1.4:0.6:2.980:0.015となるようにしたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例6の窒化物蛍光体を得た。
実施例7
仕込み組成比として、各元素のモル比である、Ca:Sr:Li:Ce:Si:Al:N:Oが、0.480:0.100:0.400:0.020:1.4:0.6:2.973:0.020となるようにしたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例7の窒化物蛍光体を得た。
評価
実施例4から7で得られた窒化物蛍光体について、上記と同様にして発光特性、反射率及び中心粒径を評価した。結果を表5に示す。なお、表5には、混合物におけるSiとAlの合計を2モルとした場合のセリウム、窒素原子及び酸素原子のモル比を併せて示す。
表5に示されるように、セリウムのモル比の変化に合わせて等量の酸素(O)を含むように組成を調製することによって、発光ピーク波長を調整しながら発光強度および内部量子効率が高い蛍光体を得ることができる。Ca2+サイトに賦活剤としてCe3+が入る傾向があり、さらに窒素(N)の一部が酸素(O)に置換されること、もしくは、例えばSiO相が生成して固溶体となることによる電荷補償により、発光強度および内部量子効率がより高い窒化物蛍光体が得られると考えられる。
本開示の窒化物蛍光体を用いる波長変換部材または発光装置は、例えば、シーリングライト等の一般照明装置、スポットライト、スタジアム用照明、スタジオ用照明等の特殊照明装置、ヘッドランプ等の車両用照明装置、プロジェクター、ヘッドアップディスプレイ等の投影装置、内視鏡用ライト、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォンなどの撮像装置、パーソナルコンピュータ(PC)用モニター、ノート型パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯情報端末(PDX)、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話などの液晶ディスプレイ装置等における光源に備えられる波長変換部材、発光装置として用いることができる。
10:発光素子、50:波長変換部材、52:波長変換層、54:支持体、70:蛍光体、80:蛍光体層、82:光透過層、100、110:発光装置。

Claims (12)

  1. リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第1族元素と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第2族元素と、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第13族元素と、ケイ素、ゲルマニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも1種を含む第14族元素と、窒素と、セリウムと、を含み、CaAlSiNと同じ結晶構造を有する結晶を母体結晶とし、450nm励起における内部量子効率が87%以上であり、
    前記第13族元素と前記第14族元素のモル含有量の合計を2とする場合に、
    少なくともリチウムを含む前記第1族元素のモル含有量が、0.15以上0.5以下であり、
    少なくともカルシウムを含む前記第2族元素のモル含有量が、0.5以上0.7以下であり、
    少なくともアルミニウムを含む前記第13族元素のモル含有量が、0.5以上0.61以下であり、
    少なくともケイ素を含む前記第14族元素のモル含有量が、1.37以上1.5以下であり、
    窒素のモル含有量が、2.9以上3.1以下であり、
    セリウムのモル含有量が、0.005以上0.03以下である組成を有し、
    前記組成に対応する元素源を含む混合物をタングステン製の密閉容器中で熱処理して得られる窒化物蛍光体。
  2. 前記窒化物蛍光体は、波長730nmにおける反射率が89%以上である請求項1に記載の窒化物蛍光体。
  3. 前記窒化物蛍光体は、中心粒径が20μm以上50μm以下である請求項1又は2に記載の窒化物蛍光体。
  4. 前記窒化物蛍光体は、下記式で表される組成を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体。
    (LiNaCaSr)AlSi:Ce
    (式中、s、t、u、v、w、x、y、z及びkは、0.15≦s≦0.5、0≦t≦0.0003、0.5≦u≦0.7、0≦v≦0.3、0.5≦w≦0.61、1.37≦x≦1.5、2.9≦y≦3.1、0.005≦z≦0.03、0≦k≦0.05を満たす。)
  5. 前記窒化物蛍光体は、組成にアルミニウム、ケイ素及びナトリウムを含み、組成におけるアルミニウムのモル含有量とケイ素のモル含有量の合計を2とする場合に、ナトリウムのモル含有量が0.00015以上0.0003以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体と、350nm以上480nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する励起光源と、を含む発光装置。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法であり、
    リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第1族元素源と、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第2族元素源と、アルミニウム、ガリウム及びインジウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む第13族元素源と、ケイ素、ゲルマニウム及びスズからなる群から選択される少なくとも1種を含む第14族元素源と、セリウム源と、を含む混合物を準備することと、
    前記混合物をタングステン製の密閉容器中で熱処理して熱処理物を得ること、を含み、
    前記第1族元素源、前記第2族元素源、前記第13族元素源及び前記第14族元素源の少なくとも1種が窒素を含み、
    前記混合物は、前記混合物に含まれる第13族元素と第14族元素の含有量の合計を2モルとする場合に、
    少なくともリチウムを含む第1族元素の含有量が、0.3モル以上0.7モル以下であり、
    少なくともカルシウムを含む第2族元素の含有量が、0.4モル以上0.7モル以下であり、
    少なくともアルミニウムを含む第13族元素の含有量が、0.5モル以上0.61モル以下であり、
    少なくともケイ素を含む第14族元素の含有量が、1.37モル以上1.5モル以下であり、
    セリウムの含有量が、0.005モル以上0.03モル以下である組成を有する、窒化物蛍光体の製造方法。
  8. 前記窒化物蛍光体は、リチウムを組成に含み、前記混合物に含まれるリチウムの含有量に対する前記熱処理物に含まれるリチウムの含有量の比率が75%以上である請求項7に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  9. 前記熱処理は、温度が1300℃以上2100℃以下の範囲内で行われる請求項7又は8に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  10. 前記熱処理は、窒素ガスを含む雰囲気下で、ゲージ圧が0.1MPa以上200MPa以下の範囲内で行われる請求項7から9のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  11. 前記混合物は、ナトリウム源を含み、前記混合物に対するナトリウムの含有率が0.1質量%以上5.0質量%以下である請求項7から10のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  12. 前記ナトリウム源は、ナトリウムアミド、フッ化ナトリウム、アジ化ナトリウム及び窒化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項11に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
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